選び方・特集

超望遠撮影ならやっぱりマイクロフォーサーズ! 小型・軽量なので軽快に撮れる

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マイクロフォーサーズシステム規格のカメラは、小型・軽量で望遠に強いのが何よりの特徴。今回は、パナソニックとOMデジタルソリューションズのマイクロフォーサーズミラーレスを使って、マイクロフォーサーズだからこその超望遠撮影の魅力を掘り下げます。

今回使用したカメラとレンズ。カメラはパナソニックの「LUMIX G9PROII」と、OMデジタルソリューションズの「OM SYSTEM OM-1 Mark II」を使用した

今回使用したカメラとレンズ。カメラはパナソニックの「LUMIX G9PROII」と、OMデジタルソリューションズの「OM SYSTEM OM-1 Mark II」を使用した

使用したカメラとレンズ<パナソニック>

使用したカメラとレンズ<OMデジタルソリューションズ>

小型・軽量で望遠撮影に強いマイクロフォーサーズ

マイクロフォーサーズは、4/3型(17.4×13.0mm)の撮像素子を採用する、ミラーレスカメラ用の規格。その魅力は大きく2つに分けられる。

ひとつは小型・軽量ボディだ。マイクロフォーサーズはフルサイズやAPS-Cと比べて撮像素子が小さいため、ボディをよりコンパクトに設計できる。カメラだけでなくレンズもコンパクトなのが魅力で、レンズを含めたカメラシステム全体で小型・軽量化を実現しているところに真の強みがある。

そしてもうひとつの魅力は、望遠に強いこと。マイクロフォーサーズの撮像素子は対角線の長さが35mm判の半分になるため、35mm判換算でレンズ焦点距離の2倍相当の画角が得られるのだ。

これらの魅力が組み合わさることで、マイクロフォーサーズは、望遠レンズを必要とするシチュエーションで絶対的な強さを発揮する。コンパクトなシステムながら望遠で撮影できるため、フルサイズ機やAPS-C機では三脚を使わなくては対応できないような狭い画角でも、十分に手持ちで撮ることが可能だ。使用するレンズにもよるが、機動力を維持しながら、標準ズームを使うような感覚で望遠撮影を楽しめるのである。

今回使用した4本のレンズをサイズ順に並べた。左から「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」、「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」、「LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.」、「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」。「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」はこのなかでは際立って大きく見えるが、35mm判換算で焦点距離1200mm相当の画角に対応することを考えると驚くほどコンパクト。超望遠ズームをこれだけ小さく設計できるのが、マイクロフォーサーズの大きな強みだ

今回使用した4本のレンズをサイズ順に並べた。左から「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」、「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」、「LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.」、「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」。「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」はこのなかでは際立って大きく見えるが、35mm判換算で焦点距離1200mm相当の画角に対応することを考えると驚くほどコンパクト。超望遠ズームをこれだけ小さく設計できるのが、マイクロフォーサーズの大きな強みだ

1.乗り物を撮る

では、具体的なシーン別に、マイクロフォーサイズでの超望遠撮影の使用感をレビューしよう。まずは、パナソニック「LUMIX G9PROII」と、普及価格帯の超望遠ズームレンズ「LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.」の組み合わせで「乗り物を撮る」シチュエーションから見ていく。

「LUMIX G9PROII」と「LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.」の組み合わせ。筐体左側面に手ブレ補正スイッチが備わっている。レンズフードは付けていないが同梱されている

「LUMIX G9PROII」と「LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.」の組み合わせ。筐体左側面に手ブレ補正スイッチが備わっている。レンズフードは付けていないが同梱されている

「LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.」は、35mm判換算で焦点距離600mm相当までの画角をカバーする超望遠ズームだ。サイズは約73.6(最大径)×126(全長)mmで、重量は約520g(レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを含まず)。この小ささで600mm相当までズームできるのはマイクロフォーサーズだからこそなせる技だ。

このレンズを使って、空港から飛行機の離着陸シーンを中心に撮影してみたが、コンパクトなサイズ感なので手持ちで軽快にシャッターが切れた。離着陸を待つ間、首からカメラを提げていてもまったく疲れない。スナップする感覚で、シャッターチャンスを待つことができた。

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。望遠ならではの圧縮効果を利用して、ダイナミックに飛行機同士を入れ込んだ。画質もシャープで良好だLUMIX G9PROII、LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.、300mm(35mm判換算600mm相当)、F6.3、1/1000秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。望遠ならではの圧縮効果を利用して、ダイナミックに飛行機同士を入れ込んだ。画質もシャープで良好だ
LUMIX G9PROII、LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.、300mm(35mm判換算600mm相当)、F6.3、1/1000秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

広角端100mm(35mm判換算200mm相当)で撮影。空港では、飛行機に寄るだけでなく、周囲の様子もうまくとらえてバリエーションを増やしたいLUMIX G9PROII、LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.、100mm(35mm判換算200mm相当)、F5.6、1/1000秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

広角端100mm(35mm判換算200mm相当)で撮影。空港では、飛行機に寄るだけでなく、周囲の様子もうまくとらえてバリエーションを増やしたい
LUMIX G9PROII、LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.、100mm(35mm判換算200mm相当)、F5.6、1/1000秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。空港ではさまざまな被写体を追うことができる。こうした表現も焦点距離が長いほど、切り取り方に幅が生まれるLUMIX G9PROII、LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.、300mm(35mm判換算600mm相当)、F5.6、1/500秒、ISO125、+0.7EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。空港ではさまざまな被写体を追うことができる。こうした表現も焦点距離が長いほど、切り取り方に幅が生まれる
LUMIX G9PROII、LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.、300mm(35mm判換算600mm相当)、F5.6、1/500秒、ISO125、+0.7EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。飛行機ではないが電車も撮ってみた。奥行きのあるシーンでは、望遠ならではの表現が楽しめるLUMIX G9PROII、LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.、300mm(35mm判換算600mm相当)、F5.6、1/1250秒、ISO800、+0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。飛行機ではないが電車も撮ってみた。奥行きのあるシーンでは、望遠ならではの表現が楽しめる
LUMIX G9PROII、LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 II/POWER O.I.S.、300mm(35mm判換算600mm相当)、F5.6、1/1250秒、ISO800、+0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

2.動物園で動物を撮る

次に、「LUMIX G9PROII」での撮影例として「動物園で動物を撮る」シチュエーションを見ていこう。レンズは、ハイスペックな超望遠ズーム「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」を使用した。

「LUMIX G9PROII」と「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」の組み合わせ

「LUMIX G9PROII」と「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」の組み合わせ

筐体左側面にフォーカススイッチ、AF/MFの切り替えスイッチ、手ブレ補正スイッチを用意。レンズフードは内蔵タイプだが、別売のレンズフードを併用することも可能だ。三脚を使いたいときはレンズに三脚座があるので、そこに取り付ける。外付け三脚座も付属している

筐体左側面にフォーカススイッチ、AF/MFの切り替えスイッチ、手ブレ補正スイッチを用意。レンズフードは内蔵タイプだが、別売のレンズフードを併用することも可能だ。三脚を使いたいときはレンズに三脚座があるので、そこに取り付ける。外付け三脚座も付属している

「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」は、ライカの厳しい光学基準をクリアしたハイスペックモデル。ズーム全域で美しい描写性能を実現している。

本レンズは35mm判換算で焦点距離800mm相当の画角をカバーする超望遠ズームでありながら、等倍撮影にも対応する幅の広さが大きな魅力だ。サイズは約83(最大径)×171.5(全長)mmで、重量は約985g(レンズキャップ、レンズリアキャップ、外付け三脚座を含まず)。高い機動力と小型・軽量を両立した1本だ。

超望遠ズームは、動物園で遠くの動物を撮るのに必須のアイテムだ。コンパクトなレンズであれば機動力が増し、動物の表情やしぐさも切り取りやすくなる。マナー的にも三脚を使うことがはばかられる動物園では、超望遠ズームを手持ちで気楽に利用したいところだ。

望遠端400mm(35mm判換算800mm相当)で撮影。こうした小動物もここまでズーミングできれば、しっかり寄り切って撮影できるLUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.、400mm(35mm判換算800mm相当)、F6.3、1/400秒、ISO500、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

望遠端400mm(35mm判換算800mm相当)で撮影。こうした小動物もここまでズーミングできれば、しっかり寄り切って撮影できる
LUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.、400mm(35mm判換算800mm相当)、F6.3、1/400秒、ISO500、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

望遠端400mm(35mm判換算800mm相当)で撮影。猿山の様子も幅広いバリエーションで残せるLUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.、400mm(35mm判換算800mm相当)、F6.3、1/640秒、ISO250、+1.0EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

望遠端400mm(35mm判換算800mm相当)で撮影。猿山の様子も幅広いバリエーションで残せる
LUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.、400mm(35mm判換算800mm相当)、F6.3、1/640秒、ISO250、+1.0EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

焦点距離120mm(35mm判換算240mm相当)でバクを撮影。顔にかかった影が面白かった。望遠レンズはこうした細部にも目を向けられるLUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.、120mm(35mm判換算240mm相当)、F4.3、1/400秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

焦点距離120mm(35mm判換算240mm相当)でバクを撮影。顔にかかった影が面白かった。望遠レンズはこうした細部にも目を向けられる
LUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.、120mm(35mm判換算240mm相当)、F4.3、1/400秒、ISO100、-0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

手前の格子をぼかしながら、望遠端400mm(35mm判換算800mm相当)でぐっとクローズアップした。余計なものが写り込みやすいシーンも望遠レンズだと省きやすい。ここも動物園で望遠レンズが活躍する要因だLUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.、400mm(35mm判換算800mm相当)、F6.3、1/640秒、ISO2000、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

手前の格子をぼかしながら、望遠端400mm(35mm判換算800mm相当)でぐっとクローズアップした。余計なものが写り込みやすいシーンも望遠レンズだと省きやすい。ここも動物園で望遠レンズが活躍する要因だ
LUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.、400mm(35mm判換算800mm相当)、F6.3、1/640秒、ISO2000、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

3.動く子どもを撮る

続いて、「OM SYSTEM OM-1 Mark II」の撮影例を紹介しよう。低価格な超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」と組み合わせて「動く子ども」を撮ってみた。

「OM SYSTEM OM-1 Mark II」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」の組み合わせ

「OM SYSTEM OM-1 Mark II」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」の組み合わせ

今回取り上げた4本のレンズの中で、超望遠レンズの持つ既存のマイナスイメージ「大きい」「重い」「値段が高い」の3要素を大きく覆すのが、「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」。「小さく」「軽く」「安い」のだ。

35mm判換算で焦点距離600mm相当の画角に対応するスペックながら、サイズは69(最大径)×116.5(全長)mmで、重量は423gと小型・軽量で携行性にすぐれる。かつ購入しやすい安価な価格帯で、手軽に超望遠撮影を楽しめるのが魅力だ。広角端が35mm判換算150mm相当から始まるのも好感が持てる。

望遠レンズは子どもの撮影でも重宝する。自然なしぐさや表情を、離れたところからカメラを意識させずに撮影できるからだ。今回は動く様子をとらえたが、これはスポーツ全般、運動会などの撮影でも同様に効果的だろう。コンパクトなので、軽快なフットワークで撮影にどんどん打ち込める。

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。こうした動くカットは連写機能も併用しよう。ISO2500で撮っているが、画質も申し分ないOM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II、300mm(35mm判換算600mm相当)、F7.1、1/2500秒、ISO2500、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。こうした動くカットは連写機能も併用しよう。ISO2500で撮っているが、画質も申し分ない
OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II、300mm(35mm判換算600mm相当)、F7.1、1/2500秒、ISO2500、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

広角端75mm(35mm判換算150mm相当)で撮影。望遠側だけでなく、引いたカットも直感的に撮れるOM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II、75mm(35mm判換算150mm相当)、F5、1/1250秒、 ISO1250、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

広角端75mm(35mm判換算150mm相当)で撮影。望遠側だけでなく、引いたカットも直感的に撮れる
OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II、75mm(35mm判換算150mm相当)、F5、1/1250秒、 ISO1250、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。望遠レンズはポートレート撮影でも利便性が高い。表情にしっかり注目した画作りが楽しめるOM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II、300mm(35mm判換算600mm相当)、F7.1、1/1250秒、 ISO2500、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

望遠端300mm(35mm判換算600mm相当)で撮影。望遠レンズはポートレート撮影でも利便性が高い。表情にしっかり注目した画作りが楽しめる
OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II、300mm(35mm判換算600mm相当)、F7.1、1/1250秒、 ISO2500、+0.3EV、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

4.野鳥を撮る

最後に、「OM SYSTEM OM-1 Mark II」と、高性能な超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」の組み合わせで野鳥を撮影した結果をレポートしよう。

ここでは「OM SYSTEM OM-1 Mark II」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」の組み合わせで撮影を行った

ここでは「OM SYSTEM OM-1 Mark II」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」の組み合わせで撮影を行った

筐体左側面にフォーカスリミットスイッチ、フォーカス切り替えスイッチ、手ブレ補正スイッチを搭載。機能を割り当てられる「L-Fnボタン」も3つ用意されている。レンズフードは同梱で、三脚座も付いている

筐体左側面にフォーカスリミットスイッチ、フォーカス切り替えスイッチ、手ブレ補正スイッチを搭載。機能を割り当てられる「L-Fnボタン」も3つ用意されている。レンズフードは同梱で、三脚座も付いている

「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」は、非常に機能的で高性能な望遠ズーム。プロ向けを意識した高性能ライン「M.ZUIKO PROシリーズ」ではないものの、35mm判換算で焦点距離1200mm相当の超望遠域を利用できるのはインパクトが大きい。

サイズは109.4(最大径)×264.4(全長)mmで、重量は2065g(レンズキャップ、レンズリアキャップ、レンズフードを除く)。決して軽量コンパクトなわけではないが、このクラスのズームレンズとしては非常に扱いやすいサイズ感で、価格も良心的だ。

35mm判換算で1200mm相当という画角は、普段の撮影では、そう気軽に経験することができないスペックだ。本レンズは、その敷居を一般的な超望遠ズームと同じくらいまで引き下げてくれている。しかもズーム全域で解像感が高い。信頼できる仕上がりのレンズなのだ。

なお、本レンズに関しては以下のレビューも参考にしてほしい。

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2024/03/05 07:00
望遠端600mm(35mm判換算で1200mm相当)で撮影。野鳥は超望遠レンズでないと撮影できない被写体で、一般的に400mm以上の焦点距離が求められるが、35mm判換算で焦点距離1200mm相当まで引き寄せられれば、「ああ、もう少し寄れたら!」なんて不満を抱くことはなくなるOM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3、600mm、F6.3、1/1600秒、ISO640、+0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

望遠端600mm(35mm判換算で1200mm相当)で撮影。野鳥は超望遠レンズでないと撮影できない被写体で、一般的に400mm以上の焦点距離が求められるが、35mm判換算で焦点距離1200mm相当まで引き寄せられれば、「ああ、もう少し寄れたら!」なんて不満を抱くことはなくなる
OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3、600mm、F6.3、1/1600秒、ISO640、+0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

焦点距離523mm(35mm判換算1046mm相当)で撮影。白サギの毛先までシャープに見えている。圧縮効果によってダイナミックに水の動きが表現されているのもポイント。こうした力強い描写も超望遠だからこそだOM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3、523mm(35mm判換算で1046mm相当)、F7.1、1/800秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

焦点距離523mm(35mm判換算1046mm相当)で撮影。白サギの毛先までシャープに見えている。圧縮効果によってダイナミックに水の動きが表現されているのもポイント。こうした力強い描写も超望遠だからこそだ
OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3、523mm(35mm判換算で1046mm相当)、F7.1、1/800秒、ISO200、-0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

焦点距離373mm(35mm判換算746mm相当)で撮影。カモが2羽たたずんでいた。余裕を持たせた構図で引き気味に切り取ったOM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3、373mm(35mm判換算746mm相当)、F6.3、1/1000秒、ISO250、-0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

焦点距離373mm(35mm判換算746mm相当)で撮影。カモが2羽たたずんでいた。余裕を持たせた構図で引き気味に切り取った
OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3、373mm(35mm判換算746mm相当)、F6.3、1/1000秒、ISO250、-0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

望遠端600mm(35mm判換算1200mm相当)で撮影。手前に余計なものがあってもしっかり鳥の目にピントが合っている。利用する焦点距離に関係なく、AFの精度は安定していてレベルが高いOM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3、600mm(35mm判換算1200mm相当)、F6.3、1/1000秒、ISO500、+0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

望遠端600mm(35mm判換算1200mm相当)で撮影。手前に余計なものがあってもしっかり鳥の目にピントが合っている。利用する焦点距離に関係なく、AFの精度は安定していてレベルが高い
OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3、600mm(35mm判換算1200mm相当)、F6.3、1/1000秒、ISO500、+0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

テレコンバーターも使ってみる

望遠レンズでうまく活用したいアイテムがテレコンバーターだ。今回使用したレンズでは、「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」の2本が、それぞれ専用のテレコンバーターを取り付けて撮影できる。

両メーカーのテレコンバーターには1.4倍と2倍があるが、今回は2倍のほうを利用した。つまり、35mm判換算の焦点距離でいえば、「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」は1600mm相当まで伸ばせて、「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」に関しては2400mm相当まで伸ばせるわけだ。2400mm相当は、もはや“未知の領域”と言っていいだろう。

1600mm相当で撮影
「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」+2倍テレコンバーター

LUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.+DMW-TC20A、800mm(35mm判換算1600mm相当)、F13、1/500秒、ISO1600、+0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

LUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.+DMW-TC20A、800mm(35mm判換算1600mm相当)、F13、1/500秒、ISO1600、+0.3EV、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

LUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.+DMW-TC20A、800mm(35mm判換算1600mm相当)、F13、1/400秒、ISO1000、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

LUMIX G9PROII、LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.+DMW-TC20A、800mm(35mm判換算1600mm相当)、F13、1/400秒、ISO1000、ホワイトバランス:晴天、フォトスタイル:ヴィヴィッド

2400mm相当で撮影
「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3」+2倍テレコンバーター

OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3+MC-20、1200mm(35mm判換算2400mm相当)、F13、1/800秒、ISO800、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3+MC-20、1200mm(35mm判換算2400mm相当)、F13、1/800秒、ISO800、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3+MC-20、1200mm(35mm判換算2400mm相当)、F13、1/500秒、ISO1000、+0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

OM-1 Mark II、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3+MC-20、1200mm(35mm判換算2400mm相当)、F13、1/500秒、ISO1000、+0.3EV、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:Vivid

テレコンバーターはレンズを変えずに気軽に焦点距離を伸ばせて便利だ。レンズの購入を検討する際に、たとえば焦点距離600mmの超望遠レンズが欲しいものの価格的に断念せざるをえないのなら、300mmまでのレンズに2倍テレコンバーターを組み合わせるというのも賢い選択だ。

ただし、テレコンバーターの仕様はしっかり理解しておこう。まず、倍率に応じて開放絞り値が暗くなる(2倍の場合は、2段分暗くなる)。また、今回のような35mm判換算で焦点距離2400mm相当の画角ともなると、画角に被写体を収めるだけでも苦労する。対応するレンズも限定される。同じメーカーであれば、どのレンズでも対応するわけではない。このあたりは購入時に事前確認が必要だ。

まとめ まずはマイクロフォーサーズで超望遠撮影を試してほしい

以上、マイクロフォーサーズでの超望遠撮影を見てきた。その軽さ、携行のしやすさは、フォトグラファーにとって大きな武器になることがおわかりいただけただろうか。重さは撮影の集中力を妨げる要素。ここにストレスがないのはやはりありがたい。

マイクロフォーサーズはカメラボディが優秀であることも、最後にしっかり述べておきたい。どれだけ携行性にすぐれていても、撮りたいものが撮れなければ意味がない。今回使用した「LUMIX G9PROII」と「OM SYSTEM OM-1 Mark II」は、正確に被写体を捕捉するAF性能とシャッターチャンスを確実につかむための連写性能がしっかり備わっている。こうした機能が、望遠撮影時の高いパフォーマンスを生み出すのだ。

マイクロフォーサーズは本当に望遠に強い。ほかのフォーマットのカメラを使用していて狭い画角での撮影に苦手意識があるのであれば、まずはマイクロフォーサーズを試してみてはいかがだろうか。新鮮な視点で楽しめるはずだ。「超望遠で撮る楽しさ」に気づけると思う。

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2022/06/17 17:30
河野鉄平
Writer
河野鉄平
フォトグラファー。写真家テラウチマサト氏に師事後、2003年独立。ポートレートを中心に活動。2022年1月に新著『上手い写真は構図が9割』(玄光社)発売。ポーラミュージアムアネックス(2015年/銀座)など写真展も多数。Profoto公認トレーナー。
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真柄利行(編集部)
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真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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