ダブルチューナーを搭載し、裏番組録画も利用可能

4K対応の50V型が5万円台! ドン・キホーテの格安4K液晶テレビを試した

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今、「ドン・キホーテの4K液晶テレビ」がAV家電市場をにわかに騒がせている。2017年6月15日に販売を開始した「50V型 ULTRAHD TV 4K液晶テレビ」(型番:LE-5050TS4K-BK)であるが、4K対応の50V型ながら59,184円(税込)という衝撃的なプライスをつけていたからだ。発売1週間で初回生産台数の3,000 台が完売。その人気ぶりは予約販売を一時停止するほどだったが、8月下旬に1,400台の追加導入が決定(今回の追加分をもって生産終了)。本日7月14日11時よりドン・キホーテグループオリジナル電子マネー「majica(マジカ)」会員限定で、店頭での予約販売が再開する。今回、このテレビを使用する機会を得たので画質や機能の特徴をくわしくレビューしよう。

プライベートブランド「情熱価格PLUS」の新商品としてドン・キホーテが販売する50V型の4K液晶テレビ「LE-5050TS4K-BK」。ロゴマークや機能紹介のシールなどの装飾がないシンプルなデザインだ

VAパネル&直下型LEDバックライトを採用。メインボードは東芝製

まずは、本モデルのハードウェア周りのスペックをチェックしていこう。

液晶パネルには4K解像度(水平3840×垂直2160)のVAパネルを採用。バックライトは直下型LEDで、スペック上の輝度は300カンデラ、コントラストは4000:1となっている。120Hzの倍速駆動には非対応ながらも、エッジ型ではなく直下型のLEDバックライトを採用するのがポイントで、5万円台という価格を考慮すると十分な性能のハードウェアを搭載している。

パネルの画素をマクロレンズで撮影した画像。VAパネルなので、サブピクセルの構成はRGB(赤緑青)にW(白)を加えたRGBW方式ではなく、RGB のサブピクセルが並ぶRGB方式となっている

さらに、5万円台の価格ながら、地上・BS・110°CSデジタルチューナーをそれぞれ2基搭載するのも特徴。HDMI入力も3系統装備しており、HDMI1(Ver.1.4)は音声出力も可能なARC(オーディオリターンチャンネル)に、HDMI2(Ver.1.3a)は外部機器からのコントロールが可能なCECに対応している。また、HDMI3(Ver.2.0)では4K映像の入力が可能だ。

背面の側面に、4K対応のHDMI3、mini B-CASカードスロット、イヤホン端子、アンテナ端子を配置

背面の側面に、4K対応のHDMI3、mini B-CASカードスロット、イヤホン端子、アンテナ端子を配置

データ放送用のLANポート、録画用のUSBポート、HDMI1、HDMI2、光デジタル音声出力、RCA入力は下向きにレイアウトされている

また、本モデルは、メインボードに「REGZA」ブランドの液晶テレビを手がける東芝映像ソリューションが開発したものを採用。REGZAと同じメインボードであることを期待できる点から、本モデルは一部ユーザーから“ジェネリックREGZA”と呼ばれて話題を集めている。ただし、REGZAと同じ高画質化技術や多彩な機能を搭載しているわけではなく、あくまでも東芝映像ソリューション製のメインボードをハードウェアとして採用しているにすぎない。東芝映像ソリューションのリリースにもあるように、同社はメインボードを提供しているだけで、製品の開発や設計、デザイン、企画、製造などにはかかわっていないとのことだ。

内蔵スピーカーは、最大出力8W×2chのステレオスピーカーを本体下部に下向きに装備。消費電力は約145W、待機時消費電力は約0.5W、年間消費電力量は約241kWh。スタンドを含めたボディサイズは約112.7(幅)×69.5(高さ)×28.6(奥行)で、重量は約11.01kgとなっている。

フレーム部の表面にはヘアライン加工があしらわれている

フレーム部の表面にはヘアライン加工があしらわれている

背面。VESAマウントの装着に対応している

背面。VESAマウントの装着に対応している

背面向かって右下に、電源、音量調整、チャンネル切り替えなどのボタンが並んでいる

背面向かって右下に、電源、音量調整、チャンネル切り替えなどのボタンが並んでいる

USB HDDの録画機能に対応。ゲームプレイ用の設定も搭載

機能面では、外付けのUSB HDDを接続することで録画機能を利用できるのが大きな特徴だ。番組表からの録画予約のほか、視聴中の番組をダイレクトに録画することも可能。視聴中以外の番組(裏番組)の録画にも対応している。録画の最大予約件数は64件で、最大総番組数は1000件。

7チャンネル表示の番組表を採用

7チャンネル表示の番組表を採用

画面の下部に番組情報が出るミニ番組表の利用も可能だ。このあたりの操作画面はREGZAに似ている

画面の下部に番組情報が出るミニ番組表の利用も可能だ。このあたりの操作画面はREGZAに似ている

番組表での録画予約の画面。連続ドラマなどを繰り返し録画予約する「連ドラ予約」に対応するなど、こちらもREGZAと同様のもの

さらに、REGZAに搭載されているゲームモードと同じような機能になるが、ゲーム機などを接続した場合に表示の遅延時間を短縮する機能が用意されているのも特徴。詳細な遅延時間は非公表だが、ゲームファンにはうれしい機能だ。

使ってみて気になったのは、全体的に操作のレスポンスがいまひとつなところ。最新の4Kテレビと比べると、番組表の操作や、チャンネル・入力の切り替え操作などの反応がワンテンポ遅い。価格を考慮すると致し方ないところではあるが、最新の4Kテレビを操作したことがある方だと少しとまどうかもしれない。

ひととおりの機能を搭載する付属リモコン。十字ボタンの右上にある「戻るボタン」の位置に慣れるのに少し時間がかかった

HDRや4Kアプコンには非対応だが、価格を考慮すると十分な画質

画質は、倍速駆動に非対応なので動きのある映像だと残像感が目立つのと、画面の周辺部でバックライトがやや暗い点が気になったものの、5万円台の4Kテレビとしては納得できるクオリティだ。

画面の周辺部でバックライトがやや暗くなるものの、格安の4Kテレビとしては実用十分だ

4K映像を表示したときの画面。画面の周辺部でバックライトがやや暗くなるものの、格安の4Kテレビとしては実用十分だ

特に4Kコンテンツは期待した以上の画質だった。HDR(High Dynamic Range)には非対応のため、Ultra HD Blu-rayの豊かな階調性や色表現力を引き出せるわけではないが、HDMI3にUltra HD Blu-rayプレーヤーを接続してUltra HD Blu-rayディスク『4K夜景 HDR』『ライフ・オブ・パイ』を再生してみたところ、4Kらしい精細感のある映像が映し出された。『4K夜景 HDR』は、暗部の階調性の低さが少し気になったが、細かいところはシャープに表現されていた。『ライフ・オブ・パイ』は、全体的にクリアさがもうひとつだったものの、映像の美しさは十分に体感できた。さすがに、HDRに対応する4Kテレビと比べると暗部・明部の階調性や色再現性で差があるものの、画質にそれほどこだわらない方であれば、4Kコンテンツの映像美を十分に味わえると思う。

2Kコンテンツについては、内蔵チューナーで地上デジタル放送を視聴してみた。2Kから4Kへの高性能なアップコンバート機能を搭載していないためか、斜め線に対するジャギーやブロックノイズが目立ち、精細感に欠ける感じはあるものの、意外に(と言っては失礼だが)キレイに映る。赤色などは飽和しがちなところもあるが、全体的に色かぶりが少ないのが好印象で、割り切って使う分には十分な画質だ。本モデルで2Kコンテンツをよりシャープな映像で楽しむには、4Kアップコンバート付きのUltra HD Blu-rayレコーダー/プレーヤーを利用したり、4Kアップコンバーターを組み合わせるのもひとつの方法となるだろう。

なお、テレビにくわしい方向けの情報となるが、HDMI3からの4K映像の入力は、4K/60p YCbCr4:2:0(8bit)まで対応しているようだ。Ultra HD Blu-rayプレーヤーから4K/60p YCbCr4:4:4(8bit)に拡張した映像の入力を試みたが、プレーヤーがテレビ側の対応をチェックして、自動的に4K/60p YCbCr4:2:0/8bitでの出力に切り替わった。4K解像度での映像出力が可能なノートPCでも接続を試してみたが、4K/60p RGBの入力は不可のようで、自動的に30Hz(30p)での接続となった。

Ultra HD Blu-rayプレーヤーの信号情報を表示した画面。4K/60p YCbCr4:2:0(8bit)で出力されていることがわかる。また、HDRはSDR(Standard Dynamic Range)となっている

使ってみて驚いたのは画質設定がしっかりと作り込まれていること。映像モードとして「あざやか」「標準」「ゲーム/PC」「映画」の4種類が用意されているほか、モードごとにバックライトの明るさやコントラスト、色の濃さ、シャープネスなどの調整が可能。内蔵チューナーとHDMI1、HDMI2についてはさらに細かい調整が可能で、カラーイメージコントロールやノイズリダクション、シネマスキャン、色温度、ダイナミックガンマなどの項目が用意されている。カスタマイズした設定は、内蔵チューナーと各HDMI入力で個別に記憶される仕様だ。

バックライトの明るさやコントラストなどの調整が可能(左)。内蔵チューナー、HDMI1、HDMI2はさらに詳細な画質調整が行える(右)

また、内蔵チューナー、HDMI1、HDMI2の画質設定の初期値は共通だが、HDMI3はそれとは異なっているのも興味深い。たとえば、「標準」の映像モードで比較してみると、内蔵チューナーなどはバックライトが40、コントラストが80、黒レベルが-15、色の濃さが+07、色合いが0、シャープネスが0となっているが、HDMI3はバックライトが25、コントラストが25、黒レベルが-5、色の濃さが+45、色合いが0、シャープネスが-50だ。シャープネスを最小値の-50に抑えていることからも、HDMI3ではおそらく4K映像の入力を意識しており、それにあわせたチューニングになっているのだろう。

左が内蔵チューナー、右がHDMI3の初期値。いずれも映像モードは「標準」。HDMI3は4K映像の入力を意識したチューニングになっているようだ

画質設定は初期値のまま利用してもいいが、視聴環境での照明の色や明るさにあわせて、細かい設定を追い込むことでより高画質な映像を楽しめる。環境や好みによって変わるところではあるが、映像モードを「標準」で使うのであれば、内蔵チューナーでもHDMI入力でも、バックライトは少し明るめにしたほうがいいだろう。HDMI3でUltra HD Blu-rayプレーヤーを接続して4K映像を楽しむ場合は、シャープネスは上げずに、色の濃さを少し落としたほうがいいように感じた。

まとめ 基本機能をしっかりと押さえたお買い得な4Kテレビ

本モデルの魅力は、何と言っても「5万円台で買える4Kテレビ」ということだ。さすがに10万円を超える最新の4Kテレビと比べると、4Kアップコンバート機能やHDR対応など画質面のスペックで見劣りするところがあるし、映像配信サービスへの対応など付加機能でも差を感じるところはあるが、ダブルチューナー内蔵で視聴・録画の基本機能をしっかりと押さえていることを考慮すると5万円台という価格は安い。とにかく4Kテレビを安く購入したいという方にとっては非常にお買い得な製品に感じることだろう。

画質については、これまでにいろいろな4Kテレビをチェックしてきた方だともの足りないかもしれないが、画質にあまりこだわらない方が「はじめての4Kテレビ」として使う分には十分なクオリティではないだろうか。

購入時に注意してほしいのは、本モデルはREGZAの廉価版ではないということ。東芝映像ソリューション製のメインボードを採用したことで“ジェネリックREGZA”という呼び方が先行してしまったが、本モデルは、REGZAの機能がそのまま搭載された製品ではない。画面表示や一部機能でREGZAに似たところはあるものの、ドン・キホーテが企画・開発した4Kテレビであり、画質や機能性を追求するREGZAとは方向性が異なる製品である。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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2017.9.25 更新
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