音楽ストリーミングサービスが普及し、スマートフォンでいつでもどこでも音楽や動画などのエンタメを楽しめるようになったことで、今や生活に欠かせないマストアイテムとなっているのが“イヤホン”です。2025年1月31日現在、価格.comの「イヤホン・ヘッドホン」カテゴリーに掲載されている購入可能なイヤホンの数は3,000を超えており、種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからない!というユーザーも多いはず。そこで本特集では、日ごろから数多くのイヤホンに触れている価格.comマガジン編集部が、音質や使い勝手、コストパフォーマンスにすぐれたおすすめのイヤホンを4つのタイプ別に紹介します。
イヤホンの接続方法は、大きく“有線(ワイヤード)”と“無線(ワイヤレス)”に分けられます。
有線イヤホンは文字どおり、デバイスにイヤホンを直接接続して使用するタイプのイヤホンです。有線イヤホンはケーブル自体がじゃまになりやすく、断線にも注意する必要がありますが、面倒な接続設定をしなくても、デバイスに直接挿すだけで音楽を手軽に楽しめ、ワイヤレスイヤホンのような遅延や音飛びがなく、音質面でも有利となっています。リケーブルに対応したモデルなら、ケーブルを交換することも可能です。
もっともオーソドックスな接続端子は「3.5mmミニプラグ」と呼ばれるものです。最近では3.5mmミニジャックがないスマートフォンやタブレットと直接接続できるように、「USB Type-C」や「Lightning端子」を採用した製品も登場しています。
有線イヤホンは、スマートフォンやオーディオプレーヤーのイヤホンジャックに挿すだけで使える手軽さが最大の魅力(写真はゼンハイザー「IE 40 PRO」)
ワイヤレスイヤホンは、スマートフォンやタブレットなどとBluetoothを使って接続するものが一般的で、ケーブルがなくて扱いがしやすいですが、使うにはバッテリー充電が必要です。また、人通りの多い交差点や、混雑する電車の中など、周囲の電波環境によっては、遅延や音飛びが発生することがあるのは注意が必要です。
ワイヤレスイヤホンは、スマートフォンとBluetoothで接続するものが主流。スマートフォンとイヤホンとの間にケーブルがなく、取り回しがしやすいのが特徴です(写真はアップル「AirPods Pro(第1世代)」)
現在、イヤホン市場では後者の無線(ワイヤレス)タイプの製品が主流となっており、左右のイヤホンがケーブルでつながっている「一体型(ヌードルワイヤレス)」や「ネックバンド型」、左右のイヤホンをつなぐケーブルすらない「完全ワイヤレス(トゥルーワイヤレス)」など、さまざまな形状の製品が登場しています。
なお、完全ワイヤレスイヤホンについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
耳の中に挿入して装着するイヤホンは、“カナル型”と呼ばれる耳穴にしっかりと挿し込んで使うタイプのものと、“インナーイヤー型”と呼ばれる耳穴にかぶせるように浅く装着するタイプの大きく2つのタイプに分類されます。
周囲への音漏れを気にする人が増えているため、最近ではカナル型タイプの製品が主流になってきていますが、カナル型特有の装着感が苦手という人も意外に多く、インナーイヤー型タイプの製品も根強い人気を誇っています。
また、最近では、イヤホンを装着したまま周囲の音を確認できる“ながら聴き”への注目度が高まってきており、カナル型やインナーイヤー型のように耳の中に直接挿入しない耳掛け型イヤホンも増えてます。
以下に、タイプ別の特徴を詳しくまとめましたので、それぞれの特徴を理解し、利用シーンにあったものを選びましょう。
カナル型イヤホン(写真はShure「SE535」)。現在、イヤホンで主流となっているタイプ。耳の奥までしっかりと差し込んで装着するため、遮音性が高く、音漏れが少ないのが特徴です。また、耳の奥まで音をダイレクトに伝える構造のため、音質面でも有利と言われています。耳穴に直接挿入する部分にはイヤーピースが装着されていることが多く、サイズの異なるイヤーピースに付け替えることで、装着感を調整することも可能です。
インナーイヤー型イヤホン(写真はアップル「EarPods」)。耳の上に載せるように浅く装着する形状のため、長時間のリスニングでも疲れにくいという特徴があります。カナル型に比べると遮音性が低くて音漏れしやすいため、電車内などの不特定多数の人がいる場所で大音量で使用する際は、くれぐれも音漏れには注意しましょう。
耳掛け型イヤホン(写真はJVC「HA-AL102BT」)は、イヤホン本体に耳の上部に掛けるフックやクリップが付いており、それらを使用して耳に固定します。耳に掛ける部分があるため、激しい運動でも外れにくいことからスポーツタイプの製品で採用が多かったのですが、最近ではイヤホンのスピーカー部を浮かせるなど、耳穴をふさがない構造を生かし、イヤホンを装着したまま周囲の音を確認できる“ながら聴きイヤホン”での採用も増えてきています。
イヤホンでは、スマートフォンやオーディオプレーヤーから届く電気信号をドライバーユニットで振動に変換して音を鳴らしています。ドライバーユニットの駆動方式はいくつかありますが、イヤホンで主流になっているのは、“ダイナミック型”と“バランスド・アーマチュア型”の2種類で、それぞれ音にも特徴があります。
ダイナミック型ドライバーは、ボイスコイルと呼ばれる磁気回路に電気信号を流して電磁力を発生させ、ボイスコイル周辺に配置させたマグネットとの反応を利用し、ダイアフラム(振動板)を前後に振動させて音を鳴らしています。原理上、小型化にあまり向いていないですが、1つのドライバーユニットで広い再生周波数帯域をカバーできるため、多くのイヤホンで採用されています。サウンド的には中低域の厚みに定評があり、バランスド・アーマチュア型ドライバーに比べてパワフルなサウンドを楽しめます。
ダイナミック型ドライバーは、イヤホンで使われるもっともポピュラーなタイプのドライバーユニットです。ダイアフラム(振動板)が大きいと音質的に有利とされており、ヘッドホンの場合は、ほとんどがダイナミック型ドライバーを採用しています
バランスド・アーマチュア型ドライバー(BAドライバー)は、ボイスコイルとマグネットの反応を利用した振幅で音を鳴らすという点はダイナミック型ドライバーと同じですが、こちらはアーマチュアと呼ばれる金属の鉄片の振動を細い棒(ドライブロッド)で振動板に伝えて振動させています。ダイナミック型より小型化が容易で、小さくても高い感度(出力)が出せるため、これまで補聴器などで採用実績がありました。解像度が高く、明瞭なサウンドが特徴ですが、原理上、ダイナミック型ドライバーに比べて周波数帯域が狭いため、ハイエンドイヤホンではバランスド・アーマチュア型ドライバーを複数搭載し、広い周波数帯域を確保しているものもあります。
米粒ほどの非常に小さな筺体を採用するバランスド・アーマチュア型ドライバー。製品開発・製造が非常に難しく、開発から製造まですべて内製しているメーカーは、KnowlesやSONION、ソニーなど非常に限られています(写真はKnowles「RAB-32257」)
主流ではありませんが、ほかにも電磁力ではなく静電気の力を利用して振動板を駆動する“静電型ドライバー(コンデンサー型ドライバー)”や、電圧がかかると形状変化するピエゾエレクトリック素子にオーディオ信号(電圧)を流すことで音を生み出す“圧電素子型ドライバー(ピエゾドライバー)”、薄い振動板を2枚の強力なマグネットで挟み、細かく振動させて音を出す“平面磁界型ドライバー(プラナー型ドライバー)”といったドライバーユニットがイヤホンで使われ始めてきています。高価なハイエンド製品での採用が中心ですが、最近では“ダイナミック型”や“バランスド・アーマチュア型”にこれらのドライバーユニットを組み合わせたハイブリッド型のタイプも増えてきています。
数種類のドライバーユニットを組み合わせたハイブリット型の製品も増えています(写真はソニー「IER-Z1R」)
イヤホンのパッケージやカタログ、製品ページなどには必ずスペックが書かれています。ここでは、イヤホン選びに役立つスペックについて簡単に説明します。
イヤホンが再生できる音の周波数の下限から上限までを表現したもので、単位はHzになります。数値の幅が大きいほど、広いレンジの音を再生できるわけですが、カタログやパッケージなどに表示するスペックについての厳密なルールがなく、実際に聴こえる可聴域を載せているメーカーもあれば、機器で計測した数値を載せているメーカーもあります。あくまでも目安としてとらえ、製品選びの際は実際に試聴するのがいいでしょう。なお、ハイレゾロゴマークのついたイヤホンは、高域再生性能が40000Hz以上のものになります。
1mWの音を入力したときにイヤホンから発音する再生音の強さを表す数値で、単位はdB/mWとなっています。同じボリュームであれば、数値が大きいほうがより大きな音量を得ることができます。
イヤホンに入力できる瞬間的な最大電力を表す数値で、単位はmWです。プレーヤー側の出力を上回っていれば問題ありません。
イヤホンの電気抵抗の大きさを表す数値で、単位はΩ(オーム)です。インピーダンスが大きいと音が小さく、逆に小さいと音が大きくなります。
通勤・通学の電車内や繁華街のカフェなど、周囲の騒音が気になる環境でも音楽を快適に楽しみたい!という人は、ノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスイヤホンがおすすめです。
近年、イヤホン本体に搭載されているBluetoothチップの進化により、安価なノイズキャンセリング機能付き完全ワイヤレスイヤホンもいくつか登場してきていますが、ノイズの打ち消し効果の高いものを選ぶなら、イヤホンの外側と内側にマイクを搭載する“ハイブリッド方式”のノイズキャンセリング機能を搭載したモデルを選ぶのがよいでしょう。
ソニー「WF-1000XM5」
ソニーの完全ワイヤレスタイプのノイズキャンセリングイヤホンの最新フラッグシップモデルが「WF-1000XM5」です。ノイズキャンセリングだけでなく、新型ドライバーユニットによる高音質サウンド、イヤホン本体の小型化による装着感のよさ、ユーザーの行動や場所に連動してノイズキャンセリングや外音取り込み設定などを切り替えてくれる「アダプティブサウンドコントロール」をはじめとした便利な機能性が1台で揃う総合力の高さから、発売当初から価格.comの「イヤホン・ヘッドホン」カテゴリーのランキング上位をキープし続け、ノイズキャンセリングイヤホンの定番モデルとなっています。
先代モデルから搭載マイク数も増えており、AIを活用した「高精度ボイスピックアップテクノロジー」の合わせ技により、通話品質もかなり高く、オンライン会議などで通話が多いという人にもぴったり。ノイズキャンセリングだけでなく、音質や機能性、通話品質にもこだわったオールラウンドモデルとして要注目の1台と言えるでしょう。
Bose「QuietComfort Ultra Earbuds」
Boseの完全ワイヤレスタイプのノイズキャンセリングイヤホンの最新フラッグシップモデルが「QuietComfort Ultra Earbuds」です。セミカナル型イヤホンですが、ノイズキャンセリングとサウンドを装着者の耳に合わせて全自動で調整してくれる「CustomTuneテクノロジー」を搭載しており、軽い付け心地でありながらかなり強力なノイズキャンセリング効果を得られるモデルに仕上がっています。
ほかにも、新たに搭載された独自の空間オーディオ技術「Bose Immersive Audio」を活用することで、いつも聴いている音楽を立体的なサウンドで楽しめるようになったのもポイント。高音質なaptX Adaptiveコーデックを利用できるようになったのもうれしい進化点と言えるでしょう。通勤・通学でノイズキャンセリング機能重視のイヤホンを探しているなら、ぜひ候補に入れたい1台です。
アップル「AirPods Pro 第2世代」
iPhoneを製造するアップルが手掛けた完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」シリーズは、iPhoneと組み合わせて使用することで付属の充電ケースから取り出すだけで簡単にペアリングできる機能や、耳に装着するだけで自動的に電源がオンになってiPhoneと自動でつながる機能など、非常に便利な連携機能が利用できるということで、特にiPhoneユーザーから人気を得ています。
そんな「AirPods」シリーズでアクティブノイズキャンセリング機能を搭載したモデルが「AirPods Pro」です。現行モデルは2023年に発売された「AirPods Pro 第2世代(USB-C)」で、充電ケースの充電端子が汎用性の高いUSB-Cになったのが特徴です。ノイズキャンセリングの効果も高く、外音取り込みの自然さについても、サイレンなどの高騒音だけを除外する「適応型環境音除去」が新たに追加されたことで、さらに使いやすくなっています。iPhoneとの相性は抜群なので、iPhoneと組み合わせるノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスイヤホンを探している人は最有力候補と言えるでしょう。
スマートフォンやオーディオプレーヤーに挿すだけで誰でも簡単に使える手軽さが魅力の有線イヤホン。最近はワイヤレスイヤホン人気に若干押されていますが、ワイヤレスイヤホンのようにバッテリー残量を気にすることなく使え、音飛びや遅延もなく、音質的にも有利ということで、依然として根強い支持を集めています。
千円でおつりがくるような安価なモデルから、数万円超の超高級ハイエンドモデルまで、さまざまなタイプの有線イヤホンがありますが、今回は定番の人気モデルをご紹介します。
ゼンハイザー「IE 100 PRO」
「IE 100 PRO」は、プロオーディオ製品も手がけるゼンハイザーがミュージシャンやクリエーター、イヤーモニター向けのユニバーサルIEMとして展開する有線タイプのカナル型イヤホンです。2018年発売の大ヒットモデル「IE 40 PRO」と同じ薄型のイヤホンデザインや、10mm径のトランスデューサー(ダイナミック型ドライバー)によるメリハリのある高高解像度なサウンドはそのままに、新たに上位モデル「IE 400 PRO」「IE 500 PRO」と同じ独自の着脱式ケーブルを採用。イヤーフックやケーブルダクトが強化され、ケーブルが抜けにくく、プロユースにも十分耐えられる安定性の高い装着感を実現したのがポイントとなっています。
なお、プロユースを想定したモデルということで、ケーブルのインラインリモコンやマイクなどは用意されていませんが、Bluetoothリケーブル「IE PRO BT Connector」を組み合わせた「IE 100 PRO Wireless」という兄弟モデルもラインアップされているので、スマートフォンと組み合わせて通話でも利用したいという人は、そちらをチョイスするのもアリでしょう。
qdc「SUPERIOR」
プロフェッショナル向けのカスタムIEMなどを手掛ける中国のオーディオメーカーqdcが、日本の輸入代理店からの要望に応え、1万円台で買えるエントリークラスの有線イヤホンとして開発されたのが「SUPERIOR」です。qdcとしては初のダイナミック型ドライバー1基のイヤホンですが、低音のキレもよく、まとまりのある迫力満点のサウンドはどんなジャンルの音楽も楽しく聴けそうです。
カスタムIEMを手掛けるqdcらしく、筐体には3Dプリンティング技術を活用。フィット感も非常によく、遮音性もかなり高いです。シェルプレートの違いで4色のカラーバリエーションをラインアップしており、自分好みのカラーを選べるのもうれしいポイントです。なお、カスタムIEM用2pin(0.78mm)リケーブルにも対応しており、オプションでバランス接続用ケーブルやマイク付きケーブルなども用意されているので、リケーブルでカスタマイズを楽しむのも面白そうです。
Shure「SE846 第2世代」
昨今のイヤホンブームの火付け役となり、2011年の発売からいまだにロングセラーを続ける「SE215 Special Edition」など、イヤホンやヘッドホンも手掛ける米国の老舗音響メーカーShure。そんなShureのイヤーモニター「SEシリーズ」の頂点に君臨するのが「SE846 第2世代」です。ドライバー構成は、低域に2基、中域と高域にそれぞれ1基のBAドライバーを用いた3ウェイ構成ですが、耳にすっぽりと収まるコンパクトなサイズを実現。ノイズキャンセリング機能などはありませんが、耳への高いフィット感から遮音性もかなり良好です。なお、今回紹介する第2世代モデルでは、音質調整用の交換式ノズルインサートに「エクステンド」が新たに追加され、「バランス」「ウォーム」「ブライト」と合わせて4種類のサウンドを楽しめるようになっています。
サウンドはマルチBAドライバーらしく高解像度ではありますが、独自のローバスフィルター設計のおかげで低域もしっかりと感じられ、全体的にまとまりのある自然な鳴り方なので、音楽ジャンルを問わず楽しめます。価格.com最安価格でも10万円オーバーとかなり高価な製品ではありますが、一度でもそのサウンドを聴けばこの価格でも十分納得できるはずです。交換式ノズルインサートで4種類のサウンドを楽しめる点を含め、末長く愛用できる相棒としてぜひ注目してほしい1台です。
音楽を聴きながらランニングやジョギングといったスポーツを楽しむ人や、周囲の音とともに音楽をBGMのように楽しむながら聴きをする人にぴったりなのが、装着安定性にすぐれ、周囲の音もしっかりと確認できるワイヤレスタイプのイヤホンです。
汗や雨による故障を防ぐなら、防汗・防滴対応がおすすめ。ここでは、ケーブルがじゃまにならないネックバンドタイプや完全ワイヤレスタイプの注目製品3つを紹介します。
Shokz「OpenRun Pro」
耳をふさがずに周囲の音をしっかりと確認しながら同時に音楽も楽しめることから、近年、ながら聴きイヤホンとしてますます注目度が高まってきている骨伝導イヤホン。なかでも人気のブランドが、世界中で1,000以上の特許を出願、独自技術を駆使した骨伝導・開放型に特化した製品開発を得意とするShokz。そんな同社のワイヤレス骨伝導イヤホンが「OpenRun Pro」です。
チタンフレームを使った本体は適度な側圧で激しい動きでもずれにくく、耳への引っ掛けるような装着スタイルでフィット感も良好。長時間でも快適に装着できるので、激しいスポーツシーンはもちろん、ながら聴き用途にもぴったりです。IP55相当の防塵・防水性能があり、汗や突然の雨などを気にせずに使えるのもうれしいところです。
なお、2024年には後継モデルとなる「OpenRun Pro 2」が発表され、「OpenRun Pro」は旧モデルという扱いですが、「OpenRun Pro 2」は音質がアップしたものの、構造上「OpenRun Pro」に比べて音漏れしやすくなってしましました。また、充電端子もUSB-Cになり、端子保護のためにカバーが追加されています。音漏れを避けたい人、防水性をしっかりと確保しておきたいという人は「OpenRun Pro」を選ぶのがベターでしょう。
Bose「Ultra Open Earbuds」
Bose「Ultra Open Earbuds」は耳に挟むように装着するイヤーカフスタイルを採用した完全ワイヤレスイヤホンです。装着時の耳元の存在感は多少ありますが、耳を完全にふさがないオープンイヤー型の製品とは思えない低域を利かせたBoseらしいサウンドは唯一無二です。耳に挟み込む部分のグリップ力も高く、激しい運動をしても耳からずれ落ちることはないので、スポーツシーンでも豊かで力強い低音サウンドを楽しみたいという人はぜひ注目したい1台です。
イヤホン本体の防水性能はIPX4相当で完全防水ではありませんが、軽い雨や汗をかくスポーツシーンでも故障のリスクは少なめです。独自の空間オーディオ機能「イマーシブオーディオ」も搭載されており、スポーツシーンだけでなく、音楽リスニングや動画視聴など、日常生活のあらゆるながら聴きシーンにうまくフィットしてくれるでしょう。
ソニー「Float Run WI-OE610」
さまざまなタイプのイヤホンを手掛けるソニーが、ランニングに最適なイヤホンとして開発したのが、ネックバンドスタイルの開放型ワイヤレスイヤホン「Float Run WI-OE610」です。“Float”という製品名が示すとおり、本機ならではの大きな特徴となっているのが、音の出るスピーカーが耳から浮いたような形で配置されていること。骨伝導イヤホンと異なり、一般的なイヤホンと同じように音波振動で音を届ける構造のため、骨伝導イヤホンよりも自然なリスニング体験を得られるほか、音の出るスピーカーが耳に直接触れないため、長時間装着していても耳が痛くなりにくく、汗をかくようなスポーツシーンでも耳が蒸れにくいというメリットがあります。
16mmというかなり大口径のドライバーユニットを搭載することで、開放型イヤホンが苦手する低音域も強化されており、音質もなかなかのもの。構造上、ボリュームを上げると骨伝導イヤホンに比べて周囲の音が若干マスクされますが、低音域がしっかり下支えしてくれるおかげで、小さいボリュームでもちゃんと音楽を楽しめます。屋外でのランニングに快適に使えるながら聴きイヤホンを探している人は、ぜひ注目したい1台です。
国内外のさまざまなメーカーから毎年数多くの新製品が登場し、年々進化を遂げているイヤホン。最近では音質やバッテリー性能にすぐれた高コスパモデルが増えてきています。
ノイズキャンセリングなどの高機能はいらないが、高コスパなイヤホンが欲しいという人のために、ここではお手ごろな価格で購入できる音質や機能のバランスにすぐれた注目モデルをご紹介します。
FiiO「JD10」
中国のオーディオメーカーFiiOが手掛けるエントリーイヤホン「JD10」の3.5mmステレオミニプラグモデル。2千円を切る価格ですが、高純度無酸素銅ケーブルの採用や0.78mm 2ピン仕様のリケーブルに対応するなど、FiiOらしいコストパフォーマンスにすぐれた1台に仕上がっています。イヤホン本体は透明樹脂の筐体にフェイスプレートを組み合わせたカスタムIEMライクなデザインを採用。イヤホン片耳の重さが約3.7gと非常に軽いため、正しい装着位置からずれないように耳にあったイヤーピースをしっかりと選ぶ必要がありますが、装着時の軽い着け心地は長時間の音楽リスニングにぴったりです。
音もダイナミック型ドライバーらしいまとまりのある整ったサウンドで、2千円以下で買えるイヤホンとは思えないほど良音質。マイク付きケーブルなので、スマートフォン直刺しで手軽に運用できるのもうれしいポイントです。なお、「JD10」にはUSB Type-C接続モデルもラインアップされていますが、USB Type-C接続モデルはリケーブル非対応で、価格も若干高めに設定されています。とにかくコスパ重視の人、リケーブルでカスタマイズを楽しみたい人は、3.5mmステレオミニプラグモデルをチョイスするのがよいでしょう。
ソニー「WI-C100」
『ワイヤレスイヤホンは便利だけど、完全ワイヤレスは小さく、落としてしてしまいそう』という理由から、ケーブル一体型のワイヤレスイヤホンもいまだに根強い人気があります。そういった人にぜひおすすめしたいのが、ソニー「WI-C100」です。
5千円を切るエントリーモデルではありますが、圧縮音源の高音域をクリアに再現する「DSEE」を搭載し、専用アプリ経由でのイコライザー調整にも対応するなど、なかなかの機能性を誇ります。最近はケーブル一体型のワイヤレスイヤホンを取り扱うメーカーも少なくなり、製品探しが大変になってきますが、ソニー製品ということで入普性も高く、コスパも優秀なので、ケーブル一体型のワイヤレスイヤホンを探している人はぜひ注目してください。
JBL「TUNE310C」
JBL「TUNE310C」は、端子にUSB Type-Cを採用したUSB接続専用の有線イヤホンです。近年、イヤホンジャックのないスマートフォンが増えてきていますが、「TUNE310C」ならUSB Type-Cを採用した「iPhone 15」シリーズやAndroidスマートフォンと直接接続して音楽や動画などを楽しむことができます。
4千円を切る比較的リーズナブルな価格で購入できる製品ではありますが、96kHz/24bitにまで対応したオーディオグレードのDACを内蔵し、JBLとして初めてハイレゾ認証を取得した9mm径のダイナミック型ドライバーを搭載するなど、音についてもかなりこだわっています。ケーブルに用意されたマイク付き3ボタンリモコンで楽曲再生のコントロールやマイクのミュート、音量調整、3種類のプリセットイコライザー切り替えができるなど、使い勝手も非常に考えられています。有線接続なので遅延も少なく、ゲーム機にも直接接続できるので、ゲーム用のイヤホンとして導入するのもアリでしょう。
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