クルマの冬支度といえばタイヤ。出先で食らう急な積雪やチェーン規制など、いざというときにあわてないようにそろそろスタッドレスタイヤに履き替えたいもの。そこで、2016〜2017年シーズンのスタッドレスタイヤおよびオールシーズンタイヤの特徴を解説しよう。
国内トップブランドというだけでなく世界でも名を馳せるブリヂストン。そのスタッドレスタイヤの主力モデルが「BLIZZAK VRX」だ。タイヤのトレッドのゴムに空洞を作る「アクティブ発泡ゴム」を使って、路面の水膜を取り除き、氷上のグリップを得る。発売は2013年シーズンと、やや古いが、ナンバー1ブランドならではの信頼感と実績で今でも人気は高い。サイズラインアップが広いのもうれしいポイント。
「BLIZZAK VRX」のサイズはこちらを参照
2014年に販売開始されたブリヂストンのSUV&4×4向けスタッドレスタイヤのシリーズだ。乗用車用として人気の高い「BLIZZAK VRX」のアクティブ発泡ゴムの技術を応用。アイスバーンなどの氷上性能の高さに、SUV向けとしたサイズとトレッドパターンをプラスしている。旧型の「DM-1」と比較して、氷上のブレーキ性能をアップさせ、同条件での制動距離を11%短縮した。ナンバー1ブランドの安心感も魅力のひとつだ。
「BLIZZAK DM-V2」のサイズはこちらを参照
2015年に発売となった横浜ゴムの乗用車向けスタッドレスタイヤの主力モデル。タイヤのゴムに備えた「新マイクロ吸水バルーン」「ブラックポリマーU」「エボ吸水ホワイトゲル」にて、路面の水分を除去。特に路面への密着性を高めることで、氷上でのブレーキ性能を従来品よりも7%向上させた。また、低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」で培った技術を応用することで、転がり抵抗を従来よりも7%低減。低燃費性能も魅力となる。
「ice GUARD 5 PLUS」のサイズはこちらを参照
今年の9月に発売されたばかりの横浜ゴムの最新SUV用スタッドレスタイヤ。乗用車用の「ice GUARD」シリーズの最新技術を投入することですぐれた氷上性能と低燃費性能を実現。氷上のブレーキ性能は、従来品よりも23%も向上している。また低燃費性能も転がり抵抗を5%低減。さらに驚くのは静粛性も高めたこと。走行中に発生するパターンノイズを28%も低減しているという。都市型SUVやクロスオーバー車におすすめだ。
「ice GUARD SUV G075」のサイズはこちらを参照
2016年8月に発売開始された、最新のダンロップのスタッドレスタイヤ。ゴム全体の剛性はしっかりと確保しつつ、路面への密着性を高めた「超密着ナノフィットゴム」を採用。ナノレベルで凍結路面の微細な凹凸に、しっかりと密着することで、氷上でのブレーキ性能を高めている。また、経年変化による劣化を抑えるために、新開発の高機能バイオマス材料「しなやか成分」を配合。数年単位での性能の劣化が少なくなっているのだ。
「WINTER MAXX 02」のサイズはこちらを参照
雪専用ではなく、年間を通じて使えるオールシーズンタイヤ。過酷な積雪や凍結路面まではカバーしないけれど、ちょっとしたチェーン規制程度であればOK。その代わり、夏のドライ路面まで対応する。1977年に世界初のオールシーズンタイヤを発売したグッドイヤーの提案だ。そのグッドイヤーが、今シーズンからサイズラインアップを23サイズから44サイズに拡大。めったに雪道には行かないけれど、万一を考えるという人におすすめだ。
「Vector 4Seasons」および「Vector 4 Seasons Hybrid」のサイズはこちらを参照
氷上からシャーベット路面までに対応するスタッドレス性能に、パンクしてもある程度は走り続けられるランフラット性能を追加。2015年に発売された、比較的、新しいタイヤだ。また、40%摩耗しても、トレッド面の顔が変わらないというすぐれたライフ性能も、このシリーズの魅力。タイヤとしての総合力の高いミシュランで、スタッドレス&ランフラットを使えるというのはうれしい。ただし、16インチと17インチの4モデルしかサイズがないというのが残念なところ。
「MICHELIN X-ICE XI3 ZP」のサイズ
205/55R16 91H
225/45R17 91H
225/55R17 97H
225/50R17 98H XL
ブリヂストンの「BLIZZAK VRX」や「BLIZZAK DM-V2」、横浜ゴムの「ice GUARD 5 PLUS」といった定番商品はサイズが豊富で、販売チャンネルも充実しており、手に入れやすいのが魅力。いっぽうで、年々、進化をとげるという意味では、今シーズンにデビューした横浜ゴムのSUV用タイヤ「ice GUARD SUV G075」やダンロップの「WINTER MAXX 02」も注目だ。なお、本格的な積雪エリアには行かないという人には、グッドイヤーのオールシーズンタイヤである「Vector 4Seasons」がおすすめできる。また、ランフラットタイヤで新しい製品を探している人には、ミシュランの「MICHELIN X-ICE XI3 ZP」の存在をお知らせしたい。