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スポーツ観戦、ゲーミング、ネット動画視聴...2021年夏に買いたい薄型テレビはコレだ!

スポーツ観戦、ゲーミング、ネット動画視聴...2021年夏に買いたい薄型テレビはコレだ!

毎年のように新製品へと入れ替わる薄型テレビ。2021年夏商戦に向けてソニー、パナソニック、シャープ、TVS REGZA、LGエレクトロニクス、ハイセンス...と各社から最新の4K有機ELテレビ、4K液晶テレビが出揃ったが、今年の夏ほど薄型テレビを巡るトレンド変化を強く意識した年はない。

コロナ禍の外出自粛の影響で“おうちエンタメ”がますます盛り上がり、YouTubeやNetflix、Amazonプライムビデオといったネット動画の対応がさらに進んだほか、最新世代ゲーム機PlayStation 5(以下、PS5)の登場で、薄型テレビの“ゲーミングスペック”も求められるようになってきた。

そして忘れてはいけない、2021年夏は待ちに待ったスポーツ国際大会が国内で開催される、一生に一度かもしれないタイミングだ。もちろん、せっかく薄型テレビを購入するなら高画質の機種も選びたくなるだろう。

そんなトレンド激変期の2021年夏。今年知っておきたい5つのトピック別に2021年夏の狙い目モデルを厳選して紹介していこう。

1. 高画質で選ぶなら有機ELテレビが第一候補。液晶テレビは10万円以下の格安モデルが狙い目

まずは薄型テレビ市場の全体像について簡単に。現在、各社が高画質・高機能のハイエンド機として展開しているのが有機ELテレビだ。有機ELテレビの画質は“漆黒の再現性”といった文句で語られることが多いが、実際に地デジなどの放送コンテンツやYouTubeなどのネット動画を視聴する際の画質はもちろん、スポーツ観戦で重要になる動画応答性や、さまざまな角度から見る場合に求められる視野角などは有機ELテレビのほうが有利だ(最大輝度は液晶テレビのほうが上だが、画質としてはやはり有機EL)。有機ELテレビは65/55V型と大型サイズに加えて、昨年から48V型の小型モデルが登場したことで、広いリビングだけでなく、プライベートルームにも置きやすくなっている。

いっぽう、4K液晶テレビは50V型クラスが10万円以下で購入できる価格が魅力。スポーツ観戦を考えると“倍速パネル”の搭載が高画質のポイントだ。ただし、価格.comでは有機ELテレビの型落ちモデルが10万円台前半で売られていることもあって、最新の液晶テレビ上位モデルはコストパフォーマンスの観点では選びにくい。4K液晶テレビなら中途半端に高性能な機種より、10万円以下の格安モデルのほうが狙い目だ。

1-1. パナソニック「VIERA JZ2000」シリーズ

パナソニック「VIERA JZ2000」シリーズ

2021年夏の4Kテレビ最高画質モデル筆頭がパナソニックの4K有機ELビエラ「JZ2000」シリーズだ。独自設計・組み立てのDynamicハイコントラスト有機ELディスプレイで有機ELパネルの輝度性能が圧倒的。新機能「オートAI画質」「オートAI音質」を搭載し、コンテンツに合わせて最適な画質・音質に自動で調整してくれる点も使い勝手が高い。上向きのイネーブルドスピーカー、横向きのワイドスピーカーによって部屋全体に広がるサウンドを実現し、テレビ単体での音質面でも最高峰だ。

関連リンク:独自構造の有機ELを下位モデルにも展開! 4K有機ELビエラ2021年モデルは完成度高し

1-2. ソニー「BRAVIA A90J」シリーズ

ソニー「BRAVIA A90J」シリーズ

認知特性プロセッサー「XR」という画質・音質処理を行う新プロセッサー搭載で高画質化を図ったソニーの4K有機ELブラビア最上位モデルが「A90J」シリーズだ。際立つ映像の立体感は、4Kコンテンツだけでなく、地デジやネット動画でも有効。画面から音が出る「アコースティック サーフェス オーディオ プラス」も、低音から画面から出るようにアップデートされている。Google TVプラットフォームを採用し、さまざまなネット動画サービスを横断したコンテンツレコメンド機能も便利で使いやすい。

関連リンク:4K/120p対応にGoogle TVも! 注目機能目白押しのソニー ブラビア2021年モデルをレポート

1-3. ハイセンス「U8F」シリーズ

ハイセンス「U8F」シリーズ

ハイセンス「U8F」シリーズ

格安4K液晶テレビの人気ブランドがハイセンス。なかでも注目なのがコスパのいい「U8F」シリーズ。倍速パネル採用、輝度も高くて明るいリビングへの設置にも向いており、50V型は10万円以下で購入できるのだからかなりお買い得はかなり高い。高価格になりやすい大画面の65V型も13万円弱と、こちらもかなり狙い目だ。

関連リンク:ハイセンスが液晶テレビ2020年モデル発表! 「U8F」シリーズは75型で税別23万円

2. 2021年はゲーミングが熱い! 4K/120Hz入力、低遅延重視も

2020年11月に発売となったPS5は、映像フォーマットの面で薄型テレビに2つの新しいスペック基準をもたらした。ひとつはHDMI 2.1の仕様で規定されている「4K/120Hz入力」「VRR(Variable Refresh Rate)」といった高フレームレート映像表示対応、もうひとつはゲームプレイ時のタイミングのずれを小さくする「低遅延」だ。

2021年モデルでは各社ともPS5を想定した本格的なゲーミング機能対応が進み、「4K/120Hz入力」「VRR(Variable Refresh Rate)」へ対応する機種も続々と登場。対戦アクション系ゲームをプレイする人は、これらの性能重視で選んでみよう。

なお、「低遅延」については性能を公表しているかは各社まちまち。ちなみに、4K/120Hz入力を諦めるなら、有機ELより4K液晶テレビ、倍速パネルより60Hzパネルの機種のほうが低遅延なので、ハイエンドではない4K液晶テレビにも実はゲーム向きの機種もあることを付け加えておこう。

2-1. LGエレクトロニクス「OLED48CXPJA」

LGエレクトロニクス「OLED48CXPJA」

LGエレクトロニクスは有機EL/液晶テレビともに多数のラインアップを有しているが、OLED/QNED/NANO90/NANO85のシリーズすべてで「4K/120Hz入力」と「VRR」に対応。なかでも4K有機ELテレビの48V型モデル「OLED48CXPJA」は視界に画面全体が収まりやすく、ゲーミング目的で購入する人には最適なサイズだ。2020年モデル「OLED48CXPJA」もかなり安くて人気があるが、有機ELパネルは日々進化しており、焼き付き対策などの仕組みは最新世代のパネルを搭載した新機種のほうが安心できるし、映像エンジンも最新の「α9 Gen4 AI Processor 4K」となり画質も向上している。2021年最新モデルということで価格はやや高いが、予算に余裕があるならぜひ手に入れたいところ。なお、ゲーミング利用のみであれば、型落ちの「OLED48CXPJA」もかなり安くて狙い目だ。

関連リンク:LGから次世代有機ELパネル「LG OLED evo」搭載4Kテレビ「OLED G1」

2-2. ソニー「BRAVIA X85J」シリーズ

ソニー「BRAVIA X85J」シリーズ

ソニーのブラビアも2021年モデルからゲーミング対応を大幅強化しており、有機ELテレビの「A90J」「A80J」の2シリーズ、4K液晶テレビの「X95J」「X90J」「X85J」が「4K/120Hz入力」と「VRR」(後日アップデート)に対応している。なかでも「X85J」シリーズはミドルレンジで比較的手に入れやすい価格帯ながら倍速液晶を搭載したモデルで、75/65/55/50/43V型とサイズ展開も豊富なので部屋のサイズに合わせて選べるのもうれしいところ。PS5販売元のソニーグループが手がける点も安心感がある。

2-3. パナソニック「VIERA JZ1000」シリーズ

パナソニック「VIERA JZ1000」シリーズ

パナソニックのビエラも4K有機ELテレビの「JZ2000」「JZ1000」シリーズ、4K液晶テレビの「JX950」シリーズ(75型のみ)で、「4K/120Hz入力」と「VRR」対応が揃う。特に4K有機ELテレビのスタンダードモデル「JZ1000」シリーズは、55V/65V型に加えて4K有機ELビエラとしては初めて48V型(スタンドデザインが55V/65Vと異なる)がラインアップされており、ゲーミングユースにもぴったりだ。

3. スポーツ観戦ならテレビ録画も重要! 録画機能重視で選ぶなら全録対応モデルが最有力

2021年夏はスポーツ国際大会が国内で開催される、一生に一度かもしれないタイミング。スポーツ中継のネット配信は少ないこともあって、テレビ観戦は地デジ、そして4K放送を駆使した録画性能が重要になってくるだろう。

地デジ、4K放送ともに外付けUSB HDDを使った録画が主流だが、なかでも同時刻に多数の競技中継が行われるスポーツ国際大会で大活躍するのが複数チャンネルを常時録画する「全録」。これに限っては、地デジ最大6chの「タイムシフトマシン」を24時間録画できるレグザの独壇場だ。

3-1. TVS REGZA「REGZA X9400S」シリーズ

TVS REGZA「REGZA X9400S」シリーズ

4K有機EL、自慢の高画質エンジンによる地デジ画質のよさ、全録機能の「タイムシフトマシン」対応が揃う4K有機ELレグザのフラッグシップモデル。総合音出力142Wのスピーカーも強烈。外付けスピーカーが接続可能となかなかマニア受けするモデルだ。

関連リンク:画質・音質をさらに追い込んだタイムシフトマシン4K有機ELレグザ最新モデル「X9400S」シリーズ

3-2. TVS REGZA「REGZA X740XS」シリーズ

TVS REGZA「REGZA X740XS」シリーズ

4K液晶レグザで全録機能の「タイムシフトマシン」に対応したハイエンドモデル。「レグザエンジンCloud PRO」による画質も優秀で、液晶テレビの高画質モデルとしても十分候補に入る。

関連リンク:2021年の高画質コンセプトは美肌! タイムシフトマシン4K液晶レグザ Z740XSシリーズ登場

4. “テレビよりネット動画の時代でしょ”という1台なら

最近増えているテレビの利用用途が「Netflix」や「Amazonプライムビデオ」、「YouTube」などを使ってネット動画を見るケースだ。現在発売されている4KテレビのほとんどがWi-Fi機能を備え、「YouTube」や「Netflix」などの主要なネット動画サービスのアプリを内蔵。リモコンに各サービスにダイレクトにアクセスできる専用ボタンを搭載するのも当たり前になってきている。

“テレビでYouTubeを見たい”ということならほぼ全メーカーが対応しているが、もう一歩踏み込むなら、面倒なリモコン文字入力を回避できる「音声検索」を重視して選びたい。なかでもGoogleの薄型テレビ向けプラットフォーム「GoogleTV」「Android TV」を搭載するモデルは、Androidスマートフォンと同じGoogleアシスタントをテレビに一体化しており、テレビ画面からスムーズにネット動画のサービスにアクセスしたい人にはイチオシだ。

4-1. ソニー「BRAVIA A80J」シリーズ

ソニー「BRAVIA A80J」シリーズ

Googleの薄型テレビ向けプラットフォームは、今後「Android TV」から「GoogleTV」へ徐々に切り替わっていく予定だ。新UIではさまざまなネット動画サービスを横断して検索・レコメンドしてくれるため、コンテンツの検索性が格段に向上している。各社とも導入時期にずれがある中で、いち早く導入したのがソニーだ。4K有機ELテレビの「A90J」「A80J」の2シリーズだけでなく、4K液晶テレビの「X95J」「X90J」「X85J」「X80J」シリーズまで全機種が「GoogleTV」対応している。「A80J」シリーズは、4K有機EL&認知特性プロセッサー「XR」による高画質、「Acoustic Surface Audio」による高音質を備えたハイエンドモデル。リモコンだけでなく、本体にマイクを内蔵しており、ハンズフリーで音声検索できるのもポイントが高い。

4-2. シャープ「AQUOS 4K DN1ライン」

シャープ「AQUOS 4K DN1ライン」

4K有機EL、4K液晶、8K液晶と幅広いラインアップを展開するシャープのアクオス2021年モデルは、4K解像度以上の全モデルで「Android TV」が搭載されている。付属リモコンの映像配信専用ボタンは実に7サービス対応。ファミリー向けのイメージの強いアクオスだが、実はネット志向としても強力な選択肢だ。「AQUOS 4K DN1ライン」は本体にマイクを内蔵し、ハンズフリー操作にも対応。55〜70V型まで5インチ刻みでサイズ展開しており、用途に応じてさまざまな画面サイズを選べるのもうれしいところだ。

関連リンク:8K液晶、4K有機EL/液晶まで。シャープの2021年AQUOSは4K/120Hz対応もズラリ

4-3. TVS REGZA「REGZA X8900K」シリーズ

TVS REGZA「REGZA X8900K」シリーズ

レグザは2021年夏商戦に向けて4K有機テレビの「X8900K」シリーズ、4K液晶テレビの「Z670K」シリーズを発表した。この2機種はレグザの他機種とは異なりシステムプラットフォームを「AndroidTV」に切り替えた新シリーズで、Googleアシスタントも利用可能。「Netflix」に対応していないという残念なポイントもあるが、ネット志向モデルであることは間違いない。

関連リンク:4K有機EL&液晶レグザ2021年夏モデルはAndroid TVとHDMI 2.1でネット動画もゲームもばっちり!

5. 新ジャンル誕生!? 実は今が流行りのネット対応2Kテレビ

最新のテレビの話題となると4Kテレビのみを扱いがちだが、今密かに盛り上がりをみせているのが、4Kチューナーを搭載しない40V型以下の小型サイズのテレビ。外出自粛による“おうちエンタメ”需要もあって、TVS REGZAやTCLから小型サイズでありながらWi-Fi内蔵、「Netflix」や「Amazonプライムビデオ」などの主要なネット動画サービスに対応したモデルが登場している。プライベートルームや、2台目需要など、“大画面は必要ないが、ネット動画は見たい”という需要にぴったりだ。

5-1. TVS REGZA「REGZA V34」シリーズ

TVS REGZA「REGZA V34」シリーズ

昨年9月の発売以来、HDテレビの常識を変えたのがレグザ「V34」シリーズ。40/32/24V型の小型サイズのみの展開ながら、ネット機能は4Kテレビ相当で、「YouTube」や「Netflix」、「Amazonプライムビデオ」などに完全対応している。日本メーカーらしく地デジ画質もよく、小型・ハイクオリティなモデルだ。

関連リンク:ありそうでなかったネット動画全フリの小型テレビ、東芝「プライベートスマート 液晶レグザ」誕生

5-2. TCL「32S5200A」

TCL「32S5200A」

フルHD以下のパネルで「Android TV」を搭載するスマートTVを展開し、日本でも人気急上昇のブランドがTCLだ。2021年モデルの「32S5200A」は、フルHD対応の32V型小型モデルながら、プラットフォームに「Android TV」を採用。「YouTube」や「Netflix」、「Amazonプライムビデオ」といったネット動画サービスに対応しているほか、Googleアシスタントの音声検索も利用可能となかなか使い勝手のよい1台となっている。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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