レビュー

カメラとモニターが離れるカシオ「EX-FR10」の“自由な撮影”ってどんなもの?

被写体にレンズを向け、背面のファインダーやモニターをのぞいてシャッターを押すという一般的な撮影スタイルに留まらないデジタルカメラがある。レンズとモニターを分離することができる、カシオ「EX-FR10」だ。離して使えば「GoPro」をはじめとするアクションカムのようになり、一体化しておけば通常のカメラと同じように扱えるだけでなく、スマートフォンのような“自分撮り”がしやすい形にもできる。つまり、1台でいろいろな撮り方ができるカメラというわけだ。そんな“自由なカメラ”を使えば、どんな楽しみが得られるのかを調査してみた。

カラーは、「オレンジ」「グリーン」「ホワイト」が用意されている。レンズとモニターを切り離した状態(オレンジ)、一般的なカメラと同じような形にしたもの(グリーン)、そして自分撮りに便利なスマートフォンスタイル(ホワイト)で撮影可能。それぞれの撮影スタイルの詳細は下でくわしく解説する

3つの撮影スタイルで楽しめる

“自由な撮影スタイルで楽しめる”をコンセプトに開発された「EX-FR10」の最大のポイントは、レンズを搭載した「カメラ部」とモニターを備える「コントローラー部」が分離すること。分離してもカメラ部とコントローラー部が連動するように、両パーツはBluetoothで接続されている。Wi-FiではなくBluetoothを採用したのは、いちいち同期する手間を軽減し、スタンバイからの復帰時も素早く接続できるようにするためのこだわりだという(メーカー談)。この特殊な構造により、1台で一般的なカメラやスマートフォン、そしてアクションカムに準じた使い方ができる。まずは、新発想のスタイルをチェックしていこう。

自分撮りスタイル
カメラ部とコントローラー部を合体させると、スマートフォンに近い感覚で扱える。このスタイルでのサイズは60.9(幅)×153.1(高さ)×34.2(奥行)mmで、重量は175g。

レンズと同じ向きにモニターがあるので、アングルを確認しながら撮影可能

レンズと同じ向きにモニターがあるので、アングルを確認しながら撮影可能

たしかに、自分撮りがしやすい!

たしかに、自分撮りがしやすい!

カメラスタイル
「自分撮りスタイル」の状態から、カメラ部とコントローラー部の接続部分を折りたためば一般的なカメラに変身。

カメラ部とコントローラー部の背面をくっつけるように折りたたむと……

カメラ部とコントローラー部の背面をくっつけるように折りたたむと……

なじみのあるカメラの形に!

なじみのあるカメラの形に!

「カメラスタイル」にすると、サイズは93(幅)×60.9(高さ)×49(奥行)mmになる

「カメラスタイル」にすると、サイズは93(幅)×60.9(高さ)×49(奥行)mmになる

セパレートスタイル
合体したスタイルで使っていると忘れてしまいそうだが、カメラ部とコントローラー部はBluetoothで接続されている。その特性を実感するのが、カメラ部とコントローラー部を分離した「セパレートスタイル」だ。

コントローラー部にあるボタンを押しながらカメラ部を引くだけで離せる

コントローラー部にあるボタンを押しながらカメラ部を引くだけで離せる

ヒンジ(カメラ部から飛び出ている板のようなパーツ)は可動式になっており、垂直にすれば自立可能

ヒンジ(カメラ部から飛び出ている板のようなパーツ)は可動式になっており、垂直にすれば自立可能

Bluetooth接続しているので、コントローラー部でアングルを確認してシャッターを押せる

Bluetooth接続しているので、コントローラー部でアングルを確認してシャッターを押せる

上の写真ではコントローラー部でシャッターを切っているが、カメラ部にも静止画と動画を撮るためのシャッターが用意されている

ヒンジを折りたたんだカメラ部のサイズは60.9(直径)×28.8(奥行)mmで、重量は94g(メモリーカード含む)

ヒンジを折りたたんだカメラ部のサイズは60.9(直径)×28.8(奥行)mmで、重量は94g(メモリーカード含む)

モニターでアングル確認はせず、バシバシ撮っていくのもアリ!

モニターでアングル確認はせず、バシバシ撮っていくのもアリ!

基本構造&操作をチェック

「EX-FR10」の最大の特徴である“選べる撮影スタイル”を理解したところで、カメラの性能も確認しておこう。有効画素数は1,400万画素で、1/2.3型の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。レンズはF2.8の単焦点となっている。画角は35mmフィルム換算で21mm相当と、かなり広角だ。多様なシーンに対応できるように、1mまでの防水性能や2mの高さから落ちても大丈夫な耐衝撃性能も備えている。

設定や操作はタッチパネルで!
ボタン類は最小限に抑えられているため、設定変更などはコントローラー部のモニターで行う。

本体がコンパクトなため、モニターも2型と小さいサイズになっている。解像度も23万画素なので、クリアな視認ができるとは言いがたい。カメラで再生して見るというより、大まかなアングルを確認するためのモノと考えたほうがよさそう

コントローラー部には電源とシャッターボタンしか付いていないので、撮影/再生モードの切り替え、再生時の写真送り/戻しなどの操作はタッチパネルで行う

撮影する画像の向きを変える方法
写真の向きを横/縦で変えたい時は、レンズのまわりにあるグレーのラインの向きを変える。

ラインが横向きでセットされていると横位置の写真が撮れる

ラインが横向きでセットされていると横位置の写真が撮れる

ラインが縦向きになれば、縦位置の写真が撮影可能

ラインが縦向きになれば、縦位置の写真が撮影可能

くるりと回せば、ラインの向きを変えられる

くるりと回せば、ラインの向きを変えられる

グレーのラインを横/縦向きに変えると、モニターに映し出される構図が横位置と縦位置で切り替わった

グレーのラインを横/縦向きに変えると、モニターに映し出される構図が横位置と縦位置で切り替わった

撮影したデータを記録するのはカメラ部
カメラ部にスロットがあるので、モニターで再生するためにはカメラ部の電源を必ずONにしておく必要がある。というより、コントローラー部の電源のみをONにすることはできない。逆に、カメラ部のみ電源ONにして利用することは可能。

対応する記録媒体は、microSDメモリーカード

対応する記録媒体は、microSDメモリーカード

充電はそれぞれ行う

カメラ部とコントローラー部ともにUSB端子が用意されており、充電はそれぞれで行う

カメラ部とコントローラー部ともにUSB端子が用意されており、充電はそれぞれで行う

同梱されるケーブルが1本しかないので、カメラ部が終わったらコントローラー部と付け替えなければならないのは少し面倒

同梱品アクセサリーを紹介

カメラの持ち歩きに便利なストラップや、セパレートしたボディをさまざまな場所に取り付けられるアクセサリーが同梱されている。状況に応じて使い分けできるレンズフードも付属。

2タイプのストラップ

コントローラー部に装着する「カラビナストラップ」と、カメラ部に付ける「ネックストラップ」が用意されている

持ち歩きに便利なだけでなく、カメラ部を首にぶら下げたまま撮影するのも面白い

持ち歩きに便利なだけでなく、カメラ部を首にぶら下げたまま撮影するのも面白い

三脚ナット

三脚は別途用意しなければならないが、ヒンジの上から「三脚ナット」を装着することで一般的な三脚にカメラ部を固定できる

三脚穴に装着するタイプのアクセサリー(他社製も含む)を使えるようになるので、かなり便利だ

三脚穴に装着するタイプのアクセサリー(他社製も含む)を使えるようになるので、かなり便利だ

2種類のレンズフード

標準のレンズフードがあらかじめ装着されている

標準のレンズフードがあらかじめ装着されている

日差しが強い場合には付属のレンズフードに付け替えるといい。付属のレンズフードのほうがレンズをより覆えるので、不要な光を遮断してくれる

別売アクセサリーを使えば、もっと撮影の幅が広がる

「GoPro」などのアクションカムは、乗り物や体に固定する際にアクセサリーを用いるのが一般的。「EX-FR10」もアクションカム同様の使い方ができるので、それに応じたメーカー純正のアクセサリー(別売)が用意されている。

マルチアングルクリップ「EAM-2」
360°回転する台座がクリップ状になったもの。クリップで挟むだけなので、使いやすい。

カメラ部に「EAM-2」を装着

カメラ部に「EAM-2」を装着

ザックに取り付けてみた。このスタイルなら、複数人で歩いている時に先頭にいれば、うしろを振り返ることなく撮影することができる

トライポッドマウンター「EAM-1」
三脚穴が付いたアクセサリーなので、カメラ部やコントローラー部に装着すれば、三脚ネジ(1/4インチ)のあるアタッチメントに取り付け可能。

コントローラー部に取り付けてみた

コントローラー部に取り付け

自転車のハンドルに固定できた

自転車のハンドルに固定できた

マルチアングルベルトセット「EAM-3」360°回転する台座と、長さが異なる2種類のベルトがセットになったアクセサリー。短いものは手首、長いものは頭部への取り付けに……と使い分けできる。

短いほうのベルトをセットした状態

短いほうのベルトをセットした状態

手首に付けてみた。ズレることなく、フィット感もいい

手首に付けてみた。ズレることなく、フィット感もいい

アクションカムのような撮影に挑戦「EAM-1」と「EAM-3」を使い、アクションカムのように使って自転車で走行中の動画を撮ってみる。

アクションカムの場合、自転車にカメラ部を固定するのが一般的だが、今回はあえてコントローラー部をハンドルに装着し、カメラ部は手首に付けた

カメラを手首に装着すると自転車に固定した場合よりも路面からの振動が低減されるということだが、手をハンドルに添えているので動画のブレはそれなりにある。とくにスピードが上がった際には、本家のアクションカムよりはブレがやや大きい。ゆっくりした速度で、振動の少ない路面ではピントの追従性もよく、十分な性能だ。モニターはハンドルに装備されているほうが、目線を下ろすだけでアングル確認できて便利。

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