レビュー

箱庭オーディオの核に! ARCAMのアンプ内蔵ストリーミングプレーヤー「Solo Uno」は遊べる1台

ふと気がつけば、日ごろ聴く音楽のかなりの割合がストリーミングだ。ファイル再生も(ヴァイナルも)利用してはいるが、やはりストリーミングの手軽さには敵わない。そうなると、例の(?)箱庭オーディオもストリーミング対応させたくなるもの。スマートフォンをUSB DACにつなぐのもいいが、いっそのことオールインワン化を...などと考えていたところに届いたのがARCAMの「Solo Uno」。さっそく試してみた。

ARCAM「Solo Uno」

ARCAM「Solo Uno」

B5サイズにネットワーク系機能が盛りだくさん

ARCAM(アーカム)は、1976年に英国で誕生したオーディオブランド。プリメインアンプ「A60」を皮切りに、CDプレーヤーやAVレシーバーなどさまざまなコンポ製品を送り出し、特にCDプレーヤーでは英国を中心に大きなシェアを誇っていた。その後流通経路の事情により日本ではしばらく不在の状況が続いたが、2017年にハーマンインターナショナルグループの傘下に加わり、昨年再上陸を果たしている。

再上陸にともない投入された製品群の中で最もユニークな存在が、今回取り上げる「Solo Uno」だ。14.0(幅)×5.2(奥行)cmというB5用紙の束ほどのボディには、最大出力50W/ch(25W/ch@8Ω、50W/ch@4Ω)のクラスDアンプとストリーミング再生機構を備える。サブウーハー出力端子を備えているから、2.1chシステムも構築可能だ。

これ1台とスピーカーで「箱庭」システムができてしまう(スピーカーはECLIPSE TD307MK3)

これ1台とスピーカーで「箱庭」システムができてしまう(スピーカーはECLIPSE TD307MK3)

入力はイーサネットとWi-Fi、AUXの3系統。USBやCOAXといったデジタル入力端子はないものの、ワイヤレス入力としてAirPlay 2とChromecast built-inをサポート。スマートフォンのストリーミングアプリで再生する音を手軽に楽しめる。さらにUPnP、MQAフルデコードにも対応するから、ネットワークプレーヤーとしての機能も十分といえる。

Solo Unoのリアパネル

Solo Unoのリアパネル

パスポートと並べてみた

パスポートと並べてみた

底面の周囲にはインシュレーターとしてゴムが貼り付けられている

底面の周囲にはインシュレーターとしてゴムが貼り付けられている

個人的なツボは、Roon Readyのサポートだ。Roonを始めようとすると、PCやタブレットを除いてもかなりの初期投資が必要だが、このSolo Unoは7万円台。しかもアンプ内蔵だから、手持ちのスピーカーをつなぐだけでちょっとしたRoonシステムを組むことができる。Roonを導入済みだとしても、寝室など離れた部屋にもうひとつRoonのシステムを置きたい向きには魅力的な提案となりそうだ。

設定に苦戦するもリッチな音楽環境が待っていた

前述した通り、Solo UnoにはEthernetとWi-Fi(2.4GHzと5GHzのデュアルバンド)という2系統のネットワークがあり、どちらを利用しても再生システムを構築できる。iPhoneでセットアップを開始したが、待てど暮らせどWi-Fi設定画面にAirPlayスピーカーの項目が現れず、諦めてAndroid端末でGoogleホームアプリを利用すると、どうにか自宅のWi-Fiに接続完了。以降はiPhoneでもAndroidでも、すべての機能を利用できた。

Amazon Musicなど音楽アプリは、iPhoneではAirPlay(Androidの場合はキャスト)を利用すればOK。転送レートは最大48kHz/24bitとなるが、ストリーミングサービスのソースの大半が44.1kHz/16bitなのだから、これで十分と思えてしまう。スマートフォン側でボタンを押してからひと呼吸置かないと反応しないなど、操作レスポンスがやや気になったものの、スマートフォン側のプレイリストやダウンロード済楽曲をそのまま再生できる点はいい(オーディオ機器側のアプリで聴く場合こうはいかない)。

Wi-Fiへの接続にはGoogleホームアプリを利用した

Wi-Fiへの接続にはGoogleホームアプリを利用した

iPhoneではAirPlayを使いアプリの音楽を再生できる

iPhoneではAirPlayを使いアプリの音楽を再生できる

UPnPのネットワーク再生も上々。専用アプリ「MusicLife」を利用し、Solo Unoをレンダラー(DMR)としてビデオレコーダ上の音源を再生してみたが、支障なくネットワークプレーヤーとして動作している。当たり前といえば当たり前の話しだが、これだけの機能がアンプ込みで7万円台なのだから。コストパフォーマンスの高さを改めて実感した。

Roonもバッチリ。自動的にRoonデバイスとして認識されるので、設定画面で出力先として選ぶだけで準備完了、いつもどおりのRoonの画面で再生できる。現状RoonではAmazon MusicやApple Musicを包括管理できないため、筆者の環境ではファイル再生の時のみの出番となるが、家中でRoonを楽しみたい向きにとってSolo Unoはいい選択肢となるはずだ。

専用アプリ「MusicLife」でネットワーク/PnP再生できる

専用アプリ「MusicLife」でネットワーク/PnP再生できる

Roon ReadyだからPCからのファイル再生も簡単

Roon ReadyだからPCからのファイル再生も簡単

肝心のクオリティだが、アンプとしての特性はややあっさり。スネアアタックやドラムブラシの輪郭はもう少しはっきりしていいし、消え際の余韻が伸びてもいい。音像のフォーカス感も欲しいし、奥行きも...とはいうものの、このサイズにこれだけの機能があるのだから、デスクトップ/ニアフィールドオーディオ用としては総合的に満足行くレベルには達している。

さらにいえば、ライン出力できればネットワークトランスポートとしても使えただろうし、デスクトップ/ニアフィールド用としてはヘッドホン出力も欲しいところ。欲を言えばキリがなく、コストアップ要因にもなってしまうが、現状「ネットワーク系機能全部入りでアンプ内蔵のB5サイズ」は替えが効かないのだから、さらなる凝縮感アップを期待してしまう。ともあれ、大いに楽しめる1台だ。

海上 忍

海上 忍

IT/AVコラムニスト、AV機器アワード「VGP」審査員。macOSやLinuxなどUNIX系OSに精通し、執筆やアプリ開発で四半世紀以上の経験を持つ。最近はAI/IoT/クラウド方面にも興味津々。

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