イベントレポート
高機能化が進む完全ワイヤレスから超高級アナログターンテーブルまで

【CES 2018】防水・音声アシスタント・ノイキャン・アナログ! 多様化するオーディオの最新トレンドを総チェック

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米国・ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「CES 2018」。映像関連製品のレポート第1弾に続き、今回はオーディオ製品のレポートをお届けする。

防水対応に音声アシスタントまで! 高機能化が進む完全ワイヤレスイヤホン

「CES 2018」は、ポータブルを中心にオーディオ製品も多数出展されている。そのなかでも今年のトレンドの中心にあったのは、やはり”完全ワイヤレス”だ。

日本でも、大手メーカーの製品が相次いで投入されたこともあり、ここ半年くらいで市場が一気に拡大している同分野。なかでも、ソニーの完全ワイヤレスイヤホンは、発売直後からかなりの注目度を誇っている。そんなソニーから、早くも同社として完全ワイヤレスヘッドホン第2弾となる「WF-SP700N」が登場することが発表された。

最大の特徴は、スポーツ用途という新しい切り口で開発されている点だ。具体的には、IPX4相当の防滴に対応し、サウンドチューニングも第1弾の「WF-1000X」と異なり、同社の”EXTRA BASE”のイヤホンの系統となった。ノイズキャンセル性能は防水用の設計のため、「WF-1000X」には及ばないものの、スポーツ時も安全に音楽を楽しめるように、外の音を取り込める「アンビエントサウンド」にはしっかりと対応を果たしている。ちなみに、「WF-1000X」のウリのひとつとなっていた行動検出による各種モードの切り替え機能については省略されている。バッテリー駆動時間は3時間となっており、「WF-1000X」と同等だ。価格は179ドルと手頃で、日本でも発売されれば人気になりそうだ。

ソニーの完全ワイヤレスイヤホン第2弾「WF-SP700N」。IPX4相当の防滴対応や”EXTRA BASE”シリーズのサウンドチューニングなど、スポーツ向けにカスタマイズされている

海外では積極的にヘッドホンを展開するJVCも自社ブースで完全ワイヤレスイヤホン「HA-ET90BT」を出展。こちらも切り口はスポーツ用途となっており、IPX5の防水に対応。また完全ワイヤレスで心配な装着性についても、3つのポイントでしっかりと支える構造とすることで、安定性を確保した。米国では3月頃の発売を予定しており、価格は149.95ドルだ。

ソニー、JVCともにスポーツ志向という切り口となったのは、“完全ワイヤレス”だけではない次の付加価値が求められる段階になったからだと言えそうだ。

JVC初となる完全ワイヤレスイヤホン「HA-ET90BT」。ビビッドなカラーリングが印象的だ

JVC初となる完全ワイヤレスイヤホン「HA-ET90BT」。ビビッドなカラーリングが印象的だ

完全ワイヤレスイヤホンの高機能化で、もうひとつ大きなトレンドとなっていたのが、音声アシスタントへの対応だ。

JABRAから発表された完全ワイヤレスイヤホン「Elite 65t」は、アップル「Siri」とGoogle「Googleアシスタント」、Amazon「Alexa」と3つの音声アシスタントに完全対応。加速度センサーも搭載し、位置情報のトラッキングにも対応する。IP56の防水/防汗/防塵性能も備え、フィットネス志向のJABRAらしい高機能スポーツ完全ワイヤレスイヤホンとなっている。価格は170ドル前後になるという。

JABRAの「Elite 65t」。スポーツ向けの多彩な機能を備えつつ、170ドル前後という手の届き安い価格を実現している

LINEの完全ワイヤレスイヤホン「MARS」もユニークな存在だ。同社のスマートスピーカーに搭載されている音声アシスタント「Clova」に対応し、イヤホン内蔵のマイクでボイスアシスタント機能を利用できるほか、翻訳サービス「NAVER Papago」もサポートしており、日本語、韓国語、英語、中国語、スペイン語、フランス語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語のリアルタイム音声翻訳にも対応している。

ボイスアシスタント対応もすでにイヤホンに組み込まれつつあるが、対応度は完全ワイヤレス選びの今後のトレンドとなる可能性大だ。

Clova対応とリアルタイム翻訳というユニークな付加価値の付いたLINEの「MARS」

Clova対応とリアルタイム翻訳というユニークな付加価値の付いたLINEの「MARS」

ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンもノイズキャンセル中心に好調

「CES 2018」の会場では、完全ワイヤレスタイプの製品だけでなく、通常タイプのワイヤレスヘッドホン・イヤホンも新製品が多数登場していた。

ソニーは、ケーブル一体型のノイズキャンセリング対応Bluetoothイヤホン「WI-SP600N」を発表。米国の価格は149ドルとなっている。この価格帯の製品ながら、定評のあるソニーのノイズキャンセル機能を楽しめるということで、価格と機能のベストバランスのモデルとしてかなり注目を集めそうだ。

「WI-SP600N」は、ケーブル一体型のBluetoothイヤホン。149ドルという価格ながら、ノイズキャンセリング機能を備えている

オーディオテクニカは、米国ではノイズキャンセルヘッドホン「QuietPoint」シリーズが人気となっているが、「CES2018」の会場では、「QuietPoint」シリーズのワイヤレス版となる「ATH-ANC700BT」が披露された。40mm口径のハイレゾ対応ドライバーを搭載し、BluetoothコーデックはaptXとAACに対応するなど、ヘッドホンの注目モデルになりそうな予感。

オーディオテクニカはノイズキャンセルヘッドホン「QuietPoint」シリーズのワイヤレスモデル「ATH-ANC700BT」を発表。価格は199ドルだ

オーディオテクニカの発売する新イヤホンのなかで、技術面でユニークなモデルだったのが、「ピュア・デジタル・ドライブ」テクノロジーを搭載のフルデジタル伝送ワイヤレスにイヤホン版「ATH-DSR5BT」。デジタルで振動板を駆動する技術「Dnote」をベースにしたDDC駆動回路を搭載した初のイヤホンだ。2つのダイナミック型ドライバーによるプッシュプル駆動方式構成を取り入れるなど、いかにも同社らしい設計。ワイヤレス伝送はapt-X HDにも対応するなど、なかなかのハイエンド仕様だ。

オーディオテクニカ「ATH-DSR5BT」。高音質ワイヤレスヘッドホンとして注目を集めそうだ。価格は399ドル

オーディオテクニカ「ATH-DSR5BT」。高音質ワイヤレスヘッドホンとして注目を集めそうだ。価格は399ドル

人気復活のアナログレコード。新製品も続々登場

日本でも近年人気が高まっているアナログレコード。日本よりも先に人気に火がついた米国でも、引き続き高い人気を誇っているようで、「CES 2018」でも新製品が相次いで発表されている。

オーディオテクニカは、既存のターンテーブルのラインアップに加え、最新モデルの「AT-LP7」を新たに追加。ベルトドライブ方式のアナログターンテーブルで、Hi-Fi用途も意識した40mm厚のMDFなど、なかなかに高級感のあるデザインだ。速度センサーを搭載するモーターにより回転速度を正確に維持するなど、機能面も見所が多い。価格は米国で799ドル。価格帯的は、アナログレコード入門モデルの一歩上がターゲットだ。

オーディオテクニカはターンテーブルの新モデル「AT-LP7」を初披露。価格は799ドルだ

オーディオテクニカはターンテーブルの新モデル「AT-LP7」を初披露。価格は799ドルだ

近年の国内ブランドのターンテーブルを語る上で、パナソニックの”テクニクス”ブランドははずせない。同社は、「IFA 2017」で予告した“リファレンスクラス”の新モデルとして、ターンテーブル「SP-10R」、ターンテーブルシステム「SL-1000R」を「CES 2018」にて正式発表した。

2016年に発売された「SL-1200G」同様、コアレス・ダイレクトドライブ・モーターを搭載したモデルだが、新モデルではトルクを強化した新開発のものを新たに採用。ウェイトは比重の大きいタングステン製で、慣性質量を約1トン・cmのプラッターを強力なモーターで駆動することで、ワウフラッターが0.015%という世界最高レベルの安定した回転を実現したという。また、マグネシウムパイプを用いた高感度トーンアームや、異種素材を組み合わせた高剛性筐体を採用したのもポイント。制御ユニットはメインユニットから分離した別筐体で、新開発の「不要ノイズ低減回路」を搭載しノイズ低減も図っている。

発売は2018年春を予定しており、価格は「SP-10R」が1万ドル前後、「SL-1000R」が2万ドル前後。ハイエンドを突き進むテクニクスから今後も目がはなせそうにない。

テクニクスファン待望の「SP-10R」と「SL-1000R」。ターンテーブルが約1万ドル、ターンテーブルシステムが約2万ドルという超高級モデルだ

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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