全国制覇まで、残すところあと2県となった「ご当地ラーメンお試し隊」。46回目は、旧暦10月に全国から八百万(やおよろず)の神様が集まることで知られる、島根のラーメンに注目します!
連載46回目は、島根のご当地ラーメンをご紹介します!
旧暦10月は、神様が島根県出雲地方に集まる月。そのため、多くの地域では10月を「神がいない月」という意味を込めて「神無月(かんなづき)」と呼び、神が集まる場所とされている島根県では、この月を「神在月(かみありづき)」と呼んでいます
島根に集まった神様は、さまざまなことを相談されているそうですが、なかでも有名なのは「人々の縁」についての相談。そのため、神様たちにご神縁を結んでもらいたい人は、特にこの時期、島根に殺到するそうです。
神様が集まると言われている「出雲大社」。長さ13mを超える神楽殿の大しめ縄は迫力があります。
ちなみに、「古事記」や「日本書紀」では、島根を舞台としたさまざまな神話が語られています。島根は、神話の時代から神様と人が交流していた場所だったんですね。
島根にはもちろん、美味しい食べ物がたくさんあります。ご当地グルメとして有名なのは、「出雲そば」や「しじみ汁」。小豆を甘く煮た甘味の定番「ぜんざい」の発祥の地としても知られています。
そんな島根で見つけたご当地ラーメンが、宍道湖産しじみ出汁をつかった「しじみだし生らーめん」(出雲たかはし)と隠岐島近海のとび魚出汁をつかった「飛魚だし生らーめん」(出雲たかはし)の2つ。
さっそく、食べてみることにしましょう!
しじみだし生らーめんは、味噌仕立てのスープ。具材は、キャベツやコーン、ネギ、チャーシューをチョイスしました
麺のゆで時間は2分ほど。業務用としても使われている生麺が美味しい!
しじみだし生らーめんの特徴は、宍道湖で採れたしじみで出汁をとったスープ。ダシの効いた味噌スープは、まるでお味噌汁のような味わいです。しじみの旨みエキスは、二日酔いに効果を発揮するかも。
濃厚な味噌スープですが、どんな具材とも相性がよさそうです。今回は、キャベツやコーン、ネギなどをチョイスしましたが、わかめやもやしといった海藻や、野菜を多めにしてもいいでしょう。
透き通った麺は、プリプリとした食感。業務用としても使われている生麺のため、インスタント感はまったくありません。“お店クオリティ”のラーメンを自宅で楽しむことができ、大満足な逸品です。
次に紹介するのが「飛魚だし生らーめん」。こちらも、しじみだし生らーめんと同様に、「出雲たかはし」が製造・販売しています。それでは、飛魚だし生らーめんを作っていきます。
飛魚だし生らーめんは、きれのある醤油スープ。麺のゆで時間は2分ほど
具材は、しじみだし生らーめん同様キャベツ、コーン、ネギなど
飛魚の旨みをしっかりと感じることができる、スッキリとした醤油スープ。このスープだけでもご飯をお代わりできそうですが、それもそのはず。飛魚だしは、「あごだし」とも呼ばれ、どんな料理にもあう高級出汁のひとつなんです。
「あごだし」は、料亭でも味噌汁やなべものなど多くの料理に使われていて、いわゆる高級な出汁。そんなあごだしをふんだんに使ったスープが、美味しくないはずはありません。インスタントラーメンとは思えない仕上がりとなっていました。
麺は、しじみだし生らーめんと同様の生麺で、こちらも“お店クオリティ”が楽しめます。島根のご当地ラーメンは、どちらもたいへん結構なお味でした。さすが、神の国。ごちそうさまでした。
これが、原寿園の「神在餅 出雲ひやしぜんざい」
今回のおまけは「神在餅 出雲ひやしぜんざい」(原寿園)。島根発祥の「ぜんざい」です。神在餅とは、神在月に行われる神事「神在祭」で使われる食べ物。「じんざいもち」がなまって「ぜんざい」となったそうです。ぜんざいを食べながら、ご神縁を結んでもらえるようお願いしたいと思います。
残すは、あと1県のみ!次回、ついに47都道府県を制覇します