今回は、2024年1〜10月の価格.com自動車カタログ 閲覧数ランキングでトップ3となった人気車について解説したい。順位は、
1位:トヨタ「ランドクルーザー250」
2位:トヨタ「アルファード」
3位:トヨタ「ハリアー」
今回の上位3車は、すべてトヨタ車となった。では、なぜこれらのクルマがいま人気なのか、その魅力について価格.comの満足度・レビュースコアやユーザーレビューなどを交えつつ、解説していこう。なお、当記事以外に、以下の動画でも3車種を詳しく解説しているので、ご覧いただければ幸いだ。
※当記事の閲覧数データは、「価格.com DataCompass」を使って集計しております。
「価格.com DataCompass」とは、価格.comのビッグデータを基に購入検討ユーザーの動向を分析できる法人向けのマーケティングサービスです
発売日:2024年4月18日
買い得なベストグレード:ディーゼルVX(630万円/4WD)
納期:現在は販売停止中(定額制リースのKINTOは受付中)
トヨタ「ランドクルーザー250」の満足度・レビュースコア(2024年11月5日時点)
「ランドクルーザー」は、初代モデルが1951年にトヨタ「ジープ」の車名で発売しており、長い伝統に支えられた悪路向けのLサイズSUVだ。
「ランドクルーザー250」は、「ランドクルーザープラド」の後継と考えられているが、ボディは大幅に拡大されている。全長は4,925mm、全幅は売れ筋のVXとZXが1,980mmで、全高はVXが1,925mm。「ランドクルーザープラド」と比較すると、100mm長く、95mmワイドで、75mm高くなった。
「ランドクルーザー250」のフロント、リアエクステリア
「ランドクルーザー250」のボディサイズは、同シリーズの最上級車種「ランドクルーザー300」とほぼ同じだ。ホイールベースも2,850mmと、「ランドクルーザー300」と等しい。「ランドクルーザー250」は、「ランドクルーザープラド」とは異なり、基本部分が「ランドクルーザー300」と共通化されている。フロントマスクなどの外観も存在感が強く、「ランドクルーザー300」よりも野性的だ。価格.comの満足度・レビュースコアを見ると、「ランドクルーザー250」はエクステリアが高く評価されている。
「見るたびに惚れ惚れする」
「BOX感のある外観がいい感じ」
「300の圧強めなデザインも好きだが、無骨さは250」
また、インテリアの評価も4.19点と高い。LサイズSUVなので車内は広く、VXとZXは荷室に3列目シートが採用されているので、乗車定員は7名だ。外観は無骨だが、内装は上質に作り込まれている。
「ランドクルーザー250」のインテリア
搭載エンジンは、「ランドクルーザープラド」と同じ2.7L直4ガソリンと2.8L直4ディーゼルターボが搭載されている。ちなみに、2.7L直4ガソリンエンジンにはターボが装着されておらず、パワー不足を覚える。いっぽう、2.8L直4ディーゼルターボエンジンは、実用回転域の駆動力に余裕があって運転しやすいので推奨できる。
いっぽう、「ランドクルーザー300」に搭載されているエンジンは、3.5L V6ガソリンツインターボと3.3L V6ディーゼルツインターボなので、比べると「ランドクルーザー250」の動力性能は高くない。その代わり、「ランドクルーザー250」の2.8L直4ディーゼルターボエンジンは、直列4気筒の採用によってボディ前方が軽いので、凹凸の激しい悪路での走破力にすぐれている。「ハリアー」のような、シティ派SUVの対極に位置する悪路向けSUVの代表が「ランドクルーザー250」だ。
買い得なベストグレードは、2.8L直4ディーゼルターボエンジンを搭載する「VX」で、価格は630万円に達するものの、すぐれた悪路走破力を考えれば選ぶ価値は高いだろう。
注意点は、2024年11月下旬時点で受注を停止していることだ。販売店によると、「2026年の初頭までの生産枠はすでに受注した。今はお客様からの注文は受け付けていないが、KINTOでの契約は可能」と言う。ただし、KINTOは定額制のリースなので、リース期間が終了したら車両を返却しなければならない。さらに、走行距離などの制約もありペットは同乗できず、違反すれば車両の返却時に精算金が発生することに注意したい。
発売日:2023年6月21日
買い得なベストグレード:ハイブリッドZ(620万円/2WD)
納期:現在は販売停止中
トヨタ「アルファード」の満足度・レビュースコア(2024年11月5日時点)
2位のトヨタ「アルファード」はLサイズミニバンの人気車で、全長は4,995mmと長く、全幅は1,850mmとワイド、全高は1,935mmと高い。フロントフェイスは、大型グリルの装着によって迫力を持たせている。外観の目立ち度はミニバンにおいてナンバーワンで、満足度・レビュースコアのエクステリア評価も4.07点に達する。
「アルファード」のフロント、リアエクステリア
床の位置は、走行安定性、乗り心地、燃費性能、乗降性などを考えれば低いほうが好ましいのだが、「アルファード」は「ノア」「ヴォクシー」よりも敢えて約70mm高く設定されている。その理由は、乗員の見晴らし感が重視されているからだ。そのため、2、3列目シートに座っても周囲から外がよく見えて快適だ。
インパネ周辺の内装デザインは上質に仕上げられており、2列目には固定式アームレストを備えた豪華なシートが採用されている。さらに、上級のエグゼクティブラウンジにはマッサージ機能などが備わった「エグゼクティブラウンジシート」が採用されている。
「アルファード」のインテリア
「アルファード」のエグゼクティブラウンジシート
パワーユニットは、2.5L直列4気筒のNAガソリンエンジンとハイブリッドの2種類。ベストグレードは、ハイブリッドを搭載するZで価格は620万円(2WD)。モーター駆動の併用によって、ノイズが小さく加速も滑らかだ。Lサイズミニバンなので、足まわりは柔軟に設定されており、乗り心地は快適に仕上げられている。乗り心地の評価も、4.26点と高い。
「前に乗っていたミニバンと比べても圧倒的によい。運転手以外皆熟睡なんてこともよくある」
「1列目、2列目シートの乗り心地が非常によくて快適」
「硬すぎずやわらかすぎず、バランスが取れている」
「アルファード」で注意したいのが納期だ。2024年11月下旬時点では、定額制リースのKINTOを含めて受注を停止させている。購入を希望するなら、販売店にあらかじめ問い合わせて、受注を再開したら知らせてもらえるように頼んでおきたい。
ただし、購入希望者が大勢いるため、受注を再開しても再び納期が遅延したり、停止したりする可能性がある。気分よく購入できる適切な納期も商品力の大切な要素なので、メーカーは発売する段階で十分な生産能力を整えてほしい。
発売日:2020年6月17日
買い得なベストグレード:ハイブリッドG(411万9,000円/2WD)
納期:約4か月
トヨタ「ハリアー」の満足度・レビュースコア(2024年11月5日時点)
トヨタ「ハリアー」はプレミアムなSUVだが、全長4,740mm、全幅1,855mmと、ボディはそれほど大柄ではない。フロントフェイスを始めとして、外観を緻密に作り込んで上質に仕上げている。満足度・レビュースコアも、エクステリアは4.33点と高い。
「ハリアー」のフロント、リアエクステリア
「デザイン力の高い、伸びやかで美しいシルエット」
「ライトやグリルなどにハリアーらしい個性があっていい」
「いちばんの決め手がデザインだった。デイライトやテールのデザインが特に気に入っている」
内装も同様で、各部はていねいに仕上げられている。インパネには合成皮革が多く使われており、上級SUVであることを感じさせる。また、「ハリアー」は居住性にすぐれていることも特徴的だ。前後席ともに座り心地がよく、頭上や足元空間も広い。身長170cmの大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つぶんの余裕がある。着座位置も適度なので、大人4名が乗車しても長距離を快適に移動できるだろう。
「ハリアー」のインテリア
パワーユニットは、3種類が用意されている。2L直列4気筒のNAガソリンエンジンは、内外装が上質な「ハリアー」には物足りないが、2.5Lのハイブリッドであればパワーは十分だ。モーターは、アクセル操作に対する反応が機敏なので、動力性能に余裕が感じられて加速感も滑らかだ。街中では、上質な内外装にふさわしい乗車感覚を楽しめる。
そして、ハイブリッドは上級SUVとしてすぐれた燃費性能を達成している。2WDのWLTCモード燃費は22.3km/L。燃費の評価も、エクステリアの次となる4.14点と高い。
買い得なグレードはハイブリッドGで、価格は411万9,000円(2WD)。求めやすい価格とは言えないものの、先に紹介した「ランドクルーザー250」や「アルファード」よりも割安だ。納期も約4か月に収まるなど、「ハリアー」はさまざまな意味で購入しやすい。発売以来、4年以上にわたって販売ランキングも上位に入るほどの人気車だ。