選び方・特集
音質&コスパに秀でた注目モデルを厳選!

イヤホンのプロが選んだ1万円以下で買える良音質な有線イヤホン9選

イヤホンのプロが選んだ1万円以下で買える良音質な有線イヤホン9選

イヤホンが、販売台数においてもワイヤレスがワイヤードを上まわるようになり、本格的なワイヤレスの時代へと突入することとなった。スマートフォンとの相性がよいこともあって、今後しばらくはBluetoothイヤホン全盛時代が続きそうだが、そのいっぽうでワイヤード、有線イヤホンが高級モデルなどで根強い人気を保ち続けているのも確かだ。なぜなら、有線イヤホンにはいくつかのメリットがあるからだ。

メリット1.コストパフォーマンスがいい
ワイヤレスは、無線伝送するシステムが必要となり、かつバッテリーの搭載も必須。しかも、それらを小柄なイヤホンに搭載しなければならないため、どうしてもコストが割高になってしまう。対してワイヤードは、シンプルなシステムのためコストパフォーマンス的にはとても有利な傾向を持つ。

メリット2.音切れがない
ワイヤレスイヤホンは電波状況の善し悪しに左右されるため、街中で使用するとどうしても接続が途切れてしまうことがある。対してワイヤードは音切れすることがまったくない。

メリット3.高音質
Bluetoothワイヤレスイヤホンは、確実な伝送を行うため圧縮等が行われており、ハイレゾ音源などは本来の音質より低下してしまう。また、完全ワイヤレスイヤホンではとても小さな空間に無線伝送するシステムからバッテリーまですべてを搭載しなければならず、音質に悪影響を与えがち。そのため、シンプルな構成のワイヤードイヤホンが音質の面でも有利となることが多い。

安くて音がよい、そして音切れもない、というのがワイヤードのアドバンテージと言える。
もちろん、ワイヤードイヤホンにもいくつかデメリットもある。

デメリット1.ケーブルがうっとうしい
特に屋外で使用する場合は有線ケーブルが邪魔になり、うっとうしく感じる人も多いと思う。ワイヤードの数少ない、それでいて最大の弱点と言っていいだろう。室内のデスクまわりでの利用や、小型DAP(デジタルオーディオプレーヤー)をポケットに入れて動けるようにするなど、場所や使いこなしでひと工夫すればそれほど不便には感じないで済むが……

デメリット2.ケーブルが断線する
煩雑にイヤホンを扱っていると、ケーブルが断線してしまうことがある。お気に入りの製品をより長く使うために、着脱式ケーブル採用のモデルを選ぶというもの選択肢だ。

こういった傾向から、高級モデルを中心に根強い人気を保ち続けているワイヤードイヤホンだが、いっぽうで、コストパフォーマンスの高さを生かしたエントリークラスの定格モデルもなかなか魅力ある製品が揃っていたりもする。

ということで、今回は1万円以下の低価格モデルの中から厳選した9製品を紹介していこう。

1. final「VR3000 for Gaming」

final「VR3000 for Gaming」

final「VR3000 for Gaming」

定位感のよさと声の魅力で人気となった「E500」の上位モデルにあたる製品。「ゲームやVRの音響空間イメージを制作者の意図通りに再現する音質設計」が特徴で、自社設計、自社製造の6mm径ダイナミック型ドライバーユニット「f-Core DU」を搭載する。また、ケーブル部にマイク付きコントローラーを採用するほか、ケーブルのタッチノイズを解消するイヤーフックや専用ポーチ、5サイズのオリジナルイヤーピースなど、充実した内容の付属品が同梱されている。

そのサウンドは、アピール通り定位感のよさ、音像の正しさが魅力。解像感も高い。音色傾向もオリジナルを忠実に再現する傾向だが、高域が強調される傾向があるためか、ややハスキーなボーカルとなっている。いっぽう、低域はスレンダーでフォーカス感の高い音となっていて、リズム感のよい演奏が楽しめる。

2. オーツェイド「intime 碧 (SORA) 2」

オーツェイド「intime 碧 (SORA) 2」

オーツェイド「intime 碧 (SORA) 2」

2016年に販売を開始したオーツェイド初のカナル型イヤホン「intime 碧(SORA)」のセカンドモデル。ドライバーユニットは、10mm径ダイナミック型と独自開発の積層型セラミックツイーター「VST(Vertical Support Tweeter)」を組み合わせたハイブリッド構成を採用している。ちなみに、「VST」ユニットは上位機種「intime 碧-Ti3」で用いた低ヒステリシスセラミック材料採用タイプへとグレードアップされたほか、HDSS技術も採用されている。4サイズのイヤーピースやイヤーフック、ケーブルバンドなど、付属品が充実しているのもポイントだ。

サラサラとした独特の音色を持つ高域と、パワフルな低域が組み合わされた個性派のサウンド。中域は音に厚みがあり、MYTH & ROIDなどディストーションの効いたギターが強い存在感を示してくれる。女性ボーカルは、サ行が強めのキラキラとした歌声。おかげで、騒音レベルの高い屋外でも音痩せすることなく、メリハリに富んだサウンドが楽しめる。ベストな音楽ジャンルはJポップ。ユーザーの音の好みによっては女性ボーカルも楽しそうだ。

3. フィリップス「SHE3555」

フィリップス「SHE3555」

フィリップス「SHE3555」

SHE9700シリーズという、エントリークラスイヤホンの名機を生み出したフィリップス。そのイメージを引き継ぐ存在の新世代モデルとして先日発売されたのがこの「SHE3555」だ。正確に言えばSHE9700シリーズのさらに下、付属品交換クラスに位置する製品で、小柄なイヤホン本体に8.6mm径のダイナミック型ドライバーが搭載されている。ケーブルにはリモコンが付属。同梱品はイヤーピース3サイズのみと至ってシンプルな内容となっている。

清々しい中高域とパワフルな低域が組み合わせられた、バランスのよいサウンド。ピアノは耳に心地よい響きを聴かせてくれ、ドラムのライドも存在感の強い、それでいて痛々しさは一切ない絶妙な音色を聴かせてくれる。チェロはライトな音で、もう少し低域側に重心をシフトしたいところだが、他の楽器とのバランスを考えるとこれはこれで悪くない。何よりも、1000円台の価格でこの音を楽しめるのは望外。価格も含めて、新時代のエントリーモデルとして気軽に1台手元に置いてほしい製品だ。

4. 水月雨「SSR(Super Spaceship Reference)」

水月雨「SSR(Super Spaceship Reference)」

水月雨「SSR(Super Spaceship Reference)」

中国の新興イヤホンブランドである「水月雨(MOONDROP)」のスタンダードクラス製品。以前販売されていた「Spaceship」の後継モデルとして登場し、音質を継承しつつさまざまな改善が加えてられている。ケーブルは2pin端子による着脱タイプを採用。ハウジング素材にはリキッドメタルを使用し、その内部にはベリリウムコーティングされたドームをポリウレタン製のサスペンションリングで囲んで剛性と柔軟性を両立させた6mm径ダイナミック型ドライバーが搭載されている。

ていねいな表現、ざらつき感のないクリアな高域、フォーカスのよい量感も十分な低域など、ふたつみっつ上位のクラスの音質を実現している良質なサウンド。音の広がり感もよく、特に左右に大きな音場表現を聴かせてくれる。音色はどちらかというとややドライなキャラクターを持つ。着脱式ケーブルの採用を含め、かなりコストパフォーマンスの高い製品と言えるだろう。

5. TFZ「LIVE 1」

TFZ「LIVE 1」

TFZ「LIVE 1」

ダブルマグネティックサーキット(デュアル磁気回路)とグラフェン振動板を組み合わせた独自ドライバーによって注目を集めている新進気鋭イヤホンブランド「TFZ」の、新世代エントリーモデル。第2世代のグラフェンドライバーをさらにブラッシュアップし、パフォーマンスを向上させているとアピールしている。また、ちょっと特殊な2pin端子を採用する着脱式ケーブルは、銀コートOFCを採用することでロスのないより高品位な伝送が追求されている。また、イヤーピースは傘の長さが異なる2タイプ(それぞれ3サイズずつ)が付属されている。

音質に強いこだわりを持つブランドだけに、その最新エントリーもなかなか魅力的なサウンドを聴かせてくれる。基本はメリハリのしっかりした勢いのある表現。高域は鋭く突き抜け、特にフロントラインがキレのよい演奏を楽しませてくれる。なかでもサックスの存在感の強さ、音の抜けのよさは格別。いっぽう、スマートフォンとの組み合わせをメインに想定しているのか、帯域バランスは勢い重視の印象も。中域重視の無難な音のスマートフォン(のヘッドホン出力)と組み合わせることで、絶妙なバランスのサウンドとなってくれるので、そういった活用もオススメしたい。音の好みにもよるが、DAPなどと組み合わせる場合は「LIVE 3」などの上位機種のほうがいいかもしれない。

6. iBasso「IT00」

 iBasso「IT00」

iBasso「IT00」

ポータブルアンプやDAPで有名な中国のポータブルオーディオメーカー、iBassoのカナル型イヤホン。イヤーモニター型のイヤホン本体を採用し、その内部には5umのグラフェンダイヤフラムと1テスラに近い磁力を持つ強力なマグネットを採用した、10mm径のダイナミック型ドライバーが搭載されている。また、ダイナミック型ドライバーが収納されているケースには、iBasso独自となる「ヘルムホルツ共鳴チャンバー」と「デュアルバスレフポート」が採用されていて、深みのある低域と耳触りのよいやわらかな高域、艶やかな中域を実現しているという。着脱式ケーブルはMMCX端子を採用。ケーブル素材がやわらかく取り回しがしやすい。カラーバリエーションはホワイトのみとなっている。

ナチュラル、ニュートラルという表現がピッタリのサウンド。よく聴くと低域が強め、重心低めのバランスとなっているが、ボーカルも高域も、とても自然なサウンドにまとめられているため、楽曲本来のサウンドで楽しめる。スムーズな広がりを持つ音調とあわせて、とても聴き心地よく感じられる。今回の記事ではどの製品もかなりの“音質”コストパフォーマンスを持ち合わせているが、その中でもトップを争う良好さと言っていいだろう。

7. DUNU「DM480」

DUNU「DM480」

DUNU「DM480」

台湾のイヤホンブランド「DUNU-TOPSOUND」のエントリークラス、一般的にはミドルクラスと言われる価格帯に位置するカナル型イヤホン。3Dプリンティングで造形されたイヤーモニター然としたイヤホン本体の中には、8mm径のチタンコート振動板ダイナミック型ドライバーが2基、デュアル構成で搭載されている。また、2pin端子の着脱式ケーブルを採用する。

DUNUというと、エッジの尖った高域とボリューム感たっぷりの低域が組み合わせられた臨場感溢れるサウンドという印象が強いが、この「DM480」はナチュラル志向というか、聴き心地に振った音色傾向を持つ。もちろん、キレのよい高域は健在で、クリアでのびのびとした女性ボーカルを楽しませてくれるが、エッジが鋭すぎてしまうことなく、なかなか聴き心地がいい。音の好みがピッタリ合えば、手放しがたい製品となってくれるはずだ。

8. radius「Ne EXTRA HP-NX10」

radius「Ne EXTRA HP-NX10」

radius「Ne EXTRA HP-NX10」

ハイレゾ対応をうたうカナル型イヤホン。小柄なイヤホン本体には、ボイスコイルのリード線を振動板に接着せず中心の空洞から引き出しているFLW(Floating Lead Wire)構造の7.4mm径ダイナミック型ドライバーを搭載。加えて、ケーブル部にはハンズフリー通話が可能な多機能リモコンを採用している。イヤーピースは、耳のより奥でフィットすることで安定した装着感を実現した独自デザインのディープマウントイヤーピースが付属。また、イヤホン本体のノズル部分はアジャスタブルポート機構が採用されており、イヤーピースの装着位置を2段階で調節可能ともなっている。

ていねいできめ細やかな表現の、上質なサウンド。低域の量感は多め、重心の低い落ち着きのある帯域バランスでまとめられている。音色傾向としては、ややドライなイメージ。おかげで、男性ボーカルも女性ボーカルも普段より少しだけ大人びた、心地よい歌声を楽しむことができる。いっぽうで、アコースティック楽器との相性がよく、特にピアノは、弾むように軽快なタッチの演奏を聴かせてくれる。価格を考えると、かなり“音質”コストパフォーマンスが良好な製品だ。

9. AZLA「AZEL」

AZLA「AZEL」

AZLA「AZEL」

2017年に社名を冠した「AZLA」を発売して以降、イヤホンをメインとしたラインアップを取り揃えつつ、近年は独自の理論や経験によって作り上げたイヤーピースSednaシリーズなども好評を博しているのが、ポータブルオーディオブランドのAZLAだ。同ブランドのイヤホンラインアップの中でも、エントリークラスに位置付けされているこの「AZEL」は、既存のモデルに対してややコンセプトが異なり、音楽ストリーミング環境やモバイルゲームなどでの使用を想定して最適化されているという。円筒型のコンパクトな金属筐体の内部には、独自開発の8mm口径ダイナミック型ドライバーを搭載。ノズル先端部に「フィボナッチフィルター」を採用することによって、表現力の高い高域を実現しているとアピールする。また、AZLAらしくケーブルにもこだわっていて、専用設計の「Silver Plated OFCケーブル」を採用することで音質と取り回しのよさを巧みに両立している。イヤーピースはオリジナル「SednaEarfit Light Short」が6サイズ付属。カラーバリエーションはBeluga Black、Oyster Gray、Forest Green、Dakota Redの4色が用意されている。

まったくと言っていいほど歪み感のない、聴き心地のよいクリアネスな中高域が特徴。低域はかなりの量感を持ち、バックバンドの演奏に普段以上の迫力を感じる。低域の量感以外は、とてもニュートラルなサウンドバランスを持つため、苦手ジャンルはほとんどなく、どんな楽曲もグルーブ感溢れる生き生きとしたサウンドを楽しむことができる。こと音質のよさに関しては、とても魅力的な製品だ。

まとめ

音の好みによってベストなチョイスは人それぞれとなるが、少なくとも同等の金額のワイヤレスイヤホンでここまで良質なサウンドを得るのはかなり厳しい。特に、今回紹介させてもらった1万円以下で買える製品は価格的にも手軽なので、集中して音楽を楽しみたいときや大好きなアーティストを少しでもいい音で聴きたいときなど、場所やシチュエーションによって積極的にワイヤードイヤホンを活用してほしい。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る