BA型ドライバーを搭載した超小型モデル

ケーブルが一切ない左右分離型のワイヤレスイヤホン「EARIN」をチェック!

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これまでのワイヤレスイヤホンは、“ワイヤレス”といえどもケーブルが完全にないというわけではなかった。プレーヤーからイヤホン本体は無線になるが、左右のユニット間は有線になるのが一般的であった。今回、紹介するワイヤレスイヤホンは、そのケーブルを完全にカットし左右独立したモデル。北欧スウェーデンのEARIN社が手がけるカナル型イヤホン「EARIN」だ。非常に小さなサイズを実現しているうえ、バランスドアーマチュア型(BA型)ドライバーを搭載するなど音質も抜かりがない。

ワイヤレスイヤホン「EARIN」

ワイヤレスイヤホン「EARIN」

クラウドファンディング発のプロジェクト

EARINは、もともと、クラウドファンディングサイトのKickstarterで世界40カ国から約150万ドルの資金調達に成功したプロジェクトだ。目標金額を大幅に上回るその金額は、当時、北欧発のプロジェクトの中でもっとも資金を集めたことでも話題になった。

最近では、国内の大手家電量販店や通販サイトでも販売が開始され、初回出荷分は即完売というほどの人気ぶり。事実、価格.comの「ヘッドホン・イヤホン」カテゴリーでも、売れ筋ランキングは4位、注目ランキングは2位(いずれも2016年2月23日時点)にランクインするほど、注目度の高い製品となっている。

重量3.5gのボディにドライバー・無線チップ・アンテナ・バッテリーすべてを内蔵

EARINの最大の特徴は、超軽量・超小型で、世界最小クラスのBluetooth接続のワイヤレスイヤホンであること。本体サイズは20×14.5mmで、重量はなんと約3.5g。というと1円玉4枚に満たない重さだ。耳に装着している様子はまるで、大きめの耳栓と見間違えるような形となっている。また、圧倒的にコンパクトであるため、胸ポケットにいれてもじゃまにならない。

そんな極小ボディの中に、BA型ドライバー、Bluetoothチップ、アンテナ、バッテリーといった必要なモノをすべて搭載。BA型はドライバーの中でも小さく本体の小型化に貢献できるほか、ダイナミック型に比べて音がこもらずクリアなサウンドが楽しめる。ワイヤレスイヤホンと相性のいいドライバーと言えるだろう。いわゆるハイレゾのクオリティーを満たしてはいないものの、周波数特性は20〜20kHz、感度は105dB SPL±2dB、インピーダンスは25オームと、他製品に比べても見劣りしないスペックとなっている。

本体。背面の金色部は充電用の接点となっている

本体。背面の金色部は充電用の接点となっている

まさに耳栓のようになっている

まさに耳栓のようになっている

装着例

装着例

ノズル部

ノズル部

Bluetoothのバージョンは3.0/4.0で、コーデックは一般的なSBCのほか、SBCより高音質で低遅延と言われるAACやaptXに対応。iOSデバイスやiTunesとの相性のいいAACや、CDクオリティーをうたうaptXの両方に対応することで、スマホやポータブルオーディオプレーヤーなどとも高品位な音楽を楽しめる。なお、一度ペアリングを済ましてしまえば再接続も簡単だ。ちなみに、ペアリング時は「Earin L」と表示され、左ユニットから右ユニットへ通信する形になるという。

予備バッテリーにも充電機能付きの収納ケース

ここまで小さいと気になるのが連続再生時間や紛失だが、それらの欠点になりそうなところを付属のカプセル(公式ではCapsule)と呼ばれている、専用の収納ケースが上手くおぎなっている。EARINのユニークさの1つは、このカプセルであり、充電器として使えるだけでなく、ケース内部にリチウムイオン充電池(容量600mh)を備えることで予備バッテリーとしても機能することだ。

たとえイヤホン本体がバッテリー切れになっても、この収納ケース側のバッテリーさえ残っていれば、イヤホンをケースにしまっているときは自動で充電される仕組みになっている。イヤホン本体側のバッテリー容量は60mh(リチウムイオン充電池)で、連続再生時間は、ステレオモード時最大3時間、モノラルモード時最大11時間。正直言えば短めだが、カプセルと併用することで、コンセントがない環境でも充電できるのは便利だ。イヤホン本体バッテリーのフル充電時間は70分、カプセルバッテリーのフル充電時間は75分。

実際にaptX接続のステレオモードで聴いたところ、再生時間は2時間前後だった。また、試しにカプセルで20分充電して再度再生してみたところ、30分以上は再生できた。ちなみに、バッテリー切れの前には一度警告音が鳴り、その後数分で切断された。

収納ケース&バッテリー内蔵充電器のカプセル。イヤホンを入れると自動で充電が始まりLEDが赤色に光る(終了すると消灯する)

カプセルはスティック型になっており、ズボンのポケットにもしまえるサイズだ。イヤホンを使わないときはこちらに入れておくことで、紛失を防げる

コネクターの近くにはストラップ用のホールが用意されている

コネクターの近くにはストラップ用のホールが用意されている

コネクター側のLEDは充電器側の内蔵バッテリーのインジケーターで、充電完了時は緑色で点灯する

コネクター側のLEDは充電器側の内蔵バッテリーのインジケーターで、充電完了時は緑色で点灯する

音質インプレッション

使用したプレーヤーは、ソニーのハイレゾ対応プレーヤー「NW-A25」で、接続はaptXで行った。

最初に言っておきたいのは、Bluetoothだと音質が悪いという先入観があるかもしれないが、ここ最近は前述のaptXなどの恩恵もあり、Bluetoothでも有線に近いクオリティーを楽しめるようになっている。それはEARINも同様で、Bluetoothでかつ小型な本体とは思えないほど、想像していたより上のレベルの音がでてくる。

全体的には変な誇張や演出のない自然なサウンドで、聴感上はわりとフラットに聴こえるモニターライク。繊細さと鋭い印象のあるBA型っぽい雰囲気を持っている。中域から高域にかけての再現度はなかなかのもので、特にボーカルには臨場感がありフォーカスもよくあっている。いっぽうで低域はピントがやや甘めで、一部が膨らんだり抜けたりする傾向がある。そういう意味でのもの足りなさは少しあるように思うが、全体的には期待以上のサウンドと言っていいだろう。

まとめ

EARINは、完全なワイヤレスを実現したBluetoothイヤホンだ。持ち運びしやすいポータブルでの運用に適したモデルであり、また小型だからといって音についての妥協も見られない。BA型ならではのクリアなサウンドが楽しめる。無音時の背景ノイズが感じられるが、Bluetoothイヤホンとしては無難な範囲と言えるだろう。

少し気になるのは歩行時に無線が途切れる傾向があったこと。胸ポケットなどプレーヤーとの距離が近い場合は切れないが、腰より下の、たとえば、ズボンのポケットに近いところでは、途切れる頻度か多かった。この位置でも動かずに立ち止まっている状態であれば問題はないが、歩いたり走ったりする場合はイヤホンとプレーヤーの距離が離れないほうが途切れない。

価格は、価格.com最安価格で32,000円台(2016年2月23日時点)と、Bluetoothイヤホンとしては高価なほうだが、その分、完全なワイヤレス、BA型の特徴を生かした音質、圧倒的な小ささ、多機能な収納ケースと見どころは多い。一度聴いてみて欲しいイヤホンだ。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.6.21 更新
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