IFA2017のオーディオのもう一つの流れは、ワイヤレススピーカーだ。現在、ワイヤレススピーカーのトレンドは、「マルチルームスピーカー」と、Google/AmazonなどのAIアシスンタントに対応した「スマートスピーカー」に大別され始めているが、欧州ではシンプルな形である「マルチルームスピーカー」も人気となっている。
なかでも注目したいのが、日本でも展開中のMarshallが手がけるワイヤレス・アクティブスピーカー「Marshall WIRELESS MULTI-ROOM SYSTEM」だ。国内でも同名でラインアップしている「WOBURN」「STANMORE Bluetooth」「ACTON Bluetooth」をWi-Fi内蔵にしてマルチルーム対応としたことで、「Spotify Connect」「Chromecast built-in」という形でマルチ再生を実現している。デザイン性はもちろんあのマーシャルのギターアンプ風で、デザイン面から選びたいという人も多いはず。
初披露となった「Marshall WIRELESS MULTI-ROOM SYSTEM」
中型サイズの「STANMORE MULTI-ROOM」
小型サイズの「ACTON MULTI-ROOM」
「スマートスピーカー」の流れは、Amazon Alexaがブースを出展していたこともあり、小規模なブランドの出展も豊富。注目は日本でも人気のAnkerによるスマートスピーカーで、Ankerサブブランドの「eufy」から34.9ドルで発売されたスマートスピーカー「Genie」も展示されていた。また、Ankerがスマートオーディオをメインに取り扱うために新規に立ち上げたサブブランド「ZOLO」からもAmazon Alexa搭載の「Halo」が出展されていた。「Genie」はBluetooth非搭載だったが、こちらはしっかりと搭載されている。スマートスピーカーは高音質化の流れがあるいっぽうで、クラウドAIの機能重視なら5,000円以下から購入できる製品も増えてきているのだ。
IFA 2017に出展していた「Amazon Alexa」ブース
Ankerサブブランドの「eufy」から発売されているスマートスピーカー「Genie」。34.9ドルから購入できるというコストパフォーマンスが魅力の1台だ
同じくAnkerサブブランドの「ZOLO」から発売予定の「Halo」。こちらは発売日・価格ともに未定だが、あのAnkerが手がける製品なので、価格はそれほど高くならないと予想される
最後に紹介するのは、日本のベンチャーであるセレボが開発したロボット・デスクライト「Lumigent」の「Amazon Alexa」連携モデル。「Lumigent」自体は元々ボイスコントロールが可能な製品だったが、IFA2017では「Amazon echo」と接続して動くデモが披露された。あくまでもデモという形ではあるものの、なかなかユニークな試みだ。
セレボの「Lumigent」も「Amazon Alexa」の組み込みを予定
以上、スマートスピーカーのトレンドを見ると、シンプルな製品は低価格化が進み、また一体型デバイスとして組み込まれている未来像も見えてきた。Amazon Alexaが現時点で日本語に対応しないため、すぐに製品が登場する可能性は低いが、ソニー、パナソニックらの大手メーカーの高音質化の流れとあわせて、スマートスピーカーが身近になっていくのは間違いなさそうだ。