今回取り上げるBluetoothイヤホン
iPodからiPhoneへの流れもあって、スマートフォンではヘッドホン&イヤホンで音楽を聴けるのがあたり前のこととなっていた。しかしながら、携帯電話であり情報端末であるスマートフォンが、音声出力用の専用端子を用意し続けてくれたことは特殊な例ともいえ(スティーブ・ジョブズとそのアイディアの根本となったウォークマンには大いに感謝したい)、今後はiPhoneだけでなく全てのスマートフォンでヘッドホン端子が廃止される方向に進む可能性は高いのは確かだろう。
とはいえ、スマートフォンで音楽を楽しむ、という使い方はすでに一般的なものとなっていて、いきなり“音楽リスニングは専用プレーヤーで”と推奨するのもかなり強引な話。そこで、lightning端子やUSB Type-C端子などを利用した製品が提案され始めているが、普及までにはまだまだ時間がかかりそう。利便性も踏まえて考えると、現在のところは、大半のスマートフォンで利用できるBluetoothが本命といえるだろう。
実際、iPhone7の発表以来、Bluetooth対応のイヤホン&ヘッドホンがこれまでにないレベルで注目を集め、実際に大いに売れているという。各オーディオメーカーも、Bluetooth対応の新製品を矢継ぎ早にリリースしている状況だ。また、Bluetoothのイメージを一新させる高音質規格「LDAC」「aptX HD」などもスタート。さらに、クアルコムがノイズキャンセリング機能を内蔵する一体型チップを発表するなど、技術的にもさらなる革新が推し進められつつある。
そんな状況のなか、いますぐBluetooth対応イヤホン・ヘッドホンが欲しい場合、どんな製品を買ったらいいのだろうと迷っている人も多いはず。注目製品も多く、いろいろと紹介したいものはあるのだが、まずは手軽に導入できる1万円以下の Bluetoothイヤホンの中から、おすすめの6製品を紹介したいと思う。
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オーディオテクニカ「SOLID BASS ATH-CKS550BT」
オーディオテクニカ「SOLID BASS ATH-CKS550BT」は、重低音サウンドをウリにしているSOLID BASSシリーズのBluetooth対応モデルだ。ドライバーユニットは、専用設計となる9.8mm径の「デュアルマグネティックフィールド・ドライバー」を採用。2つのマグネットを向かい合わせて配置し、ドライバーの駆動を飛躍的に向上させることで、9.8mm径という小型ドライバーで豊かな低域表現を実現している。
そのサウンドは、定評あるSOLID BASSシリーズらしさはそのままで、うまくコンパクトなパッケージにまとめられているな、といった印象。締まりのいいパワフルな低音によって、ノリのいい演奏が楽しめる。SOLID BASSシリーズのサウンドが好みの人には、なかなか相性のいい選択となるはずだ。ネックバンド式のデザインを採用し、自然なコード配置により、軽やかなフィット感を実現している点もポイントだ。
■スペック
Bluetooth形式:Ver.4.1
本体重量:約32g
連続音声再生時間:最大約5時間
SKULLCANDY「Smokin' Buds2 Wireless」
パワフルさとクリアさの両立が巧みなSKULLCANDY製イヤホン「Smokin' Buds2」のワイヤレスモデル。9mm口径の専用ドライバーや本体デザインはそのままに、ネックバンド方式のケーブル部でBluetooth化を実現している。首の後ろに来る部分に本体があるのはネックバンド方式としてはごく一般的だが、首の脇まですらっと伸びるデザインを採用するなど、スタイルにこだわった外観はさすがスカルキャンディといったところだ。
とはいえ、最大のアピールポイントといえばやはり音質だ。ボーカルがしっかりと届く明朗快活なサウンドは健在で、熱気溢れる歌声を存分に楽しむことができる。解像感はそれほど高くないものの十分といえるレベル。ダイナミックな低域表現とも相まって、溢れるサウンドが堪能できる。価格も踏まえると、なかなかコストパフォーマンスの高い製品だ。
■スペック
Bluetooth形式:-
本体重量:約28g
連続音声再生時間:約6時間
SKULLCANDY「Ink'd Wireless」
アメリカで最も売れたといわれているイヤホン、SKULLCANDY「Ink'd」のBluetoothバージョン。先端部分左右にコントロール部&バッテリー内蔵の本体をレイアウトする、ちょっとだけ個性的なデザインのネックバンド方式を採用している。また、本体は質量24gとかなりの軽量差を誇り、それでいて連続再生時間は8時間を確保。さらに、ネックバンド部分に柔らかい素材を採用することで、小さく丸めてコンパクトに収納できる点はなかなか嬉しい。
そのサウンドは、まさに「Ink'd」そのもの。ややドライな、メリハリ強めの音色傾向で、いつもより躍動感溢れるサウンドを楽しませてくれる。ベースとなっているのがエントリークラスの製品であるため、解像度はそれほど高くないものの、普段よりも一歩前に出てきたかのような巧みなボーカル表現によって全くといっていいほど気にならない。逆に、5000円台という実売価格を考えると、かなりコストパフォーマンスにすぐれた製品といえる。最初の1台としては大いにオススメだ。
■スペック
Bluetooth形式:Ver.4.1
本体重量:約24g
連続音声再生時間:最大約8時間
ソニー「MDR-XB70BT」
「MDR-XB70」をベースとしたBluetoothイヤホン。シリコン製のフレキシブルネックバンドを採用することで、快適な装着性と、収納時のコンパクト化を両立している。ワンタッチでペアリングができるNFC機能を搭載している点もポイント。操作系&バッテリー内蔵部分はネックバンド前方にレイアウトされており、操作感についても良好だ。
はっきりいって、この製品が1万円以下で購入できるようになったのは嬉しい限り。NFC機能を持ち、9時間という連続再生時間を確保しているなど、機能面ではワングレードもツーグレードも上の製品といっていいだろう。サウンドについては、なかなかのクオリティレベルを確保している。何よりもXBシリーズならでは、量感たっぷりの低域を持ち合わせているので、クラブ系の音楽などは迫力のビートを存分に楽しむことができる。パワフルなサウンドを堪能したい人にはオススメのモデルだ。
■スペック
Bluetooth形式:Ver.4.1
本体重量:約43g
連続音声再生時間:最大約9時間
DENON「AH-W200EM」
デノンのGLOBE CRUISERシリーズで、もっとも小型な「AH-W200EM」。ワイヤレスなのに高音質な点をウリにしている同シリーズに属しているということもあり、SBCよりも高音質なaptXとAACの両コーデックに対応している。本体は、耳掛け型のデザインを採用し、操作ボタン&バッテリー部はイヤホン本体にほど近い耳の後ろ側にレイアウト。本体内側にエンボス加工が施されていて、装着時に滑りにくい構造となっている。
また、iOSデバイス&androidスマートフォン両対応の専用アプリ「Denon Travel」も用意されており、専用イコライザーカーブや音響効果を設定したり、ミュージックライブラリーを作成したりすることができる。
こちらも、今回取り上げる製品の中では比較的ハイスペックな製品。aptXに対応してくれているため、解像感の高いサウンドを楽しむことができる。サウンドキャラクターは、たっぷりとした低域と明瞭で鋭い伸びを持つ高域との組み合わせた、メリハリのよいパワフルなサウンドといった印象だ。
■スペック
Bluetooth形式:Ver.3.0
本体重量:約29g
連続音声再生時間:最大約5時間
ソフトバンクC&S「GLIDiC Sound Air WS-5000(SB-WS53-MRLW)」
良質なサウンドとコンパクトなサイズ、良質なデザイン、さらにはコストパフォーマンスの高さと、欲張りなコンセプトを持ちあわせるBluetoothイヤホン。ワイヤードモデルで好評の高磁力ネオジウムマグネットドライバー&CCAWボイスコイルの採用に加え、aptXコーデックに対応することで高音質を確保している。また、アルミ製筐体を採用することで、音質面のアドバンテージはもとより、質感のいいコンパクトなサイズの筐体を実現している。
耳に装着しても違和感のないコンパクトな筐体に、バッテリーまで収納した点に関しては、素晴らしいのひとこと。おかげで、普通のイヤホンを使っているのと変わらない軽快さで、さらにワイヤレスという、ほかにはない快適な装着感を実現している。
音質についても満足度は高い。解像感がしっかりと確保され、アコースティック楽器のなども細やかなニュアンスまでしっかりと伝わってくるし、ボーカルはややハスキーな、熱気ある歌声を堪能させてくれる。音質的にも軽量なパッケージング的にも、なかなか優秀な製品といえるだろう。
■スペック
Bluetooth形式:Ver.4.1
本体重量:約15g
連続音声再生時間:最大約8時間
ヘッドホンなどのオーディオビジュアル系をメインに活躍するライター。TBSテレビ開運音楽堂にアドバイザーとして、レインボータウンFM「みケらじ!」にメインパーソナリティとしてレギュラー出演。音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員も務める。