選び方・特集

《2021年》ニコン一眼カメラの選び方 高画質・高性能なミラーレスに注目!

ニコンのデジタル一眼カメラは、プロ・ハイマチュア向けのハイエンドモデルはもちろんのこと、バランスのいい性能を持つスタンダードモデルや、購入しやすい価格のエントリーモデルなど、魅力的なラインアップが揃っています。画質的には「Zマウントシステム」のミラーレスカメラの評価が高いですが、カメラとしての完成度の高さでは一眼レフカメラもすばらしいものがあります。本特集では、ニコンのカメラ選びに悩んでいる人に向けて、価格帯別にニコンの現行ラインアップ(ニコンの製品情報ページに掲載のあるもの)の特徴を紹介します。

※記事中の価格表記は、2020年12月23日時点でのボディ単体の価格.com最安価格を参考にしています。

最新モデルはミラーレスが多くなっていますが、一眼レフを含めて多彩なモデルが揃うニコンのデジタル一眼カメラ

最新モデルはミラーレスが多くなっていますが、一眼レフを含めて多彩なモデルが揃うニコンのデジタル一眼カメラ

現行ラインアップの主要モデル(2020年12月23日時点)

フラッグシップモデル
フルサイズミラーレス D6 2020年6月5日発売 64万円程度

ハイエンドモデル
フルサイズミラーレス Z 7II 2020年12月11日発売 36万円程度
フルサイズミラーレス Z 7 2018年9月28日発売 30万円程度
フルサイズ一眼レフ D850 2017年9月8日発売 29万円程度
フルサイズ一眼レフ D810A 2015年5月28日発売 29万円程度

スタンダードモデル
フルサイズミラーレス Z 6II 2020年11月6日発売 24万円程度
フルサイズミラーレス Z 6 2018年11月23日発売 19万円程度
フルサイズミラーレス Z 5 2020年8月28日発売 16万円程度
フルサイズ一眼レフ D780 2020年1月24日発売 22万円程度
APS-C一眼レフ D500 2016年4月28日発売 15万円程度
APS-C一眼レフ D7500 2017年6月9日発売 10万円程度

エントリーモデル
APS-Cミラーレス Z 50 2019年11月22日発売 10万円程度
APS-C一眼レフ D5600 2016年11月25日発売 6.5万円程度
APS-C一眼レフ D3500 2018年9月28日発売 4万円程度

ニコンは現在、ミラーレスの開発に注力しており、最新モデルはミラーレスの比率が増えています。ただ、古いモデルを含めると一眼レフもバランスよくラインアップしており、フラッグシップモデルのフルサイズ一眼レフ「D6」を頂点にして、カテゴリー別に多くのモデルを選択することができます。

30万円程度〜30万円台 「Z 7II」や「D850」などハイエンドモデルを用意

ミラーレス
Z 7II 2020年12月11日発売 36万円程度 4575万画素フルサイズ
Z 7 2018年9月28日発売 30万円程度 4575万画素フルサイズ
一眼レフ
D850 2017年9月8日発売 29万円程度 4575万画素フルサイズ
D810A 2015年5月28日発売 29万円程度 天体撮影用(D810がベース)

2020年12月のニコンのラインアップを見ると、高価格帯のハイエンドモデルはいずれも30万円程度〜30万円台のゾーンに入っています。なかでも注目なのが、高画素フルサイズミラーレスの新旧モデルとなる「Z 7II」と「Z 7」。6万円程度の価格差があり、どちらを選ぶか悩ましいところです。

高性能・高機能を追求するなら、やはり最新モデルのZ 7IIが最良の選択でしょう。高性能な画像処理エンジン「EXPEED 6」を2基搭載する「デュアルEXPEED 6」や、CFexpress/XQDカードとSDメモリーカードのダブルスロットを採用しているうえ、Z 7から多くの点が改善されており、細かいところの使いやすさが大きく向上しています。特に、フルサイズ一眼レフ「D850」からの買い替えを検討していて長く愛用したいのであれば、ダブルスロット仕様のZ 7IIを選びたいところです。

※Z 7IIの進化点・改善点の詳細は、ニコン「Z 7II」「Z 6II」速攻実機レビュー! デュアルエンジン&ダブルスロット搭載で着実に進化をご覧ください。

デュアルエンジンやダブルスロットを採用したZ 7II。4K/60p動画(FXベース固定)の撮影にも対応しています

デュアルエンジンやダブルスロットを採用したZ 7II。4K/60p動画(FXベース固定)の撮影にも対応しています

基本的な操作性や画質でZ 7IIと変わりがないZ 7は、30万程度の価格です。CFexpress/XQDカードのシングルスロットでいいのであれば、Z 7IIと比べてコストパフォーマンスの高い選択だと思います。ただ、Z 7は一時期、28万円程度にまで価格が下がりましたが、2020年12月の時点では30〜31万円程度にまで上昇しています。お買い得に手に入れたいなら、もう少し価格が落ちつくタイミングを待ってもいいかもしれません。

Zマウントシステムの高画質を楽しめるという点ではZ 7IIと変わりがないZ 7

Zマウントシステムの高画質を楽しめるという点ではZ 7IIと変わりがないZ 7

一眼レフでは、高画素センサーを搭載する上位モデルD850がこの価格帯になります。クリアな見えを実現した光学ファインダーや、上質なシャッターフィーリングなどは一眼レフの完成形とも言え、ロングセラーとなっています。レンズを含めたシステムとしての画質はZマウントシステムのミラーレスのほうが優位なのは間違いないですが、D850は非常に完成度の高いカメラです。光学ファインダーでの撮影を最も重視するのであれば、今でも最良の選択になるはずです。

完成度の高いD850。ニコンファンから高く評価されているカメラです

完成度の高いD850。ニコンファンから高く評価されているカメラです

20万円程度〜20万円台前半 「Z 6II」などスタンダードモデル3機種を展開

ミラーレス
Z 6II 2020年11月6日発売 24万円程度 2450万画素フルサイズ
Z 6 2018年11月23日発売 19万円程度 2450万画素フルサイズ
一眼レフ
D780 2020年1月24日発売 22万円程度 2450万画素フルサイズ

2020年12月のニコンのラインアップでは20万円台後半の価格帯があいていて、20万円程度〜20万円台前半でスタンダードモデルに位置する3機種が用意されています。

ミラーレスでは、Z 7IIとZ 7の関係と同じように、新旧モデルの「Z 6II」と「Z 6」がラインアップしています。Z 6IIはデュアルEXPEED 6やダブルスロットなどZ 7IIと同じ進化と改善が施されており、使い勝手が大きく向上。AF・AE追従での連写速度もZ 6の約12コマ/秒から約14コマ/秒にアップしていて、動体撮影にも対応できる基礎体力を持つフルサイズミラーレスとなっています。

Z 7IIと同様、従来から多くの点で進化したZ 6II。ファームウェアのアップデートでDXベースでの4K/60p動画の撮影に対応する予定です

Z 7IIと同様、従来から多くの点で進化したZ 6II。ファームウェアのアップデートでDXベースでの4K/60p動画の撮影に対応する予定です

従来モデルのZ 6は、Z 6IIよりも5万円程度安く、CFexpress/XQDカードのシングルスロットではありますがお買い得なモデルです。Z 7と同様の高品位な電子ビューファインダー(EVF)や堅牢ボディを採用しており、使っていて大きな不満を感じないカメラと言えるでしょう。ただ、価格的には17万円台前半まで価格が下落したときがあるので、より安く手に入れたいなら最安価格を細かくチェックしておきたいです。

発売当初と比べるとお買い得な価格になってきたZ 6

発売当初と比べるとお買い得な価格になってきたZ 6

この価格帯では、フルサイズ一眼レフの最新モデル「D780」も選ぶことができます。D780はロングセラーとなった従来モデル「D750」から幅広い点がアップデートされており、画像処理エンジンが最新のEXPEED 6になって高感度画質が向上。シャッタースピードは最速1/8000秒に対応するようになりました。ライブビュー撮影時のAFシステムはZ 6と同等で、光学ファインダー撮影だけでなく、ライブビュー撮影でも快適なAFが可能。現在のニコンの一眼レフの中では、性能と価格のバランスが最もよいモデルと言えるでしょう。ユーザーからの評価も高く、「価格.comプロダクトアワード2020」では「カメラ部門」の大賞を受賞しています。

光学ファインダー撮影とライブビュー撮影の両方でハイレベルなAFシステムを持つD780

光学ファインダー撮影とライブビュー撮影の両方でハイレベルなAFシステムを持つD780

10万円台 APS-C機を中心に展開。フルサイズミラーレス最廉価モデル「Z 5」も選べる

ミラーレス
Z 5 2020年8月28日発売 16万円程度 2432万画素フルサイズ
Z 50 2019年11月22日発売 10万円程度 2088万画素APS-C
一眼レフ
D500 2016年4月28日発売 15万円程度 2088万画素APS-C
D7500 2017年6月9日発売 10万円程度 2088万画素APS-C

10万円台の価格帯は、ミラーレス2機種、少し古いモデルの一眼レフ2機種の計4機種を選べる状況です。

ミラーレスでは、フルサイズセンサーを搭載する「Z 5」と、APS-Cセンサーの「Z 50」がラインアップされています。Z 5は上位モデルのZ 6と比べて3万円程度安く、ニコンのフルサイズミラーレスとして最も価格設定が低いモデルです。Z 6をベースにした操作性を採用するほか、5軸補正対応のボディ内手ブレ補正も搭載しており、使い勝手にすぐれるのが魅力。シャッタースピードも最速1/8000秒に対応していますし、SDカメモリーカードのダブルスロットも採用しています。また、コンパクトな標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」が付属するレンズキットが用意されているのもラインアップの特徴となっています。撮像素子が裏面照射型でなく、連写もAF/AE追従で約4.5コマ/秒なのがZ 6とは異なりますが、スナップを中心にフルサイズの撮影を楽しむのであれば十分な性能を持つカメラです。

Z 5の「24-50 レンズキット」は撮影時の総重量が約870gと軽量。フルサイズ機としては持ち運びやすい組み合わせです

Z 5の「24-50 レンズキット」は撮影時の総重量が約870gと軽量。フルサイズ機としては持ち運びやすい組み合わせです

Z 50はZマウントシステムとして初となるAPS-Cモデル。Z 7/Z 6のスタイルをコンパクトにまとめたカメラで、重量約450g(バッテリーおよびメモリカードを含む)の小型・軽量ボディを実現。光学系にこだわったEVFやホールド感にすぐれたグリップなど操作性のよさも特徴で、スナップや旅行での使用に向いたモデルです。ボディ内手ブレ補正は非搭載ですが、10万円程度という価格は魅力的です。

ニコンとしては初となるAPS-CミラーレスのZ 50。操作性を犠牲にせずに小型・軽量化を図ったモデルです

ニコンとしては初となるAPS-CミラーレスのZ 50。操作性を犠牲にせずに小型・軽量化を図ったモデルです

一眼レフ2機種は最上位モデルのD500と中級モデルのD7500で、価格はD500が15万円程度、D7500が10万円程度。いずれも発売当初と比べて手に入れやすい価格になっています。特にD500は153点の測距点を持つAFシステムや、約10コマ/秒の高速連写を実現しており、今でも動体撮影用の一眼レフとして高い性能を誇っています。ニコンのミラーレスは現在、APS-Cモデルの上位機がない状況なので、APS-Cの高速モデルをメイン機として使いたいのであれば、D500を購入するのもいい選択だと思います。

ただし、最安価格の推移を見るとD500は13万円程度、D7500は8万円程度という価格で手に入る時期がありました。そのあたりが底の価格だと思われますので、今すぐに購入する必要がないのであれば、APS-Cミラーレスの動向もチェックしながら、しばらく様子を見るというのも手ではないでしょうか。

APS-C一眼レフの最上位モデルD500。本格的な動体撮影に対応できるAFと高速連写を実現しています

APS-C一眼レフの最上位モデルD500。本格的な動体撮影に対応できるAFと高速連写を実現しています

10万円未満 エントリー向けの一眼レフ2機種がラインアップ

一眼レフ
D5600 2016年11月25日発売 6.5万円程度 2416万画素APS-C
D3500 2018年9月28日発売 4万円程度 2416万画素APS-C

10万円を切る価格帯では、APS-C一眼レフのエントリーモデルの2機種「D5600」「D3500」が用意されています。この2機種の有効画素数は2416万画素で同じですが、使い勝手が異なっていて、D5600はタッチパネル対応の可動式モニター(横開きのバリアングルタイプ)を、D3500はタッチパネル非対応の固定式モニターを採用。AFシステムもD5600のほうが高性能で39点の測距点を持つタイプになっていて、使い勝手のよさで言えばD5600に分があります。ただし、重量はD3500のほうが軽量で、D5600よりも50g軽い約415g(バッテリーおよびメモリーカード含む)の小型軽量ボディになっています。

バリアングル液晶モニターを採用するAPS-C一眼レフD5600

バリアングル液晶モニターを採用するAPS-C一眼レフD5600

固定式モニターを採用し、小型・軽量化を実現したD3500

固定式モニターを採用し、小型・軽量化を実現したD3500

まとめ ハイアマチュアユーザーは「Z 7II/Z 6II」を選ぶのがベター。APS-C上位機は様子を見るのも賢い選択

2020年12月時点のラインアップを見ると、ハイアマチュアユーザーにとっては、最新のフルサイズミラーレスZ 7II/Z 6IIのどちらかを選ぶのがベターだと思います。画質だけを見れば従来モデルZ 7/Z 6でも十分な性能を持っていますが、Z 7II/Z 6IIは細かいところの改善点が多く、従来以上に使いやすいカメラに進化しています。特に高性能な一眼レフを所有する人が買い替え・買い増しをするなら、やはり最新モデルを選んでおきたいところです。

価格面で従来モデルのZ 6に魅力を感じている人もいると思いますが、Z 6を選ぶならその下位に位置するZ 5も視野に入れておきたいです。裏面照射型でない点などはZ 6と異なる点ですが、SDメモリーカードのダブルスロット仕様なのは魅力で、一眼レフからの買い替え・買い増しにも適したモデルとなっています。

APS-C機の高性能モデルを狙っている人にとっては、APS-Cミラーレスの上位モデルがラインアップしていないため選び方が難しいところがあり、もうしばらく様子を見るのも賢い選択になると思います。エントリーモデルについては、ミラーレスのZ 50が性能と価格のバランスがいいのではないでしょうか。

一眼レフは上位から下位までラインアップがひと通り揃っていますが、やや発売から時間が経過したモデルが多いのが気になるところ。D850もいいカメラですが、一眼レフの中では最新モデルとなるD780の充実度が光ります。

以上のことをまとめると、2020年12月時点では、特に以下の5モデルがおすすめのカメラになります。ニコンの一眼カメラ選びで悩んでいる人は、この5モデルをベースにして選んでみてください。

ハイエンドモデル
さらなる高性能を実現した高画素フルサイズミラーレス「Z 7II」
ニコンのフルサイズミラーレスとしては第2世代となる、有効4575万画素の上位モデル。デュアル仕様の画像処理エンジンや、CFexpress/SDメモリーカードのダブルスロットを採用し、従来モデルから多くの点が改善されています。従来モデルから定評のある操作性もさらに磨きがかかっています。

スタンダードモデル
約14コマ/秒連写が可能なフルサイズミラーレスのスタンダード機「Z 6II」
ニコン・フルサイズミラーレス第2世代の下位モデル。従来モデルから2450万画素センサーを継承しつつ、デュアルエンジンやCFexpress/SDメモリーカードのダブルスロットを採用し、さらに使いやすく進化を遂げています。最高連写速度も約14コマ/秒に向上。ニコンのミラーレスの中では最も動体撮影に向いたモデルです。

スタンダードモデル
SDダブルスロットを採用した低価格なフルサイズミラーレス「Z 5」
5軸補正対応のボディ内手ブレ補正やSDメモリーカードのダブルスロットといったユーザーニーズの高い機能を搭載しながら、より低い価格設定を実現したスタンダードモデル。操作性は上位モデルのZ 6をベースにしており、撮影しやすいのも特徴です。コンパクトな標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」が付属するレンズキットも用意されています。

スタンダードモデル
ライブビュー撮影も高性能な最新のフルサイズ一眼レフ「D780」
画像処理エンジンEXPEED 6を搭載し、従来モデルから大幅に性能・機能が向上した、最新のフルサイズ一眼レフ。Z 6と同等となるライブビュー撮影のAFシステムも搭載しており、光学ファインダーだけでなく、ライブビューでも快適なAF撮影が楽しめます。性能と価格のバランスがいい1台です。

エントリーモデル
小型・軽量でコストパフォーマンスにすぐれたAPS-Cミラーレス「Z 50」
Zマウントシステム初のAPS-Cミラーレス。高品位な光学ファインダーや握りやすいグリップを採用しながら、重量約450g(バッテリーおよびメモリカードを含む)の小型・軽量化を実現。コストパフォーマンスが高く、スナップや旅行で活躍するコンパクトなカメラです。

価格.comマガジン編集部

価格.comマガジン編集部

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