ガンプラ組み立てレビュー
祝! ガンプラ40周年

ガンプラ技術の集大成! 大河原氏デザインの最新HG「RX-78-2 ガンダム」の完成度に感動

2020年はガンプラ発売から40周年のアニバーサリーイヤーです。今後、さまざまなプロジェクトが目白押しなのですが、まずは記念すべきガンプラが2020年6月に発売されました。「RX-78-2 ガンダム」の最新HGモデルです。組み立ててみると、ガンプラ40年間の技術の集大成とも言うべき傑作でした。

「HG 1/144 RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL]」です

「HG 1/144 RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL]」です

「リバイブ版」との比較でわかる新構造

ガンプラの原点と言えば「RX-78-2 ガンダム」ですよね。HG、MG、PG、RGなど、ガンプラの各シリーズ最初のキットは、いつもこのガンダムが飾ってきました。そしてこのたび、40周年を記念して生まれたのが「HG 1/144 RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL]」(以下、BG版)。ガンダムデザインの生みの親、大河原邦男氏が再考証したデザインを立体化しています。

これまでのガンダムと何が違うのかを、組み立てながら確かめていきましょう。
比較対象とするのは、現在HGシリーズの「RX-78-2 ガンダム」のベースとなっている、「HGUC 1/144 RX-78-2 ガンダム」(以下、「リバイブ版」)です。

2015年7月発売の「リバイブ版」ガンダム。安価ながら、可動領域の広さや作りやすさに定評があり、現在のHGUCシリーズの代表とも言えるガンプラです

まずはランナーを見ていきます。

写真左の「リバイブ版」ガンダムのランナーは、4枚+ポリキャップ。ツインアイや頭部、腰などはシールで塗り分けをします。写真右の「BG版」はランナー10枚と多めですが、シールはツインアイのみ

写真左が「リバイブ版」の上半身パーツです。腕を刺す部分はポリキャップによる可動。写真右が「BG版」の上半身パーツです。ポリキャップなしで、肩が前面に動くように分割されています

「BG版」の腹部はジョイントで接続し、スイングさせて合体する仕組み。この構造は初めて見ます。これにより、腹部のスイング可動が再現可能に

合わせ目が出ない頭部の構造に驚き

驚くべきは頭部です。基本的に、ガンダムをはじめとする多くのガンプラの頭部は、左右もしくは前後に分かれたパーツをひとつに合体させて作る仕組みです。しかし今回の「BG版」は、いわゆるヘルメット状態の頭部が1パーツとして作られており、そこにツインアイなどのパーツを差し込む構造になっています。つまり、頭部に合わせ目が出ないのです。

写真左が「リバイブ版」の頭部。従来のガンプラでは、このように2つのパーツを合体させる構造がほとんどです。写真右が「BG版」。頭部はヘルメット状態の1パーツでできています。アンテナ部分も、ひさし部分と合体した1パーツになっています

頭部に合わせ目が出ないというだけで感動します

頭部に合わせ目が出ないというだけで感動します

また、個人的にいつもつらかった作業として、「頭部アンテナの固定」があります。だいたいのガンプラは、ツノ状のアンテナを頭部に付けて、額部分となる小さなアンテナ押さえパーツを上からはめ込み固定するのですが、これが小さくてなかなか苦労するんです。
今回の「BG版」は、アンテナパーツがツインアイの上のひさし部分と合体した1パーツになっており、ここにアンテナ押さえの赤いパーツを先にはめてから頭部と合体させるため、とても楽に組み立てられました。ただ注意として、頭部パーツはかなりピッタリはまるため、一度差し込むと分解するのがとても大変になります。塗装される方は、仮組みする前に処理をしておいたほうがいいですね。

腕、脚部に新たな可動構造を搭載

次に腕部です。腕部を胸部に差し込む場合、従来のHGシリーズでは、ポリキャップの穴に腕部の突起を差し込むことが多いですよね。「BG版」は、逆に胸部に突起したパーツがあり、これを腕部のパーツで上下から挟み込んで固定し、さらに肩パーツをかぶせるというスタイルをとっています。このおかげで、可動させても腕がすっぽ抜けることがなくなりました。

「BG版」は、胸部から出た突起を腕部のパーツで上下から挟み込んで固定します

「BG版」は、胸部から出た突起を腕部のパーツで上下から挟み込んで固定します

脚部にも新ギミックが採用されています。股関節に脚部分をはめ込む場合、股関節の突起パーツを、脚部のポリキャップの穴にはめ込むことがほとんどです。「BG版」もこの仕様なのですが、股関節に留めるパーツにもうひとつ可動部分が組み込まれているのがポイント。これによって従来のガンプラにはなかった、脚部分を内側に曲げるというギミックが追加されました。たったそれだけなのですが、脚部分の可動と表現が見違えるほど豊かになるのです。

股関節に脚部を差し込みました。これは従来通り。ももの上に見える、丸い模様があるグレーのパーツにご注目。ここにもうひとつ可動部分があり、太もも部分を左右にスイングさせることができます

つまり、脚を内側に曲げることが可能になるのです

つまり、脚を内側に曲げることが可能になるのです

これにより、アニメで見たような、人間の動きらしい脚部の可動を再現できるようになります。これはちょっと新鮮で感動しますよ

自然なポージングを可能にする多数のギミック

あまりの感動に興奮して、前置きがずいぶん長くなってしまいました。それくらい、作っていて感嘆したガンプラはかなりひさしぶりでした。
では完成したガンダムを見ていきましょう。

太ももが太くガッシリとした印象ですが、上半身はかなりスマートなガンダム。シールド部分は独自のグレーのスリットが入っていますね

色合いはやや薄いというか、パステルっぽい印象で、ホワイト部分もクリームがかっています。質感もツヤッとしておらず、マットな感じ。シールはツインアイ部分のみで、頭部のセンサーや腰の小さなV字模様など、従来のガンプラではシール処理が多かった部分も、最初から塗り分けされています。

そして何より注目したいのが可動です。本キットは、「美しいポージング」、「可動性能とプロポーション」を追求したとのことなのですが、まさにその通りの仕上がりとなっていました。

肩周り、腕周りの可動も柔軟です。肘は二重関節。肩部分は前面に可動させられます

肩周り、腕周りの可動も柔軟です。肘は二重関節。肩部分は前面に可動させられます

膝も二重関節で柔軟に曲がります。フロントとリアのスカートも跳ね上がる仕様なので、脚の可動には干渉しません

膝立ちやビームライフル両手持ちなど、ガンダムっぽいポーズをなんなく再現できます

膝立ちやビームライフル両手持ちなど、ガンダムっぽいポーズをなんなく再現できます

腕部にも新しいギミックがあります。手首上のパーツを引っ張ることで可動スペースが現れ、内側に曲げることができます。この可動スペースにシールドを差し込む形でロックするので、しっかり固定可能。

手首上のパーツを引っ張り出すと可動領域が解放。内側に曲げることが可能になり、ビームライフル両手持ちの際などに、より柔軟に手首を動かすことができます

新しい手首と脚部の可動で、走りながらビームライフルを両手持ちするといったポージングも可能

新しい手首と脚部の可動で、走りながらビームライフルを両手持ちするといったポージングも可能

武装はビームライフルとサーベルのみ。欲を言えばハイパーバズーカが欲しかった

武装は、ビームライフルとビームサーベル2本にシールドです。「リバイブ版」ではハイパーバズーカもセットになっているので、ここはもうちょっと頑張ってほしかったですね。唯一の不満点はここです。

ビームライフルの持ち手は右手専用です。肩腰の可動で射撃ポーズもスムーズに

ビームライフルの持ち手は右手専用です。肩腰の可動で射撃ポーズもスムーズに

腕がよく動くので、ビームサーベルを抜き放つ瞬間のポーズも余裕

腕がよく動くので、ビームサーベルを抜き放つ瞬間のポーズも余裕

サーベルのグリップもズレることなくしっかり持てます

サーベルのグリップもズレることなくしっかり持てます

別売りのスタンドと合わせて使えば、アニメのような動きやポーズも再現できますね

別売りのスタンドと合わせて使えば、アニメのような動きやポーズも再現できますね

ここ1年に発売された「RX-78-2」ガンプラと並べてみる

本稿で比較に使ってきた「リバイブ版」のガンダムの発売はもう5年前になりますが、実は2019年末から2020年春にかけて、「RX-78-2 ガンダム」のHG版ガンプラは2体も発売されています。そこで、「リバイブ版」を合わせた全3体の過去キットと「BG版」を並べて見てみましょう。どれもスタイルや色合いが異なるので、自分好みの「RX-78-2」を見つけてみてください。

4体の「RX-78-2」の共演です。うち3体はここ1年以内に発売という、最新ガンプラの共演でもあります

4体の「RX-78-2」の共演です。うち3体はここ1年以内に発売という、最新ガンプラの共演でもあります

まずは「リバイブ版」(写真左)と「BG版」(写真右)を改めて比較。色合いがかなり異なります。また、「BG版」のほうがスリムに見えますね

可動領域は「BG版」のほうが広く、表現豊かに再現できますが、「リバイブ版」もしっかりとしたポーズがとれてかっこよく決まります

続いては、世界的工業デザイナーの奥山清行氏と、演出家・映画監督の松尾衡氏が手がけた「HG 1/144 ガンダムG40 (Industrial Design Ver.)」(写真左)と「BG版」(写真右)。両者ともまったく新しいスタイルのガンダムとして、今後のガンプラ界のキーアイテムになりそうです

「G40版」は脚の可動にギミック満載。その技術が今回の「BG版」にも生かされていると感じました

「G40版」は脚の可動にギミック満載。その技術が今回の「BG版」にも生かされていると感じました

先ほどまでと左右が逆になってしまいましたが、今度は2020年3月に発売された「HG 1/144 RX-78-02 ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN版)」(写真右)と、「BG版」(写真左)です。「ORIGIN版」のハイディテールさを「BG版」が継承していますね

「ORIGIN版」は、前期、中期モデルの2パターンを再現できて武装も豊富。ゴテっとした感じが好きなら「ORIGIN版」ですね

作っても楽しく、動かしても楽しい。40周年にふさわしいガンダム

「RX-78-2 ガンダム」のガンプラを作るのはこれでいったい何体目なんだろう?と自問してしまいましたが、作るたびに新しいガンダムのスタイルに対面し、毎回、ガンダムの魅力を再発見してきました。今回の「BG版」はまさにその集大成という感じで、「ガンプラといえばこう動くもの」という固定観念を一新させられた仕様とギミックに感嘆しました。作りやすく、パーツのポロリもなく、可動しやすいというのは初心者にも最適ですし、目の肥えたガンプラファンでも納得の楽しさになっていると思います。

作る楽しみと遊ぶ楽しみを体感させてくれるガンプラでした

作る楽しみと遊ぶ楽しみを体感させてくれるガンプラでした

今後、40周年記念プロジェクトでは、1/60スケールのパーフェクトグレードモデルでも「RX-78-2 ガンダム」が発売される予定となっています。ガンダムの魅力を再発見する機会がまだまだありそうで楽しみです!

マッシー

マッシー

「月刊PCエンジン」誌で編集ライターデビュー。「64DREAM」誌デスクを経て前職はXbox 広報のゲーム漬け人生。猫とガンプラとaqoursが存在理由のホビー担当。

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