「Ginza Sony Park」が2018年8月9日に開園する。昨年2017年3月に営業を終了した銀座ソニービルをリニューアルし、“ビルから公園へ”とその姿を変える。「変わり続ける公園」をコンセプトに、実験的なイベントやパートナーと共に展開するプログラムを実施する計画だ。開園に先だって、内部が報道陣に公開されたので、その様子をレポートしたい。
Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)
・開園期間:2018年8月9日〜2020年秋
・開園時間:5:00〜24:30
・休園日:1月1日
・住所:東京都中央区銀座五丁目3番1号
1966年にオープンした銀座ソニービルは、5年前の2013年に建替プロジェクトがスタート。プロジェクトは2018年から2020年のフェーズ1、2022年からのフェーズ2の2段階に分けられており、今回のGinza Sony Parkはフェーズ1の段階だ。フェーズ2では「変わり続ける公園」というコンセプトを拡張した新しいソニービルで、2022年に営業を開始する計画だ。
銀座ソニービルを取り壊した跡地を公園とした理由をソニー企業株式会社の代表取締役社長チーフブランディングオフィサーの永野大輔氏は次のように語った。「2020年に向けて、多くのビルが建っています。ソニーはあえて(ビルを)建てない。そこには、『人のやらないことをやる』というソニーのDNAがあります」
ソニー企業株式会社の代表取締役社長チーフブランディングオフィサーの永野大輔氏
また、「公園」というコンセプトは、1966年にオープンした銀座ソニービルのコンセプトを継承しているという。ソニー創業者の一人である盛田昭夫氏と建築家の芦原義信氏は、銀座ソニービルを「街にひらかれた施設」として銀座ソニービルをオープンしている。街にひらかれた場所として代表的なものが公園であり、人と街をつなぐインターフェイスとなるような施設を目指したという。
そんなGinza Sony Parkの見所は、立地性と余白の2つ。
立地性とは晴海通り、外堀通り、ソニー通りの3つの道路に面しており、数寄屋橋交差点にも面していることから、銀座とは思えないほどの開放感。また、東京メトロの銀座駅に直結し、西銀座駐車場にもダイレクトにアクセスできるなど、利便性も魅力のひとつ。ひらかれた公園を目指し、扉や壁を極力減らしているのもポイントだ。
地下は4階まで伸びており、いたるところにベンチが設置されており、何もないスペースが多くある。公園らしく、何でも自由にできる余白をもうけるのが狙いだ。天井や壁はコンクリートの打ちっ放しで、ところどころに古いタイルが見える。取り壊す最中に見つけた、図面にも載っていないタイルを、あえて残しているのだ。遊び心でもあるし、銀座ソニービルの歴史を感じ部分と言える。
余談だが、Ginza Sony Parkには多くのトイレが設けられている。その数は、8階建てだった銀座ソニービルよりも多いという。これも誰でも、気軽に立ち寄れる公園を目指したためだ。
テナントも6つと最小限に抑え、何もない余白を多くとっている
いたるところにベンチやイスが設けられており、銀座での買い物途中に休憩所としても使えそうだ
最後に各フロアとパートナー(テナント)を紹介したい。
地上フロアには日本緑化企画の「アヲ GINZA TOKYO」が入る。「買える公園」がコンセプトで、その場で植物が購入できるのが特徴だ。また、「TOKYO FM」のサテライトスタジオも入り口に設置されるほか、期間限定のポップアップストアとして、「トラヤカフェ・あんすたんど」で、かき氷などが楽しめる。
「アヲ GINZA TOKYO」
「TOKYO FM」のサテライトスタジオ
地下1階にはコンビニエンスストアをコンセプトにしたショップ「THE CONBENI」が常設店として入っている。ペットボトル入りのTシャツや、おにぎり型のタオルなど、ここでしか購入できないユニークなアイテムがそろっている。飲茶スタンド「MIMOSA GINZA」では、香港発祥のミルクティーやエッグタルトなどが楽しめる。なお、Ginza Sony Park内にある飲食店は、すべてスタンド形式で、レストラン形式のお店はない。購入した食べ物や飲み物を、公園内で自由に楽しんでもらうためだ。
地下1階へ降りる階段
「THE CONBENI」
東京メトロ銀座駅に直結している地下2階にはイベントスペースが設けられている。オープン時には、ローラースケート場が出現。「ウォークマン」の初号機のパッケージからインスパイアされたプログラムで、同社製のオーディオシステムから大音響で流れる音楽といっしょにローラースケートが楽しめる。
ローラースケートを無料で楽しめるローラースケート場
地下3階は西銀座駐車場地下2階と直結している。この階には、「トラヤカフェ・あんスタンド」があり、ミニサイズの「あんペースト」を製造・販売している。
「銀座限定土産あんペースト」は433円(税込)、通常のあんペーストは658円〜1,296円(税込)
「Xperia Touch」などを試せるスペース
西銀座駐車場と直結。もともと駐車場だった階なので、駐車場の番号がそのまま残っている
地下4階はクラフトビール専門店を展開するSPRING VALLEY BREWERYの新コンセプトデリ「“BEER TO GO” by SPRING VALLEY BREWERY」が入る。16種類のクラフトビールなどが楽しめる。クラフトビールの容器は、珍しいマグ付きで提供される。同フロアにはライブ会場があり、毎週金曜日にライブが開催される予定だ。出演アーティストは当日に発表されるという面白い趣向となっている。
地下4階へのらせん階段は、銀座ソニービル時代のものをそのまま使用している
“BEER TO GO” by SPRING VALLEY BREWERY。16種類のクラフトビールと12種類のデリやグリルが楽しめる
ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!