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オーディオ再生系の機能を強化!

最新DENON製品で試す「AirPlay 2」 〜これまでのAirPlayとココが違う〜

DENON製品で「AirPlay 2」を検証した

DENON製品で「AirPlay 2」を検証した

「AirPlay」は、Apple製品を中心に搭載されている動画と音楽をワイヤレス転送する規格。始まりは2004年発売の「AirMac Express」向けに用意されたオーディオ専用ストリーミング規格(当時の名称は「AirTunes」)で、音楽をロスレスでワイヤレス送信できることを特長としていたが、2010年発売の第2世代Apple TVにあわせ映像規格を追加、そのタイミングで名称もAirPlayに変更された。

この新しい規格はサードパーティーにも開放され、iPhone/iPadの大ヒットに後押しされ急速に普及。多くの対応製品がサードパーティーから発売されたが、Appleからのライセンスはオーディオ信号のワイヤレス転送に関する機能(旧AirTunes)に限定された。映像を受信できるのはApple TVのみで、AirPlay対応をうたうサードパーティー製品はAVアンプであってもオーディオ用途オンリー、iPhoneやMacなどApple製品から転送されてきた音楽ストリームを受信/再生することがその役割だ。

2018年6月公開のiOS 11.4からサポートが開始された「AirPlay 2」は、そのAirPlayの機能拡張版に位置付けられる。動画部分の仕様はほぼ従来どおりだが、オーディオ再生系の足腰を強化することで、より広範な活用を可能にする。「マルチルーム再生」と「バッファ機能の強化」がその主な改良点だ。

対応製品は主要メーカーから順次登場する見込みだが、ここ日本ではD&Mの「DENON」および「Marantz」ブランドの製品が先行している。マルチルーム再生は複数のAirPlay 2対応製品を用意しないことには試せないため、D&M協力のもとDENONブランドの製品を利用してさまざまなテストを行った。

5.6MHz DSD再生も可能なネットワークプレーヤー「DNP-800NE」がいち早くAirPlay 2に対応

5.6MHz DSD再生も可能なネットワークプレーヤー「DNP-800NE」がいち早くAirPlay 2に対応

オールインワンのネットワークCDレシーバー「RCD-N10」もAirPlay 2をサポート

オールインワンのネットワークCDレシーバー「RCD-N10」もAirPlay 2をサポート

サウンドバー「HEOS HomeCinema」もAirPlay 2に対応している

サウンドバー「HEOS HomeCinema」もAirPlay 2に対応している

まず試したのは、同じWi-Fiネットワークに接続すると、AirPlay 2対応コントローラ(iOS 11.4以降が動作するiPhone/iPad)でどのように見えるか、ということ。従来のAirPlayはトランスミッター(送信側)とレシーバー(受信側)が1対1の関係だったため、iPhone/iPad側でレシーバーを選べば接続は完了していたが、マルチルーム再生が前提のAirPlay 2はどのようになるかピンとこない。

結論からいうと、ユーザインターフェイスに変更はほぼない。現在のiOSでは、接続方法の違い(AirPlay/Bluetooth/有線イヤホン)を問わず、コントロールセンター左上の音楽再生用コントローラから出力先を変更するが、AirPlay 2対応オーディオ機器はここにまとめて表示される。ただし、従来のAirPlayとは異なり、チェックボックス(BluetoothスピーカーなどAirPlay 2非対応機器には表示されない)に「✔」を入れたオーディオ機器へ一斉に出力されるのだ。つまり、AirPlay 2対応機器はチェックボックスで出力をオン/オフできるスピーカーとしてiOSに認識されることになる。

音量調整はダイアログ下部のスライダーをドラッグすることで行うが、これはAirPlay 2対応機器の音量をまとめて変更するときに使う。それぞれで音量調整するときは、オーディオ機器名の下にある個別スライダーを操作するのだ。なお、ダイアログ下部のスライダーをドラッグしても個別スライダーの音量差は維持されるため、すべてのAirPlay 2対応機器が一斉に同じ音量になるわけではない。

いってしまえば、AirPlay 2と従来のAirPlayと表面上の違いはこれだけだが、注意深く観察すると改善点もわかる。ダイアログ下部のスライダーを操作すると、すべてのAirPlay 2対応機器が一斉に、リアルタイムと言っていいほどタイムラグを感じさせずに音量が変わる。それぞれのAirPlay 2対応機器から聞こえる音もそろっており、ズレは感じられない。このあたりは、AirPlay 2で強化されたバッファ機能が奏功しているのだろう。

オーディオ機器ごとに異なる音源を再生することもできるが、コントロールセンターのダイアログから出力先を決めたうえで再生を開始することはできない。通常1台のiPhone/iPadが再生できるのは1曲だけ(オーディオ出力の制御を許されるのは1つのアプリに限られる、そのため別なアプリで再生すると制御はそのアプリに移る)というiOSの動作ルールを考えると、もっともなこと。ただし、別のiPhone/iPadが同じネットワーク上で再生指示を出すことはでき、ダイアログが分かれて表示されるため一目瞭然だ。

ダイアログ下部のスライダーを左右へ動かすと、チェックしたすべてのオーディオ機器(AirPlay 2対応)の音量が同じ割合で上下する

チェックを外すとオーディオ出力が止まる。それぞれのスライダーを操作すれば、個別に音量を調整できる

チェックを外すとオーディオ出力が止まる。それぞれのスライダーを操作すれば、個別に音量を調整できる

他のiPhone/iPadから(AirPlay 2経由で)再生指示を出しているオーディオ機器は、ダイアログが分かれて表示される

このように、AirPlay 2を利用した音楽再生は単純明快、iOSにシームレスに統合されていることがわかる。今回は取材申し込みの経緯から、D&MのDENONブランドのみでテストしたが、ここに他社製品(もちろんAirPlay 2対応機器)を含むこともできる。いろいろなメーカーのさまざまな個性のオーディオ機器が、統一された操作性でコントロールできることがAirPlay 2の大きなメリットであることは間違いない。

D&MがいちはやくAirPlay 2に対応できた理由としては、製品に「HEOS(ヒオス)」と呼ばれるネットワークモジュール(オーディオに特化したOSで動く小さなコンピュータと考えるとわかりやすい)が搭載されていることが挙げられる。逆にいえば、D&Mの製品ではHEOS搭載機でないかぎりAirPlay 2には対応していない。ただし、HEOS搭載機イコールAirPlay 2対応機かというとそうではなく、「新世代のHEOSモジュールを搭載した製品に限られます」(広報担当)とのこと。2017年に発売された「HEOS 1」などのワイヤレススピーカーは前世代のHEOSを積むため、今後もAirPlay 2に対応する計画はないという。

ところで、HEOSはネットワーク(DLNA/UPnP)再生機能にくわえ、SpotifyやAWAなどのストリーミングサービス、USBメモリーなどのストレージ再生にも対応し、コントローラとして独自のスマートフォンアプリも提供している。マルチルーム再生もサポートしているため、さらにAirPlay 2をサポートする必要はないのではと考えてしまうが、「AirPlayはApple製品とシームレスにつながる規格で、それを必要とするお客さまもいらっしゃいます。他社製品と組み合わせるもよし、HEOSが提供する機能を使うもよし、ご自由に活用してください」(広報担当)とD&Mのポリシーはすこぶる明快。とりあえず、今後登場するHEOS搭載製品はAirPlay 2に対応すると考えられるため、オーディオ機器のネットワーク対応度を計る際のチェック項目になるはずだ。

今後登場する最新世代のHEOSを積むD&M製品であれば、AirPlay 2を利用できると考えていい

今後登場する最新世代のHEOSを積むD&M製品であれば、AirPlay 2を利用できると考えていい

海上 忍

海上 忍

IT/AVコラムニスト、AV機器アワード「VGP」審査員。macOSやLinuxなどUNIX系OSに精通し、執筆やアプリ開発で四半世紀以上の経験を持つ。最近はAI/IoT/クラウド方面にも興味津々。

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