デジカメ初心者ライターである私、大木亜希子がカメラについて勉強していく本連載!
本連載ではこれまで、ミラーレスカメラを自腹購入したり、高級ストロボをご紹介したり、カメラやカメラアクセサリーをいろいろと検証してきました。
どれもハイスペックな製品で魅力的であることには間違いありません。しかし、その分、即決購入を迷う金額感であることもしばしば。
もっとお手頃で、カジュアルに普段使いできるカメラがほしい!さらに、頑丈であればもっとうれしい!(私はすぐ物を落として壊すので…)
そんな贅沢な悩みをカメラマニア歴数十年のライターの先輩・ゴン川野さんに打ち明けたところ…
「『iNSPiCREC』というカメラはいかがですか?価格は15,000円前後で、一昨年にはクラウドファンディングで1000台発売して即日完売した注目のカメラですよ」
と、言うではありませんか。
なんでも、そのカメラは女子高生の意見をマーケティング戦略に取り入れたり、デザインもポップにしたり、キヤノンにしては思い切った商品なんだそう。
2019年12月に発売し、発売後に価格.comマガジンでも取り上げていますが、当時は、商品発表会の情報がメインでした(当時の記事はコチラ)。
実際に街で使ってみるとどうなの? ということで、メリット・デメリットをしっかり体感するため、数日間、実際に肌身離さずに持ち歩いてみることにしました。
忖度なし、カメラ初心者の視点で魅力を探ります!
まずは、本体のチェックからいきましょうか。液晶モニターもなければ、ファインダーもございません。ちょっとトイカメラっぽいです。
手のひらサイズで重さは約90g、カラビナ型クリップで付け外しは超簡単です。
iPhoneと並べてみても、コンパクトさは圧倒的です。
1/3型CMOSセンサーで、有効画素数は約1300万画素。カラーは、グレー・ピンク・グリーン・ブルーの4種で、ピカチュウとコラボしたポケモンモデル(イエロー)も出ているようです。
特筆すべき点は、「デザインがめちゃくちゃ超カワイイ」ということですね。
お気に入りのミニバッグに付けてみましたが、いい感じに溶け込んでくれました。
これだけ小さいのに防水&耐衝撃性能付きで、水深2mまで使えるタフネスさにもキュンです。
気になるお値段は、単体で15,000円前後。直販サイトでは、メモリーカードやミニ三脚付きのセット販売も用意されています。
撮影方法はめちゃくちゃシンプルで、ダイヤルを撮影モードに合わせたら、四角い穴を覗きつつシャッターボタンを押すだけと超簡単。
とはいえ、この四角い穴は目安にすぎません。
ある程度は撮影者の感覚を頼りに、「この画角で撮れているだろう」と予想して撮り溜めるところに、このカメラの楽しさはあります。
カメラ本体を顔に近づければ近づけるほど、撮影の構図と、実際に撮影した写真のアングルのギャップは少なくなります。
もちろん、ファインダーに頼らず、大体の目星をつけて遠くの被写体を撮るといった使い方もありです。
動画は一度に最長10分間撮ることができ、データは専用アプリ「Canon Mini Cam」を経由することで、すぐにスマホで確認することができます。
カメラを持って街をぶらついている途中、花壇の前で「あ、お花がカワイイ」と思い撮影してみましたが、さっそく失敗してしまいました。
だいぶボケちゃいました…。
それもそのはず、撮影可能距離は50cm〜なので近距離での撮影は要注意なのです(わざと『前ボケ』を意識して撮ってみても面白そうですが)。
もう一度アングルを変えて撮影してみると…
おぉ。花の色が想像以上にしっかり発色してくれて華やかです。小さな本体だと侮って今いたが、画質も予想外によかったです。
せっかくなので、ほかにもいろいろと撮影してみました。
街をお散歩した際、とても天気がよくて太陽光がきれいだったので、空を撮影してみると…
フードがなくても、フレアがほとんど発生しませんでした。
「この景色が撮りたい」と思ったら、惜しまずパシャパシャ撮りまくることができるのは、小さくていつでもスッと持ち出せる「iNSPiCREC」からこそ。
普段は当たり前に目にする光景が特別に思えて、「この花、撮りたいな」とか、「この建物を撮ってみたい」とクリエイティブな心がくすぐられます。
若干のデメリットをお伝えするのであれば、アプリとの接続で気になる点が少しありました。
最初の接続時はガイダンスに沿ってすぐ連動できたのですが、2回目以降、ややつながりづらく感じて……。
スマホのWi-FiとBluetoothをオンにした状態のまま行うのですが、もう少し安定感があるとうれしいかなと。
とはいえ、撮ったばかりの写真をすぐチェックできるという機能は、スマホに劣らず今っぽいですね。
「iNSPiCREC」は、レタッチ機能やフィルター機能などは一切ありません。
なので、たとえば以下の写真をオシャレにしたい時は
スマートフォンにデータを転送し、後からお好みのアプリを使って加工したり、SNSにアップするといった流れになります。
「それなら最初からスマホのアプリで撮ったほうが便利なのでは?」と思う方もいると思いますが、この商品ならではの魅力も満載なのです。
・起動が早く「撮りたいタイミング」を逃さない
・軽量なので子供でも女性も使いやすい
・頑丈なのでアウトドアもOK
・防水で雨の日も気軽に撮れる
・見た目がカワイイ
たった数日間使用しただけでも、スマートフォンにはない魅力がこれだけあることがわかりました。
特に「カワイイ」というのは、私としてはかなり重要なポイントです!
だって、気に入ったデザインじゃないと使い続けられないじゃないですか…。
また、アプリを使うと画像のアスペクト比の変更も可能で、画素数の変更もスムーズ。
ズーム機能は残念ながらありませんが、とっても小さなカメラなので、自分から被写体に寄っていけば問題ありませんね。
最後に動画も撮ってみたのですが
思いのほかきれいに撮れました。思い出の記録用としては、申し分ない仕上がりかなと。
ただし、動画は静止画に比べて「ちゃんと撮影できているかな?」と、撮影中に終始気になってしまいます。
個人的には、静止画メインで撮影するほうが楽しいカメラかなと思いました。
ちなみに、フル充電してから撮影を続けて約4時間バッテリーが保ちました。
作例撮りのため何枚も写真を撮り続け、動画も撮ったので妥当な気はしますが、1日中使いたい場合は、モバイルバッテリーで随時給電すると安心です。
老舗のキヤノンが本気を出して作った、ポップな「アソビカメラ」。
価格とスペックのバランスを考えると、私的にはかなりおトク感が満載です。ぜひ、使ってみて下さいね!
ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で女優デビュー数々のドラマに出演後、2010年SDN48として活動開始。2015年、しらべぇ編集部に入社しPR記事を担当する。2018年、独立。Twitterはコチラ。