レビュー
全体のトルク感は新型のほうがパワフル

スバル 新型「WRX S4」2.4Lターボの走りを先代と比較試乗!

かつて、WRC(世界ラリー選手権)で勝利するために開発された、スバル「インプレッサ WRX」。2L水平対向4気筒エンジンにAWD(4WD)が組み合わされたハイパワースポーツセダンは、いくつかのモデルチェンジを経ながら、今も「WRX S4」という車名で継続して販売されている。

スバル 新型「WRX S4」が、2021年11月25日にフルモデルチェンジされた。注目となるのは、2.4Lへ排気量がアップされた水平対向4気筒直噴ターボエンジンや、同モデルに初採用となる新プラットフォーム「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」、よりアグレッシブなデザインに変貌したエクステリアなどだ。今回は、新型WRX S4の実力をサーキットで試した

スバル 新型「WRX S4」が、2021年11月25日にフルモデルチェンジされた。注目となるのは、2.4Lへ排気量がアップされた水平対向4気筒直噴ターボエンジンや、同モデルに初採用となる新プラットフォーム「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」、よりアグレッシブなデザインに変貌したエクステリアなどだ。今回は、新型WRX S4の実力をサーキットで試した

WRX S4の製品画像
スバル
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(レビュー64人・クチコミ3549件)
新車価格:400〜477万円 (中古車:136〜499万円

そのWRX S4が、2021年11月25日にフルモデルチェンジされた。同時に価格も公表され、予約受注が開始されている。今回、その新型WRX S4をクローズドサーキットで先行試乗したのでレビューしたい。

■スバル 新型「WRX S4」のグレードラインアップと価格
GT-H:4,004,000円
GT-H EX:4,389,000円
STI Sport R:4,389,000円
STI Sport R EX:4,774,000円

■スバル 新型「WRX S4」の主なスペック
駆動方式:AWD(4WD)
全長×全幅×全高:4,670×1,825×1,465mm
ホイールベース:2,675mm
最小回転半径:5.6m
エンジン:2.4L 水平対向4気筒 直噴ターボ“DIT”(FA24)
トランスミッション:スバルパフォーマンストランスミッション
最高出力:202kW(275PS)/5,600rpm
最大トルク:375N・m(38.2kgf・m)/2,000-4,800rpm
車両重量:1,590kg(GT-H、GT-H EX)/1,600kg(STI Sport R、STI Sport R EX)

新型「WRX S4」のフロントエクステリアとリアエクステリア

新型「WRX S4」のフロントエクステリアとリアエクステリア

まず、新型WRX S4のボディサイズ(全長×全幅×全高)は、4,670×1,825×1,465mmになる。先代は、4,595×1,795×1,475mmなので、新型は75mm長く、30mmワイドになった。新旧モデルを比べると、新型は全長が伸びて、全幅も1,800mmを超えていることから、やや大柄になっている。また、ホイールベースは新型が2,675mmと、先代に比べて25mm延びているものの、最小回転半径は5.6mと新旧ともに同じ数値なので、取り回し性については大きくは変わっていない。

新型「WRX S4」のフロントイメージとリアイメージ

新型「WRX S4」のフロントイメージとリアイメージ

外観は、現行の「レヴォーグ」や「フォレスター」などと同様に、「BOLDER」と呼ばれる新たなデザインコンセプトが採用されている。特に目立つのが、前後フェンダーやホイールアーチなどに採用されているブラックのガーニッシュで、これによって走りの力強さが演出されていることに加えて、ガーニッシュにエアアウトレットやヘキサゴンパターンの空力テクスチャなどが採用されていることによって、空力性能を向上させているという。

新型「WRX S4」GT-Hグレードのインテリア

新型「WRX S4」GT-Hグレードのインテリア

インテリアは、質感から機能まで大幅に向上している。先代では、素っ気なかったダッシュボードやセンターコンソール周りのほか、ドアノブやエアコン吹き出し口の形状に至るまで、新型では1つひとつのデザインが見直され、最新のデザインへと刷新されている。

新型「WRX S4」STI Sport R EXグレードのインテリア

新型「WRX S4」STI Sport R EXグレードのインテリア

新型「WRX S4」のGT-H EXグレード、STI Sport R EXグレードに標準装備されている「12.3インチ フル液晶メーター」

新型「WRX S4」のGT-H EXグレード、STI Sport R EXグレードに標準装備されている「12.3インチ フル液晶メーター」

新型「WRX S4」のGT-H EXグレード、STI Sport R EXグレードに標準装備されている「11.6インチ センターインフォメーションディスプレイ」

新型「WRX S4」のGT-H EXグレード、STI Sport R EXグレードに標準装備されている「11.6インチ センターインフォメーションディスプレイ」

また、EXグレードを選ぶことによって、メーターは12.3インチのフル液晶メーターになり(EXではないグレードは、4.2インチのマルチインフォメーションディスプレイ付メーター)、センターコンソールのディスプレイも大型の11.6インチ センターインフォメーションディスプレイへとアップグレードされる(EXではないグレードは7インチのセンターインフォメーションディスプレイを搭載)。

前方視界は、エンジンフードが視野に入って、車幅やボディの先端などがわかりやすい。ただ、エンジンフードに備えられている空気取り入れ口によって、視界が少し遮られる。また、ななめ後方や真後ろにおける視界は、昨今のセダンとしては見やすく、すぐれた部類に入るだろう。

新型「WRX S4」に標準装備されているフロントシート

新型「WRX S4」に標準装備されているフロントシート

新型「WRX S4」STI SPORT Rグレードにオプション装着可能な、レカロ製フロントシート

新型「WRX S4」STI SPORT Rグレードにオプション装着可能な、レカロ製フロントシート

フロントシートは、標準装備のものはサイドサポートが大きめに張り出しており、乗員の体をしっかりと支えてくれる。そして、STI Sport Rになると、レカロ製のフロントシートをオプションで装着することができる(オプション価格は220,000円)。レカロシートは、座り心地は硬めだが、体重の加わる背もたれの下側や座面のうしろなどが体をしっかりと支えてくれるので疲れにくい。実際に、サーキット走行でレカロシート装着車を運転してみたのだが、ハイスピードでGもかなりかかっていたにもかかわらず、着座姿勢はそれほど乱れなかった。

新型「WRX S4」のリアシート

新型「WRX S4」のリアシート

リアシートは、背もたれと座面ともに十分なサイズで、ボリューム感があるので座り心地がいい。スポーツセダンとしては足元空間も広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ少々もの余裕がある。

エンジンは、水平対向4気筒という点は変わらないのだが、先代までは2Lターボであったのが、新型では2.4Lターボへと排気量が拡大された。新型は、最高出力が275PS(5,600rpm)、最大トルクが38.2kg-m(2,000〜4,800rpm)になる。ちなみに、先代は最高出力が300PS(5,600rpm)、最大トルクは40.8kg-m(2,000〜4,800rpm)なので、排気量を400cc拡大しながら動力性能の数値は若干低下している。

新型「WRX S4」GT-Hグレードへ試乗

新型「WRX S4」GT-Hグレードへ試乗

比較のため、先代「WRX S4」STI SPORTグレードにも試乗した

比較のため、先代「WRX S4」STI SPORTグレードにも試乗した

だが、実際に運転すると印象が変わった。アクセルペダルを床まで踏み込んだ時のピークパワーは、先代のほうがややパワフルに感じられるが、アクセルペダルを普通に踏んで加速している時などは新型のほうが加速感に余裕を感じられる。先代は、エンジン回転数の上昇にともなって加速力が鋭さを増していく、ターボの特性が感じられるフィーリングであったのに対し、新型は3.5L前後のNAエンジンを搭載する大排気量車に近いような、トルクフルな加速力を味わえる。排気量を2Lから2.4Lへと拡大したメリットもこの点にあり、特に低・中回転域におけるトルクに余裕を持たせることによって、発進時や低・中速域での踏み増しなどで、先代よりも力強い加速が得られるようなエンジン特性となった。ちなみに、燃費(JC08モード)については、先代は11.8km/Lであったが、新型は12.7km/Lに向上している(新型のWLTCモード燃費は10.8km/L)。

新型「WRX S4」GT-Hグレードの試乗イメージ

新型「WRX S4」GT-Hグレードの試乗イメージ

新型WRX S4のプラットフォームは、昨今のスバル車で幅広く使われているSGP(スバルグローバルプラットフォーム)だが、WRX S4では今回が初めての採用となる。プラットフォームの刷新によって、新型WRX S4はステアリングにおける高い支持剛性や、操舵に対する忠実な反応などを実現した。カーブを曲がる時の挙動は、AWDとの相乗効果もあって、高い速度域でも操舵角に応じて忠実に回り込んでくれる。この時にアクセルペダルを戻すと、後輪が少し横滑りして車両が内側を向くが、急激な挙動変化ではないので扱いやすい。アクセル操作によって車両の進行方向を調節できるような、積極的な運転が楽しめる車両特性になっている。

新型「WRX S4」STI SPORT Rグレードの試乗イメージ

新型「WRX S4」STI SPORT Rグレードの試乗イメージ

さらに、STI SPORT Rでは「ドライブモードセレクト」が備わっており、ショックアブソーバーの減衰力を電子制御によって調節してくれる。STI SPORT Rは、GT-Hよりもさらに4輪の制御が緻密になり、走行安定性がさらに向上する。急なコーナーを曲がりながらアクセルペダルを踏み込むと、後輪駆動車のように小さく回り込むこともできるなど、奥の深い運転感覚を味わうことができる。

新型「WRX S4」GT-H(左)とSTI SPORT R(右)の走行イメージ

新型「WRX S4」GT-H(左)とSTI SPORT R(右)の走行イメージ

走行安定性が高く、サーキットなどを速く走れるのはSTI SPORT Rだが、GT-Hにもアクセルペダルの調節で車両の挙動を細かく制御できる素直な楽しさがある。STI SPORT RとGT-Hは、単純な良し悪しではなく、それぞれ異なった魅力を備えていると言っていいだろう。両グレードともに、走行安定性と操舵感の2つが魅力であり、最大の注目点になる。

なお、両モデルとも乗り心地は、全般的に硬めだ。STI SPORT Rのドライブモードセレクトを「コンフォート」に設定しても、やや硬めに感じられる。それでも、突き上げる粗さは抑えられているので、広い後席を生かして4名などで乗車するといった用途としては使いやすいだろう。

■スバル 新型「WRX S4」のグレードラインアップと価格
GT-H:4,004,000円
GT-H EX:4,389,000円
STI Sport R:4,389,000円
STI Sport R EX:4,774,000円

グレードラインアップは、上記の4グレードが用意されている。末尾にEXが付くグレードには、渋滞時に手離しによる運転支援などが受けられる「アイサイトX」や、ドライバーの運転状態をチェックする「ドライバーモニタリングシステム」、SOS発信などが可能なコネクティッドサービスなどのほか、インテリアの項で述べた「11.6インチ センターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム」なども備わる。EXは、ノーマルグレードに比べて385,000円高いが、機能を考えれば納得できるものだ。EXに加わる装備のうち、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイなど、アイサイトX以外の機能や装備は、ノーマルグレードに275,000円でオプション設定することができる。つまり、アイサイトXは385,000円から275,000円を差し引いた110,000円となり、割安な価格だ。したがって、機能や価格のバランスを考えた場合、GT-H EX、あるいはSTI Sport R EXが買い得になる。ちなみに、GT-H EXとSTI Sport R EXの価格差も385,000円になる。STI Sport R EXには、電子制御式ショックアブソーバーを含んだドライブモードセレクトや本革シートなどが加わっているが、これらの違いを考えると、STI Sport R EXは少し割高に思える。となると、買い得なベストグレードはGT-H EXになる。

最後に、納期についてスバルの販売店へ問い合わせると、「納車をともなう発売日については、今のところ未定だ。試乗車が配車される日程も、まだわからない。だが、2022年1月には試乗が可能になるだろう」と言う。冒頭で述べたとおり、予約受注は開始されているので、気になる方はまずはディーラーへ問い合わせてみたほうがよさそうだ。

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渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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新車価格:400〜477万円 (中古車:136〜499万円
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