ASMR専用完全ワイヤレスイヤホン「COTSUBU for ASMR」の新モデルが登場! これで推しVTuberのASMR配信にさらに没入できる! 迷わず買うぞ!
ん? 新モデルは「COTSUBU for ASMR MK2」と「COTSUBU for ASMR 3D」の2モデルで超近接音場特化型と近接3D音場対応型? それ何が違ってどっちを選べばいいの? 迷う……。そこで今回は「COTSUBU」との縁も深いASMRつよつよVTuber・周防パトラさんのASMR配信で2モデルの音の違いをチェック。耳かき、囁き、吐息、シャンプーなどの聴こえ方を比べてみた印象をひと言で表すなら、「COTSUBU for ASMR MK2」はファンタジー志向の近距離パワー型で、「COTSUBU for ASMR 3D」はリアリティ志向の領域展開型! その意味はというと……。
現代社会を生き抜くには息抜きが大切。推しVTuberさんのASMR配信のおかげで何とか心を休ませられて明日に備えられている。そんな方も少なからずいるでしょう。生きててえらい!
さて推しのASMRからしか摂取できない栄養を効率よく摂取するためのアイテムといえば、ASMR向きの音質や使い勝手を備えたイヤホン。その定番のひとつが2021年に“世界初のASMR専用完全ワイヤレス”として発売された、ag「COTSUBU for ASMR」でした。そしてその新モデルとして先日2024年3月に発売されたのが「COTSUBU for ASMR MK2」と「COTSUBU for ASMR 3D」なのですが……。
左が「COTSUBU for ASMR MK2」で右が「COTSUBU for ASMR 3D」。それぞれ魅力的な色合いですが単なるカラバリではありません。なお、直販価格は「COTSUBU for ASMR MK2」が7,980円、「COTSUBU for ASMR 3D」が8,480円(いずれも税込)です
え? 2モデル展開? 「MK2」と「3D」って何が違うの? ってなりますよね。メーカー説明を要約すると、
「COTSUBU for ASMR MK2」:耳元近くに音像が定位する「超近接音場」特化の音質設計。自身がダミーヘッドマイクに入り込んだような臨場感を得られる。
「COTSUBU for ASMR 3D」:頭外空間イメージ「近接3D音場」を明瞭に再現する音質設計。実際その空間内にいるかのような実在感が特徴。
とのことで、イメージ図や具体例も用意されています。
バトルマンガ的に表現すると近距離パワー型と領域展開型?
公式ホームページには定番ASMRシチュエーションでの聴こえ方も紹介されています
この説明にはうなずかされました。実は僕も、ASMR向きのイヤホンは大まかには、「耳元の音をグイグイ届けてくれるタイプ」「周囲の音の距離感や方向性を細やかに明瞭に伝えてくれるタイプ」「どちらもバランスよくこなせるタイプ」に分類できるかも? と感じていたのです。そのうえで推しのASMR配信の内容や自分が特に強く味わいたいASMR要素にフィットするタイプを選ぶ。それがASMRイヤホン選びのポイントなのかもしれない、と。たとえば「うちの推しは耳元での囁きが最高! とにかくそれを堪能したい!」なら耳元グイグイタイプ、「うちの推しはシャンプーから水音まであらゆるASMR音を操る! その上それをしているときの吐息の移動感とかも最高なんだぜ!」なら空間明瞭タイプ、みたいな感じです。「COTSUBU for ASMR MK2」と「COTSUBU for ASMR 3D」はまさにそういう選び分けができそうですよね? 期待が膨らみます。
それに「COTSUBU」シリーズは完全ワイヤレスイヤホンとしての基本的な使い心地にも定評があり、「COTSUBU for ASMR MK2」と「COTSUBU for ASMR 3D」もそこは同様。あとはそれぞれのASMRチューニングの実際の威力さえ 確認できれば迷わず買い! というわけです。
ケースは縦・横・厚さのどれも十分にコンパクトで、身長170cmの筆者だと「手のひらに2個余裕」的なサイズ感
アジャストフィット&ディープフィット設計によるこの形状からの深めの装着で耳にフィット
付属イヤーピースはSS/S/Mサイズのみですが、ディープフィット設計との兼ね合いか小さめサイズでフィットしやすい傾向。普段はMかL サイズのイヤーピースを使うことが多い筆者も「COTSUBU for ASMR MK2」と「COTSUBU for ASMR 3D」ではMでOKでした
ということで今回は、実際試して感じられた2モデルでのASMRの聴こえ方の違いをお伝えしていきます。ASMRつよつよVTuberの代表にしてコラボモデル「COTSUBU for ASMR −Patra Edition」でこのシリーズとの縁も深い、周防パトラさんのASMR配信でチェックしました。
35年ローンの自宅スタジオを筆頭とした設備とその使いこなしによる収音クオリティ! 息を耳に当てる角度などまで考え尽くされているであろう匠のASMRテクニック! ダミーヘッドASMR配信の定番メニューの大半を網羅したうえでそのバリエーションも豊富! 見た目やアニメ声に騙されてはいけない本格ASMR配信です。イヤホン側にも幅広く総合的なASMR対応力が要求され、「COTSUBU for ASMR MK2」と「COTSUBU for ASMR 3D」の地力と個性を探るのに不足なしのコンテンツと言えます。
まずは「耳かき」「囁き」「吐息」のバリエーションが豊富なこちらの配信にて、聴こえ方をチェック。最初に定番ハイエンドイヤーモニターにてニュートラルなチューニングでの聴こえ方を確認し、それから「COTSUBU for ASMR MK2」と「COTSUBU for ASMR 3D」での聴こえ方をチェックしました。耳元から耳内の音が主役のASMRなので超近接音場特化の「COTSUBU for ASMR MK2」の活躍が期待されますが、結果やいかに?
【ASMR/2時間】最高に凄い!寝落ち耳かき&マッサージ。オイル綿棒/吐息/耳奥耳かき/Ear Cleaning& Brain Tingling for Deep Sleep 2Hr【周防パトラ】
▼チェック区間(0h27m30s〜0h50m57s)のメニュー
【オイル綿棒】オイル綿棒で耳かき
【ふわふわ梵天&タッピング】ふわふわ梵天、ふぅ〜、タッピング
【耳塞ぎ&ふぅ〜】片耳を塞ぎながらふぅ〜、両耳を塞ぐ
【煤竹の耳かき】煤竹の耳かき、ふぅ〜、耳を触る
初めにお伝えしたいのは、超近接音場特化の「COTSUBU for ASMR MK2」も3D音場再現が苦手なわけではない、ということ。普通のイヤモニから切り替えた瞬間、バイノーラル録音らしい空間性が明らかに高まったことに驚かされました。つまり、「COTSUBU for ASMR MK2」の「超近接音場特化」の実態は、ASMR全般に対応するfor ASMRチューニングを土台としたうえでの超近接音場特化、なのです。ASMR全般に強い! 超近接音場はさらに強い! という理解が適切でしょう。当然その逆も然り。「COTSUBU for ASMR 3D」も耳元や耳内の音の表現が不得意だったりはしません。それもハイレベルにこなしたうえで空間表現はさらに強い! のです。
というのを前提としつつ、両者の聴こえ方の違いをより細かく説明していきましょう。チェック区間で両者の個性が特にわかりやすかったのは耳かきパート【オイル綿棒】【煤竹の耳かき】でした。
「COTSUBU for ASMR MK2」で聴くと、耳かき音が耳の中で響くのはもちろん、声や呼吸も耳元より少し内側にまで入り込み、頭の中を満たすようにやや大柄に響きました。「脳内に直接だと!? 」的な感覚です。印象を強めるようにデフォルメされた表現なので、現実の聴こえ方の再現性としては薄まっているかもしれません。
ですが、我々の目的は現実の再現ではなく推しのASMRからしか摂取できない栄養を効率よく摂取すること。自分にとっては脳内に直接響くほうが気持ちよくて摂取効率もよいんだ! という方は迷わず「COTSUBU for ASMR MK2」を選んでOKです。
逆に、自分にとっては推しの実在感を高めてくれる、現実味のある空間表現のほうが気持ちいい! 摂取効率も上がる! という方に合うのは「COTSUBU for ASMR 3D」。声や呼吸音は耳の奥に入り込みすぎず、耳元あたりまでの距離感をキープ。耳元は呼吸音、耳内には耳かき音のような、現実に即した配置をよりはっきりとさせてくれます。いや僕の現実にこんなシチュエーションは存在しないのですが。とにかく、現実味のある細やかな描写の積み重ねで生み出される現実感こそ、こちらのモデルの強みです。
加えてパトラさんが右耳と左耳の間を移動する際に、おそらく意図的に残しているであろう気配、声や吐息の余韻にも注目。その存在感や移動感の細やかな描き込みが、パトラさんがそこに、いや、ここにいる! という感覚を高めてくれます。それだ! そういうのがうれしいんだよ! というあなたには「COTSUBU for ASMR 3D」がうってつけです。
パトラさんのASMR配信で特にお気に入りのパートとして「シャンプー」をあげるファンも少なからずいるでしょう。シャンプーASMRは準備も大変そうですし超高額ダミヘ「KU 100」を破損する危険もありそうですし、ハードルは高いはず。それを通常メニュー的に普通に提供してくれているパトラちゃん様の偉大さを讃えよ! ということで続いては、そのシャンプーが特に印象的なこちらの配信からこの区間をピックアップ。
【ASMR】全身極楽すぎてず〜っと眠れる。一度聞いたら天国な睡眠誘導。全身マッサージ/ボディーウォッシュ/耳塞ぎ/囁き/Triggers for Sleep & Relaxation【周防パトラ】
▼チェック区間(0h08m05s〜0h25m35s)のメニュー
【頭皮のマッサージ】頭皮を軽く揉む
【炭酸シャンプー】炭酸シャンプーでパチパチシャカシャカ
【頭皮のタオルマッサージ】タオルで頭を包んでもみもみとんとん
【お湯とタオル】桶のお湯で髪をすすぐ、タオルで髪と耳を拭く
この内容だと頭周囲の空間や動きの再現を得意とする「COTSUBU for ASMR 3D」の独壇場かと思いきや、実際に聴き比べてみると、これも結局は好み次第というのが結論でした。
実際にマッサージ&シャンプーされている感、現実らしさにすぐれるのはやはり「COTSUBU for ASMR 3D」。パトラさんは今シャンプーしてくれている箇所を「首の後ろのところもしっかりと」「頭のてっぺん」「お耳の周りも」のように声でガイドしてくれるのですが、そのガイドどおりの場所がシャカシャカされている感覚をわかりやすく味わえます。パトラさんと自分との位置関係、パトラさんの気配の移動感も明瞭です。「ふぅ〜」と「はぁ〜」や吐く呼吸音と吸う呼吸音の使い分け、口元と耳元の距離感のコントロールといったASMRテクニックに対して、その感触をより繊細に描き分けてくれるのも「COTSUBU for ASMR 3D」ならでは。息フェチの民も大満足かと思います。
総じてマッサージ&シャンプーASMRでポイントになる要素の再現性にすぐれている印象です。ASMR配信の中でもマッサージ&シャンプーを特に重視して特に楽しみたいなら「COTSUBU for ASMR 3D」を選ぶべし! が基本にはなるでしょう。
ですが【耳かき囁き吐息】編と同じく、現実的な再現性よりASMR音としての気持ちよさを重視するのなら、「COTSUBU for ASMR MK2」もありです。特に耳周りをシャカシャカされているとき、その音が耳の外ではなく頭の中に響く感じが強まることに不自然さを覚える方もいるでしょう。実際のシャンプーの音にも骨伝導的に頭の中に響く成分がありますが、それが強調される感じです。実際に耳栓をしてシャンプーをしてみればその聴こえ方を疑似体験できますが、「耳栓してシャンプー」の時点でもう明らかに不自然ですよね。
ですが、シャンプー音が脳内に響くという、現実的ではない=超現実的な体験だからこそ得られる気持ちよさもあります。それもまたASMRの醍醐味です。その独特の響きを気持ちよく感じられたなら、あなたにとってよりすばらしいシャンプーASMR体験を与えてくれるのは「COTSUBU for ASMR MK2」のほうかもしれません。
パトラさんの普段の配信ではあまり多くはない会話&シチュエーションボイス的な要素も、パトラさんの妹、パトミさんの配信でチェックしておきました。
【ASMR】ざぁこ♥でダメなお兄さんをとことん甘やかしてよしよししちゃう。吐息/囁き/耳かき/Triggers for Sleep/whispering【周防パトミ】
パトラさんよりややシャープな声や吐息、より悪魔的で挑発的な言葉や振る舞いが持ち味のパトミさんですが……あ、うん……これはたぶん、「COTSUBU for ASMR MK2」で脳直感を出して聴くほうが強烈です。脳が壊される感が高まります。耳元での台詞や吐息の破壊力重視のASMRコンテンツには「COTSUBU for ASMR MK2」推奨です。
対してシチュエーションも重視してそれを表現する環境音も作り込まれているようなASMRコンテンツなら、「COTSUBU for ASMR 3D」で現実感や実在感を高めて聴くのがよい場合も多そう。パトラさんのASMRだとダウンロード販売音源はその傾向が強まりますね。そちらをさらにハイクオリティに楽しみたい方には「COTSUBU for ASMR 3D」が合うかもしれません。
パトラさんのASMRだとダウンロード販売音源はその傾向が強まりますね。たとえばこちら。
【寝落ちASMR17時間】今すぐ眠りたい君をとことん寝かしつける癒やし娘。脳がとろけるとことん安眠詰め合わせ(リアル耳かき・マッサージ・囁き)
上記のような音源をさらにハイクオリティに楽しみたい方には「COTSUBU for ASMR 3D」が合うかもしれません。
最後に本当にすべてをまとめての印象を。
まず冒頭のほうで述べた、
・超近接音場型:耳元の音を鮮烈に届けてくれる
・3D音場型:周囲の音の距離感や方向性を明瞭に伝えてくれる
・バランス型:どちらもバランスよくこなせる
という分類あるいは傾向に「COTSUBU for ASMR MK2」「COTSUBU for ASMR 3D」を改めて当てはめて表現すると、筆者の印象としてはこうなります。
・「COTSUBU for ASMR MK2」
超近接|■・|・・|3D
・「COTSUBU for ASMR 3D」
超近接|・・|■・|3D
「COTSUBU for ASMR MK2」は特化度合いが強く、それと比べればややバランス型寄りなのが「COTSUBU for ASMR 3D」ということです。でも、やっぱりそもそも超近接音場とか3D音場とかいうのがいまいちイメージしにくい……という方は、これは筆者の勝手な解釈にはなりますが、こんな説明ならどうでしょう?
・「COTSUBU for ASMR MK2」=ファンタジー志向ASMRチューニング。現実らしさにこだわりすぎず適度にデフォルメした表現も活用することでASMRとしての気持ちよさを強める。
・「COTSUBU for ASMR 3D」=リアル志向ASMRチューニング。現実らしい聴こえ方をしっかり再現して仮想空間への没入感を深めることでASMR体験の質を高める。
創作物に関しても「ファンタジー志向かリアル志向か?」みたいな話ってありますよね。自身のその好みに照らし合わせて「COTSUBU for ASMR MK2」か「COTSUBU for ASMR 3D」かの選択をするのもありかもしれません。何にせよ繰り返しになりますが、ASMR用イヤホン選びで大切なのは、推しのASMR配信の内容と自分が特に重視するASMR要素へのフィット。
なのでひとまず、手持ちのイヤホンで推しのASMR配信を改めて聴き込んでみてください。「COTSUBU for ASMR MK2」か「COTSUBU for ASMR 3D」かの正解探しもまずはそこからです。