今回のガンプラ組み立てレビューは、「ガンダムゼルトザーム」です。奇抜なガンプラが多数登場する「ガンダムビルドダイバーズ」シリーズの機体ですが、その中でもダントツに奇妙で、そしてカッコイイのではないでしょうか。いかにも悪役といった風貌で、好きな人にはたまらない機体となっております。
このガンダムらしからぬ形態!
「ガンダムゼルトザーム」は、YouTubeのガンダムチャンネルで配信中のアニメ「ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE」に登場する謎のガンプラ。その操縦者や機体開発の経緯などすべてが謎に包まれていますが、劇中登場ガンプラの中でも最強クラスで、主人公達の前に立ち塞がる強大な力を持つ機体です。
ドイツ語で「奇妙」という意味を持つ「ゼルトザーム」。まさにその名の通り、アンバランスで巨大な右手を持ったガンプラです。特徴的なのは、伸縮可能な巨大な右手、大型ランス、莫大なエネルギーを放出するシールドランチャーなど。
アシンメトリーなスタイルです。バックパックに大型ランスとシールドランチャーを装備可能
ベースとなった機体は「ガンダムMk-III」。「機動戦士Zガンダム」の派生企画「Z-MSV」で誕生した機体で、「ガンダムMk-II」の発展型という位置づけで開発された設定です。ガンプラとしては「RE/100」シリーズで発売中。今回の「ゼルトザーム」を見ると、フロントスカートなどにその面影は残りますが、頭部や腕などは完全新規造形になっています。
仮面を被ったような頭部は、黄色いアンテナ部分も含めると5つもの目が付いています。同じく「ガンダムMk-III」をベースにした機体「HGBD:R ガンダムテルティウム」の顔(写真右)と比べると、かなりまがまがしいスタイルになっていることがわかりますね
また気になったのが、一部のランナーの名称が「ガンダムMk-III」と表記されていたこと。HGサイズでは「ガンダムMk-III」のキットは未発売なのですが、これは将来的に発売される可能性があるのかも!?
続いて、特徴的な右手を見ていきましょう。劇中同様に伸縮可能の腕は、肘関節部分で折りたたみが可能になっており、展開すると通常状態でも長い腕がさらに伸びます。手は親指、小指にあたる部分が可動。手のひらにはスリットがあり、ランスなどの武器を固定できるようになっています。
通常は肘部分で腕を折りたたんで収納状態に
ここから展開することで、さらに長く巨大な腕になります
ガンダムベースの機体でこういうギミックがあるのは珍しいですよね。腕を伸ばすとさらに凶悪さが増して、まさに悪タイプのガンダムという感じに
巨大な右手だけでもインパクト抜群ですが、さらに武装もすごいのを搭載しております。まずは横向きに背負ったランス。「ハイパーデストランス」という名称で、こちらも伸縮可能。引き延ばすと、本体と同じくらいの長さになります。
通常はバックパックに固定して装備
ランスを引き伸ばし、右手の手のひらに固定して持たせられます
左手の甲部分を一度外せば、左手で持つことも可能
そして、もうひとつの特徴的な武装が、砲身を折りたたんで収納できる「シールドランチャー」。通常状態は背中にバインダーのように装備していますが、砲身を展開して、「フォールディングデストランチャー」に。グリップを左手で握ることもできます。
ランチャー展開。左手でグリップを保持してポーズを付けられます
「ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE」のガンプラシリーズは、特徴的な武装パーツなどを別途販売しており、ほかのガンプラのカスタマイズに使えるようになっています。以前紹介した「ν-ジオンガンダム」の武装「ジオニックソード」も、「量産型ジオニックソード」として単品発売されているんですよ。そして今回のゼルトザームの武装も「ゼルトザームアームズ」として発売されています。
武装だけがセットになった「ゼルトザームアームズ」
この「ゼルトザームアームズ」のパーツを使うと、ほかのガンプラをカスタマイズしたり、ガンダムゼルトザームをパワーアップさせたりすることができます。こういった取り組みはガンプラが主人公の「ビルドダイバーズ」ならではですね。
色が変わっていることにも注目。青色になった右腕とシールド、白くなったランスの3点が入っています
色が変わっただけで、伸縮可能のギミックはゼルトザームの右手と同じ内容です
ゼルトザームの左手に装備してみました。両腕を伸縮可能。さらにバックパックに2つのランチャーシールドを装備。より凶悪になりました
パーツ規格が合えば、もちろんほかのガンプラにも。こんなゲテモノガンダムなんかも作れちゃいます
「ν-ジオンガンダム」のバックパックに、ゼルトザームの腕と白いランスを付けてみました。白いランスが赤いボディに映えますね
異色のガンプラが数多く登場する「ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE」ですが、その中でもこのゼルトザームは飛び抜けて異彩を放っています。ガンプラになってもそのスタイルの斬新さは再現されており、巨大な右腕、ランスなど迫力のあるポージングが取れます。ガンプラの可能性を感じさせてくれる優秀なキットでした。
4月より配信予定のシーズン2で本機体の謎が明かされるのでしょうか
今後は「GP02Aサイサリス」や「Gセルフ」の機体をベースにしたガンプラも発売予定。いわゆる宇宙世紀シリーズのガンプラとは異なりますが、ガンプラの世界を際限なく、より自由に楽しめるシリーズとして定着しそうですね。