レビュー
ケーブルレスで「Chromecast」や「FireTV Stick」も楽しめる!

ソニーのスマホサイズのバッテリー内蔵モバイルプロジェクター「MP-CD1」速攻レビュー

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ソニーから、バッテリー内蔵のモバイルプロジェクターの新モデル「MP-CD1」が発表された。同社はこれまでにも、生活に溶け込むことをコンセプトにした「Life Space UX」シリーズの超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」や、壁や机に写した画面をタッチで操作できる「Xperia Touch G1109」など、ちょっと変わったモバイルプロジェクターを展開しているが、今回登場した「MP-CD1」は、小型・軽量でどこにでも持ち運びでき、高速起動しHDMIで接続するだけで簡単に利用できる点にこだわったという。さっそく発売前の製品を試す機会を得たので、今回は速攻レビューをお届けしたい。

ソニー「MP-CD1」。バッテリー内蔵のモバイルプロジェクターの最新モデルだ

プロジェクター機能と5,000mAのバッテリーをスマートフォン並みの小型ボディに凝縮

「MP-CD1」を手にしたところ

「MP-CD1」を手にしたところ

上記に掲載した写真は「MP-CD1」の本体を写したものだ。初めて手に取った瞬間は、思わず「小さっ!」と軽く叫んでしまった。本体サイズは約83(幅)×16(高さ)×150(奥行)mmと、スマートフォン並みのコンパクトサイズ。重量もバッテリー内蔵でわずか280gだという。これだけのコンパクトボディに、プロジェクターの機能と5,000mAのバッテリーを内蔵し、バッテリー駆動だけで約2時間も使えるというのだから驚きだ。

筆者の所有する「Xperia XZ Premium So-04J」と並べてみたところ。フットプリントはほぼ同じだ

筆者の所有する「Xperia XZ Premium So-04J」と並べてみたところ。フットプリントはほぼ同じだ

ここまでコンパクトなボディに仕上げることができた背景には、これまで同社がモバイルバッテリーの製品開発で培ってきた技術が大きく役立っているという。バッテリー内蔵のモバイルプロジェクターの小型化には、バッテリーの安全性を確保するためにプロジェクター部分から発する熱を排熱するための冷却機構が大きな課題となるわけだが、「MP-CD1」は外装にアルミ素材を使用することで、本体全体で効率的な自然放熱を促進。小型の内蔵ファン1基という最低限の冷却機構のみでモバイルバッテリーが安全かつ安定的に動作する温度を確保することで、これだけのコンパクトな本体を実現できたという。5,000mAhというバッテリー容量も、プロジェクター部と冷却機構を除いた部分にギリギリまでバッテリーを積んだことで実現したということで、まさにバッテリー開発から長年携わってきたソニーだからこそ成せる業といったところだろう。

「MP-CD1」は、外装をフルアルミで仕上げることで、本体全体で排熱を促すように設計されている。そのため、プロジェクターをONにした状態だと、本体全体がほんのり温かくなる

ちなみに、冷却ファンは一定の回転数で常時可動する形となっている。「MP-CD1」には出力1Wのモノラルスピーカーが搭載されているのだが、スピーカーから音が出ているときは駆動音はまったくといっていいほど気にならないが、静かな部屋でスライドを写すといったシチュエーションだと音が多少気になるかも知れない点は注意が必要だ。

「MP-CD1」の底面部分。メッシュ部分に冷却ファンが搭載されているほか、三脚穴も用意されている

「MP-CD1」の底面部分。メッシュ部分に冷却ファンが搭載されているほか、三脚穴も用意されている

電源ONにしてわずか5秒で立ち上がる! 簡単に使えることを優先して、機能はかなり割り切った仕様

ここからは、「MP-CD1」のプロジェクターとしての基本性能について紹介していこう。

搭載されているプロジェクターモジュールは、テキサス・インスツルメンツ社のDLPで、解像度はWVGA(854×480)。光源については、本体のコンパクト化のためにLED光源が使われており、独自の輝度最適化設計を用いることでコンパクトサイズながら105ANSIルーメンの輝度を確保している。

ここ最近のソニーのプロジェクターはレーザー光源を採用するモデルが多いが、「MP-CD1」はバッテリー駆動時間や本体のコンパクト化のためにLED光源が用いられた。光源寿命は約50,000時間だ

投映できる画面サイズは、投写距離が102cmで約40インチ、投写距離345cmで最大となる約120インチとなっている。輝度が105ANSIルーメンということもあり、最大サイズの約120インチはさすがに周囲がある程度暗くないと見えにくいが、約40インチであれば照明がある部屋でも十分使用できる明るさは確保されていた。

照明がついたオフィスでも、投写距離次第では十分使える明るさは確保されている

照明がついたオフィスでも、投写距離次第では十分使える明るさは確保されている

編集部の撮影室で明るさのテストした様子。上から投写距離40cm、1m、1.8mとなっている。さすがに明るい環境だと距離が離れると表示が薄れてみにくくなってくるが、暗い環境ではまったく問題ないレベルで表示できているのがわかる

映像入力端子はHDMIが1系統のみとかなりシンプルだが、その代わりに本体をONにしてから画面投写まで約5秒という高速起動を実現している。一般的なプロジェクターでありがちな電源ONから映像を映し出すまでのタイムラグや、表示切り替えで手間取ってすぐに使えないといったことがなく、HDMIを挿すだけで素早く簡単に使えるというはありがたい。

「MP-CD1」のインターフェイスはすべて右側面に配置。左から本体充電用のUSB-TypeC、給電用USB-TypeA、映像・音声入力用HDMI、音声出力用3.5mmジャックが並ぶ

いっぽう、高速起動で簡単に使える点にフォーカスしたためか、フォーカス調整が本体側面に用意されたスライダーによる手動調整であったり、画質モードが「標準」と「ダイナミックピクチャー」の2種類のみで細かな調整ができないなど、機能面はやや割り切った仕様だ。特にフォーカス調整については、スライダーが小さいため、投写距離によってはけっこうシビアだったりする。この当たりは意見が分かれそうなところではある。台形補正については、本体内蔵のジャイロセンサーで傾きを検出して補正する形で、補正可能範囲は垂直方向のみだが、±約40度まで補正が可能となっている。モバイル用途であることを考慮すれば、スペックはまずまずだ。

フォーカス調整はスライダーを手動で動かして行う形。可動範囲が思ったよりも少なく、微妙な調整がしにくいのが難点

USB給電機能も搭載! ChromecastやFireTVを接続すれば、ケーブルレスでどこでも楽しめる!

ここまで「MP-CD1」のウリである「小型・軽量」「高速起動」「HDMIで簡単に利用可能」などを紹介してきた。どちらかというと、コンシューマー寄りというよりビジネス寄り訴求ポイントだったわけだが、「MP-CD1」にはもうひとつ面白い機能があるので紹介したい。それは、「MP-CD1」の内蔵バッテリーを活かし、ケーブルレスでプロジェクター投影を楽しめる点だ。

冒頭でも紹介したとおり、「MP-CD1」は5,000mAの大容量バッテリーが内蔵されているわけだが、この大容量バッテリーを生かし、本体側面に用意された給電用USBポートからUSB給電が行えるようになっている。実はこの機能、プロジェクターと同時使用が可能となっており、Google「Chromecast」やAmazon「FireTV Stick」といったUSB給電で動かせる小型のメディアプレーヤーを用意すれば、パソコンやビデオカメラといったAV機器をHDMIケーブルで接続しなくても、ケーブルレスでコンテンツを楽しむことができるのだ。

試しに、手元にある「Chromecast」と「FireTV Stick」を試してみたが、これが実に便利だった。接続直後の起動に多少時間がかかる(といってもこれはテレビに接続した直後も同じことだが・・・)のがちょっと気になるが、ケーブルレスでどこでも楽しめるというのは思った以上に自由度が高く快適だった。

「Chromecast」の第2世代モデルを接続したところ。スマートフォンのキャスト機能でコンテンツをワイヤレスで飛ばして楽しめる

「FireTV Stick」の第2世代モデルを接続したところ。自宅の無線LANの設定さえあらかじめしておけば、家中どこでも持ち運んで「Amazon プライム・ビデオ」などを楽しめる

今回、自宅のいろいろな場所に持ち運んで投影してみたのだが、なかでも秀逸だったのが天井投影。ミニ三脚で固定した「MP-CD1」をベッド脇の床に設置し、床から2m40cm離れた天井に向けて投影するだけで、部屋に配置したセミダブルベッドと同じくらいの大画面を楽しむことができた。音に関しては、さすがに1Wの内蔵スピーカーだと物足りなかったので、別途用意したBluetoothヘッドホンを組み合わせてみたのだが、これが思った以上に大成功! さながら自分専用の“プライベートシアター”といった感じの環境を簡単に構築することができた。

床に設置した「MP-CD1」から天井に映像を投影したところ。投影サイズをつかみやすいようにあえてシーリングライトを画面の中に入れてみたが、シーリングライトのサイズからもかなり巨大な投影サイズであることがおわかりいただけるはずだ

もちろん、解像度がWVGA止まりのため、動かない細かな文字などを注意深く見るとドット感のようなものを感じるときがあったり、色温度高めのカラーチューニングで黒がやや浮いて見えるなど、画質面での課題は多少あるが、動いている映像ならそれほど気にならないし、なにより100インチ超の大画面を、ごちゃごちゃしたケーブル配線なしで手軽に楽しめるという点は大いに魅力的といえる。

映画の字幕程度の大きさの文字ならそれなりに読めるが、静止画の細かな文字などはやや厳しい

映画の字幕程度の大きさの文字ならそれなりに読めるが、静止画の細かな文字などはやや厳しい

最後にバッテリー駆動時間についてだが、USB給電機能を使っている状態では、投影だけの約2時間というスペックからは多少短くなるものの、「FireTV Stick」を接続して試した限りでは、20分弱のアニメ作品を5話連続で視聴することはできた。全体的に明るいシーンの多い作品だったので、落ち着いたトーンの作品なら、映画1本くらい余裕で再生できそうではあることは報告しておこう。

ビジネスシーンだけじゃもったいない!いろいろ遊べる1台

5秒で高速起動し、HDMIをつなぐだけで簡単に使えるなど、ビジネスシーンでプロジェクターを頻繁に使うユーザーにとって必要な機能をしっかりと押さえつつ、内蔵バッテリーで「Chromecast」や「FireTV Stick」をケーブルレスでどこでも楽しめるといったユニークな機能も盛り込んだ「MP-CD1」。ビジネスシーンはもちろんだが、リビングに持ち運んでゲーム画面を大画面に映し出してみんなでワイワイプレイしたり、旅行先などに持っていってスマホで撮影した写真や動画配信サービスのコンテンツを楽しむなど、プライベートシーンでもいろいろな使い方ができそうだ。市場想定価格は46,000円前後(税別)と、モバイルプロジェクターとしてはやや強気の価格設定だが、バッテリー内蔵でスマホ並みのコンパクトな本体で、カバンなどにスッといれて手軽に持ち運べる点はなかなかに魅力的。本製品を手に入れた方は、これまでにないモバイルプロジェクターの新しい使い方をぜひ試してみて欲しい。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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