フィリップスの定番低価格イヤホン“キュウナナ”シリーズがハイレゾ対応に進化!

新ドライバーの実力は?「SHE9730」の音を従来モデルと聴き比べてみた

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5,000円以下で買えるイヤホンの“定番中の定番”といえる、フィリップスのカナル型イヤホン「SHE9700」シリーズから、新型モデル「SHE9730」が登場した。「97(キュウナナ)シリーズ」初のハイレゾ対応を果たしたモデルで、よりクリアな音質を実現したモデルとなっている。今回は、ハイレゾ対応になってキュウナナシリーズがどう変わったのかをレビューしていきたい。

フィリップスのエントリークラスのカナル型イヤホン「SHE9730」。SHE9700シリーズでは4代目モデルとなる

フィリップスのエントリークラスのカナル型イヤホン「SHE9730」。SHE9700シリーズでは4代目モデルとなる

「SHE9730」は、音がいい割に価格が安いということで人気を博している、フィリップスのエントリー向けイヤホン「SHE9700」シリーズの最新モデル。初代「SHE9700」が発売されて10年がたとうしているが今でも人気が高く、エントリーイヤホンの入門機としてだけでなく、セカンド用途としてマニアからも親しまれている。

そんなSHE9700シリーズのこれまでのモデルをたどってみると、実は、マイナーチェンジしかされてこなかった。前モデルの3代目「SHE9720」はデザイン変更とカラーバリエーションの追加のみ、さらにその前の2代目「SHE9710」はケーブルの長さとコネクターのL字の変更のみとなっている。使い勝手や質感を主に高めてきたのが、過去モデルの進化点で、中身については、あまり大きな変化がなかったのである。これに対して、今回の「SHE9730」は、同シリーズで初となるハイレゾロゴを取得するなど、メジャーバージョンアップを果たしているのが大きなポイントだ。

左が新型モデルの「SHE9730」で、右が前モデルの「SHE9720」の製品パッケージ。「SHE9730」のパッケージ左下にはハイレゾのロゴマークが加わっている

そのため「SHE9730」は前モデル「SHE9720」の上位に位置する製品となっている。両製品は当面併売されることになっており、価格も2017年2月3日時点の価格.com最安価格で、「SHE9720」が3,099円(税込)、「SHE9730」が4,032円と1,000円ほど高くなっている。

従来を踏襲した着け心地のよいデザイン

下位モデルの「SHE9720」と上位モデル「SHE9730」を見比べてみると、形状についてはほぼ変更がない。目新しさはないが、装着感のよさも本シリーズのロングセラーの要因なので、これはむしろありがたい。ただデザイン面では「SHE9720」が梨地の質感に変更されたのに対し、本モデルでは光沢感のあるものに代わっている。そのルックスは2代目の「SHE9710」を彷彿とさせる。また、後方に備わった金色のリングがデザイン上のアクセントとなっており、上品さを感じさせる。なお、本体カラーは、ブラックとホワイトの2色。

ボディの真横から見比べてみる。左が「SHE9730」で、右が「SHE9720」。形状は共通だが、デザイン面では表面の仕上げなどがことなっている

後ろから見ると、後方の縁取りのカラーリングが異なっている。左奥側の「SHE9730」はゴールドの縁取りがされているのが特徴的だ(「SHE9720」はシルバー)

なお、低音の再現力を底上げする「ターボバス孔」もこれまでどおり備えているほか、自然な着け心地を実現する角度付きのアコースティックパイプも同様。ちなみに、イヤーチップサイズは3サイズ(S/M/L)が同梱されるほか、ケーブルキーパー、キャリングケースも付属している。

斜めに角度がついたアコースティックパイプにより、自然な着け心地を実現している

斜めに角度がついたアコースティックパイプにより、自然な着け心地を実現している

付属品は、前モデル「SHE9720」と同じくキャリングケース、ケーブルキーパー、イヤーチップ3サイズ(S/M/L)となっている

広帯域にわたり自然な音を再生する「LMC」ドライバーを採用

「SHE9730」の最大の進化点は、搭載されるドライバーだ。ボディサイズが同じのためドライバー口径は従来と同じ8.6mmだが、広帯域にわたり自然な音を再生するというレイヤードモーションコントロール(LMC)ドライバーを新たに採用。多層ポリマーダイヤフラムを採用したLMCドライバーによって、過剰な周波数を吸収し軽減するとともに、なめらかでフラットな周波数特性と自然な高域再生を実現するという。再生周波数帯域は、「SHE9720」が6〜23,500Hzに対して、「SHE9730」では6〜40,000Hzとなっており、高域が大幅に広がっていることがわかる。そのほかの仕様については、インピーダンスが16Ω、出力音圧レベルが103dB、最大入力が30mWで、これはいずれも「SHE9720」と共通だ。

このLMCドライバーは、フィリップスのハイエンドヘッドホン「Fidelio X2」(2017年2月3日時点の価格.com最安価格で税込34,800円)に採用されているものだが、それをエントリー向けのイヤホンに搭載してきたのは驚きだ。

音質インプレッション

さて気になる音質についてレビューしよう。試聴には、Astell&Kernのハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー「AK100」を使用。イヤホンと直結して聴いてみた。

すでに述べた通り、「SHE9730」の進化点はドライバーだ。それ以外は「SHE9720」を踏襲しており、音質についても傾向はさほど変わっていない。その中でまず感じた違いは、音のクリアさだ。「SHE9720」でごちゃっと聴こえていた音が、「SHE9730」で聴くと輪郭を持ってしっかりと聴き分けられるようになっている。また、ピアノの音色も透明感が増した。女性ボーカルにいたっては距離感が少し縮まり、よりハキハキとした声を届けてくれる。解像度が高いとまでは言えないが、これまで隠れていた音が感じられるようになっている。ただ、シンバルなどの音は一部トガリすぎた印象を抱いた。

また、低音の量感も印象的だ。以前のモデルも十分パワフルだったが、そこからさらに強化されている。ドラムスのキックにしても、量感を足しつつも張りを持たせており、気持ちのいいベースラインを響かせている。

低域、中域、高域と全帯域にわたって表現が底上げされており、それらをバランスよくまとめたのが「SHE9730」のサウンドだ。これはまさにLMCドライバー搭載による恩恵なのだろう。ハイレゾではないCD音源でもその威力は十分体感できた。

まとめ

見た目の目新しさは少ないが、音質は着実にグレードアップしているのが「SHE9730」だ。ドライバーが一新され、価格も若干高めではあるが、それも1,000円程度。コストパフォーマンスのよさは変わっていない。「SHE9730」はクリアさやパワフルな量感を楽しみたい方にピッタリな選択肢といえるだろう。逆に高域がややキツめに感じる場合は従来モデルの「SHE9720」を選べばいい。それぞれ似ているようだが、しっかりキャラクターの違いは感じられる製品となっている。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.11.17 更新
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