アクションカムの元祖であり、このジャンルを確立した立役者でもあるGoProシリーズの新モデル「HERO5 Black」と「HERO5 Session」が発表された。両モデルとも撮影できる画質のバリエーションが増えたほか、電子式手ブレ補正と音声コントロールを搭載したのが大きな進化点。また、「HERO5 Black」は防水対応になるなど、操作性も向上している。ここでは、発表会で見てきた詳細を紹介しよう。記事後半では、会場に展示されていたドローンの実機もお披露目するのでお楽しみに!
左が「HERO5 Black」(市場想定価格:47,000円)で、右が「HERO5 Session」(市場想定価格:36,000円)。どちらも、2016年10月3日発売予定となっている
まずは、フラッグシップモデル「HERO5 Black」からチェック! サイズ感は前モデルとほぼ同じだが、中身は大きく進化した。一番のポイントは、本体が水深10mの防水に対応したことと、電子式手ブレ補正機能やGPS機能を搭載したこと。ハウジング不要で使える手軽さ、映像に位置情報を付加できる楽しみが広がった。そして、効果のほどはまだ使用していないのでわからないが、電子式手ブレ補正によるブレの低減にも期待が高まる。このほか、背面にはタッチディスプレイを装備。前モデルでは高画質な「Black」、タッチディスプレイ付きの「Silver」という2ラインアップが用意されていたが、「HERO5」ではひとつに集約されたようだ。
「HERO5 Black」はハウジングに入れずに使用でき、水深は10mまで対応。さらに深い場所で利用する時は、別途ハウジングを用意するほうがいいだろう(ハウジングの防水性能はまだ非公表)。なお、ボディの形状が変わったため、過去モデルのハウジングは利用できない
背面には2インチのタッチディスプレイを装備。画面下のアイコンにタッチして、数値を簡単に変更できる
実際にタッチ操作してみたが、反応も上々。ちなみに、メニューは日本語表示もできるようになった
前モデルでは3つあったボタンが2つに絞られた。電源オフの状態でも録画開始ボタンを押すだけで電源が入り、録画がスタートするワンボタンオペレーションにも対応
前面のモニターに撮影情報やバッテリー残量が表示されるのは従来と同様。録画中は、左上のLEDが赤く点滅するのでわかりやすい
手ブレ補正機能は「ビデオの安定化」という名称となっている。オン/オフを選択可能
なお、撮影できる画質は動画が最高4K/30fps、静止画が1,200万画素と従来と変わらないものの、新たに静止画はRAWモードでも撮影可能となった。また、アクションカムで撮影した映像は広角でややゆがんでしまうが、「HERO5 Black」に搭載された「リニアビュー」を選択すれば、ゆがみのない動画と静止画を撮ることができる。
広角モードでは机の縁が湾曲しているが、リニアモードにすると本来のまっすぐな形で撮影できた
2015年に登場した「HERO4 Session」は、それまでのGoProとはまったく異なるキューブ型フォルムが注目を集めた。タッチパネルディスプレイ非搭載だが、防水対応でハウジングいらず。アクションカムがもっとも重視するコンパクトで軽量なボディとボタンひとつで素早く扱える操作性は、かなりいい仕上がりだった。そんなSessionが、従来は撮れなかった4K/30fpsの動画撮影に対応し、「HERO5 Session」に進化。その他の主要な操作や性能は大きく変わっていないものの、先に紹介した「HERO5 Black」同様、電子式手ブレ補正とリニアビューが追加されている。
デザインは前モデルを踏襲。防水性能は水深10mまでとなっている。静止画の解像度も1,000万画素に向上した
ボタンはひとつしか搭載されておらず、このボタンを押すだけで電源オン→録画開始となる
音声コントロールとは、カメラに向かって「GoPro、ビデオスタート」というように話しかけると手を触れることなく録画が開始される機能だ。同様に「GoPro、写真」と呼びかければ、静止画を撮影してくれる。このほか、撮影モードの切り替えや電源オフなどの操作も音声で可能。ただし、電源が切れている状態から音声で起動することはできない。
音声コントロールのコマンドは一覧でチェック可能
そんな音声コントロールの様子を動画で見てみよう(下の動画参照)。音声に反応して、録画開始/停止が行われた。反応はよさそうだが、周囲が騒がしい場所ではカメラに近づかないと認識できないという。
また、GoProではクラウドサービス「GoPro Plus」も開始予定。アメリカでは2016年10月2日から、他国は2017年よりスタートする見込みだ。「GoPro Plus」に加入すれば、「HERO5」の2機種を充電ケーブルにつなぐだけで撮影した動画データがクラウド上に自動的にアップされ、編集や共有が可能となる。
発表会では、「HERO5」や「HERO4」を搭載できるマルチコプター式のドローン「Karma」も披露された。3軸のスタビライザーに取り付けたGoProをKarmaに装着する仕様となるのだが、このスタビライザーが便利! 機体から外して付属の「Karma Grip」にセットすれば、手持ちスタイルで撮影できるようになる。空撮と手持ちの撮影が兼用できるのは魅力だろう。また、Karmaはコンパクトに折りたためるので、持ち運びも容易。ただ、日本国内での発売日や価格は未定。アメリカでは、カメラなしモデルが2016年10月23日から799.99ドル(約81,000円)で発売予定となっている。
Karmaの操作は、タッチ式のコントローラー(写真上)で行う。コントローラー上のモニターで、リアルタイムな映像も視認可能
GoProに装着されているのが、3軸のスタビライザーだ。スタビライザーはブレを防ぐために欠かせない
スタビライザーを「Karma Grip」に取り付けて撮影も可能。手もとのボタンで、録画スタートや撮影モードの切り替えもできる