レビュー
欲張りスペックを詰め込んだ人気モデル

これがAPS-C一眼レフの完成形! キヤノン「EOS 90D」レビュー

やっぱり動きものに強い

圧巻なのは動きものの撮影機能。AFによるピント追従を行いながら秒間約10コマの撮影機能は頼もしい。実際に左右にドリブルしながらフェイントモーションを挟み、ゴールするバスケットボールの練習を撮影してみたがAFエリア自動選択のままでよく被写体を追いかけ、連写も小気味よく決まる。光学ファインダーでの撮影時は45点オールクロスのAFセンサーが働き、約22万画素のAEセンサーが画面内に人物の顔があると判断した場合にはその部分のAFセンサーで被写体を追従する「EOS iTR AF」という機能が働く。

EF70-200mm F2.8 IS USM II使用、F2.8、1/500、ISO160、6000K、JPEG
激しい動きのバスケットゴールの練習を撮影。プロ用機EOS-1D X Mark IIでも100%、ピントの合った写真を撮ることは難しい条件だが10コマ/秒という高速で歩留まりのよい撮影が楽しめた

このiTR AFによる追従AFを効かせながら、メカニカルシャッターによる撮影が10コマ/秒でできるのだ。EOS 7D Mark IIはスペック上約10.0コマ/秒の連写速度だが、iTR AF動作時には約9.5コマ/秒になることに注意したい。

ここで気になったのが連続連写できる枚数。これは記録モードやカードによって違うのだが、JPEGラージ/ファイン撮影時で約58枚、つまり6秒足らずしか連写を続けられない。EOS 7D Mark IIでは高速なCFカードを使う場合であれば同じ記録モードで約1090枚、1分半以上もの連写ができるのだ。ただこの数値はEOS 90Dなら1枚の写真あたり3250万画素とEOS 7D Mark IIの1.5倍以上の画素数があるし、RAW記録であればEOS 90Dは約25枚、EOS 7D Mark IIは約31枚とその差は縮まってくる。

そして面白いなと感じさせるのがライブビューモード。この時のカタログスペックは連写約11.0コマ/秒と通常のファインダー撮影時よりも高速になっているのだ。ただし、これはピント位置固定の場合。SERVO AFで動きを追従する設定にすると約7コマ/秒にまで速度が落ちてしまう。

3.0型のバリアングル液晶を搭載

3.0型のバリアングル液晶を搭載

もちろん、ライブビュー撮影時には電子シャッターによる無音撮影も楽しめる。EOSのEFレンズは全体に絞りの駆動音が大きいため、絞り込んだ撮影では撮影時に「チッ!」という感じの小さな絞り駆動音はするものの、絞り開放撮影では無音での撮影が楽しめる。学芸会や、音楽会などでの撮影に最適だろう。なお、なぜか電子シャッターに設定すると連写設定が行えなくなっている。ソニーやオリンパスなど、電子シャッター時のみ連写速度が上がるカメラ製品が多い中、珍しい仕様だと感じられた。

そしてこのライブビュー撮影がこのカメラのもう1つの魅力。一眼レフもほとんどがライブビューで撮影ができるようになって久しいが、ライブビューモードではせっかくのAF専用センサーが構造上、使えなくなる。そこで多くの一眼レフはライブビュー撮影時にはAFによるピント合わせが遅くなるのが通例だが、キヤノンは独自の「デュアルピクセルCOMS AF」により、ピント合わせのスムーズさ、速さも特筆できる。これはイメージセンサーのほぼすべての画素にわたり、一画素の左右から別に信号を取り出せるようにしたもので、その位相差を応用して距離情報を得てピント合わせをするもの。画面全域でAFできる仕組みだが、実際には光学的に画面周囲では光学精度が落ちるので、レンズによってAFに使用できる範囲は決められている。最大で縦100%、横80%でAFが可能で、その場合のAF測距枠は5481ポジションというとてつもない数字から選べる。この時に新しくツイン装備になったマルチコントローラーから選んでもいいし、液晶画面のタッチでもダイレクトに選べる。

ライブビュー撮影の時は「瞳AF」が使えるのも大きな特徴だ。同社のフルサイズミラーレスの「EOS R」の登場時のファームウェアバージョンのものよりも格段に精度が上がっており、人物が小さく写る状況でも的確に瞳にピントを合わせてくれる。顔の向きが正面に近い場合はどちらの目にピントを合わせるかをマルチコントローラーで即座に選択できる点も便利だ。また、暗い場所でのAFも、ファインダー撮影がEV-3までの対応だったものがライブビューならばEV-5の暗さまで拡張される。バリアングルタッチ液晶モニターにより、撮影ポジションの自由度は高いし、モニターを使わない時や持ち運び時には液晶面を内側に折り畳んで画面に傷をつけないようにできる点も今さらながら便利に感じた。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン タイムセール
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る