レビュー
オーディオテクニカ「ATH-DSR9BT」とソニー「MDR-1000X」を徹底比較

ハイレゾ相当の音をワイヤレス伝送できるaptX HD&LDAC対応の高級Bluetoothヘッドホンを聴いてみた

aptX HDに対応したオーディオテクニカ「ATH-DSR9BT」(左)と、LDACに対応したソニー「MDR-1000X」(右)

aptX HDに対応したオーディオテクニカ「ATH-DSR9BT」(左)と、LDACに対応したソニー「MDR-1000X」(右)

Bluetooth方式のヘッドホン&イヤホンといえば、ケーブルの呪縛から解き放される手軽さや、スマートフォンやDAPの画面を見ずにリモコンでワイヤレス操作できる使い勝手のよさ、そしてなにより対応製品の低価格化により、いまや数多あるヘッドホン・イヤホンのなかでもメジャーな存在となっている。特に、最新のiPhoneがヘッドホン出力を省いて以降は、次世代の主流としてこれまでにないほどの大注目を集めており、さまざまなメーカーから矢継ぎ早に新製品が登場している。

そのいっぽうで、音質に関してはあまりいいイメージを持っていなかったりするのも事実だ。本来が(音声的には)インカムなどを主眼に据えた規格であるためか、クオリティよりも圧縮率を優先することが多く、有線接続に対して音質面では不利になることが多いからだ。ここ数年はパーツの改良によって音質もかなり向上したが、高圧縮であることがどうしてもネックとなってしまい、クオリティ追求にはある程度の限界が存在する状況となっている。

しかしながら、最新のBluetooth製品のなかには、独自の方法論で“規格の縛り”を打ち破り、さらなる音質の向上を目指したものがある。それがaptX HDとLDACだ。どちらも、伝送レートを拡大しつつ、圧縮方式を工夫することで、良質なサウンドを実現。さらに、注目を高めつつあるハイレゾ音源にも対応することで、Bluetoothとしての利便性を確保しつつも、有線に遜色のない音質が追求されている。aptX HDもLDACも、プレーヤーとヘッドホン・イヤホンの両方で同じ規格に対応していなければならず、製品数もまだまだ少ないが、こと音質に関しては圧倒的に有利であるため、その未来はかなり明るいといっていい。ということで、今回はaptX HDとLDAC、まさに“ハイエンド” Bluetoothヘッドホンの実力の程を確認してみることにした。

ハイレゾ相当の音声をワイヤレスで送信できるaptX HDとLDAC

音質レポートをお届けする前に、aptX HDとLDACについて簡単に説明しておこう。

まずは、aptX HDから。こちらは、Bluetoothのオーディオ向けプロファイル「A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)」で活用できるコーデックのひとつで、クアルコム(が買収したCSR)が規格したものだ。A2DPで必須となっているSBCと比べて圧縮率が低くて低遅延という特徴をもつaptXコーデックをベースに、CDを上回る最大48kHz/24bitまでの音声信号を伝送できるのが特徴となっている。

最大48kHz/24bit、ビットレート576kbpsでのBluetooth伝送に対応したaptX HD。aptX同様、聴覚心理モデルを使わない固定圧縮アルゴリズムを採用し、高音質を担保している

2016年に発表されたばかりの比較的新しい規格のため、対応している製品が少なく、スマートフォンではLGエレクトロニクスの「isai Beat LGP34」や「V20 PRO L-01J」などが対応している程度。そのいっぽうで、単体のハイレゾ対応DAPではAstell&Kern「AK70」やAK3xxシリーズ(AK300など)がいち早くファームウェアアップデートで対応したため、活用できるプレーヤーの数は市場に比較的多かったりする。

AK70やAK300といったAK3xxシリーズは、昨年10月のファームウェアアップデートでaptX HDにいち早く対応した

AK70やAK300といったAK3xxシリーズは、昨年10月のファームウェアアップデートでaptX HDにいち早く対応した

いっぽうで、ヘッドホン・イヤホン側の対応機種はこれからといった状況で、オーディオテクニカの新しい高級ヘッドホン「ATH-DSR9BT」やLG「HBS-1100」などがあるばかり。しかしながら、ソフトバンクコマース&サービスとAstell&Kernが共同開発した「XHA-9000」というワイヤレスポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)を活用すれば、手元のイヤホンを“aptX HD対応”にさせることもできる。

XHA-9000を利用すれば、手持ちのイヤホンやヘッドホンをaptX HD対応モデルとして利用できる

XHA-9000を利用すれば、手持ちのイヤホンやヘッドホンをaptX HD対応モデルとして利用できる

いっぽうのLDACは、こちらもA2DPで活用できるコーデックのひとつで、ソニーが開発し、提唱を薦めているもの。96kHz/24bitのハイレゾ音源をそのままのクオリティで伝送でき、A2DPで必須となっているスタンダードなコーデック「SBC」に対しては3倍ほど、最大990kbpsもの転送レートを確保しているのが特徴だ。また、音質優先(990kbps)、標準(660kbps)、接続優先(330kbps)という、環境に合わせてチョイスできる3つの接続モードを持っているのも特徴となっている。

最大96kHz/24bit、ビットレート990kbpsでのBluetooth伝送に対応したLDAC。aptX HD数字的にはaptX HDよりも伝送できる情報量は多い

こちらは、ソニー製品を中心に対応製品が多い。スマートフォンは「Xperia XZ」などが、ウォークマンはエントリーモデルの「A30」シリーズからハイエンドモデルの「WM1」シリーズまで、ヘッドホン・イヤホンは「MDR-1000X」などのハイエンドモデルを中心に利用することができる。また、最近ではソニー以外のメーカーからもLDAC対応製品が登場してきている。

ティアックが今春に発売を予定しているDAC搭載プリメインアンプ「AI-503」は、対応コーデックとしてLDACをサポートしている

【関連リンク】
《2018年》おすすめヘッドホン14選! 高音質が魅力の注目人気モデル

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン タイムセール
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る