レビュー

ボディ内手ブレ補正を搭載した富士フイルム「X-T4」で新緑の原宿表参道を闊歩する

富士フイルムのXシリーズのハイエンドとして2018年に登場した「X-H1」は、同社初のボディ内手ブレ補正機能搭載、大型グリップにGFXシリーズを踏襲したサブ液晶画面付きのデザインなどがウリだった。しかし、センサーは2016年9月発売の「X-T2」と同等の「X-Trans CMOS III」と「X-Processor Pro」を使っていた。これに対して「X-T3」は新型のセンサー「X-Trans CMOS 4」と画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載。ユーザーは手ブレ補正付きならH1、画質と性能ではT3という選択を迫られることになった。

この両方を合体させたのが今回取り上げる「X-T4」で、手ブレ補正を内蔵したT3の発展系と言える。その外見はほぼ同じで手ブレ補正機能の内蔵により重量は68gアップ、厚みは5mmほど増えている。背面の液晶モニターは3方向チルトからバリアングルに変更された。また、バッテリーは約500枚撮影可能な「NP-W235」に大容量化されたため互換性がなくなった。充電はカメラボディのUSB端子を利用する。T3には付属したバッテリーチャージャーは別売となった。センサーと画像処理エンジンはT3と同等だが、手ブレ補正機能はH1の発展系で新設計の別物だ。今回は富士フイルムのオフィシャルカメラマンである小平尚典氏に愛用のX-H1を持参してもらい、手ブレ補正機能などを比較した。

左が新製品のX-T4、右が小平氏のX-H1で、レンズはどちらも「XF16-55mmF2.8 R LM WR」

左が新製品のX-T4、右が小平氏のX-H1で、レンズはどちらも「XF16-55mmF2.8 R LM WR」

X-T4とX-H1との手ブレ補正機能の性能はわずか

X-T4の説明会でさかんにアピールされていたのが、進化したボディ内手ブレ補正機能である。その効果は最大シャッター速度約6.5段分。さらにレンズに手ブレ補正を搭載したOISレンズ装着時は、両方の手ブレ補正を合わせて動作する。ボディ内手ブレ補正はOIS無しのレンズであれば、ON/OFFが可能。OISレンズであればレンズ側のスイッチでON/OFFできるが、レンズのみON、ボディのみOFFといった単独での操作はできない。いろいろとややこしいのだが、たとえば「XF16-80mmF4 R OIS WR」を装着するとX-T4もX-H1も手ブレ補正効果は6.0になってしまい比較にならない。

そこで今回は効果が5.5と5.0になる「XF16-55mmF2.8 R LM WR」と「XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」の2本のレンズを使った。X-H1でもX-T4でも手ブレ補正をOFFにしたときの低速シャッター速度の限界は同じ、手ブレ補正をONにしたときの限界も同等だった。55mmでは1/8秒までは手ブレ補正OFFでもブレずに撮影可能、手ブレ補正ONで1秒まで撮影可能だった。400mmは1/4秒なら手ブレせず、1/2秒では数枚に1枚は手ブレしないカットが得られた。厳密に比較すれば差が出るかもしれないが、同じ手ブレ補正効果が得られてX-H1は約310枚、X-T4なら約500枚と撮影枚数が増えて、重量は66g軽くなったというメリットの方が大きいだろう。

X-T4ではISO感度設定ダイヤルの表示にLとHが省略されるなど細かい変更が加えられている

X-T4ではISO感度設定ダイヤルの表示にLとHが省略されるなど細かい変更が加えられている

液晶モニターは3方向チルト式からバリアングル式に変更。自撮り撮影にも対応した

液晶モニターは3方向チルト式からバリアングル式に変更。自撮り撮影にも対応した

手ブレ補正OFFにするとXF16-55mmF2.8 R LM WRでも1/2秒でブレてしまう
X-T4、XF16-55mmF2.8 R LM WR、55mm(35mm判換算83mm)、ISO160、F10、1/2秒 、マニュアルモード
撮影写真(6240×4160、14.1MB)

もちろん手持ちで1秒も無理だった
X-T4、XF16-55mmF2.8 R LM WR、55mm(35mm判換算83mm)、ISO160、F14、1秒、マニュアルモード
撮影写真(6240×4160、12.4MB)

手ブレ補正ONで1/2秒は100%手ブレが抑えられた
X-T4、XF16-55mmF2.8 R LM WR、51.6mm(35mm判換算77mm)、ISO160、F10、1/2秒、マニュアルモード
撮影写真(6240×4160、14.4MB)

XF16-55mmF2.8 R LM WRであれば83mm相当で1秒の撮影も問題なかった
X-T4、XF16-55mmF2.8 R LM WR、55mm(35mm判換算83mm)、ISO160、F14、1秒、マニュアルモード
撮影写真(6240×4160、14.1MB)

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