レビュー

愛車の樹脂パーツのツヤを取り戻すには、「信越シリコーン」がいいらしい!

新車で買ってから27年目の愛車をピカピカにすることに執念を燃やす自動車ライター、マリオ高野です。

愛車の1994年式スバル「インプレッサWRX」に全塗装を施し、「オートグリム」製品のコーティングの効果もあってボディはピカピカになったものの、樹脂部分の色あせやコーティング剤の拭き残しが目立つようになりました。

意を決して全塗装を施した愛車ですが、気になる部分が少し出てきました……

意を決して全塗装を施した愛車ですが、気になる部分が少し出てきました……

そこで知人の洗車の専門家に相談すると、樹脂パーツのツヤをよみがえらせるには、信越化学工業の「信越シリコーン」がいいとのこと。Web上でもかなり評判なので、さっそく試したところ、とても満足度の高い効果が得られました。

今回使ったのは「KF-96-50CS」という製品です。

1リットル缶で約2,000円。塗布する際の伸びがよいので、クルマの樹脂パーツだけなら5〜6台分以上使える容量です

1リットル缶で約2,000円。塗布する際の伸びがよいので、クルマの樹脂パーツだけなら5〜6台分以上使える容量です

かなり多用途に使えるものですが、クルマ専用のケミカルではないので、公式サイトに書かれた注意書きをよく読んでから使ってください

かなり多用途に使えるものですが、クルマ専用のケミカルではないので、公式サイトに書かれた注意書きをよく読んでから使ってください

金属ほか多くの材料に悪影響なし

「信越シリコーン」は、本来自動車ボディケア用のケミカル剤ではないのですが、金属をはじめ多くの材料に対して悪影響を及ぼさないとあります。少なくとも今回筆者が試した「やや古めのクルマの外装樹脂パーツ」に使用するかぎりにおいて、問題はありませんでした。

公式サイトでは「ゴム、プラスチックの一部には高温時に可塑剤が抽出されて容積、重量が減少する場合があります。この傾向は低粘度のものほど大きくなります。特に、ゴムシール材料と接触する場合にはご注意ください」とありますので、その点は注意が必要です。

バンパーやドアなど、ボディまわりのパーツは可塑剤が抽出されてしまうほどの高温(170℃以上)になることはありませんが、エンジンルーム内などには使用しないほうが無難でしょう。

1990年代に生産された古めのクルマには、外装に樹脂パーツの採用が多く、色あせや劣化が目立ちます

1990年代に生産された古めのクルマには、外装に樹脂パーツの採用が多く、色あせや劣化が目立ちます

劣化して色あせた部分にボディ用のワックスやコーティング剤の拭き残しが付いている状態。普通のシャンプー洗車では落ちず悩んでいました

劣化して色あせた部分にボディ用のワックスやコーティング剤の拭き残しが付いている状態。普通のシャンプー洗車では落ちず悩んでいました

缶のフタ中央部分を押すと簡単に空きます。かなり透明度が高く、基本的には無臭。手に付くとオイリーな感触で、筆者の場合は肌荒れなどの異常は見られなかったものの、念のため、ゴム手袋をはめて使うのがよいでしょう

缶のフタ中央部分を押すと簡単に空きます。かなり透明度が高く、基本的には無臭。手に付くとオイリーな感触で、筆者の場合は肌荒れなどの異常は見られなかったものの、念のため、ゴム手袋をはめて使うのがよいでしょう

かなりシャバシャバした液体なので、ウエス類や洗車用のスポンジなどに染み込ませて塗布します。今回は樹脂パーツに限定して使ったので、細かい部分に塗りやすい「食器洗い用のスポンジ」を使用しました

かなりシャバシャバした液体なので、ウエス類や洗車用のスポンジなどに染み込ませて塗布します。今回は樹脂パーツに限定して使ったので、細かい部分に塗りやすい「食器洗い用のスポンジ」を使用しました

樹脂モール部分の左半分に塗布した様子。色あせや白いワックス跡がみるみるキレイになりました

樹脂モール部分の左半分に塗布した様子。色あせや白いワックス跡がみるみるキレイになりました

塗布後は乾拭きをする必要はありませんが、塗りすぎるとムラになってしまうので、なるべく少ない量を広く引き伸ばす感覚で塗布します

塗布後は乾拭きをする必要はありませんが、塗りすぎるとムラになってしまうので、なるべく少ない量を広く引き伸ばす感覚で塗布します

ボディのコーティングやタイヤワックスとしても可

塗布後3週間、降雨にさらされて洗車もしましたが、効果は持続しています。

耐熱性や耐寒性、粘度安定性にすぐれており、ボディ表皮のコーティング剤としても有効とのこと。本製品はタイヤワックス代わりとしても有効でした。

ドアミラーの根元まわりも黒々としたツヤが戻りました。3週間経過後も、現状を維持できています

ドアミラーの根元まわりも黒々としたツヤが戻りました。3週間経過後も、現状を維持できています

ボディ塗装面に付いても問題ありませんが、そのままにせず乾いた布などで拭き取りましょう。

ボディ塗装面に付いても問題ありませんが、そのままにせず乾いた布などで拭き取りましょう。

窓枠などの樹脂パーツが本来の色を取り戻し、クルマ全体の(見た目の)若返り効果が得られました。パンバーや窓枠などの外装樹脂パーツへの塗布はオススメできます

窓枠などの樹脂パーツが本来の色を取り戻し、クルマ全体の(見た目の)若返り効果が得られました。パンバーや窓枠などの外装樹脂パーツへの塗布はオススメできます

耐熱・耐寒性にすぐれ外装の用途にも

ほかにも「はっ水処理用」はガラス面のはっ水用として、また「樹脂改質用変性シリコーンオイル」はウレタン合成皮革(合成皮革シート)の風合い改善効果もあるようです。

シリコーンオイルは基本的には潤滑剤ですが、物質表面に処理すると、ほかの物質が粘着するのを防ぐ働きがあり、コーティング効果が得られる特性があります。空気中では150℃までほとんど変化しないほど耐熱性にすぐれ、−50℃でも流動性があるほど耐寒性も高いとのこと。

さらに、せん断に対する抵抗性がきわめて高く、高速度や高荷重でのせん断劣化は起こりにくいため、長寿命を保てるとのことです。

シリコーンは「その分子構造からさまざまな特長を兼ね備えているだけでなく、製品設計の自由度が高いなど、無限の可能性を持っている」と言われるので、クルマの外装以外にも幅広く使える多用途なオイルなのです。

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。3台の愛車はいずれもスバルのMT車。

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