松田さんのコラボカップ麺チェック
煮干し好きに捧げます

“ニボ中毒”を救済する「すごい煮干ラーメン凪」。カップ麺でも煮干しに脳がやられちゃう


煮干しラーメンを考えた方、天才だと思います。煮干しは、日本人にとって、もっともベーシックな味覚のひとつ、うま味を構成する要素。中国の麺料理が起源ながら、日本人になじみの深い煮干しをふんだんに使うことで、確固たる“和食”のメニューとして、ラーメンというジャンルが昇華していったのではないでしょうか。

そんな煮干しラーメンの中毒性は異常。味噌汁で育った舌に訴えかけているのか、定期的に摂取しないと、食べたくて食べたくて、ふるえる。煮干しスープに、会いたくて会いたくて。もはや、立派な“ニボ中毒”。

今回のコラボカップ麺チェックは、そんな煮干しラーメンの名店「すごい煮干ラーメン凪」をうかがって、カップ麺の味とガチンコで食べ比べ。どこまで再現しているのか、しつこく検証していきます。

醤油のドライブ感と、濃厚な煮干しの絶妙なバランス

すごい煮干ラーメン凪は、新宿ゴールデン街に本店を構える、煮干しラーメンの超人気店。仕入れる煮干しは何と、毎月5トン以上。瀬戸内の伊吹島をはじめ、全国各地の生産地に足を運び、煮干しが泳ぐ海や加工場をスタッフが体感して、煮干しスープをていねいに仕込んでいるとのこと。煮干しと真剣に向き合う、ストイックな姿勢が十分に伝わってきます。

今回、10人入るとL字のカウンターが満席になってしまうという、こちらもかなりストイックな店内の新宿ゴールデン街本館にうかがい、まずは、その味を堪能してみることにしました。

すごい煮干ラーメン凪 新宿ゴールデン街店本館(画像右側の赤提灯あたり)。JR「新宿駅東口」徒歩6分、東京メトロ丸の内線・副都心線・都営新宿線「新宿三丁目駅」地下通路E2出口から徒歩3分。営業時間は24時間営業(日曜営業)、年中無休(社員研修等で臨休の場合あり)。2018年9月22日時点「食べログ」より

店舗は雑居ビルの2階。煮干しのイラストが両壁に描かれた、急勾配の階段を上っていきます。新宿ゴールデン街というお土地柄、酔っ払い客はこの階段を無事に、上り下りできるのかしら

今回は「特製 すごい!煮干ラーメン」(1,200円)を注文。麺の量は並盛、中盛、大盛から選べます。迷わず、大盛270gを選択。長ネギは、他店の煮干しラーメンにも多く見られる、ザク切り。中央には、甘辛煮の煮干し2匹の姿も

煮干しスープは「これ、相当研究し尽くしているな」と感じるほど、絶妙なバランス。煮干しのエグみや臭みは、まったくナシ。さらに、ところどころにピリ辛が効いて、箸が進むのが楽しい

モチモチとした、手もみ風の中太麺がクセになる! 小麦の風味も絶品。あえて言うなら、家系ラーメンの麺に近いかも

モチモチとした、手もみ風の中太麺がクセになる! 小麦の風味も絶品。あえて言うなら、家系ラーメンの麺に近いかも

これ、ワンタンではないんです。「いったん麺」です。つるりとして、シルキーな食感を楽しめます。とってもユニーク

卓上には、煮干し入りの甘酢も! さっぱりして、さらに食欲が進みます

卓上には、煮干し入りの甘酢も! さっぱりして、さらに食欲が進みます

煮干しに、脳がやられる一杯。飲むたびクラクラきちゃって、これは早くも再訪決定。もっと、ドロドロな煮干しダシをイメージしていましたが、予想よりもあっさりして、サラサラ。さらに、醤油のドライブ感が効いていて、ソリッドな印象もあります。思っていたより、「中華そばの体(てい)」が保たれていました。

ポイントと感じたのは、2つ。

ひとつめは、クセになるほど美味しい中太麺。手もみ風の縮れた食感がモチモチで、食べていて楽しい。もうひとつは、イワシのエキスに数十種類のスパイスを合わせ、数日間寝かせたという、ピリ辛の辛みダレ。デフォルトの「1辛」は「辛いか辛くないか」ほどのバランスで、後味に残るピリ辛が心地よく、どんどん食べ進めてしまいます。煮干しラーメンにピリ辛をあわせるのは、なかなかユニークな攻め方。これにはかなり、個性を感じました。

煮干しスープの中に、インスタントうどんを入れたような

続いて、東洋水産から発売されている「煮干拉麺 凪 すごい煮干ラーメン」(210円)を食べて、本店の味と比べてみます。はたして、「クラクラきちゃうほど美味しかった煮干しスープ」は、再現できているのでしょうか?

「すごい煮干ラーメン」という書体がインパクト大なパッケージ。さらに「ちょい辛」と赤字で書かれており、本店の辛みダレを再現していることがわかります

フタの上には、後入れタイプの特製スープ。これをはがすと、ごていねいに、カップ麺の作り方がイラスト付きで紹介されています。このようなイラストは、案外珍しいかも

かやくは、味付豚肉、メンマ、ねぎと、かなりオーソドックス。強いて言うなら、各かやくのサイズが大きいのがポイントでしょうか

特製スープをGO! てっきり、辛みダレが入っているかと思っていましたが、実際は、ペースト状になった煮干しエキスでした

煮干拉麺 凪 すごい煮干ラーメンの完成! 圧倒的な煮干しの香りがすごい。具材の中では特に、メンマのコリコリ感がかなりあって、食感を楽しめます

ウイークポイントを挙げるなら、麺の再現度が低かったこと。お店のモチモチ中太麺を体験した後だと……。やはり、再現するのは難しかったか

カップ麺のスープは、ややマイルドに仕上がっているものの、煮干しの風味はバッチリ再現。本店と同様に、煮干しのエグみや臭みがなく、これなら十分に“ニボ中毒”を救済してくれます。ピリ辛も感じます。ただし、全体的なバランスは、本店より醤油のドライブ感が弱く、甘みがやや強いと感じました。

問題は麺。インスタントの太麺を使って「最大限再現しよう」という心意気は伝わりますが、いかんせん、小麦の風味やコシが弱い。麺の太さも足りない。強引なたとえ方をするなら、その姿や味は、「赤いきつね」のうどんに近い印象です。

つまり、煮干しスープの中に、インスタントうどんを入れているような錯覚に陥ります。とは言え、面白いことに(幸いなことに)、いずれも和風なので相性がいいんですね。美味しいことには、変わりありません。総じて、本店の煮干ラーメンをデフォルメしたような一杯でした。

今回の再現度は?

<いいところ>醤油のドライブ感が弱く甘みが強いものの、煮干しダシの再現度はかなり高い
<気になるところ>麺の再現に限界を感じた。本店はスープと同等に麺が命だったので残念

スープの再現度:★★★★☆
麺の再現度:★☆☆☆☆
具材の再現度:★★☆☆☆
食べごたえの再現度:★★★★☆
コスパ:★★★☆☆

本店の煮干ラーメンを食べて何日か経った後、煮干しダシ以上に、麺の美味さが思い出されます。おそらく、カップ麺を食べれば食べるほど、本店の味を知る人ほど、“あの麺”が恋しくなってしまうのではないでしょうか。スープの再現度が高かっただけに残念ですが、この点を改良すれば、最強のカップ麺にかなり近づくかも

松田真理(編集部)

松田真理(編集部)

デジタル製品全般からホビーやカップ麺・スナック菓子まで、オールジャンルをカバーする編集部員。大のプロレス好き。読み方は、まつだ・しんり。

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