小寺信良のGadget 2 Go!

評判のいいNikonのお手軽一眼、D3300で遊ぶ

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以前から、Nikonのデジタル一眼が欲しいと思っていた。

実は趣味でフィルムカメラを集めていたときに、Nikonの古い単焦点レンズが5本ばかりそろってしまったのである。ご存じの方も多いと思うが、NikonのFマウントは昔から変わってないため、フィルム時代の古いレンズでも今のデジタル一眼に付けられる。当然マニュアル撮影しかできないが、昔のレンズの味わいをデジタルで楽しむことができるのだ。

筆者所有のNIKKORレンズ

筆者所有のNIKKORレンズ

今から10年ほど昔、Nikon D40というカメラが発売されたことがある。APS-Cサイズのエントリー機だったが、低価格ながら評判も悪くなかった。これを買おうかとずいぶん迷ったのだが、すぐにフルサイズ機も普及して安くなるだろうと、見送った経緯がある。

だがその読みは外れた。10年経っても、いまだフルサイズセンサーは高級機にしか搭載されず、高値のままである。思いのほか、APS-Cサイズが普及したということもあるだろう。このままだと結局いつまでもレンズの出番が来ない。ようやく思い切って、APS-Cサイズのカメラを買うことにした。

D3300は昨年1月に発売された、エントリーモデルである。エントリーモデルながら、ローパスフィルターレスで、価格.comのクチコミを見ても評判は悪くない。ボディのみなら3万5千円弱といったところなので、試しに買ってみることにした。

マウント自体はフルサイズと同じなので大きめだが、ボディとしては大きすぎず小さすぎずといったところ。金属部分がほとんどなく、455gと軽量なのもいい。なにせフィルム時代のレンズはガラスと金属の塊なので、だいたい300g前後、一番重い長玉で600gぐらいある。さすがに趣味の撮影でトータル1kgを首から提げて歩くのはしんどい。軽量なのは大歓迎だ。

低価格、軽量ボディが魅力のD3300

低価格、軽量ボディが魅力のD3300

さっそくお気に入りのNIKKOR-S Auto 50mm / F1.4を付けて、近所に撮影に出かけた。

オールドレンズがそのまま付くのがNikonの強み

オールドレンズがそのまま付くのがNikonの強み

キレのいい描写はオールドレンズにもマッチ

電子接点のないオールドレンズを装着した場合、マニュアルモード以外ではまったく撮影できない。はやりのエフェクトなどもまったく使用できず、本当にフルマニュアルで使うカメラとなる。

もちろん露出計も動かないので、露出は自分で露出計で測る必要がある。元々フィルムカメラはそうやって撮っていたので道具類もそろっているが、やはり面倒は面倒だ。そこでライブビューを見ながら、見た目で適当に露出を見ることにした。極端に白飛びや黒つぶれしてない限り、RAWで撮影しておけばあとでどうにかなる。

フォーカスも目視によるマニュアルしかないと思っていたのだが、意外なことにファインダー内のピント表示が点灯し、合焦したことを知らせてくれる。ちゃんとフォーカスポイントも動かせるので、フォーカスを外す心配はかなり減った。

NIKKOR-S Auto 50mm /F1.4は53年前の1862年から10年間、Nikonの標準レンズとして製造された。50mmのフルサイズのレンズをAPS-Cセンサーで使う場合、イメージサークルの真ん中あたりにしかセンサーがないため、焦点距離が1.5倍、つまり75mmぐらいになる。明るい中望遠レンズ相当になるわけだが、ボケもきれいで解像感が高い。

解放からやや絞って撮っても、被写界深度はかなり浅い

解放からやや絞って撮っても、被写界深度はかなり浅い

後ろのボケもなかなかきれいだ

後ろのボケもなかなかきれいだ

ただ昔のレンズだけに、最短で60cmしか寄れない。近距離で撮影するためには、エクステンションチューブを使うといい。これはマウントとレンズの間に挟み込む延長パイプみたいなもので、マクロ撮影を行なうための小道具である。昨今はマクロが撮れるレンズも増えたため、一般のカメラ店では扱ってないかもしれない。マメに中古カメラ店を覗いてみると、運が良ければ1,000〜3,000円程度で手に入る。

エクステンションチューブ3種。厚みで撮影距離が変わる

エクステンションチューブ3種。厚みで撮影距離が変わる

エクステンションチューブでマクロ撮影

エクステンションチューブでマクロ撮影

久々にこのレンズで撮影したが、キレの中にもしっとり感がある、いいレンズだ。フィルターレスのD3300との相性もいい。こんなに楽しめるのであれば、もっと早く買えばよかったと後悔をしているところだ。

小寺信良
Writer
小寺信良
AV機器評論家/コラムニスト。デジタル機器、放送、ITなどのメディアを独自の視点で分析するコラムで人気。メルマガ「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」も配信中。
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