ニュース
デザイン大幅刷新&新設計でサウンド強化

“新世代マランツ”「30」シリーズ誕生! ネットワークSACDプレーヤーとプリメインアンプが刷新


マランツから、新しいHi-Fiコンポーネント「30」シリーズが発表された。登場したラインアップは、ネットワーク対応のSACDプレーヤー「SACD 30n」と、プリメインアンプ「MODEL30」。2機種とも価格は27万円(税別)で、2020年9月上旬より発売を開始する。“新世代マランツ”とも呼べる新しいHi-Fiコンポーネントとして誕生した2機種の特徴を紹介しよう。

マランツHi-Fiは外観も中身も“新世代”へ

今回の30シリーズを機に、マランツはブランド全体をリ・ブランディング。その変化はまず見た目に現れており、2004年発売の「11S1」から続いていた同社Hi-Fi製品のフロントデザインが刷新された。かつての“オールドマランツ”を彷彿とさせるクラシカルな趣も備えつつ、現代的なイメージも同居する新世代のデザインに生まれ変わっている。

そしてもちろん、その進化は見た目だけではない。デザインの刷新に合わせて、機構設計の全面的な見直しが行われ、サウンドに関わるビルドクオリティも大きく向上している。同社によれば今回の2機種は、それぞれ「30万円クラスの過去モデルに匹敵するSACDプレーヤー」と「セパレートアンプ規模のプリメインアンプ」であるとのこと。以下より、個別に詳細を見ていきたい。

おなじみ、従来のマランツHi-Fiコンポーネントのデザインがこちら

おなじみ、従来のマランツHi-Fiコンポーネントのデザインがこちら

新発表された30シリーズがこちら。デザインが変わり、シャーシもより高品位な仕様に。フロントパネルに用いられる鋼板の厚みはSA-12と同等とし、アルミ製サイドカバーは12シリーズを超える最厚部5.7mmの高剛性なアルミパネルを採用している

マランツ史上最強のネットワーク機能を搭載したSACDプレーヤー

まずは、ネットワーク機能を搭載するSACDプレーヤー、SACD 30nから紹介しよう。基本のSACD/CD再生のほか、マランツ独自のネットワーク再生システム「HEOSテクノロジー」によるネットワーク再生、Amazon Music HDなどの音楽ストリーミングサービスの聴取が可能だ。ワイヤレス再生ではAirPlay 2、Bluetoothに対応。ハイレゾは最大192kHz/24bit PCMおよび5.6MHz DSDまでの入力ソースに対応し、ディスクに記録したハイレゾ音源の再生も行える。

また、最大384kHz/32bit PCM 、11.2MHz DSDの入力に対応するUSB-DAC機能も搭載し、さらにUSBメモリーや外付けUSB-HDDを接続しての音楽再生も可能な多機能モデルとなる。Amazon Alexaと連携させての音声操作も可能。マランツは「マランツ史上最強のネットワーク再生を備える」とアピールする。

本体サイズは443(幅)×130(高さ)×424(奥行)mm(ロッドアンテナを寝かせた場合)で、重量は13.7kg。音声入力端子は同軸デジタル×1、光デジタル×2、USB-A×1、USB-B×1、音声出力端子はアナログアンバランス(FIXED)×1、アナログアンバランス(VARIABLE)×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1、ヘッドホン×1を装備

その内部には、フラッグシップモデル「SA-10」から継承するオリジナルのディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」を採用。MMMは、デジタル基板に配置するデジタルフィルター「MMM-Stream」と、そこから出力されるDSD信号をアナログ変換する「MMM-Conversion」(アナログ基板に配置)で構成される。MMM-Streamが独自のアルゴリズムによってPCM信号を1bit DSDデータに変換し、後段のMMM-Conversionに送り出す仕組みになっており、その処理をすべて自社開発のアルゴリズム&パラメーターで行うことで、マランツの理想とするサウンドを具現化するというものだ。

SACD 30nでは新たに、MMM-Conversionによるアナログ変換直前でアイソレーションする独自の「MMM内蔵型のコンプリートアイソレーションシステム」を採用。これによってデジタル/アナログステージの完全な分離を実現し、高周波ノイズによる音質への悪影響を抑えた設計としている。

オリジナルのディスクリートDAC「MMM」と、コンプリートアイソレーションシステムを搭載するのが特徴。磁気カップリング技術による高性能デジタルアイソレーターによりデジタル処理回路とD/A変換部以降を電気的に絶縁し、ノイズをカットする

また本機は、先述の通り「マランツ史上最高のネットワーク再生」をうたっている。そのポイントは、オリジナルDACの採用とともにネットワーク再生時の高品位クロック供給を実現するプレミアム・クロック・リジェネレーターを搭載していること。これによりHEOSネットワークのプレミアム化を実現し、SACD/CD/USB-DACクロックとしてもグレードアップした。

ネットワーク再生時の高品位クロック供給を実現するプレミアム・クロック・リジェネレーター。新採用のジッタークリーナーにより、ネットワーク音源の再生においても非常に低ジッタークロックでの再生が可能に

なお本機は、SA-12と同等の設計思想を受け継ぎながら、価格的には約1割ダウンを実現している。かなり細かい部分でコスト調整が行われたようだが、そのひとつがSACD 30n専用に開発されたプレミアムグレードのSACDメカエンジン「SACDM-3L」。基本構造はSA-12と同じだが、ローダーのグレードを下げることでコストを抑えた。このように、サウンドクオリティを保ちつつ細部の仕様を調整することで価格の見直しを図り、コストパフォーマンスを高めているのが30シリーズ全体の大きな特徴となる。

専用メカエンジン「SACDM-3L」。クオリティを維持しながら、細部の仕様を変更してコストダウンを実現

専用メカエンジン「SACDM-3L」。クオリティを維持しながら、細部の仕様を変更してコストダウンを実現

そのほか、専用開発の新規パーツや高剛性シャーシ、インシュレーターなどを採用。SACD30nのために開発した3900uFのカスタムブロックコンデンサーや、MELF型金属皮膜抵抗、リード型金属皮膜抵抗、銅箔フィルムコンデンサー、銅プレートバスバーなどを使用している

ヘッドホンアンプ部にもこだわっており、独自のHDAM-SA2入力段を搭載したフルディスクリート電流帰還回路を搭載。3段階ゲイン切り替えも行える。ヘッドホンジャックを抜くと、自動的に回路の電源をオフにする機能も

セパレートアンプ規模を実現するプリメインアンプ

続いて、プリメインアンプのMODEL 30を見ていこう。マランツいわく「サイズの制約から解放された新時代のプリメインアンプ」としてラインアップする1台。アナログアンプとスイッチングアンプをうまく融合させることによって進化しており、プリ部とパワー部で独立したセパレート電源を搭載するといった高品位仕様となる。

本体サイズは443(幅)×130(高さ)×431(奥行)mmで、重量は14.6kg。音声入力端子はアンバランス×5、PHONO ×1、POWER AMP IN×1、音声出力端子はプリアウト×1、RECアウト×1、ヘッドホン×1を装備する。小型でありながら高いドライブ力をもつ Class-Dパワーアンプを搭載

スイッチングアンプの採用により、パワーアンプ回路およびヒートシンクを小型化。このクラスのプリメインアンプとしては圧倒的に大きなスペースをプリアンプのために用い、音質を最優先した回路設計、レイアウトおよびパーツ選定を行った

まずプリ部には、プリメインアンプとしては破格の規模の専用電源とオーディオ回路を実装。従来モデル「PM-12」で開発したHDAM搭載の電流帰還型フルディスクリートプリアンプを搭載しており、新たにJRC製高性能電子ボリューム「MUSES 72323」を採用するほか、JFET入力によってカップリングコンデンサを排除した設計としている。また、プリアンプ専用の独立電源にはOFC巻線大型トロイダルトランスを採用し、従来の4倍の電流供給能力を確保した。

マランツ独自の高速アンプモジュールHDAM-SA3を用いた電流帰還型アンプに、JFET入力とDCサーボ回路を組み合わせた1段構成のプリアンプ回路を搭載

プリアンプ専用の電源回路を搭載し、パワーアンプによる電力消費量の変動に影響を受けない安定した電源供給を可能に。高純度かつゆとりのある電源供給のために、プリアンプ専用に大容量トロイダルコアトランスを搭載。6800μFのカスタムブロックコンデンサーも採用する

パワー部には、既存モデル「PM-10」「PM-12」と同じHypex社製のクラスDスイッチング・パワーアンプ・モジュール「NC500」を搭載。200W+200W(4Ω)の大出力を実現する。これにより、サイズの制約を超えた大出力とスピーカー駆動力を確保した。

スピーカーリレーを使用しない保護回路を採用し、パワーアンプモジュールをリアパネルのスピーカー出力基板に直接取り付け。パワーアンプモジュールからスピーカー端子までの経路を約10mmにまで短縮し、接点数も半減させた。その結果、PM-12 OSEと同様にPM-14S1の4倍以上のダンピングファクターを実現

またフォノイコライザーには、MM型/MC型両方式に対応する「Marantz Musical Premium Phono EQ」を搭載する。無帰還型MM用アンプ+MC用ヘッドアンプのフルディスクリートの2段構成で、マランツ独自のHDAM、HDAM-SA2によるアンプ回路としている。

フォノイコは、3段階入力インピーダンス切り替えが可能(MC対応)。JFET入力を採用し入力カップリングコンデンサを排除しているほか、DCサーボ回路を採用し出力カップリングコンデンサを排除

というわけで、マランツの新世代Hi-Fiコンポーネント、30シリーズを見てきたが、いかがだっただろうか? デザインを含めた設計のブラッシュアップによって総合的にバランスを取ることで、コストダウンを実現したのが大きなポイントだ。もちろん、サウンドに関わる設計には妥協がなく、音質に影響のない部分のみを細かく調整していったという。“新世代マランツ”として今後も新しい製品が追加されていく予定とのことで、30シリーズのこれからの展開にも期待したい。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る