特別企画
90年代には想像もできなかった機能や性能が今や超常識

今はこうなの!? アラフォーギタリストが感動する新常識・新定番ギターアイテム

ギタリストなら誰しも、ギターを弾き始めた当時に発売された新製品に胸を躍らせた記憶があるはず。あの頃の僕らが憧れたあのエフェクター、そしてあのギターは今? ……と、これまで「僕らが90年代当時に憧れたギターアイテム」というテーマに焦点を当てた記事を書かせていただいてきたのですが……

【関連記事】
・今も売ってる! 今なら買える! 思い出の1990年代歪みエフェクターたち
・90年代を彩った定番エレキギターは今!? 憧れモデルの事情Q&A

過去ばかりを振り返っていてもしょうがない! 未来を見つめなければいけない! そのためには現在を把握しなければいけない! ならばまず知るべきは、地味だけど身近で欠かせないギターアイテム、チューナーや弦やピックだ!

というわけで今回は、あのころには想像もつかなかったような機能や、あのころのそれをぶっちぎるレベルの性能を実現している、21世紀のチューナー、弦、ピックの新常識、今の新定番を紹介します!

21世紀ギターグッズ新常識新定番のメニューはこちら!

さっそくですが、今回紹介させていく21世紀におけるギターアイテムの新常識、新定番は以下のようなメニューです。

●チューナー:全弦同時測定という超革命! クリップ型も登場!
●弦:コーティング弦はもう普通! ゲージの選択肢も拡大!
●ピック:ウルテム素材はもうド定番! 凝った仕上げや形も!

いやこれ、2010年代にギターを始めた人たちにとっては本当に常識すぎて「当たり前のことを何すごいことみたいに言ってるの?」ってドン引きなんでしょうね……。でもこれらすべて、1990年代にはまだ登場していなかったり、登場したばかりで、すごく高価なうえに完成度が低かったりしていたものなんです。

全弦同時測定という超革命! TC Electronic「Polytune」

ギターの世界でもレコーディングツールの世界でもその名を知られるTC Electronicが2011年に発売した超画期的なギターチューナー。それが「Polytune」です。

最新世代モデル「Polytune 3」

最新世代モデル「Polytune 3」

何がすごいのか百聞は一見にしかず! ということで、以下の動画をご参照ください。左から右に6弦から1弦のチューニング表示で、縦軸が中心から外れて赤くなっている弦はチューニングがずれています。

そう、ギターの開放弦をジャラーンとストロークしたら、6本すべての弦のチューニングをすべて同時に測定して表示してくれます! その名もポリフォニック・チューニング!

典型的な使い方としてはこんな感じです。
1)全弦ストロークでずれてる弦を把握しておおまかにチューニング
2)1本ずつ鳴らして単弦チューニングで確認しつつチューニング
3)全弦ストロークで最終確認

ストラトのシンクロをフローティングにセッティングしていると「1本の弦のチューニングを直したら全体のバランスが変わるのでほかの弦も確認して……」みたいな繰り返しが必要ですよね? ポリフォニック・チューニングはそれ対策としても特に超便利ですよ!

これまた近年の新常識と言える「ミニサイズペダル」フォーマットな「Polytune 3 Mini」

これまた近年の新常識と言える「ミニサイズペダル」フォーマットな「Polytune 3 Mini」

製品名に「Mini」は入っていないが、実際はMiniのカラバリなのはこちら「Polytune 3 Noir」

製品名に「Mini」は入っていないが、実際はMiniのカラバリなのはこちら「Polytune 3 Noir」

▼全弦単弦のモード切り替え不要! 高音質バッファまで搭載!

少し気になったかもしれないところとしては、「2)1本ずつ鳴らして単弦チューニングで確認しつつチューニング」でしょうか? 単弦測定モードも搭載されているの? それに切り替えるメリットは何? 切り替えるの面倒じゃない? とか。

単弦測定モードは用意されてますし、もちろんそちらにもメリットがあります。最新世代の「Polytune 3」シリーズだと、前述の「ポリフォニック」モードに加えて2つの単弦測定モード「クロマチック」「ストロボ」も備えているのですが、どちらにしてもポリフォニックより測定精度が高いのです。それに単純な話として、ポリフォニックは6弦すべての情報を一度に表示するので、1本1本の弦の細かな狂いまでは表示し切れないんですよね、ディスプレイ的に。

なのでやはり、チューニングの仕上げには単弦測定モードが使いやすいのです。単弦測定モードへの切り替えも簡単。というか操作の必要すらありません。以下の動画の通り、何の操作もなしでモードが切り替わります。フットスイッチに被せてある「スイッチに被せて踏みやすくするやつ」は別売アイテムですが、これまたおすすめ。

Polytuneは! すべての弦をジャラーンと鳴らせばポリフォニックモードに! 1本だけをポロンと鳴らせばクロマチックまたはストロボモードに! 勝手に切り替わってくれます! 単音時にクロマチックにするかストロボにするかだけ事前に設定しておけばOK!

何これ簡単便利すぎ……

またPolytune 3シリーズは、フルサイズ版も「Polytune 3 Mini」も、バイパス動作をトゥルーバイパスかバッファードバイパスかで選択可能。バッファード回路はバッファ単品ペダルとしても評価の高い同社「BonaFide Buffer」と同じものを搭載という贅沢っぷりです。

なのでペダルボードの先頭か最後にPolytune 3をバッファードモードで入れておけば、多数のペダルを通過する際やアンプまでの長いケーブルでの信号の損失や変化を最小限に抑えられます。チューナーなのに。

もうひとつのチューナー革命「クリップチューナー」

Polytune登場の2011年に先立つこと数年の2004年。チューナーの世界にはもうひとつの大きな革命も起きていました。高い実用性を備えた超小型クリップ型チューナー、コルグ「AW-1」の登場です。

こちらは最新世代モデル「AW-OTG-POLY」。クリップ&ポリフォニック!

こちらは最新世代モデル「AW-OTG-POLY」。クリップ&ポリフォニック! ヘッドにクリップオンしてチューニングします

クリップチューナーとはその名の通り、楽器の一部をそのクリップ部分で挟むとその楽器の音程を測定してチューニングできるというもの。

一般的なギターチューナーはギターとケーブルで接続してギターに搭載のピックアップからの電気的な信号を受けてその音程を測定していますよね。対してクリップ式は、ギターに限らず楽器の物理的な振動自体をキャッチし、それをおそらくピエゾ圧電素子などを使ってチューナー側で電気信号に変換し、音程を測定します。

ケーブル接続が不要なのでササッと使えますし、アコースティックギターにも使えます。ギターからアンプへの信号経路にチューナーを挟まなくてよいことを音作りの面での利点と考える人もいるかもしれませんね。

さてその元祖的な製品であるAW-1のメインターゲットは、実はギターではなく管楽器等だったらしいのですが、それがギタリストに大ヒットしたことで、以降は各社からギターに最適化された製品が続々と発売されまくり、現在に至っています。超小型だったり超安価だったり、よりどりみどりです。チューニング精度が必要な場合はペダル型、普段の確認程度には安価なクリップ型と使い分けるのもありでしょう。

安い部門ではこのコルグ「PC-0」や、同じくコルグの「Pitchclip」シリーズが定番

安い部門ではこのコルグ「PC-0」や、同じくコルグの「Pitchclip」シリーズが定番

あえて注意点もあげておくとすれば、まずはラッカー塗装のヘッドに長期間付けっぱなしにしておくと塗装を変質させてしまう恐れがあること。そしてギターのヘッド部へ重量物を追加すると音色への影響があること。音色の変化の度合いは、お使いのギターが持つ特性との兼ね合いで大きかったりも小さかったりもするでしょうが、ふと「最近何か音がしっくりこないな」と感じるようなことがあったらクリップチューナーが原因かも?

ですので「付けっぱなしはよくない」と考えておくことをおすすめします。「自分のギターはウレタン塗装だからだいじょうぶ!」という人も、将来的にラッカー塗装のギターも手にするかもしれませんし、付けっぱなしがクセになっていると、そのときにもついついクセでやってしまうかもしれませんので。

コーティング弦は、元祖Elixirを中心に普及&進化!

ギターの弦は金属製の消耗品。消耗要素としていちばん決定的なのは「錆びる」ことです。錆びた弦は指のすべりが悪く、さらにその摩擦でフレットを削り、そして音も鈍ります。そうなれば、というかそうなる前に弦を交換するしかありません。

ということで昔も今もよく言われているのは、「弦は適切な頻度で交換していく必要があるのでそのためには、あまり高くなくてどこでも売ってる定番ブランド定番モデルの弦を使うのがベター」的なことですよね。

ですがそこに「もうひとつのベター」を提案してきたブランド、製品があります。Elixir Stringsの「Elixir」シリーズ!

この青いパッケージ、今は楽器屋さん店頭に当然のように普通に並んでいます!

この青いパッケージ、今は楽器屋さん店頭に当然のように普通に並んでいます!

従来の一般的な弦は金属をニッケルメッキで保護して錆を抑えていたのですが、エリクサーはもっと進んだコーティング技術で弦を保護。これまでの弦の何倍もの期間を使い続けられるという、圧倒的な耐久性を打ち出してきたのです!

といっても、覚えている人も多いかと思いますが、エリクサーの初代製品は1995年にはもう登場しています。我らが1990年代の新製品です。

ですが当時のエリクサーはまさに「目新しい新製品」というポジション。お試しではなく、普通に使い続ける常識的なアイテムではありませんでしたよね。というのも、初代のエリクサーは弦に施された特殊コーティングに明らかな厚みがあり、普通の弦と比較して弾き心地や音色に少しの違和感があることは否めないものだったのです。

肉眼でわかるほどぼってり厚いわけではありませんが、ギタリストの指先はそれを感じ取ってしまいます

肉眼でわかるほどぼってり厚いわけではありませんが、ギタリストの指先はそれを感じ取ってしまいます

いや僕レベルのギタリストにとっては「お値段がお高い」のほうが問題でしたけど。より長く使えることを考えれば中期的にはお高くなんてないはずなのですが、目先の話としてはやはり「お高い」のです……。

ですがあれから四半世紀! 状況は変化しています! エリクサーはさらなる進化を遂げ、いまや「普通」に使われている「常識」的な定番弦のひとつの地位を得ているのです! 他社からもコーティング弦やそれに類似する弦は登場していますが、それらの元祖であり代表であるエリクサーの存在感には及ばない印象です。

▼エリクサーの中からもあれこれ選べるのが新常識!

現在、エリクサーのエレクトリックギター弦は3シリーズから構成されています。「POLYWEB」「NANOWEB」「OPTIWEB」です。POLYWEBが初代エリクサー直系、普通の弦との違和感を少なくしたのがNANOWEB、さらに少なくしたのがOPTIWEBというバリエーション。

●POLYWEB:コーティングは厚めで耐久性は最強で音色はウォーム(暖かみのある音色/きわめてなめらかな弾き心地)
●NANOWEB:コーティングは薄めで耐久性は十分で音色はナチュラル(くっきりとした音色/なめらかな弾き心地)
●OPTIWEB:コーティングはさらに薄めで耐久性はまあまあで音色はブライト(クリスピーサウンド/自然な弾き心地)

上記()内はエリクサー自身による音色の説明です(参考:https://www.elixirstrings.jp/support/polyweb-nanoweb-optiweb-coatings)。コーティングが厚いほど巻き弦の凹凸が埋まるので、指先に感じる摩擦が「なめらか」になるのもポイント。

……というように、エリクサー色が強いものから控えめなものまでのバリエーションが用意されているので、「普通の弦からの乗り換えだから違和感の少なさ重視でOPTIWEB」とか「むしろ音色をやわらかくしたい狙いもあるからPOLYWEB」とか、自身にフィットするものをさまざまな観点から選べばOK!

なおエリクサーのコーティングは巻き弦のみ。プレーン弦にはコーティングとは別の錆防止加工「Anti-Rust」処理が施されています。コーティング弦は弦アースが落ちにくいのですが、Anti-Rustはだいじょうぶ。なので、演奏時にはプレーン弦のほうにも触れておくように意識しておけば、弦アースを確保し、余計なノイズを避けることができます。

ゲージのバリエーションもさらに幅広くなっている!

弦に注目したとき90年代と現在でコーティング弦の普及っぷりと並ぶほどの大きな変化としては、「より幅広いニーズに応えるさまざまなゲージセットの展開」もあげられます。ゲージ展開に以前から力を入れていて現在もトップクラスのラインアップを誇るD'Addario(ダダリオ)を例に見ていきましょう。同社の超定番「XL NICKEL」シリーズのラインアップ紹介ウェブページがこちら!

これでもまだ残り1アイテム表示しきれてないです……(参考:https://kcmusic.jp/daddario/eguitar.html)

これでもまだ残り1アイテム表示しきれてないです……(参考:https://kcmusic.jp/daddario/eguitar.html

ダダリオは以前から、ちょっとしたニーズに対応する気の利いたゲージセットも積極的に展開しているブランドでした。一般的なゲージである「.009-.042」と「.010-.046」の中間に「.0095-.044」を用意してくれているメーカーなんて、昔も今もほかにはあまりありません。

「.009-.046」みたいなライトトップ&ヘヴィボトムも昔から用意してくれていましたね。高音弦側でのテクニカルプレイの演奏性と、低音弦側でのディストーションサウンドのリフやダウンチューニングへの対応の両立を想定したものだったのでしょうか。

一応、型番の法則としては、
●EXL120:.009-.042 基本セット
●EXL120BT:.009-.040 バランスドテンション
●EXL120+:.0095-.044 中間ゲージ
●EXL125:.009-.046 ライトトップ&ヘヴィボトム
みたいな構成になっています。
●EXL120-7:.009-.042+.054 7弦セット
●EXL120-8:.009-.042+.054+.065 8弦セット
なんてのもありますけど。

▼D'Addarioの新提案「Balanced Tension」がいい!

そんなダダリオですから、ゲージセットの拡充は今日まで続けられているわけですが、なかでも特に注目してみてほしいのは「Balanced Tension」のゲージセット。

パッケージ的にはもう安心感しかないおなじみいつものダダリオ弦

パッケージ的にはもう安心感しかないおなじみいつものダダリオ弦

まずは同社のBalanced Tension弦紹介サイト(https://kcmusic.jp/daddario/balanced_tension.page.html)に掲載されている、通常ゲージEXL120とバランスドテンションEXL120の比較表をご覧ください。

いちばん特徴的なのは2弦と3弦。バランスドテンションでは2弦は微妙に太く、3弦は微妙に細くなっています(参考:https://kcmusic.jp/daddario/balanced_tension.page.html)

いちばん特徴的なのは2弦と3弦。バランスドテンションでは2弦は微妙に太く、3弦は微妙に細くなっています(参考:https://kcmusic.jp/daddario/balanced_tension.page.html

弦の太さがすっごい微妙に違う! 言い換えればすっごい微妙にしか違わない! この微妙なゲージ調整は一体何のため? ダダリオの答えはこうです。

「数学的に算出された最適ゲージの組み合わせにより、すぐれたコントロール性と快適な演奏性を実現したものです。チョーキング、カッティング、フィンガリング、ピッキング、どのような奏法においても均等にバランスのとれたテンションとなっています」

つまり、「すべての弦の張力のバランスを計算し最適化し直したことで、演奏時の感触がどの弦においてもより揃ったものになり、演奏しやすくなります」みたいなことだと思います、たぶん。先ほどの表のポイントは、「縦軸に示されている弦の張力、張りの強さの各弦のばらつきが、青色で示されているバランスドテンションでは従来のゲージセットよりも低減されている」ことだったわけですね。

実は筆者、このバランスドテンションが2013年に登場してから数年ほど様子を見て、「どうやらちゃんと継続的に販売されそうだ」という見込みを得て以降、ストラトで「EXL120BT(.009-.040)」を使い続けています。

その実感としては……うたい文句どおりに弾きやすい! イエス! バランスドテンション! イエス!

……すいません、バランスドテンションの弾きやすさのあまり僕のテンションのバランスがおかしくなってしまいました。とにかく実感を持っておすすめできます!

なおゲージ変更にともなうナット溝の調整は、「EXL120」→「EXL120BT」のようにベースとなった既存セットから同程度ゲージのバランスドテンションへの変更においては、必要はないことがほとんどかと思います。強いて言えば、ナットの溝の幅をよほどタイトにしてある場合はその調整が必要になるかもしれません。

ピック新素材「ウルテム」登場!

ピックはまさに指先ほどの小ささで、そして実に安価なアイテムですが、その小さくて安いピックが演奏性や音色に及ぼす影響は絶大。最小限の投資で最大限の効果を得られるギターアイテムはピック! と言っても過言ではありません。なのにその存在感が地味なのは解せん! 実に解せん!

そのピックの世界におそらく2000年前後に登場し、地味ながらも大きな革命となったのが、Craytonの「Ultem」素材ピック!

今となっては貴重?な、HUMAN GEARのカスタムオーダーで日本に入ってきていた時期のCrayton「Ultem」

今となっては貴重?な、HUMAN GEARのカスタムオーダーで日本に入ってきていた時期のCrayton「Ultem」

Ultem(ウルテム)は、スーパーエンジニアリングプラスチックの一種である「ポリエーテルイミド」の商品名。1980年代に開発されたその素材を、2000年代初頭にさっそくピックに採用したCraytonの先見の明や挑戦精神は実に見事! そのあたりのストーリーや同社のウルテムピックの製造方法へのこだわりなどは、同社スティーヴ・クレイトン氏がこちらのブログ記事で語っています。

・ULTEM - AMBER FIELDS OF GOLD
https://steveclayton.com/blog/steveclayton/cool-site/

実は同社ウルテムピックの正確な発売時期は調べきれなかったのですが、ウェブ検索で僕が見つけられた中でこのピックについて触れられている最古の記述は、2001年9月のこちらの記事「the Ultem pick by Steve Clayton(スティーヴ・クレイトンによるウルテムピック)」でした。

・Guitar Selection and Set Up for the Freddie Green Sound
https://www.freddiegreen.org/instruments/setup.html

そんなわけでおそらく2000年前後に登場したと思われるウルテムピックですが、僕の記憶では、日本市場ではまずHUMAN GEARブランドが「HUMAN GEAR CUSTOM PICK USAクレイトン社にカスタムオーダーしたピック」として導入したことにより、その知名度を高めたように思います。

・HUMAN GEAR CUSTOM PICK
http://www2.gol.com/users/yagi/html/parts/pick.html

▼ウルテムピックはもう完全にド定番!

僕も当時にまさにそのHUMAN GEAR CUSTOM PICKを試しましたが、最も一般的なセルロイド製のピックと比べての圧倒的な耐久性には驚かされました。目に見えてすり減っていくセルロイドピックに対して、ウルテムピックはその何倍も長持ちする印象です。

セルロイドピックよりやや硬く明るめなその音色については、正直なところ当時は、いいとも悪いとも感じていませんでした。ですが現在は、音抜けが不足しがちなFuzz Faceとの相性という観点からウルテム製ピックを愛用するようになっています。

そのウルテム、現在においては、さまざまなメーカーがさまざまなピックに採用する超定番素材となっています。なので基本的な形状のものであれば消耗品としての入手性も問題ありませんし、形状のバリエーションも選び放題です。

入手性も品質も安定しているという面ではやはり、ギターアクセサリー等の一大ブランド「Jim Dunlop」製の「Ultex」シリーズが最右翼でしょう。

なお昔のウルテムピックは反りの個体差が気になったのですが、現在は大体みんなちゃんとまっすぐです!

なお昔のウルテムピックは反りの個体差が気になったのですが、現在は大体みんなちゃんとまっすぐです!

ティアドロップの「Ultex Standard」とトライアングルの「Ultex Triangle」という基本シェイプモデルは、厚さのバリエーションも含めて、店頭でもネット通販で大体どこでもいつでもさっと入手できます。

選び方としては、まずはセルロイドピックよりもほんの少し薄めのゲージを選ぶのが、演奏の感触はあまり変えずに音色に硬さや抜けをちょい足しできるのでおすすめ。たとえばセルロイドのミディアムゲージは一般的に1mm程度の厚みなので、ウルテムなら0.73mmか0.88mmあたりがそれに近い感触です。

同社が誇る膨大なピックのラインアップには、ほかにもウルテム素材採用のものが多々ありますし、他メーカーもしかり。もう本当にド定番素材です。

▼手仕上げで演奏性を! 特殊な形や素材も増えてます!

そのウルテム素材に限らず、現在にはさまざまな素材やシェイプのピックがあふれています。基本は100円、高いものでも数百円なので、気になるピックを見かけたらぜひ試してみてください。千円超えてくるピックもまれにあったりしますが。

その「高いもので数百円」のほうに該当する製品は、ピックのシェイプ、特にエッジの処理にこだわったピックが多い印象です。その成形や仕上げに手間暇コストがかかっているのでしょう。

たとえばこちらのJim Dunlop「Primetone Sculpted Plectra Triangle」は、こんな感じでエッジがキレイに、しかも一律ではないなめらかさで仕上げられています。

新品でありつつしばらく弾いて「なじんだ」ようになめらかなエッジ

新品でありつつしばらく弾いて「なじんだ」ようになめらかなエッジ

説明によると「手仕上げのエッジ」とのこと。手作業で仕上げられているとなれば値段に反映されて当然です。まあそれでも数百円なのだからありがたい! でもこういう手仕上げって自力でもやれるのでは? なんて思いついちゃった人は挑戦してみるのもおもしろいかもですね。

そのほかにも本当にさまざまなピックがあり、常用はしにくいピックでも「この曲ではこういう音が出したい!」みたいなピンポイントな用途では活躍してくれたりするので、いろいろチェックして日頃からコレクションしておくのも楽しいですよ!

ここに並べてみたのは特殊用途なものが多いですが、普通の素材やシェイプで厚さのバリエーションを揃えておくだけでも世界が広がります!

ここに並べてみたのは特殊用途なものが多いですが、普通の素材やシェイプで厚さのバリエーションを揃えておくだけでも世界が広がります!

「定番」である大切さ! 新定番をねらえ!

最後に、ギターアイテムの中でも弦やピックのような「消耗品」においての超重要ポイントについて確認しておきましょう。それは「入手性」。消耗品には定期的な補充が欠かせません。そしれ、使い慣れた弦やピックを切らしてしまうと結構なストレスになります。

そこで特に気にかけてほしいのは「将来的長期的にも供給継続を見込めそうな製品であること」です。プロのインタビューでも時折見かけますよね、「愛用のピックが生産終了になってしまって、最後にまとめ買いした在庫を大切に使ってる」みたい苦労話。苦労、したくない!

なので、メインで使う弦やピックには「廃番の恐れが少なそうなもの」を選んでおくことを強くおすすめします!

では「廃番の恐れが少なそうな製品」とは?

そう、それが「定番」です。

いちばん間違いがないのは「昔からずっと売られている定番」ですよね。D'Addario「XL NICKEL」のごく普通のゲージとか、Fenderのセルロイドピックとか。でも、それだけだとさすがに選択肢が狭くなりすぎます。そこで常にチェックしておきたいのが、今回紹介したような「新定番」製品というわけです。

登場当初は、長期的な供給継続なんてどうなるかわからなかったアイテム、ElixirもBalanced TensionもUltemも、今や完全なる定番。安心して選べます。それでいて90年代には想像もできなかったほどの耐久性や演奏性を味わえるのです。

消耗品ではありませんが、Polytuneも90年代的な感覚からすれば本当に「へ?」ってくらいの超技術で超便利。気軽さにおいてはクリップチューナーも異次元レベルです。試してみようかなと思えたものがあったらぜひ……。

高橋敦

高橋敦

オーディオ界隈ライター。現在はポータブルやデスクトップなどのパーソナルオーディオ分野を中心に、下からグイッとパンしていくためにてさぐりで活動中。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る