2017年3月3日(金)、任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch」がいよいよ発売される。2日後に迫った発売日を前に、今、本機の事前予約状況などはどうなっているのか。「価格.comトレンドサーチ」のデータを元に解説する。
任天堂「Nintendo Switch」
「Nintendo Switch」は、据え置き型と携帯型の両方のスタイルで遊べる点が特徴の新型ゲーム機。携帯ゲーム機としても遊べる本体は、6.2型液晶(1280×720)を搭載したタブレットのような外観で、本体の左右に「Joy-Con」と呼ばれるコントローラーを装着してプレイする。いっぽう、据え置き型として家で遊ぶ場合は、専用ドック「Nintendo Switchドック」に差し込むことで、テレビ画面上に映像を表示して遊ぶことが可能だ。なお、この場合、「Joy-Con」は、左右1つずつ別々のコントローラーとして使えるが、「Joy-Con」は単体でもモーションコントロール機能を使ったゲームが遊べるなど、これまでになかったゲームの楽しみ方が提案されている。メーカー希望小売価格は29,980円(税別)。
図1:「Nintendo Switch」詳細ページへのアクセス推移(過去1か月)
図2:主要ゲーム機5製品のアクセス推移比較(過去1か月)
図1は、過去1か月における「Nintendo Switch」詳細ページへのアクセス推移を示したもの。2017年1月13日(金)の製品発表時には、7万PV/日を超える注目度の高さを示したが、その後は1万PV/日程度まで落ち込み、やや低調に推移していた。しかしながら、2月中旬を過ぎた頃からアクセスが上昇し、その後も発売日が近づくにつれてアクセスは上昇中。現在4万PV/日程度までアクセスは回復している。なお、図2は、そのほかの主要ゲーム機とアクセス推移を比較したものになるが、こちらを見ても、現状ではほかのゲーム機よりも高い注目度で推移しており、発売開始に向けて徐々にユーザーの注目度も高まっていると言っていい状況だ。
図3:主要ゲーム機5製品の売れ筋ランキング推移比較(過去1か月)
注目度が高まるのにともなって、売れ行き(事前予約)も好調に推移しているようだ。図3は、過去1か月における、主要ゲーム機5製品の売れ筋ランキング推移を比較したものだが、注目度の高まってきた2月中旬くらいから、それまで首位を走ってきたソニー「プレイステーション4 Pro」を抜き、「Nintendo Switch」が売れ筋ランキングでも首位に立っている。
図4:「Nintendo Switch」の取り扱い店舗数推移(過去1か月)
しかしながら、すでにお伝えしたように、「Nintendo Switch」は、1月21日から開始された事前予約から1〜2日のうちに、初回出荷分の事前予約が終わってしまっている。当然ながら、その後は予約できない状況が続いているわけだが、その動きも徐々に変わってきているようだ。図4は、価格.comにおける「Nintendo Switch」の取り扱い店舗数の推移を示したものだが、2月上旬には2店舗しかなかった店舗数が、その後徐々に増えていき、2月28日の段階では9店舗にまで増えている。もちろん、これらの取扱店舗の多くは、メーカー小売り希望価格よりも高い値付けで販売する、いわゆるプレミア価格での販売となっているが、それでも、ここまで販売店舗数が増えてきたのには、その後に何度か行われた追加出荷・追加予約の影響と見ていいだろう。
図5:「Nintendo Switch」の販売価格推移(過去1か月)
図5は、過去1か月における「Nintendo Switch」の販売価格の推移を示したものだ。これを見ると、2月上旬には45,000円を超えるプレミア価格がついていたが、2月9日〜10日に最安価格が一気に定価レベルまで値下がりし、その後いったん高値に戻るが、また2月20日に定価レベルまで下がるなど、動きが激しい。平均価格はさほど変わらないが、最安価格がこのように大きく動いているのは、定価販売での事前予約を受け付ける店舗が瞬間的に登場したことを意味している。このグラフからすると、2月10日前後と、2月20日前後に、追加入荷があった模様で、心配されていた品薄状態も徐々にではあるが解消されつつあると見られる。なお、3月1日時点での最安価格は40,000円で、まだまだプレミア価格ではあるが、追加入荷などの影響で徐々に値下がってきていることは間違いない。
図6:「Nintendo Switch」のクチコミ投稿数推移(過去1か月)
クチコミ掲示板でも、話題の中心は「どこで事前予約が行えるか?」という一点にほぼ絞られている。クチコミを丹念に追うと、大手の家電量販店や、スーパー、Webショップなどで一時的に製品の入荷が行われ、予約が再開された旨の情報が多く書き込まれているが、いずれの場合も入荷数はかなり限定的で、かなりの短時間で終了となっているようだ。図6は、過去1か月における「Nintendo Switch」のクチコミ投稿数の推移を示したものだが、やはり、追加入荷があったと思われる、2月10日前後と、2月20日前後にクチコミ投稿数が増加している。なお、現在行われている事前予約については、キャンセル分でもない限り3月3日の発売日入手は難しいようで、予約できたとしても3月後半くらいまで入荷は待つ必要がありそうだ。
いっぽうソフトの側に目を向けると、「Nintendo Switch」のクチコミ掲示板では、「同時発売ソフト」というスレッド内で、3月3日の発売日に合わせて、どのソフトを購入するかという質問が展開されているが、ここの回答を見ると、人気アクションRPGの新作「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が一番人気。そのほかでは、「Joy-Con」を使った新感覚のタイトル「1-2-Switch」の人気が比較的高いようだ。価格.comの「Nintendo Switch ソフト」カテゴリーでも、この2タイトルが、人気の1〜3位までを占めており(ゼルダの伝説は通常版と限定版の2本あり)、ソフトの面ではこの2タイトルが同時に売れることになりそうだ。
価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。