新製品レポート
デノンの高音質技術を詰め込んだハイレゾ時代の新モデル

DDFAフルデジタルヘッドホンアンプ搭載! デノンから“本気”のネットワークプレーヤー「DNP-2500NE」が登場!

デノン本社試聴室にて。左からデノン マーケティンググループ 宮原利温氏、デノン GPD エンジニアリング デノンサウンドマネージャー 山内慎一氏、クアルコム オーディオ製品 マーケティングマネージャー 大島勉氏

ポータブルオーディオやPCオーディオを中心に広がりを見せる「ハイレゾブーム」は、ホームオーディオとしても最注目トレンドと言える。ここ最近ではUSB DACやネットワークプレーヤー製品のモデル数も急増し、それぞれが1つのジャンルを確立するにいたっている。

しかしながら、オーディオファン的には、選ぶ楽しさに欠けているのもまた事実である。というのも、比較的安価なエントリーモデルは多数存在するが、ハイファイオーディオとして十分なクオリティを備える製品は数えるほどしかないのだ。そんな中、オーディオファンも納得できる新製品が登場した。デノンのネットワークオーディオプレーヤー「DNP-2500NE」である。希望小売価格は20万円(税別)で、価格的にはミドルクラスの“少し上”というプレミアム感が絶妙だ。同時にシリーズ製品として、プリメインアンプ「PMA-2500NE」とSACDプレーヤー「DCD-2500NE」もラインナップ。2500NEシリーズとしてデノンの意気込みを感じずにはいられない。

そこで今回は、デノン本社を訪問し、キーマンへの取材と試聴を敢行した。製品が生まれた背景や開発秘話、ネットワークプレーヤーDNP-2500NEの音質を中心に試聴インプレッションをお届けする。

「DNP-2500N」の製品概要

DNP-2500NE(以下、本機)は、新しくラインアップされる2500NEシリーズに属する。デノンの歴史を振り返ると、約20年に渡ってSACDプレーヤーとプリメインアンプの金字塔と言える「2000/1650シリーズ」がブラッシュアップを重ねつつ主役を張ってきた経緯がある。

今回の2500NEシリーズは、その後継にあたるが、本格的なハイレゾ時代に突入し、大型新人とも言えるネットワークプレーヤーの本機を追加した。マイルストーン的な存在感を放つフルモデルチェンジと言っていいだろう。

ちなみに型番末尾の「NE」は「New Era(新時代)」の略で、このことからも、デノンの本気度がうかがえる。2000/1650シリーズの後継でありながら、デノンのスタンダードをワンクラス引き上げる狙いもあるようだ。

DNP-2500NE

DNP-2500NE

機能面では、USB DAC機能とネットワークプレーヤー機能を持ち、Wi-Fiにも対応する。USB DAC部は、昨年10月に発売されたハイエンドSACDプレーヤー「DCD-SX11」で新規開発したプラットフォームを採用。最大384kHz/32bitのPCMおよび、11.2MHzのDSD音源再生に対応。ネットワーク再生は、DSDは5.6MHzと2.8MHzのDFF/DSFファイル、PCMは最大192kHz/24bitのWAV、AIFF、FLACおよび最大96kHz/24bitのALACファイル再生に対応。上位機譲りのクオリティとスペックが自慢だ。ほか、最大320kbpsまでのAAC、MP3、WMAの再生に対応し、DSD、WAV、FLAC、AIFF、ALACのギャップレス再生、AirPlay対応など、仕様面での抜かりはない。

オーディオ機器としての作り込みは、上位モデルで培った思想や回路技術を踏襲し、電源からシャーシにいたるまでしっかりと物量が投じられている。この価格帯の機器としては、ワンクラス上を感じさせる内容だ。

DDFAフルデジタルヘッドホンアンプを搭載

DNP-2500NEのヘッドホン端子部

DNP-2500NEのヘッドホン端子部

高価格帯ネットワークプレーヤーに相応しい機能、スペック、物量を感じさせる本機だが、特筆すべきは、フルデジタルアンプ「DDFA」によるヘッドホンアンプの内蔵である。

DDFA(Direct Digital Feedback Amplifier)は英CSR社が開発し、クアルコム社が引き継いだフルデジタルアンプ。デジタル音声入力から出力まで一貫してデジタル領域で処理を行うため、鮮度が落ちない。デノン製品としてはプリメインアンプ「PMA-50」で初採用し、その音質はオーディオ・ビジュアル専門各誌の最高賞を総なめにしたほか、「価格.comプロダクトアワード2015」(オーディオ部門/プリメインアンプ)で金賞に輝くなどユーザーから支持も厚い。その実力は周知の事実と言っていいだろう。本機ではぜいたくにもこのプリメインアンプと同等のアンプをヘッドホン専用に搭載しているというから驚きだ。こうしたユニークな発想にいたった経緯をデノン宮原氏にたずねた。

デノン宮原氏

デノン宮原氏

「日本市場で起こっているヘッドホンブームに対し、老舗ブランドのデノンが静観しているのは面白くないという思いから、DENONブランドでPMA-50、DRA-100に採用し市場から高い評価を得たDDFAソリューションを使い、ユニークで高音質のまったく新しいヘッドホンアンプを作れないか・・・という考えにいたりました。そこで、実験的にDDFAの評価ボードを改造しヘッドホンアンプとして音を聴いてみたところ、DDFAの特徴である音の鮮度(色付けがない)や解像度に高いポテンシャルを感じました。また、接続するヘッドホンを問わず忠実な再生が可能な駆動力が非常に魅力的でした。デジタルアンプの最大の利点である電力効率の高さは、出力の小さいヘッドホンアンプとして使用する限り利点としては小さく、また、フルデジタルアンプであるため、アンプへの入力はPCMに限られる(DSD-PCM変換が必須)など、迷いがある部分もありましたが、最終的に、DDFAフルデジタルアンプだから出せる音の魅力は、これらを補って余りあると判断し、製品化を決定しました。」(宮原氏)

耳の肥えたヘッドホンユーザーを次なるステージに導くため、最高の駆動力とクオリティを追求した結果だろう。確かに、フルデジタルで処理を完結でき、プリメインアンプとしてスピーカーも駆動できるDDFAなら、ヘッドホンリスニングに新しい風を吹き込んでくれるのは間違いなさそうだ。

また、DDFAを初めてヘッドホンアンプとして採用するにあたり、出力段は特別に、デノンとクアルコム社が協同開発を行ったという。クアルコム社の大島氏によると、「DDFAで一般的に使用されるスピーカー駆動用アンプ製品とは異なるため、製品開発の初期段階からクアルコムの欧州・日本拠点のDDFAエンジニア陣とデノンハードウェア/ソフトウェア設計陣が綿密な打ち合わせを行いました。最終製品のターゲット仕様の共有に始まり、お互いに音質コンセプト等を理解した上でブレインストーミングを重ね、小出力時でのDDFAのベストな回路、レイアウト、ソフトウェア設計を行ってきました」とのことだ。

クアルコム大島氏

クアルコム大島氏

続いて、高音質を実現するために施された数々の施策のうち、いくつかを紹介しょう。宮原氏から聞くことができた。

1.可聴帯域の残留ノイズの低減:
ヘッドホンはスピーカーに比べて感度が非常に高いため、可聴帯域の残留ノイズを低減すべく、電源(計9系統の電源の内2箇所)に超低ノイズレギュレーターを使用。また、DDFAの回路は繊細なアナログ信号系と108MHzを含む高速なデジタル信号系が混在するため、試作を重ね、残留ノイズの低減はもちろん、音質を最大限に高められるよう基板パターンを最適化。

2.広い範囲の負荷インピーダンス(8〜600Ω)に対応したLow-pass filter(デジタルアンプ搬送波除去のための回路)の設計。スピーカーに比べ、ヘッドホンは製品によってインピーダンスが8〜600Ωと幅が広い。8Ωや600Ω負荷であっても可聴帯域でフラットな周波数特性を実現できるLPF(ローパスフィルタ)を設計。

世界的に採用事例が増えるDDFAの特徴を生かしつつ、ヘッドホンアンプとして最適化するために協同開発も実施。なんとも”贅沢”な話であり、ヘッドホンファンなら好奇心を掻き立てられるストーリーだろう。

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