「話のネタになる最新ITニュースまとめ」は、主に海外のIT業界で先週話題になったニュースを紹介する連載です。知っておいて損はない最新情報から、話のネタになりそうな事柄まで、さまざまなニュースをお届けしていきます。
テスラは、トレーラーを牽引する次世代EVトラック「テスラ セミ」を発表。航続距離によって異なる価格設定で、最も安い300マイル(約482km)で15万ドル(約1600万円)からとなっています。物流の輸送におけるトラックの排ガス問題を改善する可能性を秘めており、注目を集めています。
自動運転対応の次世代EVトラック「テスラ セミ」
「テスラ セミ」は、ディーゼルではなく電気で動くトラック。フル充電で300マイル、500マイル(約804km)走行する2モデルが発売される予定です。滑らかな曲線を描く車体は、底面がフラットな設計になっており、空気抵抗を減らして航続距離の大幅な増加に貢献しています。
高さが2mあるゆったりとしたスペースの運転台には、中央に運転席が設置されています。両脇には15型のタッチ液晶を設置し、車載カメラの映像や電力の使用状況などの情報を表示。もちろん、テスラの自動運転技術「エンハンスト オートパイロット」に対応しており、安全性も保っているとのこと。
牽引可能な最大総重量は約36トン。時速60マイル(約96km)まで約5秒で加速し、最大総重量を牽引しているときでも20秒で時速60マイル加速できると言います。
近未来的なデザインの運転席
アナリストの予想では3000万円以上すると見られていましたが、価格は約1600万円からと予想を大きく下回る形になりました。それでも一般的なディーゼルトラックよりも高額ですが、燃費はディーゼルトラックよりも優秀です。
トラックによる排ガスを減らす取り組みが物流業界で行われている中で、テスラは排ガスをそもそも出さないという新しいアプローチで、この環境問題に向き合います。「テスラ セミ」は商用車として成功するのか、2019年の発売が非常に気になるところ。なお、日本での発売に関しては、発表時点で未定となっています。
ソース:テスラ
アメリカのビール会社、アンハイザー・ブッシュは、同社のビール「バドワイザー」を火星で初めて飲まれるビールにすべく、国際宇宙ステーション(ISS)で大麦の発芽実験を開始すると発表しました。
バドワイザーを火星で飲める日が来る!?
アンハイザー・ブッシュによると、宇宙空間でビールを醸造するには、ビールの原料が微小重力化でどのような反応を見せるかを研究する必要があるとのこと。これを調査する第一歩として、ビールの原料である大麦が無重力下で発芽するかどうかの実験が行われます。
大麦は2017年12月4日にISSへと送られ、専用の研究施設で実験開始。もしうまく発芽すると実験開始から1か月後に地球に送り返され、アンハイザー・ブッシュの研究施設で分析に使用されます。
そもそも人類が火星でビールを乾杯する日がくるのかどうかが気になるところですが、アメリカではロケットや宇宙の開発を手がける企業・SpaceXが、人類の火星移住計画を進めており、早くて2024年に人類が火星に到達すると見られています。バドワイザーは来たる日に備えて、火星のビール第1号を目指しているというわけ。もっと遠い未来では、火星の地ビールなんてものが飲めるのかもしれませんね。
ソース:アンハイザー・ブッシュ
自動車配車サービス、UberのCEOが、2016年にハッキングを受け5700万人分の乗客、およびドライバーの個人情報が盗まれていたことを明らかにしました。盗まれた個人情報には、利用者の名前、運転免許証番号、電子メール、携帯電話番号が含まれています。さらに、盗まれたデータの削除のために10万ドルをハッカーに支払っていたと報道され、大きな問題へと発展しています。
配車サービスのUberから大量の個人情報が漏洩していたことが判明
UberのCEO、ダラ・コスロシャヒ氏がみずから公式サイトで明かした今回の漏洩事件。攻撃を受けたのは2016年のことで、2人のハッカーが、Uberのソフトウェアエンジニアが運用していたプライベートのGitHubコーディングサイトに不正アクセスし、同社のAWS(Amazon Web Service)のログイン情報を入手。そのアカウントに保存されていた5700万人分の個人情報を盗み出しました。
攻撃を察知したUberが直ちに対策を施したため、社会保障番号やクレジットカード番号、走行ルートといったデータは盗まれなかったものの、当時のセキュリティ担当者はハッキングされた事実が明るみに出ることを恐れて、ハッカーがデータ削除の見返りとして要求した10万ドルを支払ってしまったとのこと。
盗み出されたデータがインターネットで公開されたり、他人に渡されたり、詐欺行為に利用されたりなどの形跡はないとされていますが、Uberは個人情報が盗まれたユーザーやドライバーに対して、モニタリングツールを無償で提供し対応しています。
アメリカで大きな問題となっているのは、Uberがハッキングされた事実を1年間も隠していたこと。同国のいくつかの州では、企業が情報を流出した際に事実を報告しなければいけないという法律があり、これにUberは違反している可能性があります。有識者の中には刑事責任が問われる可能性を指摘する声もあり、今後の展開に注目が集まっています。
ソース:Uber