レビュー

ボディ内手ブレ補正を搭載した富士フイルム「X-T4」で新緑の原宿表参道を闊歩する

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24-122mm相当で440gの軽量、高性能ズーム

XF16-80mmF4 R OIS WRは6段分の手ブレ補正機能を内蔵した標準ズームレンズで、三脚固定や流し撮りを自動判断するので手ブレ補正のON/OFFが不要という賢いレンズである。重さは440gでフィルターサイズは72mm。X-T4に装着すると重さは1kgちょっとになり、オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」に「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」を付けたときより若干重いぐらい。これならスナップも何とかこなせそうだ。

実際に撮影してみるとすこぶる快適で、小平氏からも「F4のボケ味はなかなかいい、今から標準ズームを選ぶなら16-80mmF4にする」というお墨付きをもらった。インナーフォーカスでステッピングモーターを使っているため、AFは静かで素早い。ハイコスパでよく写る標準ズームの決定版と言える。特に手ブレ補正機能内蔵なので、X-T4以外のボディにもぴったりなのだ。

全長88.9mmのコンパクトサイズ。金属感満載なのだが付属の花形フードが樹脂製で不細工なのが少々残念

全長88.9mmのコンパクトサイズ。金属感満載なのだが付属の花形フードが樹脂製で不細工なのが少々残念

明治神宮の林、空を見上げると重ならないように枝が伸びていた
X-T4、XF16-80mmF4 R OIS WR、16mm(35mm判換算24mm)、ISO160、F4、露出補正+0.7、1/120秒、絞り優先AE
撮影写真(6240×4160、16.2MB)

新たに追加されたカラーシミュレーションモード「ETERNA ブリーチバイパス」を使用
X-T4、XF16-80mmF4 R OIS WR、35.8mm(35mm判換算54mm)、ISO160、F4、露出補正-0.7EV、1/5秒、絞り優先AE
撮影写真(6240×4160、16.3MB)

昼食のカツ丼もパチリ。最短撮影距離は35cmでテーブルフォトもこなせる
X-T4、XF16-80mmF4 R OIS WR、29.2mm(35mm判換算44mm)、ISO160、F4、露出補正+0.3EV、1/13秒、絞り優先AE
撮影写真(6240×4160、10.5MB)

神宮前交差点はまだ人影もまばらだが、春の兆しが感じられた
X-T4、XF16-80mmF4 R OIS WR、16mm(35mm判換算24mm)、ISO160、F4、露出補正+0.7EV、1/150秒、絞り優先AE
撮影写真(6240×4160、14.0MB)

有楽町の交差点で家路を急ぐ人々、レンズとカメラの手ブレ補正機能でブレ知らず
X-T4、XF16-80mmF4 R OIS WR、16mm(35mm判換算24mm)、ISO160、F4、1/3秒、絞り優先AE
撮影写真(6240×4160、12.6MB)

24mm相当でも歪みがよく抑えられている。光源の違いで窓の色が違って見えた
X-T4、XF16-80mmF4 R OIS WR、16mm(35mm判換算24mm)、ISO200、F4、1/5秒、絞り優先AE
撮影写真(6240×4160、11.8MB)

【まとめ】富士フイルム「X-T4」は価格以外文句の付けようがない優等生

X-T4はX-T3にX-H1のボディ内手ブレ補正機能を加えて正統進化させたモデルだ。スペック的には同社で比較できるモデルはないのだが、価格から見るとX-H1のボディが11万弱、X-T4は20万弱とX-H1のコスパが光る。値段だけならX-H1が買いと思えるが、シャッターを押してみるとAF性能の違いに驚くだろう。シャッター音もかなり違う。私はX-T4のシャッター音が静かすぎて物足りなさを感じた。さらにバッテリーの持ちも違う。

冷静になって考えると、X-H1よりもX-T3に手ブレ補正付きのレンズを組み合わせた方がよさそうだが、X-T3のボディは15万弱までプライスアップするので、X-T4との価格差は5万くらいになる。X-T3との違いはAF性能、連写性能、バリアングル液晶モニターの採用など。X-T4を選択すればすべての単焦点レンズが手ブレ補正付きになるメリットは大きい。マウントアダプターを使ってオールドレンズを使ったときも手ブレ補正が効くのだ。そう考えればX-T4がベストチョイスであることは間違いない。三脚を使った製品撮影などがメインならX-T3でいいだろうし、大きくて重いレンズをメインで使っているならホールド感にすぐれるX-H1という選択肢もあるが、いろいろなレンズを使って、いろいろな被写体を撮るなら間違いなくX-T4が有利になるはずだ。

ゴン川野
Writer
ゴン川野
カメラとオーディオが専門のライター。モノクロフィルムの現像、カラーのプリントを経て、デジカメ時代に突入。現在は仕事もプライベートもミラーレスOLYMPUS OM-D E-M1MK2を愛用。「阿佐ヶ谷レンズ研究所」にて掲載記事をまとめて発信中。
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遠山俊介(編集部)
Editor
遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
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