ニコン「D500」
2016年1月6日、ニコンから、APS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデル「D500」が突如として発表され、価格.comのクチコミ掲示板は、多くのニコンファンによるクチコミが活発化している。
「D500」は、ニコンDXフォーマット(APS-Cサイズ)のデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデルに当たる製品。搭載される撮像素子は、23.5×15.7mmサイズのCMOSセンサーで、有効画素数は2088万画素。画像処理エンジンに「EXPEED 5」を搭載し、常用感度はISO 100〜51200。本製品と同日に発表された、ニコンFXフォーマット(フルサイズ)のフラッグシップモデル「D5」と同等の新開発「マルチCAM 20Kオートフォーカスセンサーモジュール」を採用し、153点のフォーカスポイント(中央部と周辺部の99点はクロスセンサー)で広い範囲を高密度にカバーするのが大きな特徴。中央のフォーカスポイントで−4 EV、その他のフォーカスポイントすべてで−3 EVを実現しており、低輝度下やコントラストの低い被写体でもAF撮影が可能となっている。
また、約10コマ/秒の高速連続撮影に加え、動画撮影では、1080/60pに加えて4K UHD(3840×2160)/30pにも対応。HDMI出力が可能なほか、カメラ内で生成、記録する微速度動画も4K UHDをサポートする。Wi-Fi機能も搭載され、背面モニターは、タッチ操作に対応したチルト式の3.2型液晶(約236万ドット)となっている。記録メディアは、XQDカード、SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II規格に対応)。発売は3月の予定だ。
図1:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種のアクセス推移(過去1か月)
図1は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、価格.comの「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種のアクセス推移を示したものだ。これを見るとわかるように、1月6日に本製品が発表されるやいなや、製品詳細ページへのアクセスも10,000/日を超えるほどになっており、本製品への注目の高さがうかがえる。なお、同日に発表された、プロ向け・フルサイズモデルの「D5」については、そこまでの大きな盛り上がりとはなっていない。ちなみに、本製品の発売にともなって、それまでのAPS-Cサイズのフラッグシップモデルだった「D7200」のアクセスも一時的に増加している。
図2:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける主要5メーカーのアクセス推移(過去3か月)
図2は、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける主要5メーカーのアクセス推移を示したものだが、1月6日の「D500」および「D5」の発表に伴って、ニコン製品へのアクセスが大きく伸びている。それまでは、ニコンとキヤノンの2大メーカーがほぼ同率くらいで1位、2位を争う展開が続いていたが、今回の発表で、ニコンのアクセスが一時的に2位キヤノンの倍近くまで跳ね上がった。
図3:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種の注目ランキング推移(過去1か月)
図3は、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種の注目ランキング推移を示したものだが、1月6日の製品発表後に「D500 ボディ」をはじめ、「D5 CF-Type ボディ」「D5 XQD-Type ボディ」の3製品ともに、注目ランキングの上位に登場してきており、「D500 ボディ」が翌日1月7日には早くも1位の座に輝いたほか、「D5」2モデルも、それぞれ4位、5位の位置につけている。これらの図を見ても、ニコンファンの本製品に対する注目度がいかに高いかがわかるだろう。
図4:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種の売れ筋ランキング推移(過去1か月)
驚くのは、図4の売れ筋ランキングを見ても、すでに「D500 ボディ」が、売れ筋ランキングの2位につけていることだ。まだ2か月先の3月発売予定で、まだ一部ショールームくらいにしか実機がない中で、かなりの先行予約が入っているものと思われる。クチコミ掲示板のやり取りでも「すでに予約した」という人の書き込みが複数見られるなど、本機に対する期待の高さがうかがえる。
図5:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種のクチコミ数推移(過去1か月)
クチコミも非常に活発だ。図5は、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種のクチコミ数推移を示したものだが、「D500 ボディ」に帯するクチコミは、製品発表後の3日程度で1日200件以上(最高で262件)を集め、1月13日現在ですでに1245件という数まで上っている。わずか1週間のクチコミ数としてはかなり多い数字であり、ニコンファンの本機に対する期待と注目は、かなりのものであることがわかる結果だ。なお、クチコミの内容としては、本機のスペックなどを中心に、購入するかしないか(同時発表の「D5」も含め)というものが多いが、賛否両論あるものの、購入に前向きな意見がおおむね半数以上を占めているように思える。
図6:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種の最安価格推移(過去1か月)
なお、「D500 ボディ」の販売価格だが、2016年1月13日時点での最安価格は、233,239円となっている。まだ、発売前の予約価格なので、ほとんど値引きはない状態と思われるが、3月の発売時でもさほどの変化はなく、22万円前後での発売が予想される。図6は、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目製品5機種の最安価格推移を示したものだが、同じニコンDXフォーマットを使用した「D7200 ボディ」の現在の最安価格が10万円をわずかに切る97,800円であることを考えると、まだかなり高めであることは否めない。当面のライバル機と目されているキヤノンの「EOS 7D Mark II ボディ」でも、136,579円なので、価格的にはやはり高めであるが、それでも本機への期待度は高いようだ。なお、フルサイズ機の「D5」については、67万円台の価格をつけており、さすがに「D500」との差は大きいといえる。
図7:ニコン「D500」のライバルランキング(2016年1月12日時点)
図7は、「D500」のライバルランキングを示したものだが、1位はフルサイズ機の「D5 CF-Type ボディ」、2位は従来機の「D7200 ボディ」、そして3位には、キヤノンのAPS-Cモデル「EOS 7D Mark II ボディ」が来る展開となっている。これを見ても、「D500」の購入検討ユーザーは、上位モデルの「D5」と比較検討しているほか、従来機の「D7200」あるいはライバル機のキヤノン「EOS 7D Mark II」などと比較していることがわかる。現状では、「D7200」にやや負け越しており、主に価格面での差の開きが課題となっているようにも思える。いずれにしても、ここ数年、あまり大きな動きのなかったニコンのデジタル一眼レフカメラにとって、今回の「D500」の発表は、ニコンユーザーにとってかなり好意的に受け取られているようだ。