“弾丸”試乗レポート
スポーツカーからSUV、ミニバンまでクルマの楽しさを満喫できるイベント!

「東京オートサロン2016」取材レポート! 自動車メーカー編

カスタムカーの祭典である「東京オートサロン」が2016年1月15日(金)に開幕となった。3日間の開催で32万人以上の人が足を運ぶ、「東京モーターショー」に次ぐ、国内屈指のイベントだ。今年の様子は、どのようなものだったのか? モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が自動車メーカーの展示内容をレポートする。

チューニングショップから、国内および国外の主要な自動車メーカー、大手サプライヤーまでが参加する

チューニングショップから、国内および国外の主要な自動車メーカー、大手サプライヤーまでが参加する

国内外の自動車メーカーから海外ブランド、街のショップまでが勢ぞろい!

1983年にチューニングカーマガジン「OPTION」の発案でスタートした「東京オートサロン」。30年を超える歴史を経て、昨年は3日間の開催で来場者数が30万人を突破。国内の自動車イベントとしては、「東京モーターショー」に次ぐビッグイベントに成長した。今年の開催は、過去最大の出展者数447社/出展車両880台での開催となり、来場者数が32万人を超えた。

もともとは街のチューニングショップが主体であったが、今やトヨタやホンダといった国内自動車メーカーだけでなく、メルセデスベンツやフォルクスワーゲンといった欧州ブランドも参加。さらにティア1のサプライヤーからアフターパーツを販売する会社、モータースポーツ関連までが顔をそろえる。その上、May J.や相川七瀬といったアーティストのライブも実施。キャンギャルもこれほど多いイベントはない。まさに国内の自動車関連の人間が一堂に介する華やかなビッグイベントだ。

ちなみに自動車メディアの人間にとっても、「東京オートサロン」の取材は、業界関係者との年始の挨拶がわりであり、「今年も始まる!」という気分にさせてくれるものだ。

3日間で過去最高の来場者である32万5501人を記録した今回の東京オートサロン

3日間で過去最高の来場者である32万5501人を記録した今回の東京オートサロン

レーシングカーと新型モデルをそろえたトヨタ

日本の自動車メーカーの注目は、やはりトヨタだ。トヨタ本体だけでなく、モデリスタやTRD、86マイガレージ、ジオニックトヨタ、それにレクサスといった関連ブースが会場のあちこちに分散して存在しており、イベント全体を盛り上げる大きな力となっている。

今年のトヨタのブースで目を引いたのは、ニュルブルクリンク24時間耐久レースの出場レーシングカーたち。プレスカンファレンスでは、豊田章男社長が登場して、今年のニュル参戦概要を発表。驚くことに、今年に新型車が登場すると噂されるクロスオーバーの「C-HR」を投入すると表明した。その上で「C-HR」のコンセプトカーを来場者が触れる格好で展示したのだ。また、東京モーターショーで話題となったコンセプトカー「S-FR」のレーシングバージョン「TOYOTA S-FR Racing Concept」も出展している。

別ブースとなるTRDやモデリスタのブースでは、デビューしたばかりの新型「プリウス」のカスタムを出展。スーパーGTに参戦するレーシングバージョンのプリウスまでお披露目されていた。

トヨタはニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦したレーシングカーを出展

トヨタはニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦したレーシングカーを出展

2016年中に発表されるというトヨタの新型モデルC-HRのコンセプト

2016年中に発表されるというトヨタの新型モデルC-HRのコンセプトカー

コンセプトカーS-FRのレーシングバージョンTOYOTA S-FR Racing Concept

コンセプトカーS-FRのレーシングバージョンTOYOTA S-FR Racing Concept

新型プリウスをベースとしたスーパーGT参戦マシンをオートサロン会場で発表

新型プリウスをベースとしたスーパーGT参戦マシンをオートサロン会場で発表

トヨタ86をフューチャーしたブース「86 My Garage」では開発担当の多田氏がトークショーを開催

トヨタ86をフューチャーしたブース「86 My Garage」では開発担当の多田氏がトークショーを開催

トヨタ「オーリス」をベースとしたシャア専用モデルを展示する「ジオニックトヨタ」ブース

トヨタ「オーリス」をベースとしたシャア専用モデルを展示する「ジオニックトヨタ」ブース

ホンダはレーシングカーから二輪、実用アイテムまで、幅広く楽しさを提案

ホンダのブースは中央に二輪とF1やスーパーGTに参戦するレーシングカーを置き、その両翼に「Modulo(モデューロ)」と「MUGEN(ムゲン)」という2つのカスタマイズブランドが構えるという構成であった。注目は「Modulo S660 Study Model」。ロールバー上にキャリアを設置して、そこに1泊2日ほどの荷物を積む。しかも、荷物は2つのリュックになっているという凝りようだ。また、大画面の前に置かれた全日本スーパーフォーミュラー選手権用の本物のマシンや、マン島TT参戦のEVバイク「無限 神電 四」、Moto GPマシンの「RC213V」に乗るという体験コーナーも用意。女性向けに「上質な日常」を提案する「Daily Luxe Collection」の用品コーナーなど、幅広いラインアップでホンダの楽しさを感じさせるような展示となっていた。

また、ホンダのブースから離れた、一般のショップ展示エリアに、「ホンダ アクセス」
の有志による2台のコンセプトカーを出展。名前の通りにレトロな雰囲気の「S660 Neo Classic」と、リヤにデッキを背負った「FRIENDLY 2SEATER」だ。遊び心あふれる2台の評判は非常に高かったようだ。

ホンダのブースの中央には、F1やスーパーGTマシン、MotoGPマシンなどレーシングカーが飾られた

ホンダのブースの中央には、F1やスーパーGTマシン、MotoGPマシンなどレーシングカーが飾られた

ロールバーの上に荷物を載せられるようにしたModulo S660 Study Model

ロールバーの上に荷物を載せられるようにしたModulo S660 Study Model

Modulo S660 Study Modelの上に乗る荷物は、2つのリュックサックとなっている

Modulo S660 Study Modelの上に乗る荷物は、2つのリュックサックとなっている

全日本スーパーフォーミュラー選手権用のレーシングカーに乗車できるホンダの体験コーナー

全日本スーパーフォーミュラー選手権用のレーシングカーに乗車できるホンダの体験コーナー

マン島参戦マシンにまたがり、実際にマン島を走る映像を見るというホンダの体験コーナー

マン島参戦マシンにまたがり、実際にマン島を走る映像を見るというホンダの体験コーナー

ホンダ・アクセス社員の有志によるS660 Neo ClassicとFRIENDLY 2SEATER

ホンダ・アクセス社員の有志によるS660 Neo ClassicとFRIENDLY 2SEATER

レトロな雰囲気のホンダのハンディ蓄電機「E500」も出展されていた

レトロな雰囲気のホンダのハンディ蓄電機「E500」も出展されていた

メーカーごとに異なるアプローチの展示が楽しめた

日産ブースは、NISMOのカスタマイズカーとフランスのファッションブランドとのコラボである「+ Lolita Lempicka Concept」シリーズがメインステージを飾る。NISMOのレーシング技術を結集したファクトリーチューンの「GT-R NISMO N Attack Package」を筆頭に、「Xトレイル」「セレナ」のNISMOパフォーマンスパッケージを披露。スポーツドライビングを志向するユーザー向けにNISMO SPORTパーツを装着した「ノート」も展示された。+ Lolita Lempicka Conceptシリーズには、「マーチ」「ノート」「ジューク」の3モデルが登場。ブラックレザーシートなどを装着した高級感が特徴だ。

スバルの主役はSTIだ。「BRZ」をベースとして「STI Performance Concept」が登場。エンジンにスーパーGTに使うEJ20型2リッター水平対向4気筒ターボを搭載。将来の限定特別仕様を期待させる1台であった。また、もう少しカジュアルな雰囲気の「レヴォーグ」と「XVハイブリッド」のSTIコンセプトも展示されている。ほかに、スーパーGT参戦車両や、全日本ラリー参戦予定の競技車も並べられ、全体としては、レーシングイメージの強いブース構成となっていた。

マツダのブースの入口に飾られたのは、ゲームの世界で生まれたマシンをリアルワールドに再現した「マツダ LM55 ビジョン グランツーリスモ」。そして、奥のメインステージには、東京モーターショーで話題を集めた「マツダ RX-VISION」。その間に、新型「ロードスター」のレーシング仕様が並ぶ。見比べることで、最近のマツダデザインの根底に流れる美意識を感じることのできる展示であった。

三菱自動車は「アウトランダー」と「デリカD:5」を、アウトドア風とオートキャンパー風の2種類にカスタム。2つの世界観を提案するという展示であった。

トラックメーカーである日野自動車もオートサロンのレギュラー組だ。今年は「FLOWER PARK」をテーマに、ブースは花で埋め尽くされた。ミツバチに扮するキャンギャルが華やかさをさらに高めていたのだ。

GT-R(写真左)とXトレイル(写真中央)セレナ(写真右)のNISMOバージョンが日産のメインステージ

GT-R(写真左)とXトレイル(写真中央)セレナ(写真右)のNISMOバージョンが日産のメインステージ

ファッションブランドとのコラボレーション+ Lolita Lempicka Conceptシリーズ

ファッションブランドとのコラボレーション+ Lolita Lempicka Conceptシリーズ

スーパーGT選手権参戦マシンと同じターボエンジンを搭載するSTI Performance Concept

スーパーGT選手権参戦マシンと同じターボエンジンを搭載するSTI Performance Concept

「レヴォーグ」にSTIのカスタマイズパーツを装着したSTIコンセプト

レヴォーグにSTIのカスタマイズパーツを装着したSTIコンセプト

マツダのブースにはLM55 ビジョン グランツーリスモとRX-VISIONが展示されており、デザインの方向性が読み取れる

三菱自動車はキャンピング仕様とアウトドア仕様の2つのカスタマイズを提案。写真はアウトドア指向だ

三菱自動車はキャンピング仕様とアウトドア仕様の2つのカスタマイズを提案。写真はアウトドア指向だ

日野自動車は「フラワーパーク」がテーマ。キャンギャルのご覧のようなミツバチ仕様

日野自動車は「フラワーパーク」がテーマ。キャンギャルのご覧のようなミツバチ仕様

新型モデルの登場が待ち遠しくなるスズキとダイハツ

スズキで注目の存在は「イグニス ウォーターアクティビティーコンセプト」と「アルト ワークス GP」の2台の参考出品車だ。まだ正式に発表されていない新型車である「イグニス」のカスタムと、昨年末にデビューしたばかりの「アルト ワークス」をMoto GP参戦モデルのイメージに仕上げたもの。アクティブでスポーティなイメージを生み出していた。

ダイハツはオープンカーである「コペン」にルーフをつけてしまった「コペン セロ クーペ コンセプト」と「コペン ローブ シューティングブレーク コンセプト」を出展。数年前のインドネシアのモーターショーでも見せたファストバック版コペンの進化版と言っていいだろう。市販版の登場を期待したい。

発表前の新型モデルをカスタムしたイグニス ウォーターアクティビティーコンセプト

発表前の新型モデルをカスタムしたイグニス ウォーターアクティビティーコンセプト

昨年末に発表されたばかりのアルト ワークスをMoto GP風にカスタマイズ

昨年末に発表されたばかりのアルト ワークスをMoto GP風にカスタマイズ

コペン セロ クーペ コンセプトはオープンカーをわざわざクーペにするという提案

コペン セロ クーペ コンセプトはオープンカーをわざわざクーペにするという提案

ルーフだけでなく、荷室までプラスするコペン ローブ シューティングブレーク コンセプト

ルーフだけでなく、荷室までプラスするコペン ローブ シューティングブレーク コンセプト

欧州ブランドもドイツ勢をはじめこぞって出展

欧州ブランドは、メルセデスベンツをはじめ、フォルクスワーゲン、BMW、アウディ、ルノー、ロータスといった顔ぶれが並んだ。もっとも大きな展示スペースを構えたのがメルセデスベンツだ。ステージ上に「Gクラス」を据え置き、日本に導入されたばかりのプラグインハイブリッドの「C350 e AVANTGARDE」や、プロモーションにパフュームとコラボした「Aクラス」など、数多くのラインアップを並べた。

オートサロンに初出展であったのがフォルクスワーゲン。展示は「ゴルフ GTI」と「ゴルフR」のスポーティモデルを中心に「ゴルフGTE」などを展示。2年目の参加であるアウディは、スーパーGT参戦車両を中心に、「TTクーペ」と「A3セダン」の純正カスタム装着車を展示する。

BMW、ルノー、ロータスは、新型モデルを中心に日本で展開するラインアップを展示。ショーに華やかさを添えたのだ。

インポーターの中で最も大きなブースを構えたのはメルセデスベンツであった

インポーターの中で最も大きなブースを構えたのはメルセデスベンツであった

オートサロン初出展となったフォルクスワーゲンは、ゴルフシリーズをメインに展示

オートサロン初出展となったフォルクスワーゲンは、ゴルフシリーズをメインに展示

アウディはキャンギャルがまったく笑顔を見せないというクールな演出であった

アウディはキャンギャルがまったく笑顔を見せないというクールな演出であった

多彩で凝った出展内容。開発担当者に直接アクセスできる貴重な機会

自動車メーカーの展示を振り返ってみれば、スポーツカーを中心としながらも、SUVやミニバンなど、幅広いモデルが並んでいた。カスタムの内容も年々、凝ったものになってきている。それだけ東京オートサロンが自動車メーカーにとっても重要なイベントになってきたのだろう。

ちなみに、各メーカーのブースで説明を行うスタッフには、意外と開発の現場の人間がまじっている。つまり、ユーザーにとっても、自分の思いを直接、開発者に届けるチャンスでもあるのだ。クルマを見て楽しむだけでなく、積極的に説明員に質問をしてみると、ここだけの話も聞くことができるかもしれない。来場者と出展者の距離感の近さも、このイベントの魅力といっていいだろう。

鈴木ケンイチ

鈴木ケンイチ

新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材まで幅広く行うAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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