レビュー
「フィードフォワード方式」と「フィードバック方式」をかけ合わせて騒音低減率がアップ

カナル型なのに20時間しっかりノイキャンできるAKG「N20NC」

ハーマンインターナショナルは、AKG(アーカーゲー)ブランドから、ノイズキャンセリング機能付きのカナル型イヤホン「N20NC」を2017年6月17日に発売した。同機は、コンシューマー向け上位モデル「N」シリーズ「N20」の音質を継承しつつ、新しいノイズキャンセリング機能を搭載したモデル。価格.comの人気売れ筋ランキングでは、ノイズキャンセリング機能付きのカナル型イヤホンカテゴリーで早くも2位につける(2017年6月30日時点)。そんな同機の人気の秘密を探ってみた。

2017年6月30日時点で、価格.com最安価格は17,799円。価格.comのカナル型イヤホンカテゴリー全体の人気売れ筋ランキングでは、32位につける

【関連記事】AKGの新しいカナル型イヤホン「N20」レビュー! スマホ向けモデルも用意

騒音低減率が高いノイズキャンセリング機能を20時間使える

そもそもノイズキャンセリングは、雑音と逆位相の音を発生させて雑音を相殺する機能だ。「N20NC」の最大の特徴は、その周囲の雑音を集めるためのマイクを2基搭載して騒音低減率を向上させる機能「ハイブリッド方式ノイズキャンセリング」を採用していることにある。これは、騒音集音用マイクをハウジング本体外側に配置する「フィードフォワード方式」と、鼓膜に近いドライバーユニット側に配置する「フィードバック方式」をかけ合わせたもの。本機は、同機能にAKG独自のキャンセリング信号回路を組み合わせ、すぐれた騒音低減率を実現しているわけだ。

上がノイズキャンセリングヘッドホンでよく採用される「フィードバック方式」の騒音集音用マイクの穴で、中央が背圧を逃すポート。写真下がノイズキャンセリング付きカナル型イヤホンでよく採用される「フィードフォワード方式」の騒音集音用マイクの穴だ

「ハイブリッド方式ノイズキャンセリング」の性能を確かめるべく、実際に同機能をオンにした状態で音楽を再生せずに試聴。屋外、オフィス内、電車の車両内で何が聴こえて何が聴こえなかったかをチェックした。

女性の声などキーが高い音はそこそこ聴こえる傾向にあったが、話している内容までは聞き取れなかった。ちなみに、このとき聴こえたのは、女性が行っていた街頭演説

会社の行き帰りに試用してみたのだが、本機の「ハイブリッド方式ノイズキャンセリング」は、上の表にあるように必要のない騒音や雑音をしっかりと減らしてくれた。いっぽうで、聞き逃したくない電車のアナウンスは聴こえたので、降りる駅を乗り過ごす心配がなく、安心して音楽に集中できた。そもそも、本機のコンパクトなオーバル型のハウジングは、耳へのフィット感が高く、遮音性も高い。これも、騒音低減にひと役買っているのだろう。

「ハイブリッド方式ノイズキャンセリング」は、「ノイズキャンセリングモジュール」(写真)のスイッチでオン/オフ可能。オンのときは、LEDライトが点灯する

軽量コンパクトなハウジングは、本体から音筒が斜めに伸びる「アングルド・イヤチップ」構造もあいまって、筆者の耳にはとても快適にフィット。装着した時の遮音性も高かった

ノイズキャンセリングを行う本機のモジュールは、microUSB経由で充電でき、約2時間でフル充電が可能。ノイズキャンセリング機能は約20時間連続使用できる。就寝時に充電をしておけば、次の日は充電を気にせずに安心して使用できるだろう。また、「パッシブ・モード」を搭載し、電源がなくなったときや電源オフ時には通常のカナル型イヤホンとして使用できるのがうれしい。バッテリー切れやバッテリーを節約したいときに重宝する機能だ。

メインのスマホと使う場合は「ノイズキャンセリングモジュール」がちょっとじゃま

次に、ケーブルの使い勝手をチェックする。

約1.2mのケーブルには「ハイブリッド・シース」構造を採用。ケーブルのYコネクターから下部には、柔軟性が高く断線しにくい布製被覆を、上部には衣類などの摩擦によるノイズを抑えるラバー被覆を採用し、快適な使い心地を実現している。

写真上のYコネクターからハウジングまで伸びるケーブルがラバー、写真下の「ノイズキャンセリングモジュール」から左右に出ているケーブルが布素材で覆われている

また、L側のハウジングから伸びるケーブル側に「4極プラグ対応スマートホン用マイク付ユニバーサル3ボタンリモコン」を搭載する。

リモコンは、iOS端末の場合、ミュージックアプリの再生・停止や曲送りなどの操作ができる

リモコンは、iOS端末の場合、ミュージックアプリの再生・停止や曲送りなどの操作ができる

背面にあるスイッチ(写真左)でリモコンをAndroid端末用かiOS端末用に切り替えられる。スマホ用のマイク(写真右)も搭載し、iOS端末の場合、Siriの音声操作も可能

筆者は今回、普段メインで使っている「iPhone 5s」に挿して試用したのだが、iPhoneをズボンのポケットに入れて歩きながら聴く際、「ノイズキャンセリングモジュール」の扱いにちょっと困ってしまった。モジュールからプラグまでのケーブルの長さが短いために、モジュールがポケットから飛び出てぶら下がっている状態になり、モジュールの重みでケーブルがブラブラ揺れてしまうのだ。

「N20NC」を挿したiPhoneだけをポケットに入れた状態

「N20NC」を挿したiPhoneだけをポケットに入れた状態

これは、気になる……。ケーブルの断線の恐れもありそうだ。そこで、モジュールもiPhoneと一緒にポケットにいれてみた。

筆者は身長約179cm。足りないわけではないが、少し短いか……

筆者は身長約179cm。足りないわけではないが、少し短いか……

すると、ブラブラ感は当然なくなったが、今度はケーブルの長さがギリギリでちょっと窮屈そう……。

ブラブラ感やケーブルの短さが気になるかどうかは個人差があると思うし、バッグに入れて使いそうなDAP(デジタルオーディオプレイヤー)や変換プラグが必要な「iPhone 7」に挿す場合は事情が変わってきそうなので一概には言えないが、せめてモジュールに小さなクリップでも付いていてポケットに固定できていたらなあと思ってしまった。

サイズを感じさせないワイドレンジ再生と、広々とした空間表現を実現

最後に、音質について。本機は10mm径のダイナミック型ドライバーを採用することに加え、振動板が振幅したときに発生する背圧を最適化する「ベンチレーション・システム」を搭載。コンパクトなサイズながらも、「ワイドレンジな再生」と「広々とした空間表現」を実現しているという。実際に聴いてみると、確かに音場の広さは少し感じられた。また、低域は若干弱めだが締まりがよく、中高域はクリアで伸びやか。全体的にクセが少なく、まとまりがある音という印象を受けた。

【まとめ】総合的にバランスがよいカナル型イヤホン

本機の「ハイブリッド方式ノイズキャンセリング」機能は、「ノイズキャンセリングモジュール」がかさばるくらいしかマイナスポイントが見つからないほどで、その性能は確かなもの。音質は好みにもよるが、クリアでまとまりのある音が好きな人なら気に入るであろう。総合的にバランスがよいことから、2万円以内の予算でノイキャン付きカナル型イヤホンを探しているのであれば、購入候補のひとつになるモデルと言えそうだ。

牧野裕幸(編集部)

牧野裕幸(編集部)

月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。

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