自動車タイヤの「空気圧」を手軽に調整できるエアーコンプレッサーが便利!

実験でわかった! タイヤの空気圧“ちょい高め”で燃費がよくなる

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たまにはチェックしたい「空気圧」

自動車ライターのマリオ高野です。クルマ好き以外の人にとっては、釘などを踏んでパンクでもしないかぎりあまり気にすることがないと思いますが、なるべく多くの人に、たまには気にかけてもらいたいのがタイヤの空気圧です。どんなタイヤでも、空気圧はごくわずかながら常に減っていくものなので、乗っても乗らなくても定期的なチェックが必要です。経験上、安物タイヤほど勝手に抜ける量が多い傾向にあるので、激安タイヤをはいている人は特に注意しましょう。たとえ高級なタイヤでも時間がたてば中の空気は減りますし、空気の量そのものは減らなくても、空気圧は温度変化によっても常に上下します。長時間にわたって高速走行したり、山道でタイヤをギャーギャー鳴らして走ったりするタイプのドライバーは毎日でもチェックすべきなのです。

燃費改善はまず「足元」から!

燃費改善はまず「足元」から!

タイヤの空気圧は、パンクなどの異常で極端に減ったりしないかぎり、変動になかなか気がつかないという厄介なものでもありますので、最低でも月に1回ぐらいはチェックしてください。
ガソリンスタンドやカー用品店、コイン洗車場にはタイヤ空気圧の計測・充填機が置いてあるので、誰でもタダでチェック&調整できるかと思います。携帯用の空気充填機も、かなり安いものでも意外とマトモなものが出回るようになりました。

そんなタイヤの空気圧は、規定値より少し高めにすると燃費がよくなるのをご存じでしょうか?
クルマ好きにとっては大昔から広く知られる常識ですが、今回改めて実証してみました。
使ってみたのは「大自工業 エアーコンプレッサー ML250 コンパクトタイプ」で、私の意見と同じく、製品パッケージでデカデカと月1での空気圧チェックを奨励しているのが気に入って選択。値段は1,500円以下と、最廉価クラスです。この手の携帯用空気充填機は割と昔からあり、クルマ雑誌の編集部に在籍していた頃はよくテストしました。昔のものは騒音と振動が激しすぎてウンザリした思い出がありますが、これはどうでしょうか。

この手の製品を幾度となくテストしてきましたが、実力やいかに…

この手の製品を幾度となくテストしてきましたが、実力やいかに…

愛車のスバル・インプレッサで試してみた

テストに使ったクルマは、私の愛車スバル・インプレッサG4。2014年式の先代モデルで、グレードは1.6i(エンジンの排気量は1.6リッター)、四輪駆動の5速マニュアルミッションという仕様です。
走行距離は約7万km。装着するタイヤはミシュランの「X-ice」というスタッドレスタイヤで、サイズは195/65R15。クルマの仕様はマイナーながら、タイヤサイズはプリウスの売れ筋グレードでも使われる一般的なものです。買ってから5000kmほど走行していますが、溝などはまだ90%以上残っている状態です。

なお、空気圧の規定値は、日本で普通に売られているクルマなら、運転席側のドアを開けるとすぐにわかる位置に表記されており、私の愛車は前輪:2.3kgf/cm2、後輪:2.2kgf/cm2でした。国産車の実用車なら、どれもおおむねこれに近い数字です。

愛車の指定空気圧は必ず知っておくべきです

愛車の指定空気圧は必ず知っておくべきです

電源は、シガーライターソケットから取ります。電源コードの長さは4.5mもあるので、ボディー全長が6m近くあるフルサイズのアメ車などでも、ギリギリうしろのタイヤまで届くと思います。
ハイブリッドカーなど、エンジン停止中も電源が取れるクルマでも、なるべくエンジンをかけた状態で使用したほうがクルマ側の電気系統の負担が小さくていいでしょう。

電源コードが長くて重宝します

電源コードが長くて重宝します

電源をつなぎ、ホースの先をタイヤの空気バルブに差し込んでロックしたら、メーターの針が動いてタイヤの空気圧の数値を示します。その状態になればOK。空気が漏れるような音がしたり(どうしても取り付け時の一瞬は漏れます)、メーターの針が動かなかったりする場合はうまく装着できていない証拠なので、やり直しましょう。あとは本体の電源を押すだけ。

メーターの針が動くのを確認しましょう

メーターの針が動くのを確認しましょう

やはり騒音はそれなりに大きく、深夜の住宅街などではNGなレベルですが、振動は昔のものほど大きくないので、手に持ったままでも、地面に置いてもどちらでも普通に使えます。

デシベル計を用いて操作音を動画収録してみました。80デシベル弱というと、騒音対応のマフラーくらいの音量が出ていることになります。

高速道路を走ってテスト開始!

テスト時の愛車のタイヤ空気圧は、このテストの直前に大手カー用品店にある業務用の計測・充填機で規定値に調整したばかり。前後とも規定値を示したので、メーターの精度は信頼できそうです。

業務用計測器とほぼ同じ数値を表示した!

業務用計測器とほぼ同じ数値を表示した!

まずは、規定値どおりの前輪:2.3kgf/cm2、後輪:2.2kgf/cm2で走行。高速道路は圏央道の入間IC〜関越自動車道の所沢IC区間で30kmほど、一般道は国道463号線を中心に20kmほどで、1周50kmほどのコースで燃費を計測しました。法定速度ぴったり順守の燃費にやさしいペースで、かつ交通量の少ない深夜ということで、空気圧規定値では17.2km/リッターを記録。排気量1600ccの四輪駆動車としては妥当なところでしょう。ちなみに、カタログに記載される JC08モード燃費は15.6km/リッターです。

まずは妥当な燃費を記録

まずは妥当な燃費を記録

次に、空気圧を上げてテストしてみた

空気圧を上げると乗り心地にも影響が出る

空気圧を上げると乗り心地にも影響が出る

2周目は前後とも空気圧を規定値+0.1kgf/cm2にして、まったく同じ道を同じペースで走行。すると燃費は17.5km/リッターを記録しました。0.3km/リッターの向上です。空気圧を高めると、理屈として乗り心地はやや硬くなるはずですが、正直、空気圧を高めているという先入観のない状態で差を当てられるほどの変化は感じられませんでした。

燃費は0.3km/リッター向上した!

燃費は0.3km/リッター向上した!

空気圧を下げたら燃費も低下する

3周目は規定値から−0.1kgf/cm2で走行すると、17.0km/リッターとなり0.2km/リッターダウン。
予想どおりの実に順当な結果でオッケーな感じです。といいながらも、正直誤差の範囲といえなくもない程度ですが、経験上、もっと長い距離を走れば、差はもう少し広がるはずです。0.5km/リッター程度の差は出るでしょう。車種やタイヤの銘柄にもよりますが、空気圧を規定値から0.1kgf/cm2高くすれば、0.2〜0.5km/リッター程度の燃費の向上が見込めます。

長距離を走るならバカにならない…

長距離を走るならバカにならない…

乗り心地も考えると「規定値プラス0.1」までがおすすめ

空気圧を上げると燃費がよくなるのは、単純にタイヤのパンパン度が増して転がり抵抗が減るからなのですが、高くしすぎると乗り心地が悪くなってタイヤが傷みやすくなる弊害が顕著となり、+0.1kgf/cm2以上にすることはあまりおすすめしません。+0.1kgf/cm2程度なら、弊害は最小限で済みますし、どうせジワジワと減っていくことを思うと、ちょうどいいかと思います。

最後に、今回テストした携帯用の空気充填機が使えるかどうかについては「十分使える」と断言できるものでした。大きな作動音の割に空気を充填するペースは遅いので、入れすぎる心配がなく、微調整がしやすい点がいいです。耐久性については大いに疑問ですが、数年後も使えるかどうかについては、またの機会があれば報告します。

このまま使い続けて、数年後には耐久レポートの記事も書きます!

このまま使い続けて、数年後には耐久レポートの記事も書きます!

保険代わりに積んでおくのもよし

前述したように、空気圧のチェックや調整はガソリンスタンドやカー用品店などで簡単にできるので、万民にとっての必須アイテムとはいえませんが、あったらあったで便利でしょう。
予備タイヤを装備していなかったり、ランフラットタイヤと呼ばれるパンクしてもある程度走れるタイヤを装着しているクルマのオーナーさんは、保険代わりにトランクに積んでおくのもいいかもしれません。

もうシーズンが終わるタイミングですが、例えば真冬の山奥などで、スタッドレスタイヤでも登るのが難しいカチンカチンのツルツルに凍った急勾配路では、やや大胆に空気圧を0.2〜0.4kgf/cm2落とすと、タイヤの接地面積が増えてグリップがかなりよくなるので試してください。
そのような、一時的に空気圧を抜きたい場面では超絶に重宝します。大豪雪&凍結路面だらけの雪山では空気圧を落としてゆっくり走り、高速道路では元に戻すというように、状況に応じて空気圧を変えたい人にはなくてはならないアイテムといえます。

雪道走行時にも空気圧を瞬時に調整できるエアーコンプレッサーは有用

雪道走行時にも空気圧を瞬時に調整できるエアーコンプレッサーは有用

雪山のほかでは、空気圧の変動が激しいサーキット走行時も必須となりますね。
あとは、空気圧違いによる走行インプレッションを楽しみたいという運転マニアの人にはぜひ!

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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2017.9.22 更新
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