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4/28デジタル一眼レフのフラッグシップモデル3機種が同日発売! 話題になっているのはどのカメラ?

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今年2016年は、各メーカーからデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデルの発売が相次いでいるが、ゴールデンウィークを目の前に控えた4月28日、注目のフラッグシップモデル3機種が同日発売される。ニコンからは、APS-C機の新フラッグシップモデルとして年明けから話題をさらってきた「D500」がようやくお目見え。キヤノンからは、プロ向けフルサイズ機のフラッグシップモデル「EOS-1D X MarkII」が、さらにペンタックスからも、同ブランド初、待望のフルサイズ機「PENTAX K-1」が登場する。これらの注目モデルの発売直前の状況を、価格.comのデータから紐解いてみよう。

APS-C機のフラッグシップ、ニコン「D500」。キヤノンとペンタックスはフルサイズ機のフラッグシップ機

ニコン「D500」

ニコン「D500」

まずは、この3機種のフラッグシップモデルのおおまかなプロフィールを紹介しておこう。ニコン「D500」は、今年の年明けすぐに発表された、同社APS-Cモデル(DXフォーマット)の新フラッグシップモデル。有効2088万画素のCMOSセンサーを搭載し、画像処理エンジン「EXPEED 5」との組み合わせで、常用感度ISO 100〜51200を実現。また10コマ/秒の連写機能や、1080/60pの2K動画にに加えて、4K UHD(3840×2160)/30pの動画撮影にも対応する。モニターはバリアングル対応で、Wi-Fi機能も搭載。対応メディアは、SDメモリーカード系に加え、XQDカードにも対応するダブルスロット仕様だ。なお、本機は3月に発売される予定だったが、人気殺到につき、4月28日に発売を延期したという経緯がある。

EOS-1D X MarkII

キヤノン「EOS-1D X MarkII」

キヤノンとペンタックスからは、フルサイズモデルのフラッグシップ機がそれぞれ発売となる。キヤノン「EOS-1D X MarkII」は、2012年6月に発売された「EOS-1D X」の後継モデル。新開発となる約2020万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載し、映像エンジン「Dual DIGIC 6+」との組み合わせで、常用感度は、ISO 100〜51200を実現する。連写機能は14コマ/秒。動画撮影は、「EOS」シリーズ初の4K(4096×2160) 60p/50p記録を実現したほか、フルHDでは120p/100p記録にも対応する。対応メディアは、CFとCFastのデュアルスロット仕様だ。

ペンタックス「PENTAX K-1」

ペンタックス「PENTAX K-1」

いっぽう、ペンタックスの「PENTAX K-1」は、同ブランド初のフルサイズモデルとなる製品。有効3640万画素という高精細な35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載しており、新型画像処理エンジン「PRIME IV」との組み合わせで、 100〜204800までの感度に対応する。本体内に5軸対応手ぶれ補正機構「SR II」を搭載するのが特徴。連写機能は6.5コマ/秒。動画撮影はフルHDに対応し、Wi-Fi機能も搭載する。記録メディアは、SDメモリーカード系のみ。

以上のように、同じフラッグシップモデルとは言っても、その内容は異なるので一概に比較はできないが、発売日が同じということもあり、ここではこの3機種をさまざまな形で比較してみよう。

人気の中心はやはりニコン「D500」。「PENTAX K-1」は同価格帯でフルサイズというコスパの高さに注目

図1:「D500」「EOS-1D X MarkII」「PENTAX K-1」のアクセス数推移(過去3か月)

図1:「D500」「EOS-1D X MarkII」「PENTAX K-1」のアクセス数推移(過去3か月)

まずはこの3機種の注目状況から見てみよう。図1は、「価格.comトレンドサーチ」で、過去3か月間における「D500」「EOS-1D X MarkII」「PENTAX K-1」のアクセス数推移を示したもの。これを見ると、3機種の中では、ニコン「D500」のアクセス数がやはり飛び抜けていることがわかる。APS-C機ということで、価格が安めということもあるが、3月末に発売された同社のフルサイズモデルのフラッグシップ機「D5」と共通する機能・性能を多く備えているだけあって、その注目度は発表以来かなり高く推移している。直近では、発売日が4月28日に決定したというニュースが流れた4月20日に大きな山を迎えているが、おそらく4月28日の発売日に向けて一層アクセスが上がっていくものと思われる。

なお、「D500」以外のフルサイズモデル2機種は、ほぼ同等くらいの注目度だ。フルサイズ機とはいえ、価格帯がかなり異なるこの2機種であるが、図らずも注目度の点では五分といった状況になっている。

図2:「D500」「EOS-1D X MarkII」「PENTAX K-1」の、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける注目ランキング推移(過去3か月)

次に、3機種の「デジタル一眼レフカメラ」カテゴリーにおける注目ランキング推移を見てみよう。図2を見ると、ここでもニコン「D500」の人気のほどがわかる結果となっている。デジタル一眼レフカメラ全製品の中でも、この4か月ほど、本機は注目度ではトップか、最低でもベスト3には入っており、安定した人気をうかがわせる。ある意味では圧倒的と言っていいほどの人気で、発売が近づいてきた4月中旬以降は、首位の座をずっとキープしている。

その次に比較的注目度が高いのは「PENTAX K-1」だ。こちらも製品発表以降、10位以内の注目度をほぼ保っており、4月に入ってからはベスト5内に返り咲くなど、高めの人気を見せている。メーカーシェアでいえば、ニコン、キヤノンに大きく差を付けられているペンタックスではあるが、そうした条件下で見ても本機の注目度はかなり高いと言えるだろう。

注目ランキングでは、この3機種中でもっとも低い「EOS-1D X MarkII」であるが、60万円を超える高価格帯の製品としては、相当に健闘している。実質的なライバルとなるニコン「D5」と比べても注目度は上で、一時期はベスト20圏外に出てしまっていたが、発売が近づいてきた4月中旬以降、注目度を急激に上げてきており、2016年4月26日時点では5位にまでランクを上げている。

図3:「D500」「EOS-1D X MarkII」「PENTAX K-1」の、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーにおける売れ筋ランキング推移(過去3か月)

さらに、売れ筋ランキングの順位推移も見てみよう。図3を見ると、いずれの製品もほぼ同じような傾向をたどっていることがわかる。まずは製品発表時に大きく盛り上がっているが、これは、ほぼ指名買いの予約注文が入ったため。しかし、その盛り上がりが一巡すると、発売日間近までランキングは20位圏外となっている。再び、ランキング上位に出てくるのは、発売まで半月を切った、4月中旬くらいから。ここでも、ニコン「D500」が一番伸びており、発売前にも関わらず、すでにベスト5に入るという人気ぶりだ。ここでは、キヤノン「EOS-1D X MarkII」も高額製品でありながらかなり健闘しており、すでにベスト10入り目前という状況にまで伸びてきている。残念ながら、「PENTAX K-1」は、注目度の高さと、売れ筋ランキングの推移が比例しておらず、発売前の段階では、まだベスト20圏外という状況。発売日を前に購入を迷っている人が多いという現れかもしれない。

図4:「D500」「EOS-1D X MarkII」「PENTAX K-1」の、最安価格推移(過去3か月)

図4:「D500」「EOS-1D X MarkII」「PENTAX K-1」の、最安価格推移(過去3か月)

最後に、3機種の最安価格推移を見ておこう。図4を見ると、3機種とも発売前の予約段階における最安価格はほぼ一定で変化がない。ずば抜けて高いのは、やはりキヤノンのフラッグシップ機「EOS-1D X MarkII」で、こちらはさすがの648,000円。プロ向けの機材だけあり、価格帯では段違いだ。いっぽう、ニコン「D500」と、「PENTAX K-1」は、価格帯はほぼ同じで、「D500」が233,270円、「PENTAX K-1」が250,290円となっている(いずれも、2016年4月25日時点)。センサーサイズからすれば、フルサイズ機の「PENTAX K-1」のほうが、ワンランク上の製品ということになるが、価格はAPS-C機の「D500」とほぼ同じで、ここでは「PENTAX K-1」のコストパフォーマンスの高さが見て取れる形となっている。

「D500」人気でライバル・キヤノンに一歩リードのニコン。その他の3位グループは混戦状況に

上記のデータから、この4月28日に発売される3機種のフラッグシップモデルの中では、ニコンの「D500」が注目度・売れゆきともに群を抜いた人気であることがわかった。そもそも、3月の発売予定から1か月発売を延期するという異例の発売となった本製品だけに、このゴールデンウィークの一眼カメラ市場においても、話題の中心となることは間違いない。当面は品薄状況となることも予想されるため、購入を考えているなら早めに動いたほうがいいだろう。

図5:主要5メーカーの製品PV数推移(過去3か月)

図5:主要5メーカーの製品PV数推移(過去3か月)

図5は、ニコン、キヤノン、パナソニック、ソニー、ペンタックスという主要5メーカー(ブランド)の全製品PV数の推移を示したもの。これを見ると、ニコンとキヤノンの2大メーカーは、ずっと首位争いを繰り広げているが、今年1月の「D500」の製品発表以降は、ニコンのほうがキヤノンよりもわずかではあるが上に来る日が多くなっており、ここでも「D500」の効果をうかがい知ることができる。なお、キヤノンもAPS-C機として「EOS80D」を3月に投入しているが、こちらも売れ筋で2位(EF-S18-135 IS USM レンズキット、2016年4月26日時点)と人気だが、「D500」の発売によって、このバランスがどう変わるのかは注目したいところだ。

なお、3位以下のメーカーはほぼ同レベルのPVで推移しており、ここにあげたパナソニック、ソニー、ペンタックスに、オリンパスを加えた4メーカー(ブランド)が混戦状態という状況になっている。ペンタックス以外の3メーカーは、ミラーレス一眼にほぼ経営資源を集中しているが、こうした中、独自の方向性を貫いているペンタックスが、4月28日に満を持して投入する「PENTAX K-1」にも大きな注目が集まっている。

鎌田 剛(編集部)
Writer / Editor
鎌田 剛(編集部)
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。
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