「価格.comプロダクトアワード2016」連動企画

アワード受賞製品から2016年のトレンドを振り返る(AV家電編)

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去る2016年12月1日、その年、ユーザーにもっとも支持された製品を選出する「価格.comプロダクトアワード2016」の結果が発表された。本企画では、当アワードにて、各カテゴリーごとの賞を受賞した製品に着目。その製品のどういった部分がユーザーから高く支持されたのか、その理由を綿密に探りつつ、今年2016年のトレンドを振り返っていく。第4回は「AV家電編」だ(計5回連載)。

【映像部門】薄型テレビはコスパ重視。高機能・高性能の4Kモデルの勢いが衰える

映像部門では、メインとなる「薄型テレビ」と「ブルーレイ・DVDレコーダー」の2カテゴリーについて見ていくことにしよう。まず「薄型テレビ」であるが、今年2016年のプロダクトアワードでは、画質・機能よりも、むしろコストパフォーマンスが重視されたという感じが強い。今年は8月に「リオ五輪」が開催され、4Kテレビの普及がいっそう進むのではないかと思われていたが、実際にはこの夏、それほど4Kテレビ市場は盛り上がらなかった。ようやく年末にかけて、価格が下がってきた4Kモデルが売れてきてはいるが、4K本格普及の年というほどには盛り上がらなかった印象だ。

ただ、薄型テレビが全般的に不調だったというわけではなく、今から10年以上前にデジタルテレビを購入した人たちの買い換え需要は高まっている。こうした方の買い換え選択肢としては、4Kテレビと、フルHD(2K)テレビの2つがあるわけだが、今年1年の売れ筋ランキングなどを見ていても、年間を通じてフルHDモデルのほうに一定の需要があったように思う。多くの人々にとって、4Kテレビは「まだ高い」存在なのだ。しかしながら、今年は4K放送のロードマップが公開されたり、新たな4Kコンテンツとしての「Ultra HD Blu-ray」が登場したり、さらにはゲーム機でも4K出力が可能な「プレイステーション4 Pro」が登場するといった具合で、4K映像が一般化するのもあと数年、という状況が整ってきた。となると、今、フルHDモデルを選ぶにしても、あと数年使えばいいという、ある意味で「つなぎ」的な製品が求められてくる。

東芝「REGZA 40V30」

東芝「REGZA 40V30」


そんなニーズにうまく合致し、コストパフォーマンスの高さと、予想以上の画質のよさで、高い満足度を得た製品が、「薄型テレビ」カテゴリーで金賞を受賞し、映像部門のプロダクト大賞にも輝いた、東芝「REGZA 40V30」だったと言えるだろう。決して目立つ部分のある製品ではなく、機能・性能的には大幅なコストダウンを計った普及機である。しかしながら、東芝がこれまでのテレビ開発で培ってきた「超解像」の技術などによって、その画質は普及機といえども確実に高まっている。10年ぶりにテレビを買い換えたという人にとっては十分すぎる画質であり、しかも価格が安く、チューナーを3基搭載するなど、コストパフォーマンスのよさも際立つ。仮につなぎ的な製品ではあっても、価格を考えると十分納得という評価が多かったのが、この製品だ。

また、同カテゴリー銀賞に輝いたシャープの「AQUOS LC-60US40」に関しても、満足度の決め手はやはりコストパフォーマンスのよさだったように思う。こちらは4Kテレビ、しかも60V型という大型画面の製品であるが、発売からまもなく20万円前半の最安価格をつけ、10月以降は20万円も割り込むというように、60V型の最新モデルとしては、かなりの高コストパフォーマンスで人気を得た製品だ。かつて、液晶テレビでは圧倒的シェアNo.1の強さを誇ってきたシャープだが、4Kについてはやや出遅れた感があり、ライバルメーカーに比べると少し不利な状況が続いていた。しかしながら、自社で液晶パネルを開発・生産している強みもあり、低コストで高品質の製品を生み出せる本来のシャープらしさを発揮したと言えるのが本製品だ。全モデルの「AQUOS LC-60US30」も、同様の低価格で人気となった製品だが、改良された本機では、画質や音質を大幅にブラッシュアップさせ、非常に高い満足度を得るに至った。

シャープ「AQUOS LC-60US40」

シャープ「AQUOS LC-60US40」


このように、今年のアワードでは、テレビとしての機能・性能よりも、コスパの高さが重視された結果になった。機能・性能を重視した4Kテレビもすでに、ずいぶん購入しやすい価格になってきているのだが、そうした機能性を重視するアーリーアダプター層はすでに4K環境への移行を済ませてしまっており、その反動が、今回のような結果につながったようにも思える。最新機能を求めるユーザーにとっては、やや面白みに欠ける結果となったが、4K映像コンテンツも増えてきている今、来期以降の巻き返しにぜひ期待したいところだ。

パナソニック「ブルーレイディーガ DMR-BRG2020」

パナソニック「ブルーレイディーガ DMR-BRG2020」


いっぽう、ブルーレイレコーダーのほうでは、年間を通してパナソニック「ブルーレイディーガ」の強さばかりが目立った1年となった。「ブルーレイディーガ」のよさは、わかりやすい操作性と、非常に多彩な録画方法(長時間モードなど)にあるが、それらに加えて最近の製品では、いち早い4K出力(アプコン)対応や、全録モデルの増加、スマホやタブレットと連携した外出先からの視聴機能など、機能性の面でも他社の追随を許さないほどの進化を遂げている。今年のプロダクトアワードでも、「ブルーレイ・DVDレコーダー」カテゴリ−では、金賞・銀賞の上位2つが「ブルーレイディーガ」シリーズで占められた。金賞の「DMR-BRG2020」はトータルバランスにすぐれた3チューナーモデル。銀賞の「DMR-BRX7020」は全録に対応した高級モデルとなるが、特に後者は、7TBのHDDを搭載するというまさに「モンスター」とでも称したくなるようなハイスペックで、最大10チャンネル×28日間の全録を可能とする製品だ。価格もそれなりにはするが、このスペックを考えれば、むしろ納得とする意見が多かった。今後も、この「ブルーレイディーガ」の躍進は当分続きそうだ。

パナソニック「ブルーレイディーガ DMR-BRX7020」

パナソニック「ブルーレイディーガ DMR-BRX7020」

【オーディオ部門】進むハイレゾ対応。高級製品が高評価のまれなるジャンル

続いてオーディオ部門だが、こちらのキーワードはひたすら「ハイレゾ」だったように思う。ハイレゾ音源はすでに3年ほど前から普及しだしてはいたが、定着してきたのは、ダウンロードコンテンツなどが充実してきた昨年くらいのこと。こうした流れを受けて、末端の出力機器であるイヤホンやヘッドホン、スピーカーなどが相次いで「ハイレゾ対応」を打ち出してきたのが、今年2016年のトレンドだろう。

ONKYO「E700M」

ONKYO「E700M」


そんな中でユーザーから高く支持されたのも、やはりハイレゾ対応製品がほとんどという結果になった。まず、ユーザーの多い「イヤホン・ヘッドホン」カテゴリーでは、金賞・銀賞・銅賞の3製品がすべてハイレゾ対応製品。金賞および、本部門でプロダクト大賞に輝いたONKYO「E700M」は、1万円台前半という比較的手ごろな価格と、ONKYOならではの高音域のクリアさが高く評価された。楽曲にもよるが、ハイレゾ音源では高音域の解像度が特に上がる傾向が強く、その点で本製品はハイレゾとの相性がなかなかによかったのだろう。これにプラスして低音域の迫力も楽しめるのが、銅賞のDENON「AH-C820」だ。価格的には、ONKYO「E700M」の倍くらいする、クラス上の製品だが、その満足度評価は5.00! いずれ劣らぬ人気製品となった。

DENON「AH-C820」

DENON「AH-C820」


なお、銀賞のBose「QuietComfort 35 wireless headphones」は、Bluetooth対応のワイヤレスヘッドホン。同社が得意とするノイズキャンセリング機能を搭載した「QuietComfort」シリーズ初のワイヤレスモデルであり、Bluetooth接続ながらも、安定した高音質を実現。もちろん、ノイズキャンセリングの効果は絶大で、「無線+ノイズキャンセリング」という条件で考えた場合、右に出るものはいないというほどの高評価を得た。

Bose「QuietComfort 35 wireless headphones」

Bose「QuietComfort 35 wireless headphones」


もちろん、ハイレゾ時代に入って、それを再生するプレーヤーのほうにも変化が出てきている。昨年くらいまでは、ハイレゾプレーヤーの価格が全体的に高く、10万円オーバーも普通という状況で、一般のユーザーでも気軽に手が届く製品といえば、ソニーの「ウォークマン」シリーズくらいしかなかった。しかし、昨年2015年末くらいから、ソニー以外のさまざまなメーカーも相次いでハイレゾプレーヤーを発売し、その裾野が広がってきたことで、高機能プレーヤーの価格が全体的に下がって購入しやすくなってきている。

そうした中で、もっとも高く支持されたのが、「デジタルオーディオプレーヤー」カテゴリーで金賞を受賞したONKYOの「DP-X1」である。発売当初は7万円くらいのプライスだったが、今年の夏くらいには価格.comの最安価格で6万円を割り込み、非常に買いやすい価格になったのが大きい。実は、本機は同カテゴリーで銅賞を受賞したパイオニア「XDP-100R」と兄弟機という関係にあり、そういう意味では、設計思想を共有する2つの製品のダブル受賞と言っても過言ではない。「XDP-100R」のほうはさらに価格が安く、今年の夏には5万円を切る最安価格をつけていたこともあって、人気となった。1年前くらいまでは10万円オーバーが普通だった、こうしたハイレゾプレーヤーの中級機が手ごろな価格で買えるようになり、その音質も予想以上と感じる人が多かったことから、これらの製品が高く評価される結果となった。

もちろん、ハイレゾ時代に入って、それを再生するプレーヤーのほうにも変化が出てきている。昨年くらいまでは、ハイレゾプレーヤーの価格が全体的に高く、10万円オーバーも普通という状況で、一般のユーザーでも気軽に手が届く製品といえば、ソニーの「ウォークマン」シリーズくらいしかなかった。しかし、昨年2015年末くらいから、ソニー以外のさまざまなメーカーも相次いでハイレゾプレーヤーを発売し、その裾野が広がってきたことで、高機能プレーヤーの価格が全体的に下がって購入しやすくなってきている。

ONKYO「DP-X1」

ONKYO「DP-X1」


そうした中で、もっとも高く支持されたのが、「デジタルオーディオプレーヤー」カテゴリーで金賞を受賞したONKYOの「DP-X1」である。発売当初は7万円くらいのプライスだったが、今年の夏くらいには価格.comの最安価格で6万円を割り込み、非常に買いやすい価格になったのが大きい。実は、本機は同カテゴリーで銅賞を受賞したパイオニア「XDP-100R」と兄弟機という関係にあり、そういう意味では、設計思想を共有する2つの製品のダブル受賞と言っても過言ではない。「XDP-100R」のほうはさらに価格が安く、今年の夏には5万円を切る最安価格をつけていたこともあって、人気となった。1年前くらいまでは10万円オーバーが普通だった、こうしたハイレゾプレーヤーの中級機が手ごろな価格で買えるようになり、その音質も予想以上と感じる人が多かったことから、これらの製品が高く評価される結果となった。

パイオニア「XDP-100R」

パイオニア「XDP-100R」


もうひとつ、オーディオ関連で今年流行ったものに「Bluetoothスピーカー」がある。元々はパソコン向けの小型デスクトップスピーカーとして発展してきたジャンルだが、最近では、スマートフォンやタブレットからワイヤレスで音楽を飛ばして再生できる製品としてすっかり定着した感がある。このカテゴリーでは、Boseとソニーの2社が常につばぜり合いを繰り広げてきており、昨年のプロダクトアワードではBoseの「SoundLink Mini Bluetooth speaker II」が金賞を受賞したが、今年は一転してソニーの製品が金賞、銀賞のダブル受賞となった。

ソニー「LSPX-S1」

ソニー「LSPX-S1」

金賞を受賞したのは、意外なことに、LEDランプと一体化されたアイデア商品「LSPX-S1」だった。こうした製品は、デザインのよさで選ばれることはあっても、音質などの機能面では今ひとつというものも多いのだが、本製品に関しては、デザインや実用性はもちろんのこと、Bluetoothスピーカーとしての音質も非常にすぐれており、「久々にわくわくするソニー製品」という意見が続出するほどの満足度の高さ(5.00!)を獲得した。


いっぽう、銀賞を受賞した「h.ear go SRS-HG1」は、まさに主力のBluetoothスピーカー製品。コンパクトで音質がよく、しかもカラフルな5色展開という、他社製品にはない特徴を持った製品である。元々音質面での評価は高かったソニーのBluetoothスピーカーであるが、昨今の流行にのったカジュアルなカラーリングなどが女性ユーザーなどにも受け入れられたことが大きそうだ。

ソニー「h.ear go SRS-HG1」

ソニー「h.ear go SRS-HG1」


ソニーに関しては、ソニーらしさがなくなったということが言われて久しいが、昨今のオーディオ関連製品では、このように高音質+楽しさを追求した「らしい」製品も多く出てきている。それを象徴するような製品の受賞である、と言ったら言い過ぎだろうか。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.12.12 更新
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