レビュー
定番レンズ「EF50mm F1.8シリーズ」のRFマウント版が出た!

キヤノンの新“撒き餌レンズ”「RF50mm F1.8 STM」実写レビュー

キヤノンの単焦点レンズの中でも、30年以上に渡って高い人気を誇る「EF50mm F1.8シリーズ」。中上級者も含めて幅広い層から支持を集める低価格な標準レンズですが、2020年12月24日に、その「RFマウント」版となる「RF50mm F1.8 STM」が発売になりました。その実力をさっそく試してみました。

フルサイズミラーレスカメラ「EOS R6」と組み合わせてRF50mm F1.8 STMを試用しました。ボディ内5軸手ブレ補正機能搭載の「EOS R5/R6」にRF50mm F1.8 STMを装着した場合、最大7.0段の手ブレ補正効果が得られます

フルサイズミラーレスカメラ「EOS R6」と組み合わせてRF50mm F1.8 STMを試用しました。ボディ内5軸手ブレ補正機能搭載の「EOS R5/R6」にRF50mm F1.8 STMを装着した場合、最大7.0段の手ブレ補正効果が得られます

RFマウントに最適化した設計でさらなる高画質を実現

キヤノンの開放F1.8の標準レンズEF50mm F1.8シリーズは、低価格な小型・軽量レンズながら写りがよく、数ある「EFレンズ」の中でも定番の1本となっています。特に、1990年12月に発売された2代目モデル「EF50mm F1.8 II」は、“撒き餌レンズ”と評されるほどの圧倒的なコストパフォーマンスで、約25年に渡る超ロングセラーになりました。2015年 5月発売の3代目モデル「EF50mm F1.8 STM」も、ギアタイプのSTMを採用するなどして使い勝手が向上し、人気モデルとなっています。

RF50mm F1.8 STMは、そんなEF50mm F1.8シリーズのRFマウント版です。レンズ構成は、ショートバックフォーカスのRFマウントを生かした設計に再構築した5群6枚構成。PMo(プラスチックモールド)非球面レンズを採用したことで、EF50mm F1.8 STMとほぼ同等となる全長約40.5mm/重量約160gの小型・軽量な鏡筒ながら、これまで以上に高画質な撮影が可能とのこと。また、レンズ設計とコーティングの最適化によって、逆光にも強くなっているとのことです。絞り羽根の枚数はEF50mm F1.8 STM と同じ7枚。フィルター径は従来の49mmよりも小さい43mmになっています。

左がRF50mm F1.8 STMで、右がEF50mm F1.8 STM。RF50mm F1.8 STMのサイズは約69.2(最大径)×40.5(長さ)mmで、重量は重量約160g。EF50mm F1.8 STM (約69.2×39.3mm、約160g)とほぼ同じサイズ感です。EF50mm F1.8 STMと比べると内部のレンズ群は前方寄りのレイアウトになっています

左がRF50mm F1.8 STMで、右がEF50mm F1.8 STM。RF50mm F1.8 STMのサイズは約69.2(最大径)×40.5(長さ)mmで、重量は重量約160g。EF50mm F1.8 STM (約69.2×39.3mm、約160g)とほぼ同じサイズ感です。EF50mm F1.8 STMと比べると内部のレンズ群は前方寄りのレイアウトになっています

EOS R6と組み合わせた際のサイズ感の比較(左がRF50mm F1.8 STM、右がEF50mm F1.8 STM+マウントアダプターEF-EOS R)。当然ですが、ショートバックフォーカスでミラー構造のないRFマウントに最適したRF50mm F1.8 STMのほうがコンパクトなシステムになります

EOS R6と組み合わせた際のサイズ感の比較(左がRF50mm F1.8 STM、右がEF50mm F1.8 STM+マウントアダプターEF-EOS R)。当然ですが、ショートバックフォーカスでミラー構造のないRFマウントに最適したRF50mm F1.8 STMのほうがコンパクトなシステムになります

また、最短撮影距離がEF50mm F1.8 STM の0.35mから0.30mに短くなったのも、RF50mm F1.8 STMの見逃せない点です。最大撮影倍率はクォーターマクロとなる0.25倍で、料理写真やテーブルフォトなど被写体との距離が短くなる場合にも使いやすくなっています。

RF50mm F1.8 STM は、従来のAF/MF切り替えスイッチではなく、リングの機能(フォーカスリングもしくはコントロールリング)を切り替えられるスイッチに変更されています。レンズは繰り出し式で、繰り出し量はEF50mm F1.8 STMとほぼ同じ。最短撮影距離時は12mmほど前に出ます

RF50mm F1.8 STM は、従来のAF/MF切り替えスイッチではなく、リングの機能(フォーカスリングもしくはコントロールリング)を切り替えられるスイッチに変更されています。レンズは繰り出し式で、繰り出し量はEF50mm F1.8 STMとほぼ同じ。最短撮影距離時は12mmほど前に出ます

別売オプションとして専用のレンズフード「ES-65B」が用意されています

別売オプションとして専用のレンズフード「ES-65B」が用意されています

実写作例

※以下に掲載する作例は、RF50mm F1.8 STMとEOS R6を組み合わせて撮影しています。すべてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になります。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行っていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F6.3、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、8.7MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F6.3、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、8.7MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F6.3、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、7.1MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F6.3、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、7.1MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/5000秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、5.5MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/5000秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、5.5MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/2000秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、9.3MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/2000秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、9.3MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:ディテール重視、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、9.0MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:ディテール重視、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、9.0MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F2.2、1/8000秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、4.4MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F2.2、1/8000秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、4.4MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/1000秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、5.5MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/1000秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、5.5MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F8、1/15秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、5.0MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F8、1/15秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、5.0MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/50秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(3648×5472、4.7MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/50秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(3648×5472、4.7MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/640秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG撮影写真(5472×3648、3.7MB)

EOS R6、RF50mm F1.8 STM、ISO100、F1.8、1/640秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5472×3648、3.7MB)

設計が見直されているということで画質の向上に期待する人も多いかと思いますが、RF50mm F1.8 STMは、EF50mm F1.8 STMと比べて絞り開放付近での写りがよくなっています。画像の中央部では違いがわかりにくいですが、周辺部は像が流れるような感じが抑えられていて、画面全体の均一性が上がっています。従来よりもボケが暴れるような感じも少なくなっているようで、撮影していて「開放付近が使いやすくなった」という印象を受けました。

さすがに最短撮影距離付近で絞り開放を選択するとシャープさが失われますし、強い光が当たる状況だと色収差が出ることもありますが、EF50mm F1.8 STMと比べると画面全域でより安定した画質が得られます。逆光にも強くなっていて、少々のことでは気になるようなゴースト・フレアは発生しませんでした。

なお、AFの使い勝手は、EF50mm F1.8 STM(+マウントアダプターEF-EOS R)と比べてわずかによくなっている印象です。ピント合わせの速度に大きな違いはないですが、駆動音については若干静かになっているように感じました。

参考画像 EF50mm F1.8 STMとの画質比較

RF50mm F1.8 STMとEF50mm F1.8 STMで同じ被写体を撮影して画質を比較してみました。使用したカメラボディはEOS R6で、画質の仕上がり設定などは初期設定のままにしています

RF50mm F1.8 STMとEF50mm F1.8 STMで同じ被写体を撮影して画質を比較してみました。使用したカメラボディはEOS R6で、画質の仕上がり設定などは初期設定のままにしています

まとめ 周辺部の画質が向上。EFマウント版から買い替える価値のある定番の1本

RF50mm F1.8 STMは、キヤノンユーザーから支持されているEF50mm F1.8シリーズのRFマウント用ということで期待値の高いレンズです。今回試用してみて、その期待に応える高画質を実現していると実感しました。特に周辺部の画質が改善されており、絞り開放付近から使いやすい標準レンズに進化しています。これだけでもEF50mm F1.8 STMから買い替える価値があると思います。

キヤノンオンラインショップの販売価格は28,600円(税込)。EF50mm F1.8 STMよりも価格設定が上がっていますが、コストパフォーマンスが高いことには変わりありません。事実、発売直後から人気を集めており、2020年12月28日時点では各ショップに在庫がない状況になっています。

RF50mm F1.8 STMは、「ショートバックフォーカスのRFマウントのポテンシャルを生かし切った」とまでは言えませんが、「小型・軽量ながらよく写る」というEF50mm F1.8シリーズの特徴を継承・発展させた、定番の1本に仕上がっています。ボディ内5軸手ブレ補正を搭載するEOS R5/R6で使用するのがベストですが、小型・軽量な「EOS RP」と組み合わせても、持ち運びやすくて軽快に撮影が楽しめると思います。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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