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増税にともない新しく導入される「環境性能割」ってなに?

消費税が10%にアップ!自動車はいつ購入するのが得なの?

従来の消費税率は8%だが、2019年10月1日から10%へと引き上げられるのは皆さんご存じのとおりだ。そして、高額商品のひとつである自動車を購入する際には、消費税の増税は大きな負担をともなう。

この消費税増税にともない、自動車を購入する際に支払う「自動車取得税」が廃止されるので、増税の負担は軽減される……のかと思ったら、新たに「環境性能割」という税金が加わると言う。

はたして、環境性能割とはどういったものなのか。そして、消費税増税とともに変わる税制によって、負担は軽減されるのか、それとも増えてしまうのか。当記事では、そのあたりをひも解いてみたい。

※当記事の情報は、掲載時の2018年11月14日時点のものとなります。

環境性能割の概要は、自動車取得税とほぼ変わらない

環境性能割とは、従来の自動車税を「種別割」として残しつつ、新たに加わる税金のこと。これによって、自動車税は2種類になる。環境性能割では、排出ガスが少なく燃費のいいクルマは税金が少なく、排出ガスが多く燃費の悪いクルマは税金が高くなる。要は、いま実施されている「エコカー減税」に近い税制だ。

環境性能割は、自動車の取得価格を基準として課税される。「環境性能割」の具体的な税率は現時点では不明(2018年12月中には公表される)だが、当記事掲載時点では取得価格の0〜3%程度になると公表されている。

環境性能割の概要を見たかぎりでは、3%(軽自動車は2%)の自動車取得税が廃止されても、「環境性能割」に名称が変わっただけとも言えるので、2019年10月1日以降は消費税率が10%になる分だけ、ユーザーの税負担が増えると考えておきたい。たとえば、消費税抜きで200万円のクルマを購入した場合、消費税込みで220万円となり、2%の4万円が増税となるイメージだ。

増税前にクルマを買うなら、2019年9月末日までに納車を

いま、実施されている「エコカー減税」では、電気自動車やPHEV、ハイブリッドカーなど環境に配慮された自動車を購入する場合、自動車取得税、自動車重量税、自動車税が最大で免税となる。これらのエコカーは消費税増税前に購入したほうがいいだろう。2019年10月1日以降は、消費税増税分が上乗せされ、それ以外の税金は維持、もしくは増えることはあっても、減ることはないからだ。

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現在、経済産業省は免税車について2%の増税分を補助金で補填するとか、「環境性能割」の導入を少し遅らせるといった案も検討している。だが、結局はこれに代わる財源の確保が求められるために、調整が難航している。そうなると、「消費増税+環境性能割の導入」で落ち着く可能性も高い。

また、一部の車種については環境性能割が有利に働いて、多少は税額が下がる可能性がある。だが、それでも2%の消費税増税分を取り戻すことはできない。

結論を言えば、どのクルマも2019年9月末日までに納車したほうが得だ。なお、納車が2019年10月1日以降になると、消費税が10%に増えてしまうので気をつけたい。

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エコカー減税を考慮するなら、2019年3月までの登録が得策

もうひとつの注意点としては、現在のエコカー減税が2019年3月、もしくは4月の末日に終了するということだ(自動車取得税と自動車税は3月31日・自動車重量税は4月30日が期限)。

経済産業省は消費税増税も視野に入れ、「平成31年度税制改正要望」でエコカー減税とグリーン化特例(自動車税)の延長を求めているが、先行きは不透明だ。仮に、2019年度のエコカー減税が今よりも基準を引き上げたとすれば、減税額が下がる(=納める税金が増える)車種が出てくる。この場合は、2019年3月末日までに登録するのが得策だ。

つまり現状では、クルマを早く購入するほど税負担が増えない可能性が高い。エコカー減税が刷新されれば減税額が下がり、2019年10月になれば消費税増税が負担増となる。

このほか、経済産業省では自動車税を引き下げる要望も行っている。小型、普通車の自動車税額を排気量1cc当たり16円にするものだ。このレートは、軽自動車税と等しい(軽乗用車の軽自動車税は年額10,800円÷660cc=約16円)。

仮にこの案が採用されれば、1,001〜1,500ccの自動車税は年額24,000円(現在は34,500円)、1,501〜2,000ccは32,000円(現在は39,500円)、2,001〜2,500ccは40,000円(現在は45,000円)になる。排気量の小さな車種ほど、自動車税を下げる効果が大きい。ただし、これも減税に見合う財源の確保が求められるので、実現するのは容易ではないだろう。

今の自動車税制では、初度登録から13年以上を経過した車両の自動車税、軽自動車税、自動車重量税を値上げする体系となっている。古いクルマの税金を高めることで、無理に新車へ乗り替えさせる税体系は悪法との意見も多い。

また、自動車取得税、自動車重量税、燃料に含まれるガソリン税+石油税(ガソリン1L当たりに56.6円の税額が含まれる)などは、いずれも1970年代までに道路建設にあてるための道路特定財源として設けられた。この制度はすでに消滅して、課税する理由も失われたが、今でも一般財源として徴税が続いている。

国の財政不足分を、自動車を所有するユーザーが理由もなく負担しているというのは、ずいぶんと不公平な制度ではないだろうか。この機会に、自動車に関係する税制のあり方について、議論を深めてもらいたいものだ。

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渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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