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ニコン「D500」「D5」人気で一気に普及なるか? レキサー製XQDメモリーカードが大幅値下げ!

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4K時代に合った高速転送速度で期待される次世代メモリーカード「XQD」

レキサー「LXQD64GCRBJP2933」(64GBモデル)

レキサー「LXQD64GCRBJP2933」(64GBモデル)

デジタルカメラのメモリーカードと言えば、SD/SDHCメモリーカードが主流である。実際多くのデジタルカメラで採用されているのもこのSD/SDHCメモリーカードである。しかし、本格的な4K動画時代を迎えた現在、その流れも少しずつ変わりつつある。より高速なデータ転送に対応した次世代のメモリーカードが登場しており、この春以降、本格的な普及を見せるかもしれない。その注目株として急上昇してきたのが、XQDメモリーカードだ。

XQDメモリーカードは、データ転送インターフェイスとして、高速なPCI Expressを採用した新時代のメモリーカードだ。大容量化し続けるデジタルカメラや、デジタルビデオカメラのデータ保存を目的に規格化され、理論上の転送速度は最大2.5Gbpsにものぼる。現在一般的な「SDHCメモリーカード」はClass10で10Mbps。上位規格の「SDXCメモリーカード」でも最大104Mbps、「コンパクトフラッシュ(CF)」でもUDMAモード7で最大167Mbps、となっていることから、その飛び抜けた高速さが理解できるだろう。容量も技術的には2TB以上に拡張可能とされており、容量の大きい4K映像などにも対応できる。なお、コンパクトフラッシュタイプの新規格である「CFast」(CFとの互換性はない)も、高速なSATA3インターフェイスを使い、理論値で最大6Gbpsを実現するメディアとして同様に期待されている。

ニコン「D5」

ニコン「D5」

ニコン「D500」

ニコン「D500」

このように、次世代メモリーカードとして期待されているXQDメモリーカードであるが、これまで対応するデジタルカメラがニコンの「D4」「D4s」の2製品しかなく、またメディアの価格も高めであったため、あまり注目されてこなかった。しかし、今年2016年1月6日に、ニコンから、新フラッグシップモデル「D5」と、APS-C対応のフラッグシップモデル「D500」が発表され、このいずれもが、XQDメモリーカードに対応することから(「D5」は「CFモデル」と「XQDモデル」を選択)注目を集めてきていた。

図1:「XQDメモリーカード」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図1:「XQDメモリーカード」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図2:「XQDメモリーカード」カテゴリーのアクセス推移(過去3か月)

図2:「XQDメモリーカード」カテゴリーのアクセス推移(過去3か月)

図1は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、過去2年における「XQDメモリーカード」カテゴリーのアクセス推移だが、それまで2000PV/週程度で推移していたアクセス数が、2016年の年明けとともに大きく増加していることがわかるだろう。図2の過去3か月のグラフで見るとより明らかだが、上述したニコンの「D5」「D500」が発表された1月6日に大きくアクセスが上がっており、その後、1000PV/日程度のアクセスを保ち続けながら推移している。なお、直近では、3月11日にさらに大きくアクセスが急上昇しており、さらに一段注目度が上がった印象だ。

図3:「XQDメモリーカード」カテゴリーにおけるメーカー別アクセス推移(過去3か月)

図3:「XQDメモリーカード」カテゴリーにおけるメーカー別アクセス推移(過去3か月)

図3は、過去3か月における「XQDメモリーカード」カテゴリー内のメーカー別アクセス推移を示したものだ。現状、XQDメモリーカードを製造しているメーカーは、ソニーとレキサーメディア(以下、レキサー)の2社しかない状況であるため、2社の比較ということになるが、図2で見た1月6日時点での盛り上がりは、ほぼソニー製品に対する注目であったのに対し、3月11日時点での盛り上がりは、ほぼレキサー製品に対する注目を反映したものになっているのが大きく異なる。

レキサー製カードの大幅値下げで一気に注目度が上昇

図4:レキサー製XQDメモリーカード・主要5モデルの最安価格推移(過去3か月)

図4:レキサー製XQDメモリーカード・主要5モデルの最安価格推移(過去3か月)

このレキサー製のXQDメモリーカードに対する注目度の急激な上昇の裏には、レキサーが行った大幅な価格改定がある。図4は、レキサー製のXQDメモリーカードの主要5モデルの最安価格推移を示したもの。いずれも、ニコンの「D5」「D500」の発表と同時に発表された新モデルであり、2月1日より発売を開始していたが、3月10日を境に大幅に価格を下げていることが見て取れる。現状、売れ筋1位の64GBモデル「LXQD64GCRBJP2933」を例に見ると、3月9日時点での最安価格が24,769円であったのに対し、翌10日の最安価格は14,171円と、一気に4割以上の下げを記録している。売れ筋2位の128GBモデル「LXQD128CRBJP2933」にいたっては、44,680円から22,627円へと、ほぼ半額レベルまで価格を下げている。ほかの容量モデルもおおむねこのような大幅値下がりとなっており、この時点でレキサーからの大幅な価格改定があったものと思われる。なお、上記の「2933シリーズ」は、最大440MB/秒の読込転送速度を実現する高速モデルとなっている。

図5:ソニー製とレキサー製XQDメモリーカードの最安価格比較(過去3か月)

図5:ソニー製とレキサー製XQDメモリーカードの最安価格比較(過去3か月)

図5は、ソニー製とレキサー製のXQDメモリーカード(64GB、128GB)のぞれぞれの最安価格を比較したものだが、これを見ると、64GBモデルではソニー製の「QD-G64A」の最安価格が41,780円なのに対し、レキサー製「LXQD64GCRBJP2933」の最安価格は14,080円。128GBモデルではソニー製の「QD-G128A」の最安価格が69,840円なのに対し、レキサー製「LXQD128CRBJP2933」の最安価格は22,580円と約3分の1の価格(いずれも3月15日時点の最安価格)。いずれも、レキサー製のメディアがソニー製の約3分の1の価格で販売されており、両社の価格ギャップが相当に開いていることがわかる。

図6:ニコン「D5 CF-Type」「D5 XQD-Type」製品詳細ページへのアクセス数推移(過去3か月)

図6:ニコン「D5 CF-Type」「D5 XQD-Type」製品詳細ページへのアクセス数推移(過去3か月)

さすがにここまで差がつくと、多くのユーザーがレキサー製のXQDメモリーカードに注目するのも無理からぬ話だろう。特に、この3月26日に発売が迫っているフラッグシップモデル「D5」の場合、CFモデルとXQDモデルで製品が異なるため、クチコミなどでもこの状況が大きく取りざたされている。図5は、ニコン「D5 CF-Type」「D5 XQD-Type」それぞれのアクセス数推移を示したものだが、製品発表当時はどちらかと言えばCFモデルのほうが多かったアクセスが、ここへ来てXQDモデルに逆転されるという現象も起こっている。3月26日の発売に向け、この動きがどのように変化していくのかは興味深いところだ。

図7:ニコン「D500」「D5 CF-Type」「D5 XQD-Type」製品詳細ページへのアクセス数推移(過去3か月)

図7:ニコン「D500」「D5 CF-Type」「D5 XQD-Type」製品詳細ページへのアクセス数推移(過去3か月)

また、4月下旬に発売が延期された「D500」の発売も大きなターニングポイントになるだろう。図7は、ニコン「D500」「D5 CF-Type」「D5 XQD-Type」3モデルのアクセス数推移を比較したものだが、注目度から言えば、価格の安い「D500」のほうが、プロ向けフラッグシップモデルの「D5」よりもはるかに注目されている。「D500」のほうは、SD/SDHC/SDXCメモリーカードとの併用が可能なので、「D5」のようにどちらかを選ばなくてはいけないという問題は起こらないが、「D500」のヒットはまず間違いないと目されているだけに、4月後半から、価格の安くなったXQDメモリーカードが飛躍的に販売量を増やすことは想像に難くない。そうなると、次世代メモリーカードとしてのXQDメモリーカードの存在感が一気に高まってくるだろう。

現在、4K動画の記録などに対応した次世代高速メモリーカードとしては、このXQDのほか、コンパクトフラッシュ型の「CFast」があるが、今回のXQDメモリーカードの大幅値下げによって、CFastのほうがやや割高になってしまった感は否めない。今後、XQDとCFastの次世代メディア争いがどのように展開していくのか、興味深く見守りたいところだ。

鎌田 剛(編集部)
Writer / Editor
鎌田 剛(編集部)
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。
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