「Insta360 GO 3」は、世界最小をうたうアクションカメラ「Insta360 GO」シリーズの最新モデル。超小型アクションカメラというコンセプトはそのままに、フリップ式のタッチディスプレイを装備する母艦「アクションポッド」を新たに採用したのが特徴です。本製品の実機を借用したので、スペックや使い勝手などをレビューしていきましょう。
「Insta360 GO 3」の公式サイトでの販売価格は57,500円(税込、以下同)〜
「Insta360 GO 3」は最大2.7K(2720×1536)の動画撮影が可能なアクションカメラです。従来モデルは親指サイズのカメラ本体のみでしたが、今回から母艦となる「アクションポッド」が付属します。
カメラ本体を「アクションポッド」に装着すると、一般的なアクションカメラと同じスタイルでの撮影が可能。「アクションポッド」でリモート制御やライブプレビューも行なえるので、スマホを使わない場合の使い勝手が大きく進化しました。
サイズ/重量は、カメラ本体が25.6(幅)×54.4(高さ)×23.2(奥行)mm/35.5g、「アクションポッド」が63.5(幅)×47.6(高さ)×29.5(奥行)mm/96.3g。カメラ本体のみだと驚くほど軽量です。
通常版のラインアップは32GB版(57,500円)、64GB版(60,500円)、128GB版(64,800円)の3種類。アクサセリー内容の異なる「アクションキット」(64,900円)、「バイク撮影キット」(66,320円)、「クリエーターキット」(67,140円)、「自転車撮影キット」(71,200円)、「トラベルキット」(65,450円)、「ウォータースポーツキット」(68,570円)といったキットも用意されています。
「Insta360 GO 3」のカメラ本体と「アクションポッド」。どちらにも磁石が内蔵されており、近づけるだけで吸着し、ツメで固定されます
カメラ本体を「アクションポッド」に装着すると一般的なアクションカメラに変身
液晶ディスプレイのサイズは2.2インチ
「Insta360 GO 3」の有効画素数は非公表ですが、写真解像度は2560×1440(16:9)、2560×2560(1:1)、1440×2560(9:16)、2936×1088(2.7:1)、動画解像度は2.7K@24/25/30fps、1440p@24/25/30/50fps、1080p@24/25/30/50fpsです。サイズが小さいぶん、他社のアクションカメラのように4K以上のビデオ撮影には対応していません。
写真モードは写真、HDR写真、インターバル、スターラプス、動画モードは動画、FreeFrame動画、タイムラプス、タイムシフト、スローモーション、プリ録画、ループ録画を用意。カラープロファイルは標準/鮮やか/フラットの3種類から選択できます。
レンズのスペックは焦点距離が11.24mm(35mm判換算)で、絞り値がF2.2。記録形式は、写真がINSP、DNG、動画がMP4(H.264、最大80Mbps)。INSP/DNG形式の写真データは、スマホ用(iOS、Android)、またはPC用(Windows、macOS)アプリ「Insta360」で書き出し可能です。
上方向に180度動かせる、フリップ式のタッチディスプレイを採用
液晶ディスプレイを搭載しているとはいえ、細かな操作はスマホ用「Insta360」アプリで行います
「Insta360 GO 3」は、カメラ本体に310mAh、「アクションポッド」に1270mAhのバッテリーを内蔵しています。室温25度の環境で、ディスプレイを消灯、Wi-Fiを無効にして、1080p@30fpsの動画モードで撮影した際の連続録画時間はカメラ本体単体が45分、「アクションポッド」に装着した場合が170分。「アクションポッド」を利用することで時間が大幅に延びるというわけです。
なお、カメラ本体はIPX8、「アクションポッド」はカメラ本体を装着した状態でIPX4の防水性能を備えています。カメラ本体は5mまで潜れる防水性能、「アクションポッド」は小雨や雪に対する防水性能を実現しているとのことです。
「Insta360 GO 3」は通常版であっても、簡易クリップ、磁気ペンダント、ピボットスタンドが同梱されており、頭や胸、そして再利用可能な粘着タイプのピボットスタンドを貼り付けられる場所であればどこにでも装着可能です。
特に、簡易クリップは帽子に付けっぱなしでも気にならないほど軽いですし、磁気ペンダントもネックレス感覚で身に付けられます。アクションポッドから取り外して、レンズの反対側のロゴ部分を押せば、すぐに録画が開始。お手軽に撮影できるのが魅力です。
簡易クリップを装着した状態での合計重量は実測54.94g。装着しているのを忘れるぐらいの軽さです
磁気ペンダントを服の中にかけていれば、カメラ本体を近づけるだけで磁力によりしっかりと固定されます
磁気ペンダントは角度調整が可能です
ピボットスタンドには「アクションポッド」ごと装着できます
カメラ本体のみをピボットスタンドに取り付けることも可能
「ミニ見えない自撮り棒+三脚」(4,850円)、「モンキーテールマウント」(2,640円)、「GO 3潜水ケース」(9,300円)といったアクセサリーも用意。これらのアクセサリーは単体でも販売されるほか、先に紹介した各種キットにも同梱されています
以下に掲載する動画は、「GO 3潜水ケース」を使って、伊豆の海水浴場で撮影したものです。60m防水の潜水ケースを9,300円で購入できるのは、小さなアクションカメラならではですね。ガラスレンズを使っているので映像もクリアです。
ここからは「Insta360 GO 3」で撮影した動画をいくつか見ていただきましょう。まずご覧いただきたいのが「POV撮影」。同梱の簡易クリップや磁気ペンダントを使えば、手軽にハンズフリーPOV撮影が可能です。
今回は吊り橋を渡るシーンを撮ってみましたが、本来は料理を作ったり、プラモデルを作成したりする映像を撮るのにピッタリ。個人的にはサバイバルゲームをプレイする際に、本製品をぜひ活用してみたいです。
次に見ていただきたいのが、強力な「FlowState手ブレ補正」を試した動画です。1440p、50FPSが上限ですが、強力な手ブレ補正効果が得られます。かなり高低差のある岩場を上り下りしているので、手ブレ補正の効果を確認いただけると思います。
以下の動画は前述の岩場よりも高低差があります。細かな揺れは残っていますが、大きな揺れは低減されているので見やすい動画に仕上がっています。
最後にご覧いただきたいのが「360度水平維持」の検証動画。わざとカメラを回転させて自撮りしてみたのですが、水平が正確に保たれているのを確認できます。製品公式ページの動画のように戦闘機でバレルロールに挑戦する機会はないですが、コークスクリュージェットコースターや、峠道を走るオートバイで撮影したら面白い動画が撮れそうです。
「Insta360 GO 3」はシリーズ3世代目で、親指サイズの超小型カメラというコンセプトをキープしたまま、「アクションポッド」を母艦とすることで、スマホを使わないときの使い勝手が大幅に向上しました。解像度はライバルメーカーの最新モデルに及びませんが、超小型カメラだからこそ撮れる映像があるので、明確に差別化できています。
さらに、超小型ボディだからこそ実現できた各種アクセサリーを活用することで、手軽かつ軽快に撮影を楽しめるのも魅力。旅行で活躍してするのはもちろん、日々の光景を日記代わりにこまめに撮影したい人におすすめできる1台です。
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。