E-M1と言えばマグネシウム合金ボディ採用でどんな天候や環境下でも安心して使えるプロ仕様。PROレンズと組み合わせれば激しい雨でも問題ナシ。カメラは精密機器であることを忘れさせてくれるほどタフで頼りがいがある。そのDNAを受け継いだOM-D E-M1 Mark IIIにPROレンズの組み合わせで雪の日にスナップを撮った。主に使ったのは前後ダイヤルとマルチセレクターのみで、もしグローブをしていても操作は容易だっただろう。
白い空、白い雪、白い彫像とさまざまな白を描き分けてくれた
OM-D E-M1 Mark III、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、35mm(35mm判換算70mm)、ISO200、F5.6、露出補正+0.3EV、1/640秒、絞り優先AE
撮影写真(3200×2400、2.69MB)
シャーベット状になった雪の半透明な質感がよく再現されている
OM-D E-M1 Mark III、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、12mm(35mm判換算24mm)、ISO200、F5.6、露出補正+0.3EV、1/250秒、絞り優先AE
撮影写真(3200×2400、3.44MB)
軒下での雨宿り、いや雪宿りか、手前の居酒屋のボケ感が絞りF2.8の片鱗を物語る
OM-D E-M1 Mark III、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、40mm(35mm判換算80mm)、ISO200、F2.8、1/250秒、絞り優先AE
撮影写真(3200×2400、3.3MB)
マイクロフォーサーズの交換レンズはオリンパスやパナソニックに加え、20社以上が参加するマウントシェア率、国内1位の一大グループである。その豊富な交換レンズ群から、今回選んだのは「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.」である。超広角16mmをF2.8で使え防塵・防滴、耐低温仕様。フィルターが使えて、重さは約315gと軽い。所用のため16時半に有楽町駅から銀座一丁目に向かった時のスナップを披露しよう。灰色のビル街の所どころに差し色のように現れる暖色が心を和ませてくれた。
超広角らしいパースペクティブで周辺の解像度も高い。暗部の階調性も良好でさすがLEICA DGレンズとOM-D E-M1 Mark IIIの画像処理エンジン「TruePic \」が高画質を実現してくれた
OM-D E-M1 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.、8mm(35mm判換算16mm)、ISO200、F3.2、露出補正-0.3EV、1/200秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、8.58MB)
高架下のネオンサイン。明暗差の激しい構図だが明るい店舗の内部とほの暗いネオンの階調性が見事に再現された
OM-D E-M1 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.、12mm(35mm判換算24mm)、ISO500、F5.6、露出補正-0.7EV、1/60秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、7.93MB)
銀座一丁目交差点を足早に歩く女性、1/60秒での動体ブレが画面に動きを残した
OM-D E-M1 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.、9mm(35mm判換算18mm)、ISO250、F5.6、露出補正-0.3EV、1/60秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、8.67MB)
銀座二丁目の金属製プレートのくすんだ感じが歴史を感じさせる
OM-D E-M1 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.、15mm(35mm判換算30mm)、ISO500、F5.6、露出補正-0.3EV、1/60秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、8.55MB)
有機的、曲線的なカーブを描くビル。-0.3補正しているが空はトビ気味、ビルの暗部の階調性はいい
OM-D E-M1 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.、18mm(35mm判換算36mm)、ISO200、F5.6、露出補正-0.3EV、1/80秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、6.73MB)
壁のディスプレイの中に広がる世界とリアルワールド。これも明暗差が激しい構図だ。感度はISO2500まで上がったが、まだ明るいせいか粒状性は意外によかった
OM-D E-M1 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.、18mm(35mm判換算36mm)、ISO2500、F5.6、1/60秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、8.5MB)
18時45分を過ぎてかなり暗くなった。ライトアップされた白いドレス。レースの模様が白飛びせずに再現されている。暗い屋外の看板の文字もしっかり読み取れる
OM-D E-M1 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.、8mm(35mm判換算16mm)、ISO1250、F5.6、露出補正-0.3EV、1/60秒、絞り優先AE
撮影写真(5184×3888、8.14MB)
19時過ぎて有楽町駅に戻る。新幹線が通過、これを止めるために1/125秒が必要になり、ISO6400まで感度を上げた。高感度に弱いフォーサーズだが、夜景なら許せる範囲の粒状性だと思う
OM-D E-M1 Mark III、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.、18mm(35mm判換算36mm)、ISO6400、F4、露出補正-0.3EV、1/125秒、シャッター速度優先AE
撮影写真(5184×3888、8.68MB)
OM-D E-M1 Mark IIIは弱点だった瞳AFの性能を進化させ、得意技の5軸手ブレ補正機能をブラッシュアップ。さらに高画素が必要なユーザーのために手持ちハイレゾショットを導入。撮影効率を高める星空AFに、撮影領域を広げるライブNDも搭載された。OM-D E-M1 Mark IIユーザーから見れば、正常進化でかゆいところに手が届く改良と機能が加えられ、インターフェイスはおなじみのままで違和感なく使いこなせるモデルに仕上がっている。最もアドバンテージが感じられたのは手持ちハイレゾショットである。屋外で風に弱いのが弱点であるが、動かない被写体に関してはかなり使える。瞳AFに関しては、明るいレンズでポートレートを撮る人には大いに役立ってくれるはずだ。
総合的に見て今すぐ買い替えるという程のモチベーションは沸かないが、チャンスがあれば手に入れたいと思わせるモデルだ。他機種からの買い替え、または初めてのミラーレスとしては、プロ仕様でボディが約19万6000円という価格を考えれば簡単にオススメできないが、最高のスペックを求めるのであれば本機は必ず候補に入れて欲しい。ライバルはパナソニック「LUMIX DC-GH5」で動物認識AF、秒間60コマの4K PHOTOなどの独自機能を搭載している。防塵・防滴・耐低温設計でマグネシウム合金ボディと本機と共通点もあり、どちらを選ぶかは用途次第である。交換レンズを含めて機材を小型軽量化できるマイクロフォーサーズシステムにまた1台、頼りになるボディが加わったのは喜ばしいことだ。
モデル/こうやもゆ 撮影協力/ペンギンカフェ(Penguin café)