今回のガンプラ組み立てレビューは、今年で放送15周年となる「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」より、「MG 1/100 ガナーザクウォーリア(ルナマリア・ホーク専用機)」です。またなかなか渋いところを突いてきましたよね。2019年に一般店頭発売されたMGとしては唯一のガンダムタイプ以外のガンプラです。
MGで初立体化されたガナーザクウォーリア。MGにしては薄いパッケージでした
「ガナーザクウォーリア(ルナマリア・ホーク専用機)」は、TVアニメ「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」に登場するザフト軍所属のモビルスーツ。パイロットであるルナマリア・ホークのパーソナルカラーの赤で塗装されています。特徴は「ガナーウィザード」と呼ばれる大型ビーム砲と専用エネルギータンク。名称の「ザク」は初代「機動戦士ガンダム」に登場するザクと同じで、形状も似ていますが、この世界では「Zaft Armored Keeper of Unity」の頭文字から「ZAKU」と呼ばれているという設定です。
それでは組み立てていきましょう。ランナーは15枚。ガンプラならではの、1枚のランナーに複数の色分けがされている構造で、組み立てるだけでもきれいな塗り分けになります。ほかにリード線、ワニスチューブ、デカールが付属。
たとえばこれはランナーAですが、この1枚だけで3色の塗り分けとクリアパーツが一緒になっているという、バンダイならではの変態的技術力を実感できます
リード線とメッシュパイプのほかに、脚部分の動力パイプ用の専用パーツも付属
MG版ということもあり1/100の大きなスケール感はもちろん、内部構造や可動もしっかりとしたものになっています。特に脚部分は大きなパーツを使用してどっしりとしたデザインになっているにも関わらず、細かく可動し、さまざまなポージングができるようになっていました。
腕の可動です。外装パーツを付けてもスムーズに動きます
また、ザクといえば、初代もこのガナーザクウォーリアも「動力パイプ」が特徴なのですが、今回のキットでは脚部分の動力パイプに完成品の軟質パーツが用意されています。内部のパーツが可動し、脚の動きに合わせて可動するので、とても楽で便利でした。旧キットでは、1つひとつ動力パイプのパーツを組み合わせて作るモノもあったので、こういう進化は大歓迎ですね。
成形された軟質パーツの動力パイプ。腿部とすね部に差し込むだけで、脚の動きに合わせて動力パイプも可動し、ポロリもありませんでした
本体完成です。まずはガナーウィザードを装備しないノーマルのザクウォーリア状態から。赤の濃淡やポイントの白や紫などのパーツもすべて塗り分けされています
いわゆるザクに似た形ですが、実際に作ってみると大きく違うという印象を受けました。また、マッシブな体型にどっしりとした脚周りなど、TVアニメよりも迫力あるプロポーションになっているように感じます。驚いたのは、胸部の黒いパーツにツヤ消しのマットな素材が使われていたこと。ガンプラといえば光沢のあるパーツが基本なのですが、このマット感がより締まった印象を与えてくれます。
胸部のマットな黒がカッコイイです。モノアイはシール。その表面はクリアパーツで構成されています
腕の可動も秀逸。手首部分もよく動くので武器装備の際にもポージングが楽にとれます
MGということで、内部構造もしっかり作られていて、ディテールもこだわられています。組み方としては、まず内部構造を作り、その上に外装パーツを付けていくという方法ですが、曲線が多い脚周りの部分も、パーツがピッタリとハマるので作っていて快感でした。
脚の可動はこれくらいです。外装パーツが干渉することはありませんでした
つま先部分、かかと部分も可動するので、安定して自立します
外装パーツを外してみました。内部構造のディテールもしっかり作られています
では、最大の特徴である大型武装「ガナーウィザード」を装備していきましょう。ザクウォーリアには、「ウィザードシステム」という換装システムが採用されており、さまざまな武装を装備することができるようになっています。本機はそのひとつである砲戦型ウィザード「ガナーウィザード」を装備しているため「ガナーザクウォーリア」という名前なのです(ガナーは英語で「砲手」の意)。
ガナーウィザードと本体左肩に装備するスパイクシールドを装備していきます
本体より大きな「オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲」(以下、オルトロス)とエネルギータンクが一体化されたパーツを背中に取り付けます。バックパックのように取り付けるのですが、これが本体にしっかりハマり、可動させても本体から抜け落ちることはありませんでした。オルトロスはバックパックから自在に可動させられるようになっており、砲撃ポーズをとらせるときは、本体を展開し、右脇に抱えるようにして持つことができます。
装備完了。大型パーツが付いてもしっかり自立します。ガナーウィザードの存在感が半端ありません。オルトロスは砲身をたたんで装備しています
スパイクシールドもボールジョイントで接続されており、自在に動かせます
また、キットにはオリジナル要素としてデカールが付属。よりディテールアップできるようになっているので筆者も使ってみました。ポイントポイントでメリハリがついてよくなったと感じています。こういうオリジナル要素も大歓迎ですね。
デカール装着。胸部や脚周り、肩周りなどがディテールアップしました
ほかの武装として、ビーム突撃銃があります。いわゆるザクマシンガンのように丸いドラムマガジンが付属。予備はシールド内部に2つ装備可能
ビームトマホークの刃はクリアパーツで再現。左右どちらでも持つことができます
ではオルトロスを展開していきましょう。筆者の経験上、大型のガンプラでさらに大型の武装となると、まず握り手からポロリする、しっかり保持できない、バランスが取りにくいなどの難点があり、今回もちょっと杞憂していたのですが、まったく問題ありませんでした。まずオルトロス自体がバックパックに接続されていながらよく動くのでバランスは問題なし。専用の指パーツでグリップもしっかり保持でき、また右手もよく可動するので、しっかりと脇に挟み込むことができるため、劇中のような砲撃ポーズが再現できました。
わかりやすくするため右腕を外しています。オルトロスをそのまま前方に移動させて体の脇に。バックパックにしっかり接続されており、この体勢でしっかり位置をキープできます
握り手パーツでグリップをつかみ、脇に挟み込むことでポーズ固定。砲身を展開させて砲撃体勢に
足部分の接地力も高いので、この体勢でもしっかり自立できます
どっしりとした脚でしっかりとポーズを保持。迫力のあるポージングができます
オルトロスを構えた砲撃ポーズはガナーザクウォーリアならではですが、これがガンプラで、しかも1/100サイズのMGでしっかり決まるのでかなり興奮しました。足部分の接地力の高さと可動によりしっかりと自立できるのもいいバランスの証拠。これは脚の細いガンダムタイプでは味わえない魅力ですよね。筆者は、ドムやゲルググ、GP-02サイサリスのように脚周りのどっしりとしたモビルスーツが好きなので、このガナーザクウォーリアも好きなタイプです。色の塗り分け、作りやすさ、オリジナル要素のデカールなど、キットとしてもかなり魅力的なガンプラでした。
同スケールのパイロット、ルナマリア・ホークも付属。これを塗装できる人のことを尊敬します
オルトロス砲撃ポーズで飾っておきたいですね。令和のガンプラの進化にも感謝です