日が変わって、今度は紅葉を撮影。12月上旬に鎌倉を訪れたので、ちょうど紅葉が見頃! 12月上旬の鎌倉・円覚寺は紅葉が見事です。ハイキーでやや飛ばして撮影。ハイキーは通常、美白目的で使うようだが、風景撮影にもよいかも。
作例9(写真左)=ハイキーモード、作例10(写真右)=ノーマル撮影
夕日の照らされたもみじがキラキラしていてきれいだったので、逆光ですがノーマルで撮影。すると中央に謎の黒い点が。太陽?
美しい光景を前に思わずデジカメ感覚でバチバチ写真を撮りたくなりますが、チェキフィルムの1枚単価を考えると、それができないのが痛いところ。そして特に苦戦したのが、マクロ撮影。マクロ撮影モードなんてものがあるから、そこに設定さえすれば近くに寄ったものがキレイに撮れると思ったら、大間違い。その理由は、パララックス(視差)。光学式ビューファインダーを持つカメラは、ファインダーとレンズの位置関係のズレが生じてしまいます。特に近距離でのファインダー視野と実際に撮影される画面範囲のズレが大きく、ファインダーではピントが合っているのに、実際に出てくるプリントの画面はどこよ?これ?というものばかり。一応、頭の中で考えて、ここにレンズがあるのだから、もう少しこっちにずらせばバッチリ撮れるはずと何度も試みてみるも、ことごとく外れ……。そうこうしているうちに、フィルム10枚があっという間に消えてしまいました。もみじの葉っぱ1枚撮りたいだけなのに……(泣)。
マクロモードにしてもみじの葉っぱ撮影に試みたものの、視差が把握できず、失敗連続!
説明書によると、「instax mini70」でマクロ撮影モードにした場合、0.3〜0.6mmまで寄れるらしい。結局、筆者は何度やってもうまく撮れず、わざわざマクロモードにしなくてもよいのでは? という微妙な距離のもみじを撮影して、マクロモードのレビューはあきらめることにした(笑)。本当は葉っぱ1枚をバッチリ撮りたかったんだけどな。
ファインダーとレンズの微妙なズレが素人ではうまく撮れない。あ〜、何枚のフィルムがムダになったことか……。
作例11(写真左)=マクロモード失敗その1、作例12(写真中)=マクロモード失敗その2、作例13(写真右)=マクロモード成功
そのリベンジではないけれど、予想外にうまく撮れたのが、次の自撮りモードで撮影したもみじの葉っぱだ。こちらは、自撮り撮影モードにして、自分の顔の前にもみじの葉っぱをかざしただけ。もじみの葉からひょっこり顔が出ているという、なんともおもしろい写真ができた。
最後に「instax mini70」のもう1つの特徴である自撮りモードを使ってみました。筆者は年齢的に自撮り世代ではないので、このモードがついたからって大喜びというわけではないけれど、やってみると案外楽しい。
自撮りをするときは、操作ボタンを「自撮り撮影」に切り替える。レンズを自分に向けて、レンズ横にあるセルフショットミラーで自分の顔をチェックし、シャッターを押すだけ。一人でやるとちょっとせつないが、友達と一緒に撮ったら、きっと盛り上がりそう。
レンズ横にあるセルフショットミラーは、自撮りをするときの顔チェックに
スマホやデジカメでいっぱい写真は撮るけれど、撮った写真を見返すというのは案外しないもの。でも、チェキなら撮った写真をその場で見て、その場で渡せる。今やチェキはカメラというハード機能だけでなく、コミュニケーションツールというソフト機能を楽しむ人が多いのではないだろうか。それが長年愛され続ける理由なのかもしれない。
マクロモードで苦労した葉っぱの撮影が、自撮り撮影ではなぜかいい感じに仕上がりました
作例14(写真左)=自撮りモード その1、作例15(写真右)=自撮りモード その2
もう1つのウリは自撮りモード&ミラーがついていること。しかし、手が短い筆者が自撮りをすると、距離がかせげないのでやたらとアップに……
個人的に購入した初代チェキに始まり、レビュー記事で体験した「instax mini 90ネオクラシック」、スマホ用チェキプリンター「instax SHARE SP-1」など、何気にチェキとは長い付き合いの筆者。だからこそ「instax mini70」の新機能「背景きれいフラッシュ」はうれしい進化でした。
「自撮りモード」は、筆者には年齢的に(?)特別うれしい機能ではないですが、日頃スマホで自撮りを楽しんでいる世代にはうれしい機能かも。総合的に見ると、使いやすいカメラですが、なぜか筆者は今回マクロ撮影に苦戦。でも、他の人がやれば簡単に撮れるかもしれないので、そこはあまり参考にしないで欲しい。チェキというと、結婚パーティーなどの記念写真でよく使われる“遊びのカメラ”というイメージが強いですが、今回は思いの外、なかなか雰囲気のある写真が撮れた(自画自賛)。コミュニケーションツールとして若い世代が楽しむいっぽうで、アラフォー筆者は作品撮りにチェキを使ってみようかなと思い始めています。
人物・製品撮影/福井隆也